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Wales, United Kingdom
日本と英国を行き来する2人のバイリンガルキッズの母。ロンドンで生まれた子供たちを連れて日本へ。横浜で英語で創作絵本を作るキッズ・クリエイティブ・ライティングの教室を開き、英語の絵本の出版。小学校で不登校になった息子を連れて、またまた英国へ。イギリスの自然と息子のテニス・トーナメントの応援と野菜作りを楽しむ日々を過ごしていましたが、社会人学生として大学に入学。

2014年1月27日月曜日

終わらない宿題

息子は字を書くのが苦手です。
字を書くのに時間がかかります。

漢字を書くのは苦手と言う子は多いと思いますが、息子はひらがなを書くのも苦手でした。

小学校1年生の1学期
新1年生は一斉にひらがなを習い始めます。


ひらがなって難しい

入学して間もなく、学校の宿題で、ひらがなの練習帳を持って帰ってくるようになりました。

かき直しの部分には付箋が張られていました。
直して学校に持っていっても、また同じページの同じ字がやり直しとなって戻ってきました。

書き直しても、またやり直し。

同じ字の書き直しを2度3度するのは当たり前。
 左側のはねを書き直したら、今度はバランスが悪いみたい。
先生が直してくれた赤字を見ながら何度も書き直す息子。

 訂正が何度もつづくと、どう直していいのか。親の私でもよくわかりません。

つくづく、ひらがなって難しい。

『幼稚園のクラスのお友達が塾に行って字を書く練習していたのはこの為か。』
後になって納得するのでした。

 終わらない宿題

宿題の練習帳に張られてくる付箋の数は毎日増えて、金曜日にはその数が20個近くになっていました。 とうぜん宿題にかかる時間も長くなります。

 今日もまた9時になってしまった。
ひらがなの宿題を始めてから、休みもなく2時間も座っている息子。

 一緒に隣に座っている私も疲れてきて「もう寝る時間だし、今日はこのくらいにしたら。 残りは明日にしたら。」と提案しても、「宿題はちゃんと出さないと。それに、明日になったら宿題がもっと増えるから。」と言い張る息子。

そのうちに、書き直しても自分で納得いかないのか消しゴムで消してしまうようになりました。
同じ部分を書いては消し、書いては消し。 紙が薄くなって破れそう。

宿題がはかどらないまま座っている時間が延びていきます。 いよいよ私も我慢できなくなり「今日はおしまい。明日の朝、学校へ行く前にやっていきなさい。」

心身疲れてさすがに文句も言わなくなった息子。
「それじゃ、明日の朝5時に起こしてね。」

それがだんだんと
「明日の朝3時に起こしてね。」
 「明日の朝1時に起こしてね。」 となっていきました。

 さすがに午前1時に小学校1年の子供を起こして宿題をさせる親なんかいません。
そんなの無理と却下しても、気になるのか自然と朝早く目が覚めてしまう息子。

 『この時、気がつけばよかった。』とその後不登校生になった息子を持つ母親は思います。

しかし、まだ入学したばかりの小学1年生と新1年生を初めて持つ母。
先生の指示通りに勉強をさせるのが当然と、毎日の宿題を終わらせようと親子とも必死でした。

 5月の体育大会が終わり、ほっと一息の6月の後半から息子の体調が悪くなり学校を休みがちに。 7月の最後2週間はお休みしたまま小学校最初の夏休みに突中してしまいました。

不登校生と宿題

 その後、長い間、ひらがなをマスターすることのできなかった息子。
不登校生になってから、『このまま字を書くこともできないとまずいぞ』と思い始めて家で勉強させようとしても、机に向かって鉛筆を持つのですが、そのまま固まってしまいます。

なぜ、書かない?字を書けないのは苦手以外の何かあるのでは。。。
学校から出される宿題も同じようにできないまま机の引き出しの中に増えていきました。

「今日はやるぞ。」と自分から宿題の紙を机においても、その紙に自分の名前すら書けない息子。
 鉛筆片手に何十分も同じ姿勢で座っている息子。

最後は「もうあきらめましょう。」と言うしかない母親でした。



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2014年1月21日火曜日

イギリスの学校教育 苦手なことより得意なこと コンピューターを利用した支援教育

不登校生と苦手なこと

息子は字を書くのが苦手です。

漢字を書くのは苦手と言う人は多いと思いますが、息子はひらがなを書くのも苦手でした。
字を書こうとすると固まってしまうことが多い息子。

 自分の名前をも書けずに、鉛筆片手に何十分も同じ姿勢で座っている息子。

小学校1年の2学期から学校へ行き渋りの息子の学力を心配して、家で勉強させたり宿題をさせようとした母親でしたが、コンピューターの画面がフリーズしたように同じ姿勢で動かなくなっている息子を前に何度あきらめたことか。

不登校時代、息子が書いたおつかいメモでさえ希少価値。思わず大切に取っておいてしまう程でした。

イギリスの教育とコンピューター

そんな息子が小学校5年生の時、イギリスの小学校へ転校する際に面接した副校長に息子が字を書くのが苦手だと伝えました。日本語はもとより英語など全く書けません。

『練習さえすれば字が書けるようになります』と言われたら、どう説明しようと悩む私。

すると「字を書くのが苦手ならコンピューターを使わせますから大丈夫です。」と即答が返ってきました。 「日本の小学校からの転校なら、英語の単語のスペルなどきっと知らないでしょうから、英語の時間はコンピューターのキーボードを使ってもらいます。」

イギリスの小学校には各教室にコンピューターがあります。長女のロンドンの小学校では、5歳児の準備学年(レセプション)の学級の時から休み時間にコンピューターを使って絵を書いたり言葉のクイズをしたりして、生徒達だけで遊んでいました。

苦手なことの多い息子でもキーボードならゲームで使ったことがあります。字を書くのと反対に、ゲーム機の操作は見ている者の目が回るほど素早くできます。

「キーボードさえ押すことができれば、あとはアシスタント・ティーチャーがついていますから大丈夫です。」という先生の言葉に、少し希望が見えてきました。

こうして、英語の授業は補助の先生が隣について息子はコンピューターを使ってクラスメイトと一緒に勉強できるようになりました。

「教室で僕一人コンピューターを使ってのだけど、クラスの誰も『ずるい』とか言わないんだよ。」と周りの目を気にしていた息子はほっとしたみたいでした。

イギリスの学校教育 苦手なことより得意なこと

日本で不登校生だった息子は苦手なことが多くありました。

苦手なことはしなくてもいいというイギリスの小学校。学校へ行くハードルが少し低くなりました。

イギリスの教育は苦手なことより得意なことに注目する。

手作りの自己紹介の名札には生徒の得意な物を描きます テニスとコンピューターを利用した支援教育
手作りの自己紹介の名札自分の得意なもの

中学校入学1日目にクラスメイトへの自己紹介の代わりに手作り名札を作って制服のTシャツに張ります。ステッカーに自分の名前と得意なものや好きなものの絵を描く簡単な名札。

絵をかくのも苦手な息子が描いた彼の得意なことは、「テニスラケット」と「コンピューター」でした。

「クラスの中で、コンピューターの絵を描いていた子も何人かいたけど、キーボードとマウスも描いたのは僕だけだったよ。」と嬉しそうに説明してくれました。

絵を描くのも自信がなくて苦手だった息子。
苦手なものがいっぱいあっても、1つでも得意なものが増えると自信がつくよね。




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2014年1月10日金曜日

イギリスの小学校 イギリス流友達の誘い方

イギリスの同級生

日本での不登校生活3年以上のギャップを乗り越え、小学校5年生にして初めて同じ学校の生徒と毎日通学できるようになった息子。

イギリスの学校へ転校して、最初の1週間目が終わった金曜日。

放課後、突然クラスメイトが訪ねてきました。

5・6名のクラスメイトの突然の訪問にびっくりした息子。(息子だけでなく家族みんなびっくり) 

玄関のドアが開いても、玄関に入ることもなくドアの外に並んでこちらの言葉を待つ子供達。

その中の1人が一歩前に出て「君は転校生だから、この土地にも慣れてないと思うし、友達もいないと思うから誘いに来たんだ。僕たちと近くの芝生の広場でフットボールをしない?」と言いました。

始めて見る息子のクラスメイトの登場にときめく私と困惑している息子。 

返事をしない息子に、その子はあわてて「転校生が来るといつもこうやって誘うんだよ。別に断ってくれてもいいんだよ。」と続けました。

 それでも黙っている息子。

 こんな場面、以前にもあったなぁ。

 沈黙のにらみ合い 

日本で息子が学校に通わなくなり始めた頃、クラスメイト数人が息子の所を訪ねてくれました。

いままでは学校内外で仲良く遊んでいたお友達。 

「あそぼうよ。」とみんな口々に声をかけてくる友達を前に玄関先で黙って突っ立っている息子。 

誘いの言葉をいっぱいかけても、黙っている息子にしびれを聞かせて何も言わなくなった同級生達。

 玄関で沈黙のにらみ合いが続きました。 

最初は、子ども達だけにまかせようと少し離れた所から成り行きを見ていた母親ですが、あまりにもこのにらみ合いが長く続き、しかたなく「ありがとう。今日は無理だから、また別の日に遊びに来てね。」と助け船をだしたのでした。 

それからは『またいつにでもお友達が誘いに来るかもしれない』と外から子供の声が聞こえてきただけで、二階のトイレに隠れてしまうようになった息子。 

何度か誘いに来てくれたクラスメイトも、全く顔を出さない息子と断ってばかりの母親にだんだん足が遠のいていきました。

放課後のフットボール 

イギリスでも、この最初の訪問から何度もクラスメイトがとっかえひっかえ訪ねてくれましたが、ドアベルが鳴るだけでこわがって隠れてしまう息子。 

そのうちに、息子のクラスのお友達は、放課後に近所の芝の広場で毎日のように遊んでいるらしいとわかりました。

学校から帰って来た息子に 何気なく声をかけて散歩に連れ出すと、案の定、近所の広場で息子のクラスメイト達がフットボールをしていました。

道路の反対側を歩いている私たちを見つけた子供たちは息子の名前を呼びながら手招きしてくれました。「一緒にフットボールをしようよ。」 

その途端、固まって動かなくなった息子をその場に残して、道路を横切り、遊びの輪に参加した私。

 しばらく呆然と歩道につっ立っていた息子も、さっさとサンダルを脱いで小学生に交じってフットボールをし始めた母親をみて、あきらめたのか道路を渡ってきました。

 母親とバトンタッチでフットボールの輪に入った息子。「君、足が速いね。」とか「フットボールうまいね。」とか友達から声がかかります。 

それから数日した放課後、また息子のクラスメイト数人が訪ねてきました。

隠れきれずに玄関で応対した息子に、1人の子が「この間、一緒にフットボールをしたから、君も少しは僕達に慣れたかと思って、また誘いに来たよ。」と話します。

 「今日もこの間と同じメンバーで、広場でフットボールをしているから、一緒にどうかなと思って。でも、君もいろいろあると思うから、断ってくれていいんだよ。」

断ってもいいと言われたことで、少し気が楽になった息子。

「今日は悪いけど、疲れているから。」と答えました。(心の中で『残念!』と思っている母親) 

その翌週、学校から帰って来た息子が「今日、クラスメイトと広場でフットボールをすると約束をした。」と元気に話してくれました。 

家に誘いに行ってもどうもうまくいかないと気がついた同級生は『学校で約束をする』方法を考えたみたいでした。 

「大勢で家に誘いに来ると僕が気後れするかもしれないから、だれか代表一人が迎えに来た方がいいか、それともみんなで迎えに来た方がいいかと聞かれたから、代表の人に迎えに来てほしいと頼んだ。」と嫌な顔をせずに話してくれた息子。(『無理やり約束を取り付けられた感じではないな。』と安心する私) 

何度も玄関に通じる前庭の窓から友達が来るのを確かめている息子は、子どもの声がしただけで震えあがっていた頃とは違いました。

 誘いに来たお友達代表と元気に出かけた息子。

イギリスの小学校 ポロシャツの制服 息子へクラスメイトからの卒業メッセージ
制服のポロシャツに書かれた
息子へのクラスメイトの卒業メッセージ

イギリス式友達の誘い方 

これでもう大丈夫かなと思っていましたが、

それから何度もクラスメイトがお誘いに来ても、相変わらず断ることの多い息子。 

断る頻度の多さは『よく懲りずに誘いに来てくれるなぁ。』と思うほど。 

そんな、ある日、友達の誘い方にあるパターンがあるのに気がつきました。 

1.玄関のドアが開いても中に入らずドアの外で応対する。 

2.何人で誘いに来ても、必ず1人の子だけが1歩前に出て代表者のように応対する。 

3.息子を誘いに来る前に友だち同士で話して決めたこと(これから誰とどこでどのように遊ぶのか)を分かりやすく説明してくれる。

4.誘う理由を的確に説明してくれる。

5.誘いの言葉の後、必ず「断ってもいいんだよ。」と断りやすくしてくれる。

6.断られても「残念だけど、君も忙しいと思うから。また、誘いに来るよ。」と納得したことを伝える。 

この誘い方が、相手のことを考えすぎて緊張しやすい息子にとても有効だったことがすぐ分かりました。

まず、受け答えをする相手が代表者1人で話しやすい。友達と集まる理由やこれから何が起きるかがわかりやすい。

その中でも一番の大きなポイントは、誘う方から『断ってもいい』と前もって言ってくれることでした。

イギリス流断り方断られ方

転校してから1年以上たち卒業式が近くなっても、相変わらずお誘いを断ることが多かった息子。

「悪いけど、出かけたくない気分だから。」という息子の言葉に、つきあいも長くなってきた友人は肩をすぼめて腕を広げて『そうか、残念だ。』というジェスチャーと共に、首をかしげて『了解したよ。』と納得したといった顔つきで何度か頷いてくれました。

言葉なくして「一緒に遊べないのは残念だけど、君の都合もあると思うから分かったよ。」というメッセージを一瞬で表現した息子のクラスメイト。ハリウッドの子役スターかと思うような演技力。

 やはりイギリスの小学校で日頃から行われている演劇(ドラマ)の練習の賜物でしょうか。 

「誘いに来てくれてありがとう。」

こうして何度も友達の誘いを断ってきた息子が答えるようになっていました。



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