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日本と英国を行き来する2人のバイリンガルキッズの母。ロンドンで生まれた子供たちを連れて日本へ。横浜で英語で創作絵本を作るキッズ・クリエイティブ・ライティングの教室を開き、英語の絵本の出版。小学校で不登校になった息子を連れて、またまた英国へ。イギリスの自然と息子のテニス・トーナメントの応援と野菜作りを楽しむ日々を過ごしていましたが、社会人学生として大学に入学。
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2014年6月12日木曜日

イギリスの試験 全国統一試験 GCSE 2度目のチャレンジ


 受験シーズン到来


イギリスでは最終学年末になる5月と6月が中高生にとっての受験シーズン。

この6月に息子は2度目のGCSEを受けます。
GCSE(The General Certificate of Secondary Education)は英国の中学修了時に行う全国統一学力試験。イギリスの生徒は通常15/16歳となる11年生(Year 11)に受けます。

日本に6年間住んでいた息子は英国に引っ越して1年になる去年の6月に日本語のGCSEを受けました。
結果はギリギリ合格点のC。 (D以下でも不合格ではないのですが、大学受験や就職にはGCSEのC以上のグレード求められることがほとんどです。グレードCを取ったらGCSEの試験をパスしたと一般的に考えられています。) 

まぁ、しかたがないかぁ。
母は息子が大きな試験に挑戦できただけでも満足でしたが、イギリス人の父親はGCSEの重要性をよく知っているのかいないのかこの結果に納得せずに「来年もう一回トライしてみよう。」 

日本で不登校生だった息子。イギリスに来てからは毎日現地小学校へ通学し、みんなと勉強できたり、6年生には全国学力試験を受けたりもできるようになりましたが。。。

『GCSEの試験場に足を運ぶことができるか?』
 去年の受験時はそれすらも大きな疑問でした。
本当にGCSEというイギリスの中学生でさえも大変な試験に挑戦できるのだろうか。
もちろん過去問などを解く余裕もなく何の準備もしないで迎えた試験日でした。 

イギリスの全国統一試験 GCSE 日本語 リーディング問題用紙  2013年度
GCSE Japanese 2013年度
リーディング問題用紙

GCSE Japanese

日本語のGCSEはリスニング、リーディング、ライティング(作文)、スピーキング(面接による会話)の4試験で3日間の日程で行われます。

GCSE日本語の試験項目と試験時間

ユニット1 リスニング 50分 
ユニット2 スピーキング 8-10分 受験者がスピーチに合う写真やイメージを持参。自分の決めたトピックを話すプレゼン式を選ぶこともできる。
ユニット3 リーディング 55分 9問 解答選択式と英語での記述式
ユニット4 ライティング 1時間  セクションA:小作文(75~180字)セクションB:作文(300字以上)

大きな不安を抱えた去年のGCSE。
試験日程で試験官と面接するスピーキングテストが一番初めに終わりました。

日本語のように英国ではマイナーな言語の科目だと日本語の話せる面接官を探すのも大変です。ロンドンだと日本語のGCSEやAレベルの試験を毎年行う試験会場がありますが、地方だとそうも簡単に話が運ばなかったり。

通常は学校側が探してくれますが、受験者に試験官にふさわしい人を探してきてと頼む時もあるみたいです。

試験日が決められて全国一斉に行われる筆記試験と違いスピーキングの試験日は「何月何日までに終了していること」と決められているだけで、特定の試験日は指定されません。

 我が家の子供達のGCSE受験にあたり試験会場になる娘の中学校から「日本語を話せてGCSEの試験官にふさわしい人を紹介してください。」と依頼がありました。

地元の大学で日本語講師をされている方をお頼みして、試験日程はこの先生と都合の良い日を決めることが出来ました。

「楽しくおしゃべりできました。」と試験官から太鼓判をもらったお陰で筆記試験への不安が大幅に減少した息子。 

筆記試験での作文は一文字も書かなかったと淡々と両親に報告した息子ですが「この次に受ける時には、もう少し日本語を書く練習しないとね。」と明るく試験会場を出たのでした。 


CGSE 再受験(Resit)と早期受験(Early Entry)

GCSEは再受験ができます。

もちろん1回の試験で最高グレードのAが取れればそれに越したことはないのですが、GCSEの平均スコアの低い学校では、再受験を見越して、本来は11年生で受けるGCSE試験を前倒しで生徒が9年生や10年生の時に行わせることもあります。

その場合は本来最低2年間かけて勉強するところを1年だけで勉強したりと準備期間が短くなるので『本当に成果が良いのかな?』と思っていたら、やはり英国政府も同じように考えていたみたいで教育改革の一部とし早期受験の規定が変わるそうです。

2013年9月以降から英語などコアの教科は最初のGCSE試験の結果のみが学校のパフォーマンスとして反映されるということになりました。 

受験者にとって再受験はどうなるの?

GCSEの再試験を受けた場合、前回のスコアより低い点数になっても高い方を使うことができます。英語や数学は翌年の6月を待たずに再受験ができますが、日本語は毎年6月の試験のみです。教育改革の進む昨今のイギリスではその変化についていくのに教師も親も大変です。

我が息子、大丈夫かしら。
また同じグレードを取るならまだしもそれ以下になる可能性もあるし。。。
何度、再受験してもいいGCSE。でも何度もやることに意味があるのかな?近い将来廃止になるかもしれないと言われている日本語のGCSE。受けれる内に受けておいたほうがいいのかなぁ。

 去年、父親が「チャレンジしてみることに意義がある。」と言って申し込んだGCSE。合格はもとより白紙解答になるだろうとあきらめていた母でしたが、結果が出た試験の再チャレンジとなると違います。
今回は過去の問題用紙や解答を熟読してやけに熱心な母。

 それにしても筆記試験の作文で一文字も書かずによくグレードCが取れたものだ。

この謎を解くべく去年の試験の結果を改めて見てみました。

GCSE日本語の受験対策

息子の去年のGCSE Japaneseの点数は。。。(カッコ内の点数は満点の場合 )
  1. リスニング   59点 (70点) 
  2. スピーキング 80点 (80点) 
  3. リーディング  60点 (70点) 
  4. ライティング  0点 (80点) 
去年の受験直後は無事にGCSEの試験を受けることができただけで興奮し、後日送られてきた結果を見ても数字がろくに頭に入ってこない母。ひたすら作文の試験の0点の部分だけを見つめていました。

不思議なことに1年経って冷静に眺めると数字からいろんなものが見えてきます。

去年の受験前は過去問を見せただけで粉砕されて下を向いて固まっていた息子も難関を乗り越えてしまえば余裕をもって振り返れます。

 「あれ?この問題のページあったかな?試験の時見なかったけど。」首をかしげる息子。

イギリスの全国統一試験であるGCSE 日本語 リーディング試験問題 2013年度
2013年度GCSE日本語の問題

解答は英語力が必要

ライティングの問題用紙には(たぶん受験者がメモできるようにと)白紙のページがところどころに挿入されています。最後の問題の前のページも白紙のページが入っていて、息子はそのページで試験問題が終わったと思い込んだみたいです。

ライティングの最後の問題は日本語の長文を読んで答えを英語で書く問題。漢字や日本語ボキャブラリーを問われるだけでなく、ある程度英語も書けないと答えられません。

この最後の問題の点数配点は10点。 

母と同じく、2度目は前向きに試験準備に取り組む息子。過去問題にチャレンジ。
「自転車のスペルってBycicleでいいのかな?」

英語で文章が書けるようになってもスペルの間違いの多い息子。
「惜しい。。。Bicycleなんだけどなぁ。」

『英語で答えを書くのはやっぱり無理か』 と心の中でつぶやく母。

幸いに日本語のGCSEはあくまでも日本語能力を試すものということなのか。英語の単語のスペルが間違っていても大目に見てもらえそう。

リスニング問題ではBrown Blounと書いてもComputerComputarと書いても発音が似ているからOK。「Various spelling of ~」 とか「Accept any incorrect spelling」と解答欄に注釈が入っています。
 さらに作文の試験では日英/英日の辞書あるいは電子辞書も持ち込みOK

ほっと胸をなでおろす母でした。

 リーディングの10点と共にリスニングはあと11点足りなかった去年の試験。
「リスニングの試験は音声が始まってからいつ答えを書くのか分からなくて、話す声が終わるのを待っていたら次の問題に進んで1問目は全く答えを書けなかった。」という息子。

去年できなかった問題の解決策が見えてきました。
もしかしたら2度目のチャレンジは無駄ではないかもしれない。。。


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GCSE日本語の過去の試験問題・回答は試験機関であるEDEXCELからダウンロードできます。→リンク
また、『右往左往のイギリス大学受験記』のブログを執筆している鉄火のマキさんがEdexcelへのリンクを年度ごとにまとめたリストを作ってくれています。→リンク

参照:
Edexcel
http://www.edexcel.com/quals/gcse/gcse09/mfl/japanese/Pages/default.aspx
英国政府 GCSE 早期受験について 
https://www.gov.uk/government/news/changes-to-early-entry-at-gcse

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2014年4月2日水曜日

イギリスの学校 保護者面談 キーステージと学習習熟度

 保護者面談 ペアレンツ・ミーティング 

不登校生だった上に小学校高学年で海外へ転校と不安がいっぱいありましたが、イギリスの学校でのサポートはいくつもの層に分けて行われて息子も毎日の学校生活に慣れていきました。

イギリスの学校へ転校してわずか2ヶ月で6年生になった息子。
6年生の1学期末に「Parent meeting」と呼ばれる保護者面談がありました。

日本では同級生と一緒に授業を受けれず学習も遅れていたのに、転校したイギリスの小学校では賞状やご褒美ステッカーをいっぱいもらって帰ってくるようになった息子。

保護者面談でも、担任の先生からも「すごい。すごい。」とお褒めの言葉をもらいましたが、さて実際、息子はどのくらい勉強が出来るようになったのか。

 イギリスには義務教育の生徒の学習レベルを表す全国共通の数値があります。 


キーステージと学習習熟度(評価レベル)

小学校1年生(5歳)から中学生卒業(16歳)までの義務教育期間の学習習熟度はキーステージ(Key Stage)と呼ばれる段階で分けられます。


  • キーステージ1 Year 1&2 (5~7歳)
  • キーステージ2  Year 3・4・5・6(8~11歳)
  • キーステージ3  Yea 7・8・9(11~14歳) 
  • キーステージ4  Year 10・11(14~16歳)  

イギリスでは、キーステージ1と2が小学校、キーステージ3と4が中学校となります。

 イギリスの義務教育は日本で言うと幼稚園年長組から高校1年生の1学期までと日本に比べてかなり長い。(4歳児が入れるY1の下のレセプションと呼ばれる学年を持つ学校もあります。)


イギリスの教育省 ナショナルカリキュラム(学習指導要領) キーステージと評価
英国教育省のナショナルカリキュラム キーステージと評価

        
各キーステージの学習内容は、教育省によって決められているナショナルカリキュラム(National Curriculum)と呼ばれる全国共通のカリキュラムに従います。 (日本で言うと学習指導要領のようなものです。)

キーステージごとに「達成目標レベル」が決められています。
この達成目標レベルは『Average level of attainment』と呼ばれ、各段階での平均的な習熟度を表しています。

決してこのレベルに達しなければ不合格ということではなく、あくまでも目安としてキーステージごとの2―3年でどのくらいまで伸びるかを考慮して各生徒の学習計画がたてられていきます。

各キーステージの終了時に全国試験があります。
小学校時のキーステージ2と3の時にSATテストと呼ばれる算数・理科・英語のテストが行われ、キーステージ4の終了時に中学生は通常GCSEと呼ばれるテストを受けます。 

全国試験のない学年時でも、宿題・校内テスト・授業での態度などで先生は生徒の能力をカリキュラムの内容と合わせて数値化していきます。
キーステージ終了時にターゲットのレベルに達成しないようだと判断したら、ターゲットのレベルを引き下げて、習得が早い時はターゲットのレベルを引き上げてと先生方は生徒の学習の目標を調整していきます。

 「1年間で結果が出なくても、数年間の枠で考えていこう。数年間でどのくらいの成長があったかをみていこう。」という教育の姿勢です。

 イギリスの先生と英語の作文の評価

 さて、各教科の息子のレベルを担任の先生から見せてもらいました。

体育は4。ふむふむ。

それ以外は期待してなかったのですが、英語や算数でレベル3と書いてありました。信じられない。

小学校6年の終わりにはレベル4をとれば平均として満足ということになりますが、息子さんの場合、日本からの転校生なのでレベル3の上を目標にしています。」と少し済まなそうに言う先生。

数値で息子の学力が表してもらえるだけでも驚きです。不登校時代の真っ白だった学校の通信簿の欄を思い出します。

「本当にこの数値ですか。」書いてある数字をさして思わず聞いてしまう母でした。

 「この数値は担任教師だけの判断でありません。息子さんの勉強に携わっている副担任、個別指導教師、その他の先生達からのフィードバックによって評価されています。さらに宿題や学校内でのプロジェクトのノートは外部の審査に提出して公平な評価がされます。」 

そして、息子の英語の作文を見せてもらいました。 そこには、数行にもわたってぎっしり手書きの文章が。。。

 『これを我が息子が本当に書いたんですか。』

 でも、よく見るとほとんどの単語のスペルが間違っていて、句読点もなければ、文章の始まりの文字も大文字で始まっていないなど文法も間違いだらけ。

「これを見て私が言えることは。。。」と先生が作文を前に話しだしました。
 「スペルが間違っているし、文法もまだまだ勉強が必要ですね。」と母は思わず続けると。
 「いいえ、これを見て教師として言えることは、息子さんには作文を書く能力があるということです。」
と言い切った担任の先生。

 全く予期もしなかった言葉に『へっ。』と驚いた両親二人。

 「単語のスペルが間違っているのは、これが正しいのです。英語の単語の発音どおりに書いてあります。英語のスペルは発音しない部分も文字があったりして難しいです。習わずに書けるわけがありません。これでいいんです。イギリスで初めてスペルを習う1年生にはこうやって教えています。文法だって習っていけば良くなるのです。それは私達が教えていきます。」

 「でも、文章を書く才能はあるかないかです。息子さんはスペルが間違っていても、文法がめちゃくちゃでも作文を書く才能があります。」

力強い言葉を頂き安心したというよりただただ驚いた両親でしたが、実際は、この半年後に息子が書き終えた作文を読むまで、ただの気休めみたいなものだろうと思っていました。

 『だいたい、この数行の滅茶苦茶の文章を見てどうして作文の才能があると言い切れるのだろう。』

 字を書いたり絵を描いたり創作活動が息子は苦手と思っていた両親。

 字を書こうとすると鉛筆を持ったまま固まっていた息子。アルファベットも満足に書けずにキーボードを叩いて始まった英語の授業。

この両親面談の日からたった数ヶ月で、息子がみんなの前で朗読をしてもらえるような作文を手書きで書けるようになるとは思っていなかったのでした。



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参照: 英国 教育省 UK Department for Education
 https://www.gov.uk/national-curriculum/overview


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2013年9月10日火曜日

イギリスの試験 義務教育修了全国統一試験 GCSE

義務教育修了試験 GCSE (The General Certificate of Secondary Education)

お陰さまで、この9月に中学生1年になった息子は、イギリスの義務教育修了試験日本語の試験合格しました。

今年のGCSEの結果発表は、8月22日でした。
このイギリスの義務教育修了の全国統一学力試験(GCSE)の結果は、同じ日に一斉に発表されます。 

 GCSEの試験結果は、点数でなくグレードでAからGまでの7段階。
 最近は、 Aよりグレードが高いA*( Aスター)が加わりました。

一般的にCまでが合格とされます。

息子の日本語のGCSEのグレードはC。(ぎりぎりでしたね。)

受験できる科目の数は、9から11科目くらい。
中学校によって、最大選択科目数は決まります。
 娘の私立中学校は、10科目まで選択できます。
 公立の学校の方が、11科目と多くの科目数を取れる時もあります。

 最近は、オプションになる選択科目も、歴史、地理、外国語(ヨーロッパ語)といった昔から勉強されている科目以外に、 ビジネス、Citizenship(公民)、テキスタイル、メディア(テレビ・報道)、近代外国語(Modern Language)といった新しい科目も含まれています。

イギリスでは、近代外国語の分野に含まれる日本語の試験を、息子は受けました。

受験科目のオプションは、学校によって選択できない場合も多いので、実際は、各学校で教えている選択科目から生徒は選ぶことになります。 

GCSEの結果は、今後の進路を決める資格試験となるので、科目の選択もよく考えなければいけません。

このGCSEの試験結果は、Aレベル(大学入学への資格試験)の受験科目を決める大きな目安になります。
 Aレベルの成績が悪くても、GCSEの成績を考慮してくれる大学もあるので、 どの科目を取るかという選択は、かなりシビア。 

9年生(13歳)の時に、翌年度から始まる2年間のGCSEのコースの科目を選ばないといけません。
日本だと中学1年生となる13歳の時に、イギリスの子供たちは、すでに自分たちの進路選択のプレッシャーがかかっているのですね。


イギリスの職業資格 教育資格と学位
イギリスの教育資格・学位および職業資格のチャート

 GCSEの結果は、大学進学を望まない子供たちにとっても、その後の就職活動に影響を与えます。

例えば、GCSEの英語、数学、(理科)のグレードC以上を持っていれば、公立学校の教員資格(Qualified Teacher Status)の資格教育課程のコースを受けることができます。イギリスでは、日本のような教員になる国家試験はなく、このコースを修了すれば、公立学校の先生になれるわけです。 

イギリスの16歳の時に取るGCSEの結果で、公務員への道が確保できる。
重要なわけですね。

日本の小学校で不登校生だった息子。
彼の進路を、親子ともども懸念してました。
イギリスに来てから1年わずか。
将来への橋がすこしづつ見えてきました。


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参照:OFQUAL(Office of Qualifications and Examinations Regulation)

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2013年8月30日金曜日

英国の特別支援 イギリスの小学校

通知表の不思議

不登校で日本では勉強もなかなかできなかった息子が、
アルファベットも間違えずに書けなかった息子が、

イギリスへ転校して、わずか1年と2カ月で、イギリスの6年生と同じ学習レベルに達成できたと言うのはどうしてなのだろうか。

 小学校6年生学年末の通知表を見て、とても不思議に思いました。 

やはり、これはひとえに、イギリスの特別支援システムのお陰だろうと思います。

息子は、日本の小学校5年生になる春に、イギリスの小学校に転校しました。
 そして、イギリスの小学校で、息子はSENの生徒になりました。

 イギリスでは、特別支援は、Special Education Needs と言います。
これは、特別教育の必要性(特別教育支援)ということで、
特別な教育が必要な子へのサポートという意味です。 

日本で、不登校生の息子は、特別支援学級の生徒でもありませんでした。

 引っ越してから数週間後、ようやく近所の小学校に入学できることが決まり、
「不登校生だったことを言うべきか。」悩みました。 

転校したからといって、息子が登校できるとは限りません。
これが理由で、日本でも、他の学校に転校することをためらっていました。 

「英語での教育を受けてないどころか、日本でも小学4年生修了の学力には程遠いし、通えない可能性が大きい。」
 不登校生だったことを伝える為に、転入前に、親だけで学校に面接に行きました。 

面接した副校長先生は、息子が不登校生だと言う話を聞いた後、一言。

「息子さんは、特別支援の生徒としてのサポートが付きます。」 

そして、こう説明してくれました。

「でも、これは彼が不登校生だったということに関係なく、彼が英語圏以外の国から来た転校生だからということでつくサポートです。」 

「イギリスの特別(教育)支援は、身体的障害から学習障害・発達障害、海外からの転校生まで幅広く含まれます。」 

「だからと言って、サポートの内容に制限が付くわけではありません。サポートの内容は、この学校の特別支援のコーディネータが決めます。」

「この学校には、SENの資格を持つ教師は数名います。私もSENの資格を持つ一人です。つまり息子さんはどのようなサポートが必要かは、この学校の教師が決めて行きます。」

SEN(特別教育支援)のクラスメイト

イギリスの学校は、特別支援の子供は、特別に先生が一人つき、普通学級のクラスで勉強します。

 つまり、クラスに一人でも特別支援の子供がいると、そのクラスには、担任のほかにもう一人の先生が付くわけです。

 この面接の時に、娘が通っていたロンドンの小学校のことを思い出しました。 

娘のクラスには、学習障害(LD)の子がいました。
彼のためにアシスタントの先生がついていました。

学習障害があるからと言って、いつも先生が必要だとは限りません。
その子が、一人でできるアクティビティの時には、その先生は、クラスの他の生徒達のことの面倒をみてくれました。 

クラスに学習障害のある生徒がいても、先生が多くなれば、そのクラスの他の子たちもその恩恵を受けるわけです。 

娘のクラスメイトのイギリス人のお母さんが言った言葉を忘れられません。

 「(学習障害のある)○○君がいるから、うちの子のクラスには、アシスタント・ティーチャー(先生)がつくからラッキーね。」 

こうして、息子は特別支援SEN)の生徒として、

教室で、アシスタントの先生についてもらって、クラスメイト全員と一緒に、

あるいは、別の部屋で、個別に一人の先生と、

時には、少人数グループの取り出し授業など、

いろいろな形のサポートを、イギリスの小学校で受けていったのでした。




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2013年8月12日月曜日

英国の通知表 小学校最後の通知表


卒業する数日前に息子が学校からスクールレポート(通知表)をもらって帰ってきました。
 「うれしい。息子に読んであげられる部分がいっぱいある。」
 日本の小学校では、1年生の時を除いて、通知表の最初のページ(各教科の評価のあるページ)は、真っ白でした。クラスで授業も受けていないので、仕方ないですよね。
それでも、コメントの欄には、担任の先生方が、息子についての暖かな言葉を書いてくださっていたので、なるたけ息子には見せないようにしながら、その部分だけを読んであげていました。
といっても、先生から息子に直接手渡されていることもあって、全く見せないと言うのは、無理なのですが。

英国の通知表:School Report

英国では、通知表は、学校からの報告書ということで、スクールレポートと呼ばれています。
親に渡されるのは、年に1回、 年度末の7月に渡されます。
To the parents/Guardian of 息子の名前”と書かれた封筒に張っていて、親より先に生徒が見れないように、ちゃんと封がしてありました。(これも嬉しかったです。)

英国の通知表は、日本と違って、特別な紙で作ってある冊子ではなく、普通のA4のコピー紙に、ずらっーと教科別にコメントが書いてあるだけ。

 このコメントの欄の枠も決まってなくて、「好きなだけ書きました。」みたいな感じに10行以上びっしり書いてある教科もあれば、数行で終わる教科もあって、とっても自由。
最後のページには、担任の先生のコメントと校長先生のコメントとサインが入っています。

 小学校の通知表で、スコアの評価が付してくるのは、SATsテストと呼ばれる全国統一試験の行われる2年・6年生だけ。
それも、試験科目の英語、算数、理科の評価だけで、その他の学年は、このコメントだけの通知表をもらいます。
(ウェールズは、ちょっと違って6年生だけ試験があり、評価科目にウェールズ語も入ります。)


成績表のコメントの書き方:From tutor comments

 今回息子がもらってきた通知表には、それはすばらしい表現がいっぱい書かれていました。

息子の成績表を、私より先に読んだ義理の母は、
「涙をなくして語れない。」と、ハンカチで目を拭きふき。
 
そのすばらしいコメントの一部をご紹介。
 
「英語での学校教育がたった2年目とは思えない。」(英語)
「今年のプロジェクトの中で、彼は本当に輝いた。」(Art
「デザインのプロジェクトでの彼のアイデアは、オリジナルで、独創的である。」(デザイン)
「とても熱心な地理学者である。」(地理)
「熱心で才能のあるスポーツマンであり、体育の教科において、すべての部分で、すばらしいパフォーマンスを見せ、よいコントロール、スピード、体力、強さ、バランスを見せてきた。」(体育)
「第2次大戦のリサーチにおいて、グループの一員として、また、単独でも効果的な調査を行って、歴史に深い興味と熱意を見せた。」(歴史)
「ウェールズ語に触れたのが初めてにも関わらず、彼の語学の進歩は驚くべきである。
その素晴らしい態度と授業へ意欲的な取り込みは賞賛すべきである。」(ウェールズ語)

最後の担任の先生からのコメントでは、「彼は、家族にとっての誇りで、我が校の財産であることを証明しました。」とまで書いてありました。

ここまで言われたら、おばあちゃん泣くよね。

日本人の私は、最初にコメントを読んだ時、感激するというより、
英語で言うと a little overkill”っていう感じで、ちょっと引いてしまいました。

コメントの通知表と一緒に入っていたAssessment Results(学習達成結果)のスコアの紙。

これをみてびっくり。

彼の6年生の英語、数学、理科の3教科の成績は、英語のスピーチを除いて、すべてレベル4と記されていて、6年生修了時の学習達成レベルをクリアしていました。


学習達成スコア表:Assessment results



学習達成レベルと言うのは、ナショナルカリキュラム(National Curriculum)と呼ばれている日本で言う学習指導要領をもとに作られている学習の達成目標なのです。
各学年ごとでなく、2年生(7歳児)、6年生(11歳児)、9年生(14歳児)の修了時に求められている達成目標です。
6年生だとレベル4をクリアしていたら、OKという具合です。

 学習達成目標が、毎年でなく、とびとびの所がいいですね。

1年でできなくても、数年かけてのんびりと達成できればいいよ。」と言うことでしょうか。

小学校最後の通知表は大きな成功の物語 


 日本では、小学校2年生から、クラスで授業を受けることができず、家でも勉強をするわけでなく、これからもずーっと、学力はおぼつかないと思ってました。

英国に来て、教室でクラスメイトと一緒に楽しく勉強できるようになっただけでなく、1年と数カ月で、勉強もなんとかなると分かったわけです。

親としては、喜びよりも驚き。驚きよりも不思議。

不登校だったというだけでなく、日本から転校してきて、アルファベットもまともに書けない生徒が、わずか12カ月で、小学校修了時の学力に達っするという成果をあげた。
これは、英国の小学校の先生方にとっても、成功例だったのでしょう。

通知表の最後に書いてあった副校長先生からのコメントは、

「転校してきた日のはずかしがり屋な彼を知っている私たちにとっては、
今の人を引き付ける笑顔と自信を持った明瞭な態度の彼は、大きなサクセス・ストーリーです。」

とありました。




不登校生英国へ 英国の小学校の通知表 学習達成スコア表 Key stage 2 Assessment results
学習達成スコア表 (Assessment results)
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