自己紹介

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Wales, United Kingdom
日本と英国を行き来する2人のバイリンガルキッズの母。ロンドンで生まれた子供たちを連れて日本へ。横浜で英語で創作絵本を作るキッズ・クリエイティブ・ライティングの教室を開き、英語の絵本の出版。小学校で不登校になった息子を連れて、またまた英国へ。イギリスの自然と息子のテニス・トーナメントの応援と野菜作りを楽しむ日々を過ごしていましたが、社会人学生として大学に入学。

2013年12月31日火曜日

イギリスの中学校 入学までのていねいな橋渡し 

短かった小学校登校時代


小学校5年生になる4月。英国へ転校した息子は5年生をわずか2カ月で終わり、その年の9月には6年生になりました。
短かった小学校登校生活。

日本では小学校1年生から不登校生だった息子。

イギリスの小学校に通い始めて、毎日元気に登校し教室で授業が受けれるようになった喜びもつかの間。中学校への進学が迫ってきました。

不安だった中学進学。日本の統計では中学1年生が一番不登校生になる確率が高い。
せっかく毎日学校へ通えるようになったのに、ここでつまずかなければ。。。

大きな心配を胸にした小学校最後の年でしたが、イギリスでは、小学校から中学校への橋渡しはとても細かく予定されていました。

イギリスの中学校の入学までのスケジュール 

 9月 新学年 6年生
  • 新6年生になったばかりの9月に公立中学校から学校見学説明会のお知らせが届きます。
 10月 親子での中学校の見学説明会 
  • 説明会で渡される学校紹介には中学と小学校が連結した就学までの細かい橋渡しが記載されたスケジュールが入っていました。この就学前スケジュールには特別支援・視覚障害の児童への対応も記載されています。

11月 
  • 中学校の入学申し込み開始  インターネットで申し込みが可能
  • 中学校の新入生サポートチームが小学校を訪問し、小学6年生と面談
 12月 入学申し込みの締め切り
翌年2月 
  • 公立中学校からの学年チームリーダー生徒サポートチームの先生が小学校を訪問。 
  • 新7年生になる各生徒の情報を小学校と交換したり、6年生に中学校生活について紹介する。
3月 就学する中学校が決定。(就学通知はインターネットで見ます。)

4月
  • バディー(Buddies)チームの中学生が6年生を訪問。
  • 公立中学校の特別支援の先生の小学校訪問し、中学での特別支援についての説明。
 6月 
  • 新入学生の両親への説明会 
  • 中学生の演劇科の生徒が小学校訪問し、中学就学の説明をお芝居で披露。
  • 特別教育支援(SEN :Special Education Needs)又は、追加教育支援(AEN :Additional Education Needs)チームが訪問し、小学校の特別支援(SEN)の生徒とCATsテスト (Cognitive Abilities Test)という認知知能試験を行う。
7月 小学6年生が、中学校への訪問し、体験授業

  • この日に新7年生(中学1年)のクラス分けが行われて、体験授業は9月から一緒のクラスメイトと行います。(ロンドンの息子のお友達は、この中学体験授業が3日間にわたって行われ、連日中学校へ通ったそうです。)
夏休み 中学校での1週間の体験活動「サマー・ラーニング・フェスティバル」


イギリスの中学校 入学までの丁寧な橋渡し 就学前のスケジュール 特別支援も含めている
イギリスの中学校からの就学前スケジュール
イギリスの中学校への入学までの丁寧な橋渡し 就学スケジュール2 特別支援も含めている。
特別支援教育・視覚障害の児童への対応も
一緒に書かれている。

就学前の丁寧な橋渡しと夏休み前のクラス分け

息子は7月の中学体験授業では、理科や体育をしたそうです。名札を書いて入学する前にクラスメイトの顔や名前を知ることで安心感が増しました。

「一度会って名前を知ったり一緒に活動したりして、その後、夏休みがあって少し距離も取れたのがよかったよ。いきなり会って明日から仲良くしろって言われたら結構かまえちゃうよね。夏休みが真ん中に入ったから、9月の入学の日はよく知っている所へ戻るような感じがした。」と息子のコメント。

不登校生だったことや学力的にも不安がまだ残る中、地元小学校7校が就学するマンモス中学校への進学は悩みました。
 「少人数制の私立中学の方がいいのでは。。。」
公立校への申し込みが終わった後も私立校への申し込みも考えていました。

公立中学校からのきめ細かいアピールとスムーズな中学入学

しかし、息子は小6になってから続く学区内の公立中学校からのきめ細かいアピールコールに心を決めたみたいです。
「僕はこの公立中学校にいくよ。」

 そして、新7年生としての中学生活が始まりました。

新学期に入った最初の1・2日は、新7年生(中学1年)と新10年生(高校1年)だけが通学して、授業が行われます。イギリスの公立学校は形式ばった入学式がなく、特に行事ごとには固くなりやすい息子には不安の材料が1つ減りました。

最初の1週間目は新7年生だけが他の学年の生徒より早くお昼休憩が始まるようにに時間割が決められていました。その分、お昼時間も長くなり、ゆっくりごはんが食べられて、食べるのが遅い息子にとってはありがたいことでした。

やったね。登校率アップ

息子が中学1年生の1学期の終わりに持って帰って来た通知表には「出席率98.6%」と書いてありました。(風邪でお休みした2日間を除いた全日数を登校できました。)

イギリスの小学校と中学校の先生たちが共同で行うスムーズな中学校への橋渡しのお陰で、不登校だった息子でも入学前に新しい学校になじむことができ、元気に登校を続けられました。

小学校で不登校生だった時に「学校に行きたいけど、学校に行っても何が起きるかわからないから不安だ。」と言って布団の下にうずくまっていた息子の姿がだんだん小さくなっていきます。


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2013年12月16日月曜日

校長室登校の成功の秘訣

校長先生のお誘い

「校長室におもしろいものがあるから、見においで。」と誘われて、数週間以上学校の正門をくぐることができなかった息子が校長室を訪れました。

 なんだかこんな風に書くと簡単なように聞こえますが、校長先生の家庭訪問からわずか1週間で登校できたのは「いろんな思い入れと策略がうまくかみ合った。」からだと思います。 

校長先生の家庭訪問で先生への信頼感を持てた。
校長先生の声かけの仕方も不登校の息子に分かりやすかった
校長先生によって校長室訪問のスケジュールが丹念に考えられた
これらによって息子の登校は成功したと思います。

待っていた学校復帰へのシグナル

 不登校になってから、同級生はもとより小学校の同じくらい年齢の子供たちに会うと固まってしまう息子。家にいても外から小学生の声が聞こえただけで怖くなり隠れる日もあったり。

校長先生は、こんな不登校生の気持ちをわかっていたのか。「生徒のいない時間帯に来てもらったほうがいいかな。他の生徒にも会う可能性が減るし、下駄箱のある入口より校長室に一番近い正面玄関から直接入ってきてもらほうがいいかな。」と訪問日の予定を立ててくれました。

「学校に来れなかったら、校長先生がまた会いに来るからね。」と第2の提案もしてくれました。1番目の案がうまくいかなかったら2番目の案があると知っていたことで、親子ともどもプレッシャーが減りました。

 特に、息子はこの2番目の案があることで、かなり気持ちが楽になっていたみたいでした。 「校長先生にまた家に来てもらってもいいけど、校長室に行くといっぱい見れるんだよね。」

なんだかたわいない言葉に聞こえますが、実は、ここに彼なりの精いっぱいのがんばりがありました。

離れるほど存在が大きくなっていく学校というものに、息子はどうやって戻ったらいいのかその糸口を探していたような気がします。

もちろん、学校へ行けば、先生もお友達もいっぱい暖かく迎えてくれるのですが、彼自身が戻る道を見つけられずにどうしようと思っていた時に、校長先生の声かけがあったのでした。

 「学校の正門までおいでよ。」とか「保健室においでよ。」とか学校へ戻るお誘いは、それまでもいっぱいもらっていた息子でしたが、彼にとって難しい部分は「学校に行ってから何をするの?」という疑問でした。

「学校でどうやって時間を過ごすの?」という疑問は、「不安な気持ちを持ったまま何時間も過ごさないといけない。」という答えに結びつき、彼の勇気の妨げになっていました。

校長先生のお誘いは、息子にとって、待っていたシグナルでした。

分かりやすい戦略

  校長先生の戦略は一言で言うと『簡単なことから始める。明確な計画を教えておいて、納得してもららってから行動する。』

登校の目的と滞在時間、そして場所までのたどり着き方がはっきりとわかって納得しやすいことが息子には大きな励みになりました。

 「校長室で先生が話してくれたおもしろいおもちゃを見る。」
 「学校にいる時間は1時間。」
 「他の生徒に会わない時間帯」
「正面の入口から校長室に直行する。」

この校長先生の明瞭な提案は、不登校生だった息子に登校というハードルを低くしてくれました。 

こうして校長室で楽しい1時間を過ごした息子は、それから毎週校長室へ通うようになりました。 


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2013年12月3日火曜日

イギリスのジュニアテニス 英国テニス協会とトーナメント・システム

待っていた初優勝

息子がようやくジュニアテニストーナメントで優勝しました。

今回のトーナメントは地元のテニスクラブで行われたグレード5の大会。優勝ポイントは75ポイント。
やったー!早速、家に帰って英国テニス協会(LTA)のホームページで、息子の大会記録をチェック。
ランキングが上がっていたぁ。

さらに嬉しいのが、次の朝。
早速、英国テニス協会からEメイルが届いていました。

『おめでとう!君のレートは9.2から9.1に上がりました。。。。今大会シーズンの健闘を祈ります。LTA・コンペティション・チームより』 

イギリスジュニアテニス大会 英国テニス協会(LTA)からのお知らせメール
英国テニス協会(LTA)からのメール

イギリスのテニス大会と英国テニス協会のコンピューター管理

イギリスのテニストーナメントは、ジュニア戦含めて、すべてLTAと呼ばれる英国テニス協会(The Lawn Tennis Association)の規定に従って行われます。英国テニス協会はテニストーナメントのルールだけでなく、イギリス全土のテニス大会の全てを管理しています。本当にすべてを。

イギリスの公式戦に出るには、英国テニス協会(LTA)に選手登録をしなくてはなりません。LTAに入会している人は大会にでなくても『ブリティッシュ・テニス・メンバーシップ(BTM)』というLTAのメンバー番号をもらえるのですが、これが選手登録番号になります。

メンバー入会すると、入会通知と共にこのBTMメンバーカードが送られてきます。

クラブ対抗戦以外は、各自が英国テニス協会のホームページからトーナメントの参加申し込みを行います。LTAのホームページからBTM番号を使ってログインすればいいだけなのですが。コンピューターがなければ、大会主催者にBTM番号を教えると参加登録をしてくれます。

小学校のテニス部でのトーナメントの時も先生から「息子さんのBTM番号を教えてください。」と聞かれました。

このBTM番号を知らなくても、ランキング登録を一緒に申し込んでいれば、LTAの選手プロファイルで調べることができます。大会にでなくても、あなたを選手として英国テニス協会は登録してしまうわけです。そして、BTM番号を持って選手登録したら、LTAのホームページであなたの試合記録は全て公開されます。

イギリスのテニス公式戦はどんなに小さいローカル大会でも、すべてLTAによってコンピューター管理されていています。大会主催者は英国テニス協会の送ってくるソフトウェアを使い、選手の参加受付からマッチの組み合わせ(ドロー)、結果の入力までLTAのサーバーに連結して行います。

英国テニス協会によるコンピューターでの中央管理。ローカル大会から国際大会まで、毎日すごい量の大会結果やテニス選手のプロファイルがサーバーに入ってきて、大会の結果のアップデートはオンタイムで行われているわけですね。やるなぁ、LTA。


イギリスのテニストーナメントと選手レート

今回の大会で3勝し、ようやく息子のレートも上がりました。
英国テニス協会のメイルに書いてあった「レート」って何?「9.2から9.1」って何?と思われるでしょうが、これは公式戦に出る際に必要な選手のレベルの評価です。

ブリティッシュ・テニス・メンバーシップ(BTM)を取得している人であれば、大会に出なくてもLTAにランキング登録を申し込んでおけば「10.2」というレートを与えられます。

大人のプレイヤーで「いやぁ、自分はもっとテニスが上手いよ。」と思えば、7.2までは自己申請ができます。

選手レートは、10歳以降のジュニアと大人のプレイヤーの場合は1から10レベルまで。(10歳以下はミニテニスプレイヤーとして違うレートが適応されます。)

1から10までの各レベルがまた1と2の上下に分かれます。最低レベルの10.2から10.1そして9.2と上がっていき、やがて最高レベルの1.1となります。


英国テニス協会 選手レート(選手レベル)

最高レベル  1.1
最低レベル 10.2

「ジュニア選手だとどのくらいのレートなのかなぁ。」
息子と同じ12歳グループの選手をみると、2013年の夏シーズン 全英(グレード1)大会U12優勝選手は、全国ランキング2位で、レートは5.2でした。

イギリスのテニス選手のランキング表に載るには、このレートを持っていることが条件で、トーナメントによっては「レート9.1以上の選手」「レート10.1までの選手」等と選手レートによって制限されることがあります。

レートは大会出場年数に制限がなく、年齢枠で区切られることもありません。
イギリスの公式戦で1マッチにごとにカウントされて、自分以上のレートの選手に4回勝てば、次のレベルに上がります。

ジュニア選手には適応されないけど、大人の場合は、自分のレート未満の選手に負けるとレートが下がります。シビアですね。

決勝戦優勝で対戦相手も安堵の顔

優勝した今回のトーナメントは、今年の夏からジュニアトーナメントを主宰しだした地元のテニスクラブで行われました。決選相手はよく知ってる地元の友人や学校のテニスクラブの子達。

夏のトーナメントシーズンが始まった時は、地元クラブでのグレード5の大会では、対戦相手よりレートも上で、シード1だった息子。なのに、観戦しているだれもが『なぜ?』という程負け続けて、とうとう今回はシードなし。

この夏のトーナメントシーズン、レートが自分より下の子達にいっぱい負け続けて、対戦プレイヤーにレート加算ポイントをいっぱいあげてきた息子。

それだけに息子が優勝した時は、負けた相手プレイヤ―も含めてみんなが「ようやく優勝できたね。」という安堵した顔になっていました。




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参照:英国テニス協会(The Lawn Tennis Association)http://www.lta.org.uk/


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2013年11月20日水曜日

校長室登校 1 校長室の面白いものとイギリスのクリスマス

できたよ。校長室への訪問

 「校長室におもしろいものがあるから、見においで。」と、家庭訪問の時に校長先生に誘われて、数週間以上、学校の校舎に入るができなかった息子が、校長室を訪れました。

 校長室にあった『面白いもの』とは、世界のいろんなおもちゃでした。

昔懐かしいドリンキングバードやロシアの木の人形(マトリョーシカ人形)など良く知っているおもちゃもあれば、「これ、なんだ?」と思う銀色のUFOのような物体まで。いまだに名前もわからない言葉で説明するのも難しい三角錐の駒などなど。

「ただのおもちゃと言っていいのかなぁ?」という位、とにかく頭をひねらせるおもしろい物が校長室にはいっぱいありました。

学校の理科クラブでも作ったというペットボトルのおもちゃも見せてもらいました。あのおもちゃの名称は何かしらと調べたら、浮沈子でした。

不登校生の初めての校長室訪問は、しらない間に校長室での理科の勉強みたいになっていました。帰る時に息子は磁石の石をもらって大喜び。

 「校長先生は、どこで、このおもちゃ達をみつけてくるのだろう。」わが家の子供たちの謎でした。
息子を魅惑した校長室のおもちゃは、不登校だった息子が学校に戻れた校長室登校1日目と共に楽しい思い出として残りました。

イギリスのクリスマスとクリスマス・ストッキング

イギリスに引っ越してから初めてのクリスマス。11月にはいるとイギリスは一気にクリスマスムード。どこのスーパーマーケットもクリスマスのギフト商品で店頭が飾られます。いつもはビスケットやキッチン用品のおいてある棚もクリスマス用のおもちゃでいっぱい。

そんな時に いつも買い物に行くイギリスの大手スーパーのテスコ(TESCO)で見つけました。 「あっ、これは校長室でみた不思議なおもちゃだ。」

校長室にある面白いもの  科学のおもちゃ プラズマボール
英国のスーパーで再会した校長室の面白いもの
プラズマ・ボール(Plasma ball)

校長室にある面白いもの プラズマボール ガラス球に手を当てると光が集まる
ガラス球に手を当てると光がかわる
普段はセール品が摘まれているストアの店頭に置かれたお買い得品のかごの中に
『ストッキング・フィラー(stocking fillers) 一律3ポンド』という札と共に、他のおもちゃと一緒にごちゃっと入っていました。

 英国では、クリスマスの時にサンタからのプレゼント用に用意する靴下をクリスマス・ストッキングと呼びます。ストッキング・フィラ―とは、メインのプレゼントの以外にクリスマス・ストッキングに入っている小さなプレゼント達のことです。だいたいお菓子やフルーツやナッツ、ちいさなゲームなどがストッキング・フィラ―として使われています。

イギリスの子供たちは、サンタがおいて行ったプレゼントを見るために、12月25日のクリスマスの朝には、早起きしてクリスマス・ストッキングの中身をチェックします。クリスマス・ストッキングのそばには、イブの夜にクリスマス・ストッキングと一緒に用意しておいたサンタとトナカイ用のワインと人参。ちゃんとサンタが来た証拠に、ワイングラスは空になっていて、人参もかじられています。

 メインのおもちゃも嬉しいけど、それ以上に息子が喜んだのが、ストッキング・フィラ―のこの不思議な球体。「校長室で見たやつだぁ。手をおくと稲妻が動くんだよ。でも、どうやってサンタはこれを手に入れたのかなぁ。」と不思議がる息子。

今年も11月に入った途端に、街はクリスマス・デコレーションで着飾り始め、スーパーでもクリスマスプレゼント用の商品がひしめいています。

 先日、ふと立ち寄ったスーパーで「また、見つけた。校長先生の不思議なおもちゃ。」
あの「銀色のUFOみたいなやつ」をゲット。
校長室の面白いもの 科学のおもちゃ 3Dミラスコープ
またまたみつけた校長室のおもしろいもの
3Dミラスコープ(table top hologram scope)


 「どこでみつけられるのかなぁ。」と長年謎だった校長室の面白いもの。イギリスで見つけることができました。

あと何個みつけられるかな。

見つける度に、日本の小学校での楽しい経験を思いだせるね。つらくて大変だった不登校時代。でも、いろんな人との触れ合いや楽しい経験もあったことを忘れないで。



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2013年11月10日日曜日

イギリスの学校 中学校への橋渡し 入学式

短かった小学校登校生活と中学校進学

日本で小学校1年生の時から不登校だった息子が、5年生にイギリスの小学校へ転校してから、出席日数は90%以上。やった―。

せっかく楽しい学校生活をおくれていたのに、毎日登校し始めてから、わずか1年と2カ月で小学校生活が終ってしまいます。  短かった登校生活、あっという間に小学校卒業。中学へ進学しなくちゃいけない。

 「また、学校が変わる。また、生活が変わる。」

せっかく、通学できるようになったのに、中学校にも無事通えるかしら。せっかく不登校脱出できたのに、進学と同時にまた逆戻りということも。

小学校の卒業式の日、担任の先生から言われました。「この1年の息子さんの精神的なそして学力の進歩は目を見張るものでした。でも、あと1年、手元において教えたかった。」

『先生、私も同じ気持ちです。』

日本の不登校生数の学年別の統計を見ると、中学校1年の時に不登校になるケースが圧倒的に多い。

「もう少し小学校に残れないかしら。。。」

中学1年で不登校生数急増 学年別不登校生数 H23年度 内閣府HP 文部科学省 
内閣府H25年子ども・若者白書(文部科学省の統計より)


そんな親や先生の思いもよそに、我が息子。「僕は十分小学校を楽しんだから、同級生と一緒に中学校に行くよ。当然でしょ。」

うーん、言葉だけはたくましいのだけど。。。『1年前はこんなたくましい言葉も発せられなかった息子。やはり、もう僕は大丈夫だよと言うシグナルでは。。。』母の心は揺れます。

新7年生(中学1年)登校日と入学式 

小学校卒業式の翌日から夏休みの間、怒涛のように続いたテニストーナメントの最後の1試合が終わったとたん、彼の不安レベルは一気に上昇。中学入学まであと数日。この日までテニスに神経を集中してきたおかげで、彼の不安は抑えられていたのかも。

英国で通った小学校は全生徒数200名の少人数。それに比べて、これから通う中学校は、1学年9クラスもありマンモス校。不登校生の親でなくても、懸念する材料は多くあるのに。。。

式典とか派手なことが苦手な息子。入学式にすら出ないかも。一番最初の山は、やはり中学初登校日。母はため息をつきます。

ところが、私の心配は無駄に終わりました。
イギリスの中学校には、日本のような親も連れ立っての華やかな入学式はありませんでした。

入学式の式典のご案内のかわりに「新7年生は、登校時間の朝9時に、自分のクラスに集まってください。」というメールのお知らせが新中学生の親に送られてきました。

イギリスでは、中学に就学しても、新1年生ではなく新7年生になります。小学校から中学校へかわっても、学年の呼び方に区切りがなく『7年生』へと進みます。 高校への就学も同じで、中学3年から高校1年生になるのでなく、11年生(中学3年)から12年生(高校1年)になります。

 就学前のクラス分け

小学校の卒業式が終わった7月。「僕は、中学校では7年A組のクラスなんだ。」と教えてくれた息子。「もう、知っているの?」と驚いた母。9月の入学日は、まだ1カ月以上も先なのだけど。

「7月の初めにあった中学校訪問の時に、クラス分けがされて、もう新しい7年生のクラスメイトと一緒に教室でいろんな活動したんだよ。」

 こうして、9月の中学初登校日には、まるでいつもと同じ朝のように、お友達と誘いあって、子供たちだけで新しい学校の門をくぐったのでした。




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参照:内閣府 平成25年版 子ども・若者白書 (出典:文部科学省 平成23年度「児童生徒の問題行動等生徒指導上の諸問題に関する調査」)

2013年10月29日火曜日

イギリスの学校 授業日数と休日

ハーフタームホリデーって何。

人間とは不思議なもので、できないことができるようになると、またできなくなることを怖がるみたいです。

イギリスの小学校に転校した息子は、転校した第1週目は、毎日学校へ通うことができました。ところが、金曜日が近づいてくると、部屋の端っこやベッドの中で丸まって、泣いていました。「学校に行けなくなるのが怖い。」

何年も学校へ通学できなかった子が、いきなり海外の学校へ転校。 それでも、不登校時代のいろんな思いが、転校することへの不安より大きかったのか、おもいきって背中を押してくれました。
「学校へ戻れるチャンスは今しかない。」

転校してから数日間続けて登校できたのはいいけど。。。モーターのついていないおもちゃの車と同じで、初めの一押しの勢いでなんとか数日は前に向かって走れたけど、一度とまったら、また動き出せるのだろうか。

1週間前は「学校へ行くのが怖い。」と言っていたのに、今週は「学校の休みが怖い。」
君、極端ね。

やはり一度とまると、また走り始めるのは結構難しい。
転校1週間目より2週間目の方が、なぜかハードルが高くなり、遅刻をしながら学校へ。
学校の門までたどり着いたけど、ユータンして帰ってきたりして。それでもなんとか学校へ毎日行くことができました。

学校の休みの日数が長くなるほど、不安のレベルも比例して増えるみたいです。 週末も返上して毎日学校行きたいのに。夏なんか、まだずーっと先だけど「夏休みが来ないといいな。夏休みなんて、なければいいのに。」

 ところが、イギリスの学校は、各学期の真ん中にハーフターム・ホリデー(Half term holiday)「略してハーフターム」と呼ばれる1週間ほどの中休みがありました。

ハーフタームの馬鹿野郎。 
うちの息子乗り越えられるかしら。。。

年間授業日数

日本の学校とイギリスの学校の授業日数はどのくらい違うのかしら。ちょっと気になって調べてみました。

 イギリスでは学校の授業日数は、法律上最低190日以上となります。公立の学校の場合は、それぞれの地区自治体が学期と休日を決めるなければなりません。

 日本人も多く住んでいる首都ロンドンの北部と地方主要都市があるウェールズ南部の年間授業日数を、日本の学校と比較してみました。

学期ロンドン北部ウェールズ南部
Autumn 秋期74日75日
Spring 春期60日65日
Summer 夏期61日55日
年間合計195日195日
表:イギリスの小・中学校 年間の学校日数 2013年 (参考:バーネット区, カーディフ区)

イギリスの学校は、2校とも、年間授業数は、きっかり195日ですね。実は、この195日の中、5日間は教員研修日( Professional Development Days)。この教員研修日はInset day(インセット・デ―)といって、生徒たちはお休み。ということで、実際の生徒の授業日数は190日。決められた最低授業日数ですね。

日本の中学校 年間総授業日数 文部科学省より
日本の年間総授業日数 中学校1年
小学校5年 (参照:文部科学省HP)

それに比べて、日本では小学校・中学校とも90%以上の学校で、授業日数が196日以上でした。

日本では夏休みも学校登校日があったり、放課後も校庭であそべたり、学校が子供たちの遊び場にもなっていて、いいですね。イギリスの学校では学校のお休みの日は、正門がしっかりしまっていて入れません。もちろん、学校へ行っても先生はいませんし。

ようやく楽しめるスクールホリデー

イギリスの学校へ転校してから、1年と5カ月。あれから、2つの夏休みと1つの冬休みと春休み、そして、4つのハーフタームホリデーを乗り越えた息子は、この秋、中学生になって初めてのハーフタームホリデーを迎えます。

中学生になって授業の科目数や宿題の量も増えました。 「ハーフタームホリデーになって、少しのんびりできるな。」 と嬉しそうな息子。

ようやく、学校も休日もエンジョイできるようになったね。


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参照:文部科学省http://www.mext.go.jp/
Cardiff council, uk http://www.cardiff.gov.uk/
Barnet council, uk http://www.barnet.gov.uk/

2013年10月25日金曜日

イギリスの小学校 自己紹介

ハードルの高い自己紹介

自己紹介って、大人でも、「なんて言おうかな。」なんてドキドキするものです。

たしかに、大人になると、「自己紹介で、面白いことを言って、うまく印象付けよう。」なんてつまらない受けを狙ったりするので、緊張が高まるのですが。 

不登校生の息子に、自己紹介はハードルが高い。かなり高い。

 「自己紹介というと、たいがいは、名前を言って、『よろしく。』と、頭を下げれば終わりなんじゃないの。」と思いますが。 そうは、思わないのが、まだ人生経験の少ないピュアな子供たち。

 学校に毎日行っていれば、知っている人間の間でのあいさつが、日課のほとんどですが、息子は、学校から足がだんだん遠くなるにつれ、学校の友達や知っている人でも、道端でばったり出会っただけで、顔がこわばって、身体が固まってしまったりします。

 ところが、不登校生になると、いろいろな教育相談所、カウンセリングや病院などと不定期な場所に連れて行かれたりして、初めての人にあいさつをしないといけない場面が、かえって多くなったりして。理不尽ですね。

英国の学校へ転校1日目

イギリスの学校に転校する時に、この自己紹介が、彼の大きな不安の材料の一つでした。もちろん、他にもいっぱい不安な材料があったのですが。

 「自己紹介しろって言われたら、どうしよう。」

転校第1日目、家を出たまではいいけど。 息子の足は、3歩踏み出し、2歩下がる。『また、これかぁ。』わずか、数分の学校までの道のりがすごく長く感じます。

それでも、途中から心を決めたのか。学校の門をくぐることができました。
 「行ってらっしゃい。学校楽しんできてね。」 こんな声かけが、息子にできる日が来るとは。。。

イギリスの小学校は、公立の学校でも、生徒の送り迎えがあります。5年生になっても、ほとんどの生徒の家族が、学校の門の前で、子供たちが出てくるのを待っています。

 息子も校舎から、元気に出てきました。

開口一番。 「自己紹介はなかったよ。でも、みんな僕の名前を知っているんだ。前から知っているみたいで。今朝も、僕の名前を呼んで、『おはよう。』ってあいさつしてくれたんだ。どうして、僕の名前知っているのかな?」

次の日も、学校から帰ってくると、「同じクラスの子だけじゃなくて、他のクラスの子や上級生も僕の名前知っていて、声をかけてくるんだよ。」

「お友達できた?」と聞くと、 「みんなが、僕の名前知っているから、名前を呼ばれて、声をかけられると、なんとなく、友達っぽくなったりするんだよ。」


転校3日目の自己紹介

そして、転校3日目。「今日、僕は、自己紹介したんだよ。」
『いよいよ、自己紹介か。』母親の胸の鼓動は高まります。

 「先生が、『そろそろクラスのお友達の名前も覚えてもらいましょう。』と言って、みんなが一人づつ自己紹介して、最後に僕が自己紹介したんだ。日本のことを話したよ。」 嬉しそうに話てくれた息子に、学校への不安さなど感じられませんでした。

「でも、自己紹介する必要あったのかなぁ?だって、もうクラスの半分くらいの子とは、一緒に遊んで名前も覚えているもの。」 

新天地での出発は、緊張しやすい転校生への先生方や学校の生徒の優しい心遣いから始まりました。

イギリスの小学校 自己紹介ができたよ ゆっくりのかたつむりからジャンプができるかえるに脱皮
かたつむりからかえるへ脱皮? 高いハードルがだんだん小さくなっていきます

小学校1年生で不登校生になった息子が、海を越えて、イギリスの学校へ。転校した日から、学年末までの息子の出席率は、98.6%でした。不登校さようならっていえるかな。



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2013年10月18日金曜日

イギリスのジュニアテニス  負け続けるトーナメント

負け続けるテニストーナメント


息子よ。君は、何を求めて、トーナメントに出続けるのか。

多くのジュニアプレイヤーたちに交じって、テニストーナメントに出場できるようになっても、試合で勝つのは別の話。

数か月前まで、他の子達と混じって、テニスレッスンも受けれなかった息子。 

トーナメントにでてくる子供たちは、何年も戦い続けてきた子もたくさん。 公式試合に参加し始めた子でも、『勝ちたい』と言う気持ちで、試合に臨んできている子ばかり。 

何年ものパパの熱意と特訓のおかげか、サーブだけは、なんとなく様になっている息子ですが。10歳くらいだとラリーは結構できるけど、サーブはまだまだ練習が必要という感じのプレイヤーが多い中、息子のテニスはサーブだけみると、テニスがうまいように見えます。

それもあってか、小学校のテニス部ではファーストチームのリーダーに選ばれてしまった息子。

学校のテニス部でも、英国テニス協会(LTA)公式のトーナメントでも、参加当初は、なんとなく勝つこともできた息子のテニス。 

学校対抗テニス大会の為に即席でできた小学校のテニス部では、テニスレッスンは受けていても、外部の試合に出ている子も少なかったのか、同級生は、学校のクラブ練習で、息子のサーブを見た時は驚異だったみたいでした。 「同じ年で、こんなサーブができるのかぁ。」

地元の小さなテニスクラブでのグレードの低い公式戦では、息子のサービスゲームで試合が始まり、ファーストサーブが、サービスラインぎりぎりにうまく決まったりすると『今の何?』 相手の男の子はコートで固まったまま動かない。

息子のファーストサーブで、エースがつづいたりすると、 思わず「今のサーブは、アウトじゃない?」とコート外で見ていた保護者から声がかかったりします。
 「サーブが速すぎて、わかんない。」と首を振る相手プレイヤー。
 ところが、結果はわが息子の負け。

どんな打ち方をしても、最後にボールをコートに入れたほうが勝ち。
速いサーブが打てなくても、ベースライン近くに深く打ちこめなくても、最後にボールが入ればいいわけです。

 終わった後、息子の試合相手だった男の子は「彼のサーブが強すぎて、手が出ない。」と申し訳なさそうに、お父さんに話していました。『でも、君が結局勝ったのよ。』とつぶやく私でした。

 小さいときから、大人といっぱい練習してきたので、ボールを打つ形は、一応、身についていてサーブもそうですが、スライスもそれなりに打てる我が息子。

イギリスのテニス 英国に多いクレイコート キッズテニスには足に優しい 
英国には多いクレイコート キッズテニスには足に優しい

 クレイコートの試合で、ざざーっとネット際までコートをスライドしながら走り込んで、バックスライスで相手コートのサイドへ打ち込んだりすると、思わずギャラリーから「ローラン・ギャロス(全仏オープン大会)を見ているみたいだね。」と声がかかったり。

息子のサービスゲームで、サービスラインぎりぎりに沈めたファーストサーブに続いて、ネットまで走り込んでバックボレーとポイントを決めたりすると「ほーっ。」と試合を見ているギャラリーから声がもれたりします。 打つ姿が美しくても、結果は負け。

途中から見に来た試合相手のお父さんに「なんで、君の息子さんが負けていて、僕の子供が勝っているの?」と聞かれたりして。 『そんなこと、私に聞かれても、困ります。』 

どんなに華麗な技を見せても、最後の1点で勝ち負けが決まるテニス。さすが、日ごろからサッカーで足を鍛えているイギリスの少年達。ラケット振る姿が様にならなくても、フットワークはラファエロ・ナダル並み。粘り勝ちで点を取っていく相手選手。

なぜ、我が子は勝てないのか。。。『勝ちたい。』その思いの違いかしら。。。 

こんなに負け続けても、トーナメントに出たいのか? 

試合の度、コートの後ろで、応援している親の方が精神的に疲れてきたりして。 それでも「次の試合も出るよ。」と二つ返事の息子。 遠征しても負けが続いて、親の心の中は雨ザーザー。

それでも、息子にポジティブな励ましをと思い、ひきつらないように笑顔を作りながら「今日は、残念だったけど、がんばったね。」
すると『えっ、なに言っているの?』と不思議そうな顔で私を見た息子。

「僕、今日、すごいサービスゲームをしたんだよ。」 

このリアクションには、励まそうとした親は思わず言葉に詰まりました。
『そぅ、そうだけど。今日の試合で、勝ったのは、その1ゲームだけなんだけど。。。』

 不思議なことに、試合で負け続けても、息子のテニス友達から彼のプライドが傷つくようなことは一度も言われずに、相変わらず「フォームがきれい。」とか「あのサーブはすごい。」とかポジティブな声掛けばかり。

 試合に負けても、一度も泣くこともなく落ち込むこともなく淡々としている息子。

 息子のことをよく知っている他のジュニア選手のコーチが、一言。
 「彼は、試合で勝つということでなく、他のことを求めて、テニストーナメントに出ているんだね。」

 『息子よ。君は、何を求めて、試合に出続けるのか。』

 いつか私は、その答えを知ることができるのかしら。




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写真: Fortis Green Tennis Club 


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2013年10月8日火曜日

イギリスの小学校 能力別授業

英国の特別教育支援(SEN)

日本の小学校から英国の小学校に転校した際、息子はSEN (Special Education Needs)の生徒となりました。SENの生徒とは、特別支援の生徒のことを呼びます。特別教育の必要な生徒とされて、学校で、その生徒に適したサポートを受けられます。

日本の小学校では、特別支援の教室がありますが、イギリスでは、特別支援の生徒はたいがい普通学級の生徒として、普通級の教室でクラスメイトと勉強します。 (親の要望や学校側で要求した場合は、特別支援校および特別支援級に入る場合もあります。)

息子も、普通学級の教室でサポートを受けながら、イギリスの小学校5年生のクラスメイトと一緒に、勉強できることになりました。

このときは、まだ、日本で何年も不登校生だった息子が、イギリスに来たからといって、学校に通えるかわからない状況でしたが、とりあえず、勉強に関しては、個別にサポートしてもらえるという約束をもらい、ほっとしました。

それにしても、英語圏以外の国からの生徒は、特別なサポートを受けられると言うのは、とっても嬉しいことです。

教室での能力別(レベル分け)授業

 さて、『SEN(特別支援)の生徒になった息子には、どんなサポートがされるのかしら?』と、思っていたある日。

 「算数の授業では、僕は、別の教室に連れて行かれて、勉強しているんだ。このグループには、同じクラスの子が3人いるんだよ。」 と息子が報告してくれました。

 『これが、特別支援のサポートなのかな?』 と思いきや。

「クラスの他の子たちも、それぞれグループに分かれていて、僕のグループは一番下のグループ。」と説明してくれた息子。

そういえば、イギリスの小学校は、英語と算数の授業は、能力別グループ分けをしていたんだ。

思い出したのは、ロンドンの小学校で、Year1(1年生)になった長女のクラス面談に初めて行った時のこと。 1年生の教室に入ると、教室の真ん中に、天井から算数・英語のグループと書かれた紙がつるされていました。

英語のグループは、「Letter(文字)」「Word(単語)」「Sentence (文章)」「Story(物語)」「Book(本)」と書かれた紙に、それぞれの紙に子供たちの名前が書いてありました。

「Letter(文字)」と書いてある紙には、子供の名前は2名程書いてあり、「Book(本)」と書かれた紙にも名前は4名ほど。 他の生徒は、「Word(単語)」「Sentence (文章)」「Story(物語)」の3つのグループに、5~8名の名前が書いてありました。

 算数は、「Circle(まる)」「Triangle(三角)」「Square(四角)」「Pentagon(5角形)」「Hexiagon(6角形)」と分かれていて、それぞれ子供たちの名前が書かれていました。

やはり、「Circle(まる)」と「Hexagon(6角形)」のグループの人数が一番少なく、その他の3つのグループに、ほとんどの子供たちが分かれていました。

 一目見て、能力分けされているのがわかります。

英語のグループ名は、「Letter(文字)」から「Book(本)」。算数のグループ名は、「Circle(まる)」から「Hexagon(6角形)」。これらのグループ名は、どちらがレベルが上のグループで、どちらが下か説明されなくてもわかりますね。
(念のために、説明しておきますが、「Book(本)」と「Hexagon (6角形)」がレベルが一番上のグループです。)

イギリスの小学校能力分けグループリスト
こんな風に教室につるされていた英語・算数グループ分けリスト イラストをかいてみました。

教室での保護者の学習ヘルパー

 このロンドンの小学校では、生徒の親がボランティアで授業のお手伝いをすることができました。

日本の小学校のような授業風景がみられる授業参観の日などはないイギリスの小学校。 どんなふうに授業しているのか見たくて、お手伝いに行きました。

 その日のお手伝いは、英語の授業。

娘の教室についたら、教室の外の廊下のところに、机がひとつおいてあり、机を挟んで、椅子が二つ置いてありました。

 『何に使うのかな?』とおもったら、この机は、英語のレベルの一番下のグループの子が、先生と勉強する場所。教室の外で、担任の先生とマンツーマンの授業。英語が読めない子もいるので、アルファベットから始めていました。

教室の中に入ると、子供たちは、3つのグループに分かれていました。 7、8名いるの二つグループは、床にグループごとに座って、それぞれアシスタントの先生により、授業が行われていました。

おや、教室の端っこに机をくっつけて座っている4人のグループ。子供たちが、一人づつなにやら一生懸命書いています。『何を書いているのかな?』とのぞいたら、文章問題に、答えを書いていました。

同じクラスの6歳の長女は、まだ、「apple」とか「book」とかようやく読めて書くようになってきたばかり。

『 まさか、一人でこの問題を解いているのかしら?』

「この問題は、何て書いてあるか読めるの?」と、この4人グループの一人に聞いたら、「もちろん。」という返事。隣の子は、長い長い文章を答えの欄に書いていました。

 同じ学年なのに、すごい違い。わが娘も、イギリス生まれでイギリス育ち。小さいときから、英語で学んできているはずなのに、どうして?

ボランティアの保護者は、この優秀なグループ4名のお手伝い。と言っても、どの子も、わき目も振らずに、一人でどんどん問題をこなしていくので、保護者ヘルパーの仕事は、落ちた消しゴムを拾ってあげたり、鉛筆を削ってあげたりするだけ。

イギリスの学校での子供の能力分けとは


子どもの能力に差があって当然。できない子にサポートが付き、できる子たちは、自分の能力を生かして好きにやって行きなさい。

イギリス流レベル分け授業というのは、こういうことなのかな?

不登校だった息子は、英国へ転校する5年生まで、毎日授業を受けることはなかったので、英語どころか算数・理科等も含めてすべての科目の習得や知識には大きなギャップがありました。

でも、イギリスの小学校でのレベル別授業のお陰なのか、取り残されることもなく、クラスのみんなと学校生活を楽しめました。最後には、6年生レベルの学力習得が満足にできているというお墨付きの成績表も手に入れて、無事小学校を卒業できました。

算数の授業、簡単でよかったよ。

不登校生だった息子は、日本でも、少しは個別で勉強を教えてもらっていたので、まったく算数ができないというわけではなかったのですが、日本で勉強した量は、毎日に学校に通っているお友達とは大きくかけ離れていて、当然。

ということで、彼のクラスでの算数のグループは、クラスで一番下のグループ。 いままで、 学校で英語で勉強したこともないので、英語の授業は、とうぜん、クラスで一番下のグループ。

『学校に行くことはできても、クラスで何も分からず引き目を感じるのでは。また、それが原因になって不登校になるのでは。』と、心配していた母でしたが。

「僕、今の算数のグループで良かったよ。算数の勉強が、すごく簡単。」と、我が息子は、明るい声で教えてくれました。

学校に毎日楽しく通えるようになっただけでも最高と思っていた母ですが、こんなに明るく言われると、勉強のことも心配になってきました。

できなくても大丈夫といえる自信

息子の算数のグループに、息子と良く遊ぶお友達の名前がなかったので、息子と仲の良い子たちは、どのグループなのかしら?と思わず興味心がわきました。

 「君の親友のJ君は、算数は、どのグループ?」 「もちろん、一番上のグループ。」

 「そのグループに入れるのは、いつになるかなぁ?」 プレッシャーを与えることになるかなぁと思いつつも、思わず質問すると。

 「そりゃ、一生無理でしょう。」とにこにこ顔ではっきりと断言した息子。

思わず、返事に詰まってしまいましたが、何よりも引き目も感じていない明るい笑顔の息子を見て、嬉しくなった私。彼の顔には、『勉強ができなくても平気』という自信がみなぎっていました。

こんなに堂々と開き直った息子を見ることは、小学校に入ってから初めてでした。

日本にいた時は、「みんなと同じでなくちゃ。」「こんなんじゃ駄目なんだ。」と自分を追い詰めていることが多かった息子。

「君は君のままでいいんだよ。」というメッセージをいっぱいもらって、ようやく、『できなくても大丈夫。』と思えるようになったね。

自分は自分。楽しく勉強できればいいよね。なによりも、楽しく学校に行けることができてよかったね。



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2013年9月25日水曜日

イギリスのテニス  トーナメント・シーズン

ジュニア・テニス 夏のトーナメントシーズンが終わって。

怒涛のような夏のテニストーナメントの時期が終わりました。
学校が始まるのが、嬉しい。

7月の卒業式が終わった2日後から始まった夏休みのトーナメント。5週間の夏休みの間に、7つのトーナメントに参戦。これが多いのか少ないのか。ジュニア・トーナメント参戦初めての夏休みなので、なんともいえません。

とりあえず、テニスの試合から一息。
と思ったら、今度は、秋のクラブ内トーナメントが始まり、そして、冬のトーナメントの時期へとむかうそうです。
「ジュニア・プレイヤーの親に休みはあるのか。」

英国テニス協会 ホームページ

グランドスラムのウィンブルドン大会も含むイギリスの公式テニストーナメントを管理する英国ローンテニス協会(The Lawn Tennis Association;略してLTA)。
 イギリスのほとんどのテニス・クラブが、この英国テニス協会(LTA)に属していて、英国テニス協会(LTA)の会員数=イギリスのテニス人口と言っても過言でもない。

そのイギリスのテニス界をまとめるLTAのホーム―ページは、とても丁寧に作られています。テニスを全く知らなくても大丈夫。

テニスの始め方やルール、地域のテニスクラブの検索や公式試合への参加の仕方、児童のミニ・テニスからプロの国際試合まで、さらに、プレイヤーのプロファイルと、いろんな情報を手に入れることができます。
イギリスのテニス情報は、LTAのホームページさえ見れば網羅できるわけです。


ジュニアテニスのトーナメント・シーズン

さて、LTAのホームページを見ると、ジュニア・トーナメントのシーズンについて、明解に説明されていました。
 夏のシーズンは、4月1日から8月31日まで。 
冬のシーズンは、9月1日から3月30日まで。

 結局、休む時はないみたいですね。 

イギリスのテニスシーズンは、夏・冬の2シーズンと別れていますが、ジュニア戦には、この二つのシーズンの日付に注目することが、大切になってきます。その理由は、こどもの年齢により、どのトーナメントに、エントリーできるかが決まるからです。

イギリスでは、11歳から18歳までが、ジュニア・プレイヤーとしてトーナメントに参加できます。 公式戦は、年齢ごとに12歳以下のU12、それにつづいて、U14、U16、U18と4グループに分けられています。年齢の上の試合に出るのは許されるのですが、自分の年齢より下のグループには参戦できません。

ジュニア・テニス 年齢グループ表

LTAでは、この年齢ごとに、どのシーズンのどの年齢の試合に出られるか詳細に教えてくれます。
ホームページを見ると、Q&Aでは、こんな風に分かりやすく説明されています。

What age will you be on the 31st March 2011? Answer: 12
2011年3月31日に、あなたは何歳になりますか? 答え:12歳)
You will play 12 & Under yellow ball competition for the coming winter season – 1st September 2010 to 31st March 2011
(次の冬シーズン(2010年9月1日-2011年3月31日)の12歳以下のイエローボールの試合に参加できます。) 

今年2013年のトーナメント・シーズン用に、こんな表も作ってくれていました。


その上、子供の生年月日を入力したら、年齢グループを教えてくれるページも用意されていました。



いたせりつくせりですね。
イギリスのテニス協会がんばってくれています。また、ジュニア・トーナメントの参加システムについて、これからもブログでお知らせします。


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参照:The Lawn Tennis Association http://www.lta.org.uk/players-parents/Competition/Junior-competition1/Competition-Age-Groups-Explained/Age-Group-Examples/#sthash.7thL3zpv.dpuf


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