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日本と英国を行き来する2人のバイリンガルキッズの母。ロンドンで生まれた子供たちを連れて日本へ。横浜で英語で創作絵本を作るキッズ・クリエイティブ・ライティングの教室を開き、英語の絵本の出版。小学校で不登校になった息子を連れて、またまた英国へ。イギリスの自然と息子のテニス・トーナメントの応援と野菜作りを楽しむ日々を過ごしていましたが、社会人学生として大学に入学。
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2014年10月16日木曜日

校長室登校 4 校長先生の漢字カード

書かない漢字の勉強法

不登校生になり初めて校長先生の家庭訪問があった時、短い時間で息子のことを理解してくれた校長先生。

校長室で校長先生との息子の二人だけの勉強会が行われるようになってすぐに息子が字を書くのが苦手な事に気がついた先生。

「でも、漢字に興味がありますね。」と、またまた息子のできる部分を見つけてくれました。

ひらがなで自分の名前を書くのも苦手な息子。字を書くのにすごく時間がかかります。

鉛筆を握りしめたまま、机の上の白い紙を睨み続ける息子。

不登校性になってから宿題の紙に名前を書くところで断念する親子でした。

でも、字を読むのは苦にならないみたいです。漢字も読むのは大好き。

難しい漢字もシンボルやアイコンみたいに見えるみたいです。
「これなんて読むんだろう?」息子の興味をそそります。

これに目を付けた校長先生は息子にあった面白い漢字の勉強法を考えてくれました。

それは、つくり・へん等の部首を覚えることでした。
『部首の名前を覚えて、組み合わることで漢字を表現できたら』という発想でした。

 「いち」から「おおいかんむり」までの100の部首のカードを作る作業を校長先生と何週間もかけて行なった息子。

校長先生が用意しておいてくれた部首の紙をはさみで切って台紙に張って、裏にはその部首で作られている漢字のリストを貼る。お手本のカードができたら、それを見ながら、部首を書いて裏にはその読みを書いたカードを作る。

字を書くのが苦手な息子でしたが、簡単なつくりやへんならなんとか書けそう。
簡単そうな作業ですが、だんだんと部首の形も複雑になっていきます。時間をかけて少しづつ少しづつ作業が続いていきました。

書かかない漢字の勉強法 部首カード
100枚の部首カード


そのうちに「あの○○っていう漢字は、『○へん』と『あくび』を合わせるんだよ。」とか漢字を口頭で説明してくれるようになった息子。

 「あくび?」

「さんずい」や「うかんむり」や「にんべん」とかはさすがに覚えていますが、「ひらび」とか「ひき」とかいわれても全く形が頭に浮かんでこない母でした。

家でも辞書や本で習ってきた部首を探したり、「この漢字は『いちじゅう』を組み合わせるんだね。」と息子の漢字や語彙力は増えていくのでした。

 同じ漢字を何度も何度も書いて身体で覚えていくという勉強を小学生の時にした私には、この全く字を書かずにどんどん漢字を覚えていく息子に不思議さを感じました。

こうやって息子は、パズルのパーツを組み立てるように頭の中で漢字を覚えていったのでした。

そして、この漢字や語彙力があったことで、息子はイギリスに引っ越してから受けたGCSEの日本語の試験に合格できたのでした。



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2014年4月15日火曜日

イギリスの学校 特別支援教育(SEN)と個別教育計画(IEP)

特別支援のミーティング

イギリスの小学校に転校してから初めての担任の先生との保護者面談がありました。
その時に「息子さんは特別教育支援(Special Education Needs:SEN)の生徒ですので、特別支援の教師との保護者面談もあります。」と言われました。

担任の先生の保護者面談と違い、息子を通さず直接学校からの電話で面談日が決まりました。
担任の先生との面談場所はクラスの教室だったのに、今回の面談は校長室で行われました。
挨拶して入ると部屋に待っていた面談担当の先生の人数が3名と知って少しびっくり。

3名の先生の一人は息子をクラスでサポートしてくれる顔見知りの副担任の先生 
もう一人は初めてお会いする先生で息子の個別支援の先生 
最後の一人は息子とも面識がないという教育委員会(Local Education Authority:LEA)の先生でした。

初めてお会いする先生が2名もいて、担任の先生との保護者面談とは違う重々しい雰囲気に少し気が引いた母。

これが、IEPミーティングと呼ばれる特別支援教育(SEN)の児童の為の支援チームのミーティングでした。

このミーティングには必ず児童の保護者も出席することが要求されています。

IEPってなに? 

IEPは、英国では『Individualized Education Plan』と呼ばれる生徒一人ひとりの為に作られる個別の教育計画表です。

IEPは特別教育支援(Special Education Needs、略してSEN)を必要とする個々の児童の為に作られて、その生徒に携わる先生やサポーターの教育指導の目安となります。

息子はSENの生徒として、週2回 英語の個別指導を受けていました。
英語の個別指導は外部の専門の先生が息子専用のIEPに従って行います。 

英語の個別授業以外の学習サポートにおいては学校のSENの資格を持った先生や副担任の先生が、やはりこのIEPに従ってクラスでの授業や少人数の取り出し授業の時に息子の学習サポートを行っていきます。

 突然3人の先生との面談と知って思わず気持ちが引いてしまった母とは反対に、どの先生もとても朗らかでした。

特に教育委員会の先生は「なぜこの人がいるのかしら???」と不思議がる両親に「息子さんとは面識がないが、彼のことはこの2名の先生や学校のSENCO(SENコーディネーター)の先生からよく聞いて知っています。息子さんの学習カリキュラム(IEP)は私が作成しています。」と説明してくれました。

そして、息子のIEPを見せてくれました。
イギリスの教育制度 特別支援 教育計画表(IEP)
イギリスの特別支援の教育計画表(IEP)


 IEPには必ず学習における「ターゲット」「方法・戦略」「結果」が書かれています。通常、3つから4つの短期的目標をあげています。

その他に児童の得意・不得意および不安となる材料、IEPがどのようにコーディネートされているか特別支援およびサポートチーム詳細、達成までの期間、IEPの見直しのタイムライン、学習サポート以外に提供されているサポートが含まれる場合もあります。

息子のIEPにも以下の項目がありました。

  1. Target to be achieved (達成するべきターゲット)
  2.  Achievement Criteria (達成基準)
  3.  Possible resources  (利用できる資料)
  4. Possible Class Strategy (利用できる教室でのストラテジー)
  5. Ideas for support/TA (支援の仕方/ティーチングアシスタント)
  6. Outcomes (結果)


このIEPは決して個別指導および特別支援を行う先生のみが利用するものではなく、担任の先生およびその児童に携わる学校の全ての先生がこのIEPを理解して、必要なフィードバックをSENCOと呼ばれるSENのコーディネートの先生に行います。

そのフィードバックはSENCOの先生を通してIEPを作成する専門家の先生に届き、IEPの見直しが行われます。

 IEPの見直しは、年数回行われて、最低でも6ヶ月に1回は見直しが行われます。

息子のIEPミーティングは2学期のはじめに行われたので、結果は記入されていませんでしたが、見直しは新学年が始まってから10月、12月とすでに2度行われていました。

IEPは英語や算数などの教科の学習だけを目的にされていません。コミニュケーション社会的スキルの分野も含めてターゲットを設定して指導が行われます。

教育委員会の先生も、日本で生活、不登校だったこと、バイリンガルであること等息子に関して幅広く興味を持って保護者の話を聞いてくれました。そして、息子に普段は接していないのに、体育が得意なこと、シャイだけど的確な話し方を誰ともできること等息子のことをよく知っていました。

この日に初めて息子の転校時に行われたアセスメントのテスト用紙も見せてもらいました。

英語が書けないのでほとんど白紙のテスト用紙。
アルファベットどころか数字も書けない部分が多くありました。

「このテストの結果を見て、私達には、息子さんが学習のサポートがどのくらい必要がわかります。」と副担任の先生からのコメント。

不登校時代を彷彿させる真っ白な回答用紙。

 『はい、彼に学習支援が必要なのは、誰が見てもわかるでしょう。』と母は思うとともに、テストの行われた日からわずか数ヶ月で息子の学力が大きく変わったことを感じました。

日本からイギリスの学校へ転校して、英語圏以外の国からの転校生ということで特別支援(SEN)の生徒と認められた息子。

学校へ通えるようになってラッキー。学校で個別指導が受けられてラッキー。教室の授業でもサポートの先生がついてくれてラッキー。なんて思いながらも、どんどん自信をつけて変わっていく息子をみて母は不思議でした。

しかし、彼の変化の裏にはこんなイギリスの学校教育の支援システムがあったのでした。

息子は学校の内外を通して大きな教育支援システムのネットに支えられていたんだと初めて気が付かされたIEPミーティングでした。

ただ、息子がイギリスの小学校ですぐに特別教育支援を受ける事ができたのはラッキーだったのかなと思うこともあります。なぜなら、イギリスの学校でSENの生徒として認めてもらうのに時間がかかったり、十分な適宜な指導が行われていないと感じる児童や保護者もいるからです。

イギリスにSEN専門の弁護士がいたりするのはその実情を裏付けているのではないかと思います。


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参照: 英国 The National Autistic Society http://www.autism.org.uk/, 英国政府https://www.gov.uk/children-with-special-educational-needs/overview,



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2014年1月21日火曜日

イギリスの学校教育 苦手なことより得意なこと コンピューターを利用した支援教育

不登校生と苦手なこと

息子は字を書くのが苦手です。

漢字を書くのは苦手と言う人は多いと思いますが、息子はひらがなを書くのも苦手でした。
字を書こうとすると固まってしまうことが多い息子。

 自分の名前をも書けずに、鉛筆片手に何十分も同じ姿勢で座っている息子。

小学校1年の2学期から学校へ行き渋りの息子の学力を心配して、家で勉強させたり宿題をさせようとした母親でしたが、コンピューターの画面がフリーズしたように同じ姿勢で動かなくなっている息子を前に何度あきらめたことか。

不登校時代、息子が書いたおつかいメモでさえ希少価値。思わず大切に取っておいてしまう程でした。

イギリスの教育とコンピューター

そんな息子が小学校5年生の時、イギリスの小学校へ転校する際に面接した副校長に息子が字を書くのが苦手だと伝えました。日本語はもとより英語など全く書けません。

『練習さえすれば字が書けるようになります』と言われたら、どう説明しようと悩む私。

すると「字を書くのが苦手ならコンピューターを使わせますから大丈夫です。」と即答が返ってきました。 「日本の小学校からの転校なら、英語の単語のスペルなどきっと知らないでしょうから、英語の時間はコンピューターのキーボードを使ってもらいます。」

イギリスの小学校には各教室にコンピューターがあります。長女のロンドンの小学校では、5歳児の準備学年(レセプション)の学級の時から休み時間にコンピューターを使って絵を書いたり言葉のクイズをしたりして、生徒達だけで遊んでいました。

苦手なことの多い息子でもキーボードならゲームで使ったことがあります。字を書くのと反対に、ゲーム機の操作は見ている者の目が回るほど素早くできます。

「キーボードさえ押すことができれば、あとはアシスタント・ティーチャーがついていますから大丈夫です。」という先生の言葉に、少し希望が見えてきました。

こうして、英語の授業は補助の先生が隣について息子はコンピューターを使ってクラスメイトと一緒に勉強できるようになりました。

「教室で僕一人コンピューターを使ってのだけど、クラスの誰も『ずるい』とか言わないんだよ。」と周りの目を気にしていた息子はほっとしたみたいでした。

イギリスの学校教育 苦手なことより得意なこと

日本で不登校生だった息子は苦手なことが多くありました。

苦手なことはしなくてもいいというイギリスの小学校。学校へ行くハードルが少し低くなりました。

イギリスの教育は苦手なことより得意なことに注目する。

手作りの自己紹介の名札には生徒の得意な物を描きます テニスとコンピューターを利用した支援教育
手作りの自己紹介の名札自分の得意なもの

中学校入学1日目にクラスメイトへの自己紹介の代わりに手作り名札を作って制服のTシャツに張ります。ステッカーに自分の名前と得意なものや好きなものの絵を描く簡単な名札。

絵をかくのも苦手な息子が描いた彼の得意なことは、「テニスラケット」と「コンピューター」でした。

「クラスの中で、コンピューターの絵を描いていた子も何人かいたけど、キーボードとマウスも描いたのは僕だけだったよ。」と嬉しそうに説明してくれました。

絵を描くのも自信がなくて苦手だった息子。
苦手なものがいっぱいあっても、1つでも得意なものが増えると自信がつくよね。




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2013年10月8日火曜日

イギリスの小学校 能力別授業

英国の特別教育支援(SEN)

日本の小学校から英国の小学校に転校した際、息子はSEN (Special Education Needs)の生徒となりました。SENの生徒とは、特別支援の生徒のことを呼びます。特別教育の必要な生徒とされて、学校で、その生徒に適したサポートを受けられます。

日本の小学校では、特別支援の教室がありますが、イギリスでは、特別支援の生徒はたいがい普通学級の生徒として、普通級の教室でクラスメイトと勉強します。 (親の要望や学校側で要求した場合は、特別支援校および特別支援級に入る場合もあります。)

息子も、普通学級の教室でサポートを受けながら、イギリスの小学校5年生のクラスメイトと一緒に、勉強できることになりました。

このときは、まだ、日本で何年も不登校生だった息子が、イギリスに来たからといって、学校に通えるかわからない状況でしたが、とりあえず、勉強に関しては、個別にサポートしてもらえるという約束をもらい、ほっとしました。

それにしても、英語圏以外の国からの生徒は、特別なサポートを受けられると言うのは、とっても嬉しいことです。

教室での能力別(レベル分け)授業

 さて、『SEN(特別支援)の生徒になった息子には、どんなサポートがされるのかしら?』と、思っていたある日。

 「算数の授業では、僕は、別の教室に連れて行かれて、勉強しているんだ。このグループには、同じクラスの子が3人いるんだよ。」 と息子が報告してくれました。

 『これが、特別支援のサポートなのかな?』 と思いきや。

「クラスの他の子たちも、それぞれグループに分かれていて、僕のグループは一番下のグループ。」と説明してくれた息子。

そういえば、イギリスの小学校は、英語と算数の授業は、能力別グループ分けをしていたんだ。

思い出したのは、ロンドンの小学校で、Year1(1年生)になった長女のクラス面談に初めて行った時のこと。 1年生の教室に入ると、教室の真ん中に、天井から算数・英語のグループと書かれた紙がつるされていました。

英語のグループは、「Letter(文字)」「Word(単語)」「Sentence (文章)」「Story(物語)」「Book(本)」と書かれた紙に、それぞれの紙に子供たちの名前が書いてありました。

「Letter(文字)」と書いてある紙には、子供の名前は2名程書いてあり、「Book(本)」と書かれた紙にも名前は4名ほど。 他の生徒は、「Word(単語)」「Sentence (文章)」「Story(物語)」の3つのグループに、5~8名の名前が書いてありました。

 算数は、「Circle(まる)」「Triangle(三角)」「Square(四角)」「Pentagon(5角形)」「Hexiagon(6角形)」と分かれていて、それぞれ子供たちの名前が書かれていました。

やはり、「Circle(まる)」と「Hexagon(6角形)」のグループの人数が一番少なく、その他の3つのグループに、ほとんどの子供たちが分かれていました。

 一目見て、能力分けされているのがわかります。

英語のグループ名は、「Letter(文字)」から「Book(本)」。算数のグループ名は、「Circle(まる)」から「Hexagon(6角形)」。これらのグループ名は、どちらがレベルが上のグループで、どちらが下か説明されなくてもわかりますね。
(念のために、説明しておきますが、「Book(本)」と「Hexagon (6角形)」がレベルが一番上のグループです。)

イギリスの小学校能力分けグループリスト
こんな風に教室につるされていた英語・算数グループ分けリスト イラストをかいてみました。

教室での保護者の学習ヘルパー

 このロンドンの小学校では、生徒の親がボランティアで授業のお手伝いをすることができました。

日本の小学校のような授業風景がみられる授業参観の日などはないイギリスの小学校。 どんなふうに授業しているのか見たくて、お手伝いに行きました。

 その日のお手伝いは、英語の授業。

娘の教室についたら、教室の外の廊下のところに、机がひとつおいてあり、机を挟んで、椅子が二つ置いてありました。

 『何に使うのかな?』とおもったら、この机は、英語のレベルの一番下のグループの子が、先生と勉強する場所。教室の外で、担任の先生とマンツーマンの授業。英語が読めない子もいるので、アルファベットから始めていました。

教室の中に入ると、子供たちは、3つのグループに分かれていました。 7、8名いるの二つグループは、床にグループごとに座って、それぞれアシスタントの先生により、授業が行われていました。

おや、教室の端っこに机をくっつけて座っている4人のグループ。子供たちが、一人づつなにやら一生懸命書いています。『何を書いているのかな?』とのぞいたら、文章問題に、答えを書いていました。

同じクラスの6歳の長女は、まだ、「apple」とか「book」とかようやく読めて書くようになってきたばかり。

『 まさか、一人でこの問題を解いているのかしら?』

「この問題は、何て書いてあるか読めるの?」と、この4人グループの一人に聞いたら、「もちろん。」という返事。隣の子は、長い長い文章を答えの欄に書いていました。

 同じ学年なのに、すごい違い。わが娘も、イギリス生まれでイギリス育ち。小さいときから、英語で学んできているはずなのに、どうして?

ボランティアの保護者は、この優秀なグループ4名のお手伝い。と言っても、どの子も、わき目も振らずに、一人でどんどん問題をこなしていくので、保護者ヘルパーの仕事は、落ちた消しゴムを拾ってあげたり、鉛筆を削ってあげたりするだけ。

イギリスの学校での子供の能力分けとは


子どもの能力に差があって当然。できない子にサポートが付き、できる子たちは、自分の能力を生かして好きにやって行きなさい。

イギリス流レベル分け授業というのは、こういうことなのかな?

不登校だった息子は、英国へ転校する5年生まで、毎日授業を受けることはなかったので、英語どころか算数・理科等も含めてすべての科目の習得や知識には大きなギャップがありました。

でも、イギリスの小学校でのレベル別授業のお陰なのか、取り残されることもなく、クラスのみんなと学校生活を楽しめました。最後には、6年生レベルの学力習得が満足にできているというお墨付きの成績表も手に入れて、無事小学校を卒業できました。

算数の授業、簡単でよかったよ。

不登校生だった息子は、日本でも、少しは個別で勉強を教えてもらっていたので、まったく算数ができないというわけではなかったのですが、日本で勉強した量は、毎日に学校に通っているお友達とは大きくかけ離れていて、当然。

ということで、彼のクラスでの算数のグループは、クラスで一番下のグループ。 いままで、 学校で英語で勉強したこともないので、英語の授業は、とうぜん、クラスで一番下のグループ。

『学校に行くことはできても、クラスで何も分からず引き目を感じるのでは。また、それが原因になって不登校になるのでは。』と、心配していた母でしたが。

「僕、今の算数のグループで良かったよ。算数の勉強が、すごく簡単。」と、我が息子は、明るい声で教えてくれました。

学校に毎日楽しく通えるようになっただけでも最高と思っていた母ですが、こんなに明るく言われると、勉強のことも心配になってきました。

できなくても大丈夫といえる自信

息子の算数のグループに、息子と良く遊ぶお友達の名前がなかったので、息子と仲の良い子たちは、どのグループなのかしら?と思わず興味心がわきました。

 「君の親友のJ君は、算数は、どのグループ?」 「もちろん、一番上のグループ。」

 「そのグループに入れるのは、いつになるかなぁ?」 プレッシャーを与えることになるかなぁと思いつつも、思わず質問すると。

 「そりゃ、一生無理でしょう。」とにこにこ顔ではっきりと断言した息子。

思わず、返事に詰まってしまいましたが、何よりも引き目も感じていない明るい笑顔の息子を見て、嬉しくなった私。彼の顔には、『勉強ができなくても平気』という自信がみなぎっていました。

こんなに堂々と開き直った息子を見ることは、小学校に入ってから初めてでした。

日本にいた時は、「みんなと同じでなくちゃ。」「こんなんじゃ駄目なんだ。」と自分を追い詰めていることが多かった息子。

「君は君のままでいいんだよ。」というメッセージをいっぱいもらって、ようやく、『できなくても大丈夫。』と思えるようになったね。

自分は自分。楽しく勉強できればいいよね。なによりも、楽しく学校に行けることができてよかったね。



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2013年8月30日金曜日

英国の特別支援 イギリスの小学校

通知表の不思議

不登校で日本では勉強もなかなかできなかった息子が、
アルファベットも間違えずに書けなかった息子が、

イギリスへ転校して、わずか1年と2カ月で、イギリスの6年生と同じ学習レベルに達成できたと言うのはどうしてなのだろうか。

 小学校6年生学年末の通知表を見て、とても不思議に思いました。 

やはり、これはひとえに、イギリスの特別支援システムのお陰だろうと思います。

息子は、日本の小学校5年生になる春に、イギリスの小学校に転校しました。
 そして、イギリスの小学校で、息子はSENの生徒になりました。

 イギリスでは、特別支援は、Special Education Needs と言います。
これは、特別教育の必要性(特別教育支援)ということで、
特別な教育が必要な子へのサポートという意味です。 

日本で、不登校生の息子は、特別支援学級の生徒でもありませんでした。

 引っ越してから数週間後、ようやく近所の小学校に入学できることが決まり、
「不登校生だったことを言うべきか。」悩みました。 

転校したからといって、息子が登校できるとは限りません。
これが理由で、日本でも、他の学校に転校することをためらっていました。 

「英語での教育を受けてないどころか、日本でも小学4年生修了の学力には程遠いし、通えない可能性が大きい。」
 不登校生だったことを伝える為に、転入前に、親だけで学校に面接に行きました。 

面接した副校長先生は、息子が不登校生だと言う話を聞いた後、一言。

「息子さんは、特別支援の生徒としてのサポートが付きます。」 

そして、こう説明してくれました。

「でも、これは彼が不登校生だったということに関係なく、彼が英語圏以外の国から来た転校生だからということでつくサポートです。」 

「イギリスの特別(教育)支援は、身体的障害から学習障害・発達障害、海外からの転校生まで幅広く含まれます。」 

「だからと言って、サポートの内容に制限が付くわけではありません。サポートの内容は、この学校の特別支援のコーディネータが決めます。」

「この学校には、SENの資格を持つ教師は数名います。私もSENの資格を持つ一人です。つまり息子さんはどのようなサポートが必要かは、この学校の教師が決めて行きます。」

SEN(特別教育支援)のクラスメイト

イギリスの学校は、特別支援の子供は、特別に先生が一人つき、普通学級のクラスで勉強します。

 つまり、クラスに一人でも特別支援の子供がいると、そのクラスには、担任のほかにもう一人の先生が付くわけです。

 この面接の時に、娘が通っていたロンドンの小学校のことを思い出しました。 

娘のクラスには、学習障害(LD)の子がいました。
彼のためにアシスタントの先生がついていました。

学習障害があるからと言って、いつも先生が必要だとは限りません。
その子が、一人でできるアクティビティの時には、その先生は、クラスの他の生徒達のことの面倒をみてくれました。 

クラスに学習障害のある生徒がいても、先生が多くなれば、そのクラスの他の子たちもその恩恵を受けるわけです。 

娘のクラスメイトのイギリス人のお母さんが言った言葉を忘れられません。

 「(学習障害のある)○○君がいるから、うちの子のクラスには、アシスタント・ティーチャー(先生)がつくからラッキーね。」 

こうして、息子は特別支援SEN)の生徒として、

教室で、アシスタントの先生についてもらって、クラスメイト全員と一緒に、

あるいは、別の部屋で、個別に一人の先生と、

時には、少人数グループの取り出し授業など、

いろいろな形のサポートを、イギリスの小学校で受けていったのでした。




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2013年7月28日日曜日

正式な不登校生

校長先生からの初めての電話

校長先生から初めて息子の不登校のことで、お電話をもらったのは、息子が連続30日学校に行かなかった1月の後半でした。

息子が、学校を頻繁にお休みしだしたのは、1学期から。
電話を受けた時は、半年以上たっていました。

その前に、校長先生にご相談したのは1回だけ。
なぜか?

今になってみると不思議なのですが、息子が入学した時に、校長先生も赴任されたばかりで、あまりお話しをしたことがなく、その点、副校長先生は、娘が編入した時から、お世話になっていたこともあるでしょう。

それよりもなによりも、学校へ電話すると、だいたい副校長先生が電話に出られるので、話す回数が多かったこともあります。

とりあえず、担任の先生以外の誰かに相談したいという気持ちだけで、誰に相談するのが一番いいのかということなど、ゆったりと考える余裕がなかったのかも。

「校長先生にも会って話した方がいいのでは?」と主人に言われて、校長先生にお会いした時に、「息子さんのことは、副校長から聞いています。担任と副校長に任せてあります。」といわれたこともあり、それ以上に、これ以上息子のことで多くの先生に迷惑をかけてはいけないと思っていたこともあり、いつもご相談するのは副校長先生でした。

正式な不登校生とは

さて、この時の校長先生のお電話で、息子は、この学校の不登校生第1号と教えられ、仰天。

 「そんなはずが。。。他の学年やクラスでも休みがちな生徒さんや保健室へ登校しているお子さんがいるのに?」 と、親が思えど、3学期になってからこの日まで、1度も学校に登校していなかった息子。

 晴れて、正式な不登校生になったのでした。

 私は、この時の校長先生からのお電話で初めて知ったのですが、年間で通算30日以上生徒が登校しないと初めて不登校生となるそうです。

こんなことも知らずに、半年以上も過ごしていたのかと思われるでしょうが、多分、思いつきもしなかったのでしょう。

学校に着いても、クラスに入れなかったり、学校まで歩いていっても、途中でかえってきてしまったり、1日1日が非常事態でした。

よく息子のお友達のお母様から、「息子さんが学校にいかなくても、ゆったりと構えていて。」と言われていたのですが、とんでもない。

私や主人にとっては、息子がクラスでお友達と一緒に勉強ができなくなってからは、西からお日様がのぼるような毎日。

息子の学校は、全児童数200名位のアットホームな学校で、家族3世代この小学校の卒業生と言った家庭がいっぱいいる学校でした。
校長先生から息子が『正式な不登校生』となった話を聞いた時、「こんな素敵な学校に不登校生をつくることになってしまった。」と言う申し訳ない気持ちでした。

 さて、この日のお電話で、校長先生が、できるだけ早くお会いしたいということで、すぐに息子の所に、学校が終わった後に会いに来て下さったのでした。

 この時、何か大きく変わったような気がしました。


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