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日本と英国を行き来する2人のバイリンガルキッズの母。ロンドンで生まれた子供たちを連れて日本へ。横浜で英語で創作絵本を作るキッズ・クリエイティブ・ライティングの教室を開き、英語の絵本の出版。小学校で不登校になった息子を連れて、またまた英国へ。イギリスの自然と息子のテニス・トーナメントの応援と野菜作りを楽しむ日々を過ごしていましたが、社会人学生として大学に入学。
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2014年10月16日木曜日

校長室登校 4 校長先生の漢字カード

書かない漢字の勉強法

不登校生になり初めて校長先生の家庭訪問があった時、短い時間で息子のことを理解してくれた校長先生。

校長室で校長先生との息子の二人だけの勉強会が行われるようになってすぐに息子が字を書くのが苦手な事に気がついた先生。

「でも、漢字に興味がありますね。」と、またまた息子のできる部分を見つけてくれました。

ひらがなで自分の名前を書くのも苦手な息子。字を書くのにすごく時間がかかります。

鉛筆を握りしめたまま、机の上の白い紙を睨み続ける息子。

不登校性になってから宿題の紙に名前を書くところで断念する親子でした。

でも、字を読むのは苦にならないみたいです。漢字も読むのは大好き。

難しい漢字もシンボルやアイコンみたいに見えるみたいです。
「これなんて読むんだろう?」息子の興味をそそります。

これに目を付けた校長先生は息子にあった面白い漢字の勉強法を考えてくれました。

それは、つくり・へん等の部首を覚えることでした。
『部首の名前を覚えて、組み合わることで漢字を表現できたら』という発想でした。

 「いち」から「おおいかんむり」までの100の部首のカードを作る作業を校長先生と何週間もかけて行なった息子。

校長先生が用意しておいてくれた部首の紙をはさみで切って台紙に張って、裏にはその部首で作られている漢字のリストを貼る。お手本のカードができたら、それを見ながら、部首を書いて裏にはその読みを書いたカードを作る。

字を書くのが苦手な息子でしたが、簡単なつくりやへんならなんとか書けそう。
簡単そうな作業ですが、だんだんと部首の形も複雑になっていきます。時間をかけて少しづつ少しづつ作業が続いていきました。

書かかない漢字の勉強法 部首カード
100枚の部首カード


そのうちに「あの○○っていう漢字は、『○へん』と『あくび』を合わせるんだよ。」とか漢字を口頭で説明してくれるようになった息子。

 「あくび?」

「さんずい」や「うかんむり」や「にんべん」とかはさすがに覚えていますが、「ひらび」とか「ひき」とかいわれても全く形が頭に浮かんでこない母でした。

家でも辞書や本で習ってきた部首を探したり、「この漢字は『いちじゅう』を組み合わせるんだね。」と息子の漢字や語彙力は増えていくのでした。

 同じ漢字を何度も何度も書いて身体で覚えていくという勉強を小学生の時にした私には、この全く字を書かずにどんどん漢字を覚えていく息子に不思議さを感じました。

こうやって息子は、パズルのパーツを組み立てるように頭の中で漢字を覚えていったのでした。

そして、この漢字や語彙力があったことで、息子はイギリスに引っ越してから受けたGCSEの日本語の試験に合格できたのでした。



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2014年7月25日金曜日

不登校生の漢字の勉強法

GCSE 日本語試験

日本から英国に引っ越した1年目にGCSEのJapaneseの試験を受けた息子。全く試験準備も行わず望んだ試験。それでもグレードCを取れました。

日本の小学校で不登校生だった息子が初めて受けた公式な全国学力試験。 英国に来て義務教育修了学力試験と言われるGCSEを一つ取った息子。

 いくら日本に住んでいたと言っても、そんなに簡単にGCSEの日本語の試験を受けて合格できるの?
不登校生で小学校での勉強をしないでも、GCSEの日本語試験は合格できるの?
漢字の勉強をしなくても大丈夫なの?
そんなにうまい話があるの?

多分、このブログを読んでいて、こう思われた方もいるでしょうが。

 「そんなうまい話はありません。」 

日本での不登校時代には鉛筆を持たせても何も書けずに真っ白な紙とにらめっこしていた息子が、イギリスへ転校して小学校に通えるようになったからといって、いきなり漢字やひらがなの勉強をできたわけではありません。

 不登校生の漢字の勉強法


日本で小学校1年生から学校へ行き渋りが始まり、4年生まで不登校生だった息子。

もちろん勉強は同級生に比べて大幅に遅れていました。 字を書くのが苦手でひらがなも書けたり書けなかったりした息子。

それでも、息子には一つだけ「僕、この勉強はできるんだ。」というものがありました。

それは字を書くのは苦手でも、字を読むのは得意だったのです。漢字を読むのも大好きでした。

 30日の欠席により正式な不登校生になった息子を訪ねて校長先生の家庭訪問がありました。
「学校で勉強しなくても、勉強はできます。息子さんは向学心があるので大丈夫です。」と心強い言葉をかけてくれた先生。

「その代わり本などをたくさん与えてください。」という校長先生のアドバイスもあり、息子が興味をもった図鑑や本はなるたけ手に入れていました。できるだけ多くの資料に触れてもらいたいと朝から自転車で図書館まで通ったり。

その内、姉が学校に行き、朝ごはんの片付けをしていた後、気が付くと息子は自分の部屋で図鑑や本を読んでいました。

 日本語の素晴らしいところは、ひらがなが読めればルビの付いている漢字は全て読めることです。

カタカナも素晴らしい。どんなに難しい恐竜や星の名前も世界の国々の名前もカタカナが読めれば発音できるわけです。

50のひらがな(カタカナ)の音と字を覚えれば、どんな名前も読める。26文字で40以上の音を作る英語とここが違います。 

英語は単語のつづりと発音の関係が複雑で、7歳の息子が一人で本を読んで独学できるのは難しかったかも。一人で百科事典を読み進めている息子を見ると、日本語だからできるのかなと思ったりしました。

ひらがなやカタカナを書くのもままならない息子でも、読むのはすごい速さ。字を書かせようとしてもできない時は何時間もかかるのに、同じ字を読むのは瞬時にできる。

 ゲームをしている子供達を見ているとわかると思うのですが、息子もすごい勢いでゲーム機に現れるコメントを読んでいきます。

 「本当に読んでいるの?」と聞くと、「もちろん。読まないとストーリーがわからなくなるから。」

足りないものをあるもので補うと言うのはこういうことか。これを自然の法則というのかな。
妙に納得する母でした。

「無いならいい。あるものだけを見ていこう。」


不登校生になっても自分なりに自然に成長していく息子を見て『足りない力を嘆かずに、息子の持つ力を信じていこう』と、自然に思うようになった母でした。

 子供の為の本や図鑑以外にも、ひらがな・カタカナだけでできている文章や、ルビの付いている読み物は身の回りにたくさんありました。

机に向かって勉強しなくてもどんどん漢字の読みの力をつけていく息子。学習とは色んな所からできるものだなぁと実感する母でした。

 不登校生といっても家にずーっといることはありません。 学校に来ないで家でボーっとしているのだろうと思われているかもしれませんがとんでもない。

不登校生は学校に行けない分、それはそれで、病院だの、カウンセリングだの、不登校生専門の施設だの不本意ながらいろんな場所に連れて行かれるのです。 

外出すると「これなんて読むの?」と広告や標識の漢字を指さして聞いてきたり、スーパーで食材の名前を読むのは大好きな息子。調味料も読んで細かく説明してくれます。

電車の吊し広告は嫌が上でも子供の興味をそそります。最近は電車の中でビデオが流れたりして、漢字クイズのビデオを楽しめたりします。

学校のカリキュラムにそって習わない彼の漢字の勉強はいろんな分野に広がりました。

そのうちに、高学年の姉に小学校で習わない漢字の読み方を教えるようになった息子。

そんな息子の姿を見て、校長先生の「学校のカリキュラム通りに勉強ができなくても、最終的に社会に出る時どんな力を持っているかです。」と言う言葉を思い出しました。

学習指導要領に沿って漢字を覚えられなくてもいいじゃないか。」と不登校生を持つ母の焦りは少しづつ和らぐのでした。

不登校生の漢字の勉強法 学年別漢字配当表 全数1006字 資料:文部科学省
学年別漢字配当表 小学校で習う漢字全数は1006字 

小学校で習う漢字表ポスター 学年別漢字配当表 


不登校になってから学年がかわり、だんだんクラスで勉強していた頃が遠く離れた過去のことみたいに感じる様になっていきました。

学校に関する事に不安を感じている息子は、学校から届く宿題の紙や時間割の紙を見ることもありません。

同級生が学校で今どんな漢字を勉強しているか息子はよもや知ることもないだろうと思っていました。

ある日、「この漢字はまだ2年生では習わないんだよ。これは5年生で習うの。」と言う息子。

「どうして知っているの?」
「いつも漢字表を見ているから。」

姉の勉強にと居間の壁に貼ってあった学年別に分けられた小学校で習う漢字表のポスター

毎日学校で勉強できない分、自分で勉強しないといけないと潜在意識がさせたのか。

ふと気が付くと息子はこの漢字表の前に座っていました。最近、見かけた漢字を探して「この漢字は3年で習うんだよ。」「この漢字は小学校では習わないんだね。じゃあ、まだ習わなくても大丈夫だね。」 

学校で毎日クラスメイトと一緒に授業を受けることがなくても、クラスメイトがどんな勉強をしているのか、どんな漢字を習っているのか。不登校生になっても、学校での勉強がいつも息子の心の中にありました。



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2013年12月16日月曜日

校長室登校の成功の秘訣

校長先生のお誘い

「校長室におもしろいものがあるから、見においで。」と誘われて、数週間以上学校の正門をくぐることができなかった息子が校長室を訪れました。

 なんだかこんな風に書くと簡単なように聞こえますが、校長先生の家庭訪問からわずか1週間で登校できたのは「いろんな思い入れと策略がうまくかみ合った。」からだと思います。 

校長先生の家庭訪問で先生への信頼感を持てた。
校長先生の声かけの仕方も不登校の息子に分かりやすかった
校長先生によって校長室訪問のスケジュールが丹念に考えられた
これらによって息子の登校は成功したと思います。

待っていた学校復帰へのシグナル

 不登校になってから、同級生はもとより小学校の同じくらい年齢の子供たちに会うと固まってしまう息子。家にいても外から小学生の声が聞こえただけで怖くなり隠れる日もあったり。

校長先生は、こんな不登校生の気持ちをわかっていたのか。「生徒のいない時間帯に来てもらったほうがいいかな。他の生徒にも会う可能性が減るし、下駄箱のある入口より校長室に一番近い正面玄関から直接入ってきてもらほうがいいかな。」と訪問日の予定を立ててくれました。

「学校に来れなかったら、校長先生がまた会いに来るからね。」と第2の提案もしてくれました。1番目の案がうまくいかなかったら2番目の案があると知っていたことで、親子ともどもプレッシャーが減りました。

 特に、息子はこの2番目の案があることで、かなり気持ちが楽になっていたみたいでした。 「校長先生にまた家に来てもらってもいいけど、校長室に行くといっぱい見れるんだよね。」

なんだかたわいない言葉に聞こえますが、実は、ここに彼なりの精いっぱいのがんばりがありました。

離れるほど存在が大きくなっていく学校というものに、息子はどうやって戻ったらいいのかその糸口を探していたような気がします。

もちろん、学校へ行けば、先生もお友達もいっぱい暖かく迎えてくれるのですが、彼自身が戻る道を見つけられずにどうしようと思っていた時に、校長先生の声かけがあったのでした。

 「学校の正門までおいでよ。」とか「保健室においでよ。」とか学校へ戻るお誘いは、それまでもいっぱいもらっていた息子でしたが、彼にとって難しい部分は「学校に行ってから何をするの?」という疑問でした。

「学校でどうやって時間を過ごすの?」という疑問は、「不安な気持ちを持ったまま何時間も過ごさないといけない。」という答えに結びつき、彼の勇気の妨げになっていました。

校長先生のお誘いは、息子にとって、待っていたシグナルでした。

分かりやすい戦略

  校長先生の戦略は一言で言うと『簡単なことから始める。明確な計画を教えておいて、納得してもららってから行動する。』

登校の目的と滞在時間、そして場所までのたどり着き方がはっきりとわかって納得しやすいことが息子には大きな励みになりました。

 「校長室で先生が話してくれたおもしろいおもちゃを見る。」
 「学校にいる時間は1時間。」
 「他の生徒に会わない時間帯」
「正面の入口から校長室に直行する。」

この校長先生の明瞭な提案は、不登校生だった息子に登校というハードルを低くしてくれました。 

こうして校長室で楽しい1時間を過ごした息子は、それから毎週校長室へ通うようになりました。 


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正式な不登校生 校長先生の家庭訪問

2013年9月15日日曜日

正式な不登校生 校長先生の家庭訪問

校長先生お勧めの絵本

校長先生が、息子に会う為にわが家を訪問された時に、一緒に絵本を持ってきてくれました。

ドロシー・マリノの『くんちゃんのだいりょこう』
こぐまのくんちゃんが、秋に南の国へ飛ぶ立つ渡り鳥の後を追いかけて、冒険に出ようとする話です。
心配するお母さんぐまを家において、一人で出かけてしまう息子の話。

 学校に行けずに、家にこもっている息子をもつ母としては、
 『独り立ちできる息子をもったくんちゃんのお母さんがうらやましい。』
 『校長先生は、この本を、不登校の息子でなく、親の為に選んだのかしら?』とまで思ったりして。

校長先生お勧めの絵本 ドロシー・マリノ作 くんちゃんのだいりょこう
絵本ドロシー・マリノ作 くんちゃんのだいりょこう

校長先生の初めての訪問

30日以上の不登校により、息子が正式な不登校生になった時、初めて校長先生の家庭訪問がありました。
この校長先生の家庭訪問があった後は、それまで、小学校に戻れない息子と模索していた毎日が、大きく変わったような気がしました。

だからといって、不登校の息子が、毎日学校に通うようになったわけではありません。
息子は、それから3年後にイギリスへ転校するまで、自分のクラスルームで同級生と一緒に授業を受けることはありませんでした。

それでも、不登校生になったことで悩んでいた私達の気持ちに、大きな展開があったと思ったのは。。。

 1年生の1学期に学校を休み出してから、半年後には、1カ月近くの長期の休み続きとなり、正式な不登校生になるまでの間に、学校の担任の先生や副校長先生、スクールカウンセラーを含むいろんな教育関係の方に、息子のことを相談しました。


「今は様子を見ましょう。」とか「次にまたお母さんと相談しましょう。」とか不登校生について相談にのってくれたり、提案などしてくれたけど。。。

何かが違う?

『一つも息子が学校へ戻れるきっかけづくりにならない。』

焦りました。それ以上に、相談する相手に不信感がわいてきたり。

『息子という人間を、個人的に興味をもってくれた先生はいたかしら?』
『息子がどのような人間なのか、よく知っているのかしら?』

 担任の先生が訪問に来ても、トイレに隠れてしまって会わなかった息子。

<自分が何に興味を持って、どんな考えを持っているのか。>
小学校1年生の1学期から学校を休みだし、自分をアピールする間もなく、学校へ行けなくなってしまった息子。

校長先生と息子のおしゃべり

わが家を訪問した校長先生と息子は、自宅の居間に貼ってあるポスターの恐竜の話をしたり、先生が持ってきてくださった絵本の話をしたり、いろいろなことを話していました。

最初は、緊張していたように見えた息子でしたが、彼の興味を引きだすような質問に、安心したのか、しっかりと質問に答えたり、自分の意見を伝えたり、楽しいおしゃべりをしている様に見えました。

「学校にどうしてこないの?」とかいう質問もなく、学校のことに触れる話は出ませんでした。

 息子がどんなことに興味を持っているのか、彼の頭の中はどんなことが詰まっているのか。
彼の思想の引き出しを開けるような楽しい会話でした。

わずかの短い時間の中で、息子のことを「面白い子だ。」と感じてくれた先生。
 『息子の人間性に興味を持って接してくれた先生』と母は感じました。

 息子と話をした後に、母親に語られた校長先生の言葉。

「息子さんは、いろんなことに自然に探究心を持って、一人で勉強して吸収できるお子さんです。家で本を読んだりテレビをみたり、外を歩いていろんなところから自然に学んでいくでしょう。学校に来れなくても、彼は一人でも勉強して、社会に出る為に必要な知識はつけていくでしょう。心配しなくても大丈夫です。」

「私も、そうだと思っています。そういう意味では息子のことは心配はしてません。」 と答えた私でしたが、

 『いえいえ、先生。それでも、他の子と同じように学校に通ってほしいのですが。』
 心の中では、おもわずそうつぶやいた私でした。

不思議なことに、この時の校長先生の言葉は、この後もずーっとクラスで授業を受けることがなかった子供を持つ母親の大きな励みになりました。

 『息子のことを理解してくれた先生が小学校にいる。』

共感できる先生が一人でも学校にいるという思いは、
「この先生のいる学校なら、息子は学校へ戻れる。」という思いにつながりました。
頼みの綱がようやく見つかったような気がしました。

校長先生の面白いもの

息子も校長先生に対して共感を感じたみたいでした。

帰り際に校長先生から「校長室には、今話したような面白いものが、いっぱいあるから見においで。」と誘われて、 「『校長室にあるおもしろいもの』を見に行くだけなら学校へ行けるかも。」と息子は思うようになったのでした。

「学校に来るのが無理だったら、また、校長先生が遊びに来てもいいけど。」と提案もしてくれましたが、校長先生の家庭訪問は、この日1日で終わりました。

 この初めての校長先生の家庭訪問の後、息子は週に1回校長室に訪問するようになったのでした。



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