自己紹介

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Wales, United Kingdom
日本と英国を行き来する2人のバイリンガルキッズの母。ロンドンで生まれた子供たちを連れて日本へ。横浜で英語で創作絵本を作るキッズ・クリエイティブ・ライティングの教室を開き、英語の絵本の出版。小学校で不登校になった息子を連れて、またまた英国へ。イギリスの自然と息子のテニス・トーナメントの応援と野菜作りを楽しむ日々を過ごしていましたが、社会人学生として大学に入学。
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2016年1月6日水曜日

イギリスの不登校生

不登校生とフッディー 

フード付きのパーカーはHoodie(フッディー、フーディー)と言ってイギリスでは一時フットボールフーリガンや不良のシンボルとして良いイメージが無かったのですが、今ではそんなイメージも薄れてきて相変わらずファッションとして人気のアイテムです。 

息子も幼稚園の頃からフーディーが大好きでした。
でも不登校生になってからのある日、外出時にこのフーディーで頭をすっぽりと隠すようになりました。

まるで何か悪いことをしているかのように自分の顔を隠すように下を向き歩く小学生の息子。
その息子の姿は不良としてメディアで取り上げられていたイギリスの青年たちを思い出させました。

その後、同じように自分の顔を隠すようにフーディーや帽子をかぶっている不登校生の子供達を見ることがありました。

まるで悪いことをしているようになぜ顔を隠さないといけないの。
不登校生の親の心が一番痛む時でした。 

イギリスの不登校生 

「ディスレクシアって知っていますか?」と聞かれたのは日本語レッスンのボランティアに行った時。 

学校が怖くて行けないスクールフォビア(School Forbia)になったことがある子供達は5人に一人いると言われているイギリス。

「英語だとコミュニケーションがうまく取れないので学校に行っていないの。」と紹介されてたイギリス人の女の子は私が初めて会ったイギリスの不登校生でした。

いつも着てるというウォンジー(Onesie)のフードを深くかぶって現れた彼女は私に日本での不登校時代を思い出させました。

 週に1回の日本語のレッスンにお母さんと特別支援の日本人学生のサポーターに付き添われて参加している彼女。

学校に行かず人に会うことが苦手で外に出ることもままならない彼女。 
日本の漫画やアニメが大好きで日本語の勉強の為なら家から出かけることができることがわかり、 車で往復2時間かけて日本語のレッスンに連れてきていると話してくれたお母さん。

 日本語以外だとコミュニケーションができないからイギリス人のクラスメートとも会話ができません。 

ボランティアとしてクラスのサポートに入った日本人の私には「勉強が大好きです。」と日本語で答えてくれます。 

学校には行けないけど、家でお母さんが勉強を教えてくれると話してくれました。
「お母さんは頭がいいです。」と教えてくれました。 

彼女のノートに書かれた日本語はまるで印刷された字のように綺麗でした。 

2時間の日本語のレッスン中、娘さんに付き添ってずーっと隣に座っているお母さん。 時々、娘に日本語で質問されては「私にはわからないから振らないで。」と少し笑いながら英語で答えるお母さん。 

不登校時代にどこに行くにも一緒に息子に付き添っていた自分を見ているようでした。 

学校にこのまま行かれず将来どうなるのだろう。
先の見えないトンネルの中でなんとか少しでの将来に希望を持てることができたらと祈っていた毎日でした。

 会話のレッスンの為に机を挟んで向かい合って座っていた私でしたが、私の心はずーっとこの母娘の側にありました。

 日本の漫画の「One Piece (ワンピース)」が大好きという彼女。
息子の好きなHunterxHunter(ハンターハンター)の漫画の話をすると自分も好きだと嬉しそうに大好きなキャラクターの話をしてくれました。 

楽しい会話に夢中になっていてもふとフードの端に手をおいては深くかぶり直す彼女。
その度に私の心の隅が痛くなりました。 

イギリスで日本語を勉強するきっかけになるマンガ 大人気なのはOne Piece
 英国の日本語教室の生徒に人気のワンピースのマンガ

ディスレクシアや不登校を助ける日本文化

「彼女は英語でのコミュニケーションがダメだから英語だとメールもできないの。メールもコミュニケーションの一種だから。」と教えてくれた日本語教室の先生。

 「でも、日本語でなら会話ができることが分かったのよ。」
この間ロンドンのコミコンに行ってきた時に日本語なら他人と会話できることが分かったとお母さんが教えてくれたそうです。

日本語を通して娘が社会復帰できたらと将来への希望を持ち始めたというお母さん。 

「英語だとディスレクシアでも、日本語だと字を読んだり書いたりできるので日本語のレッスンに来ているイギリス人の人が結構います。」

「日本の漫画やアニメがきっかけで日本語に興味を持ってみたら、実は日本語ならディスレクシアの問題がないことが分かったりするみたい。」という先生の話。

 日本の文化がこんな風にイギリスの不登校生に楽しみを与えて社会へのつながりや将来への希望の手がかりになっていることは大変嬉しいことです。 

日本の文化がこんな風にイギリスの不登校生を楽しませて、社会へのつながりや手がかり、将来への希望を与えていることは日本人の私には大変嬉しいことです。 

これからも日本の文化が海を越えディスレクシアや学習障害で困っているイギリスの子供達をより多く助けることができたら。 

そして、この子たちのためにも日本語のGCSEやAレベルの試験がイギリスで続行されていくことを心の底から祈っています。


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関連する記事:




参照:
Netmums.com 「Is your child worried or anxious about going to school? - School phobia」2003年

テレグラフ紙  [My daughter refused to go to school - for five years」 2014年

2015年8月1日土曜日

不登校生の親友

二人の親友

不登校生になってから道で同じ学校の同級生に会うと固まってしまう息子。同級生だけでなく同じ年頃の小学校生と思うと避けるようになった息子。

学校に行ける日でも通用口から目的の部屋に行くまで同級生や他の生徒達から身を隠すように歩く息子。

そんな息子にも親友とも呼べる二人の友人がいました。
近所の友人。二人共息子とは違う学年でした。

学校に行き渋りし始めた頃には何度も訪ねてくれた同級生達。息子が会うのを嫌がっているのを察してか段々と足が遠のいて行きました。

不登校生になってからいつも遊ぶのはこの近所のお友達二人でした。
一人は息子より一つ年下。息子が小学1年で正式な不登校生になった時、彼は幼稚園生。その為か息子にとって学校を思い出すこともなく気兼ねに遊べる友人でした。

もう一人は息子より2歳年上。同じ小学校の上級生でした。
不登校生になった息子をよく自宅に招いてくれた彼。
とても社交的な彼の自宅にはいつもクラスメイトや近所のお友達がいっぱい遊びに来ていました。

『学校では他の生徒を見かけただけで避けたり固まってしまう息子なのに大丈夫かな?』と心配していた母でした。

でも、誘いの電話があると飛び出していく息子は一日中家の中で小さくなっていた息子とは別人のようでした。

こうやって毎日のように息子は放課後、家の外に遊びに行くのを楽しみにしていました。

「まだ2時だから、あと1時間20分だね。」時計を見ながらつぶやく息子。お昼ご飯を食べた頃から時計を気にし始めます。

今日も放課後になるのを朝からずーっと待っています。

『放課後になったらひとりぼっちじゃなくなる。』そんな思いだったのでしょうか。

家の外で子供の声が聞こえるだけで窓から遠い部屋の反対側へ走って行く息子。
このまま引きこもりになってしまうのでは。。。母の心は学校に行けないことより外に出れない子になったらどうしようと痛みました。

上級生の親友を通して上級生の知り合いも増えました。年が上のせいかみんな息子の気持ちを読めるのか優しく暖かく接してくれました。

「放課後みんなで学校で遊ぶからおいでよ。」と上級生に誘われて放課後学校に遊びに行くこともありました。

翌日、母一人学校に行くと「昨日、放課後に校庭に遊びに来ていましたよ。」と先生に声をかけられて恐縮するのでした。

『なぜ昼間は学校に来ないのに放課後になると学校に来れるのか。』と先生方は不思議に思っているのでは。。。

恐縮すると同時になぜ誰も居ない放課後には学校に来れるのに授業がある時間に登校することができないのか学校の先生方が少しでも不思議に思ってくれたら不登校の謎が少しでも解明できるのではと思ったりもしていました。

充実した放課後


毎日のように遊びに来てくれたり誘いに来てくれる二人。不登校生の息子の放課後はこの二人の親友によりとても充実したものでした。

「石1つ 80円」という木札とともに庭に石を並べて将来二人で石を売る石屋になるんだと話してくれた一つ年下の親友。

学校に行かない息子の友達の輪を広げてくれた上級生の親友。

息子が引きこもりにならず家の外へ目を向けることができたのはこの二人のお陰でした。

学校へ行けなかったつらい時期でも友達と一緒に公園に行ったり虫や魚をとったりゲームをしたりスポーツをした楽しい思い出が息子の心に残りました。

夏休みに里帰りをした渡英後3年目の夏。
小学生だった息子も二人の親友も中学生と高校生になっていました。

いまだに公園にエビを取りに行こうと話す中学生と高校生。

生まれてきてくれてありがとう

不登校生の親友。この二人がいなかったら息子はどうなっていたのだろう。

母は必死に息子の不登校を解決しようと努力してきたように思っていましたが、振り返ると母親ができたことは息子の送り迎えとか付き添いと寄り添いだけ。。。

息子の不登校は息子の辛い思いと深い悩みの時間をへて彼に携わってきた多くの人たちの思いによって少しづつ少しづつ何かが変わってきたのでしょうか。。。

そして、その息子の心の変化の一番下にいつもいてくれた二人の親友。

不登校時代どんなに辛くても「生まれてきてくれてありがとう。」と母はいつも思っていると伝えたかった。

そして息子を支えてくれた親友達にも同じように偶然かもしれないけど出会えてよかった。

生まれてきてくれてありがとう。


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2015年3月30日月曜日

不登校生の担任 

新学年の先生 


小学校1年の不登校生の母は希望がありました。

まだ小学1年生。そのうち学校に行けるようになる。 

正式な不登校生になった小1の3学期。
校長先生の励ましで不登校生ながらも何回かは校長室を訪れることができた息子。

 2年生になったら学校に通えるかも。
担任の先生が変わったら不登校も変わるかも。

校長先生からも「学年がかわったら学校に来られるようにしたいですね。」と声をかけられて、両親の心は期待でいっぱいでした。 


不登校生の担任希望


上級生だった姉の担任の先生は特別支援学級で教えた経験もある先生でした。

割り算ができなくて困っている娘に親よりも早く気がついて放課後個別指導をしてくれた先生。
娘の心を細やかに感じてくれた先生。

「あの先生だった息子も学校に行けるようになるかも。」母は密かに思っていました。

校長先生からお姉さんの担任だった先生が息子さんの担任になりますよと教えてくれました。

新学年になり息子の担任となった先生が『不登校生の息子さんの為に息子さんのクラスの担任になりたい。』と自分から希望しました。」と教えてくれました。 

担任や校長先生だけでなく学校の多くの先生が不登校の息子のことを考えてくれているのだと心の中に大きな温かいものを感じられた一瞬でした。

 不登校生を持って心が締め付けられる毎日でした。
でも、人の優しさや温かい気持ちにもいっぱい触れることができました。

継続する不登校状況 


新学年になることに親は期待感を持っていましたが、不登校生の息子の気持ちは反対に不安感の塊でした。

「学校にも行ってない僕は2年生になれない。」と言い続けた息子。
 「嫌でも自然に2年生になっちゃうんだけど。。。」と息子の不安を和らげようとトンチンカンな返事をする母でした。


持続する不登校状況 前年度から継続する不登校児童数
不登校の状態が継続する小中学生数の割合 (H25年度)

全国の不登校統計によると学年が変わっても不登校生の不登校状況が続く割合は多く。
学年が上がるほど不登校生の持ち上がり数は増えていくのでした。

何年も先の見えない不安を抱えて不登校生とその親達。

上級生になっても「僕は1年の時から教室でみんなと勉強していないから1年生なんだ。ずーっと1年なんだ。」と言っていた息子。 

将来がないと悲観する息子に 「いつか同級生と一緒に教室で勉強できるといいね。いつかみんなと一緒に成長していくことを楽しめるといいね。」と心の中で話しかけていた母でした。

本当に「いつか」という日は来るのかしらと疑いながらも、隣でうずくまっている小さい背中を見る時『いつかの日がくると信じていこう』と母は心に誓うのでした。



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(表)参照:文部科学省  
平成 25 年度「児童生徒の問題行動等生徒指導上の諸問題に関する調査」


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2015年3月1日日曜日

不登校生と友達


奮闘する小さい友人達


息子の登校しぶりが始まって最初に一番頑張ってくれたのが、息子のクラスメイトや近所の友達でした。

息子の欠席が増えていることに毎日いっしょにいたクラスメイト達は敏感に何かを感じてくれたのでしょうか?
「お休みしているみたいね。何かあったの?」とクラスメイトのお母様たちから声がかかりました。

欠席が続くようになると、帰りに宿題やお知らせの紙を持ってきてくました。

そのうちに 毎朝、登校する時に我が家まで息子を誘いに来てくれたりしました。

息子のクラスメイトの1人は学校の反対側に住んでいるのに、毎朝お母さんが彼を車で我が家まで送ってきて、「一緒に学校まで歩いて行こう?」と誘いに来てくれました。

それでも、どうしても学校へ足が向かない息子。 全く玄関から出れません。
お友達は 辛抱強く待っていてくれますが遅刻しそうな時間です。

 「もう、いいから。遅刻しちゃうから先にいってね。」

 「今日もありがとう。一緒に行けなくてごめんね。」

 謝りの言葉で始まる毎朝でした。


 そのうちに
「迎えに行きたいけど、子どもがだんだん疲れてきちゃって。」

 「迎えに行って一緒に行けるのなら張り合いも出るのだけど。」

 と申し訳無さそうな声のお友達のお母様。

 小学1年生。自分たちも新しい学校生活に合わせていくのに一生懸命な子供達。
自分のことだけでも大変です。

それでも友達の為ならと奮起してくれました。

そんな思いで頑張って遠回りして迎えに来ても断られるのでは、気持ちも沈みます。


登校しぶりが始まり、毎朝どうしたものかおろおろしいた母でした。
学校からも何の解決案もでてきません。

そんな時、誰よりも早く立ち上がって頑張ってくれた小さいお友達。

 本当に息子の為に頑張ってくれてありがとう。

なぜ学校に来れないの?


 「誘いに来てくれてありがとう。今日も行けないから。」の言葉を繰り返していた息子。
 しばらくするとクラスメイトの声が聞こえるとトイレに隠れてしまうようになった息子。

いつか皆の気持ちが息子に届くといいね。と思いながらの毎日でした。

 自分のことのように心配してくれたクラスメイトやお友達。

 まもなく30日の連続欠席で正式な不登校生になった息子をその後も何年も心配してくれたみんな。

時々見かける息子の姿を見つけては、

 「どうして学校に来れないの?」
「辛いことがあるの?」
「早く来れるといいね。」と声をかけてくれるクラスメイト達

みんなの問いかけに答えることができないと涙していた息子。

直接言うことはできなかったけど、

『ありがとう。皆の気持ちは届いているんだよ。』と心の中でずーっと答えていた母でした。



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2015年1月31日土曜日

新年と不登校生

年明け


新しい年明けは誰にでも新しい未来への幕開けを思わせてくれて、幸せいっぱいな将来を一瞬でも考える事ができる時ですが。

不登校生にとっては、また不安な一年が始めるだけなのです。

『今年こそ学校に行けるようになる。』と思える様になったらいいね。


「新年なんて僕にとっては嬉しくない。」と言う息子の背中に何度つぶやいたことか。

「年明け = 新しい学年 = 不安な将来」

この公式が頭から離れない息子。

小学校1年生の3学期から正式な不登校生になった息子。

息子だけにかぎらず3学期は受験・進学・卒業・入学と将来を考えるイベントがいっぱいです。

不登校生にとって3学期は大きなハードルがいっぱいある時期なのです。


月別小中学校欠席児童数 (H23-25)


登校3年目のお正月


小学校1年生から3年間不登校生だった息子が、イギリスに来てから毎日学校へ通えるようになり3年目のお正月を迎えました。

中学校に進学しても、元気に通学している息子。

だんだん不登校時代が遠くになってきたのかなと思っていました。

冬休みが終わり、新学期が始まる前の日。

「なんだぁ、もう新学期かぁ。冬休みが終わるのやだなぁ。」
と軽い口調でいう息子。


母はなんだか嬉しくなります。

不登校時代には言えなかったセリフ。

不登校生の彼にとっては新学期も長い長い冬だったのです。



不登校脱出と思えた一瞬でした。

でも、その夜、1人でベッドで涙を抑えている息子。

長かった冬休み。不登校時代に感じた何かは今でも彼の心の中にあるのでしょうか。




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参照: 長野県教育委員会



2014年11月23日日曜日

保健室登校と保健室の先生


息子の登校渋りが始まりクラスで授業を受けられないようになって、初めて同じ学校で保健室登校している生徒さんがいっぱいいることを知りました。 

いつでも話せる保健室の先生


息子が学校へ行き渋るようになってから、一番コンタクトを取っていたのが保健室の先生。
保健室に行けば先生は必ずいるのですから、保護者にとっては一番接しやすい先生ですよね。

 担任の先生は授業もあるし忙しそう。廊下で立ち話というわけにもいかないし。

校長先生や副校長先生のところに「どうしたらいいですか?どうしましょう?どうしましょう?」と毎日相談に行くのも気が引けるし。

 こどもが不登校生になると何が一番大変かというと毎日の予定が立たないこと。

 元気そうなときもあれば、落ち込んでいたり、泣いていたり、お腹が痛くなったり、部屋の隅で丸くなって落ち込んでいる小学校1年生の息子をほっておいて出かけることはできませんでした。買い物に行くのもままならず、ずーっと息子の傍らに座っているだけ。

学校に行って相談もできないし、電話で相談したら息子に聞こえるし、どうしたらいいのだろう。それでなくても学校に行けないことに一番苦しんでいる息子。親が息子のことでひそひそ話をしているところを見せたくありませんでした。

学校にいつ行っても会えて、気軽に話せる保健室の先生は不登校生の母にとっては心のよりどころです。


保健室登校の児童数(平成13年・18年比較)文部科学省より
増える保健室登校生 保健室登校の生徒数 (文部科学省)

 初めて知った保健室登校

息子が学校に行き渋るようになってから、一番初めに薦められたのは保健室登校。

 「クラスでの授業が難しかったら、保健室でお勉強したらどうですか。」

学校を休みがちでも登校ができた頃には、保健室で先生と折り紙をおったり、先生のお手伝いをしたりできた息子ですが、不登校時代には保健室登校ができない日も多かった息子。

この学校始まって以来の正式の不登校生と言われて、息子以外に不登校はいないのだろうと思っていたのですが、学校には来ても教室で勉強できない子は他にもいたのでした。 学校には来ているから不登校生ではないけど、保健室登校をしている子がこんなにいるのかと初めて知った私。

いっぱいいるというと「何十人もいる。」みたいに聞こえますが、学校に行けない息子に付き添っていて毎日息子の側にいるだけの私にとっては、クラスでの授業に参加できなくて辛い思いをしている子が息子以外に1人でもいたら、いっぱいいるように感じます。

全校生徒わずか200名の小学校では、保健室登校生数が片手にあまる数でも多く感じました。 

保健室登校の生徒といっても、授業によってはクラスに戻る生徒もいたり、ちょっとだけ休みに来てからまたクラスに戻る子もいたり、1人で教室に戻れる子もいれば、先生が連れて行かないといけない子もいたり一人一人違います。

保健室の先生は各自のスケジュールを把握して、声をかけたり教室まで連れて行ったり、ベッドで休ませたり、保健室で宿題したり、折り紙したり。

保健室登校の生徒だけでなく、怪我をしたり具合が悪くなったりする生徒も来たり、くるくると変わる状況に保健室の先生は対応していきます。

 「すごーい。こんな細やかな対応があるんだ。」と心から感心していた母。

でも、そのくるくると変わる環境に息子は合わせるのが難しかったのでした。 

その上、小学校の保健室はとても人気の場所。休み時間になると子供達がいっぱい遊びに来ます。

息子のクラスのお友達も来たりして、息子がいると「どうして学校こないの?」と声をかけられたり、時には仲良く遊べる時もあったけど、クラスに戻ることができない日数が増えるほど、クラスの友達とだんだん顔を合わせるのが辛くなっていった息子でした。





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2014年10月16日木曜日

校長室登校 4 校長先生の漢字カード

書かない漢字の勉強法

不登校生になり初めて校長先生の家庭訪問があった時、短い時間で息子のことを理解してくれた校長先生。

校長室で校長先生との息子の二人だけの勉強会が行われるようになってすぐに息子が字を書くのが苦手な事に気がついた先生。

「でも、漢字に興味がありますね。」と、またまた息子のできる部分を見つけてくれました。

ひらがなで自分の名前を書くのも苦手な息子。字を書くのにすごく時間がかかります。

鉛筆を握りしめたまま、机の上の白い紙を睨み続ける息子。

不登校性になってから宿題の紙に名前を書くところで断念する親子でした。

でも、字を読むのは苦にならないみたいです。漢字も読むのは大好き。

難しい漢字もシンボルやアイコンみたいに見えるみたいです。
「これなんて読むんだろう?」息子の興味をそそります。

これに目を付けた校長先生は息子にあった面白い漢字の勉強法を考えてくれました。

それは、つくり・へん等の部首を覚えることでした。
『部首の名前を覚えて、組み合わることで漢字を表現できたら』という発想でした。

 「いち」から「おおいかんむり」までの100の部首のカードを作る作業を校長先生と何週間もかけて行なった息子。

校長先生が用意しておいてくれた部首の紙をはさみで切って台紙に張って、裏にはその部首で作られている漢字のリストを貼る。お手本のカードができたら、それを見ながら、部首を書いて裏にはその読みを書いたカードを作る。

字を書くのが苦手な息子でしたが、簡単なつくりやへんならなんとか書けそう。
簡単そうな作業ですが、だんだんと部首の形も複雑になっていきます。時間をかけて少しづつ少しづつ作業が続いていきました。

書かかない漢字の勉強法 部首カード
100枚の部首カード


そのうちに「あの○○っていう漢字は、『○へん』と『あくび』を合わせるんだよ。」とか漢字を口頭で説明してくれるようになった息子。

 「あくび?」

「さんずい」や「うかんむり」や「にんべん」とかはさすがに覚えていますが、「ひらび」とか「ひき」とかいわれても全く形が頭に浮かんでこない母でした。

家でも辞書や本で習ってきた部首を探したり、「この漢字は『いちじゅう』を組み合わせるんだね。」と息子の漢字や語彙力は増えていくのでした。

 同じ漢字を何度も何度も書いて身体で覚えていくという勉強を小学生の時にした私には、この全く字を書かずにどんどん漢字を覚えていく息子に不思議さを感じました。

こうやって息子は、パズルのパーツを組み立てるように頭の中で漢字を覚えていったのでした。

そして、この漢字や語彙力があったことで、息子はイギリスに引っ越してから受けたGCSEの日本語の試験に合格できたのでした。



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2014年9月30日火曜日

校長室登校 3  校長先生との勉強会

成功した校長室登校

小学校1年の時に、不登校生になった息子のもとを訪ねて「息子さんは向学心があるから、勉強をする為だったら学校に来られるはず。」と力強い言葉をかけてくれた校長先生。

「勉強はどこでもできます。私が時間を作るので、連れて来てください。校長室で一緒に勉強します。」という校長先生の言葉で始まった息子の校長室登校。 

初めての校長室登校が成功して、息子は週に1回ほど校長室を訪れるようになりました。

校長先生との勉強会


校長室での1回目の勉強は砂鉄を集めることでした。

集めた砂鉄を使って磁石の仕組みを考える。宝探しとクイズが交わったみたいな授業に息子に息子は飛びつきました。

家に帰って、校長先生からもらった磁石を使って、紙の上に持って返ってきた砂鉄でいろんな模様を作り見せてくれたりしました。

「これ、3年生の時にやったことある。」という上級生の姉も交えての磁場の勉強は盛り上がりました。

それから、しばらく磁石と砂鉄が彼の注目アイテムでした。

「もっと砂鉄が探せるかな?」
「家の庭で砂鉄が取れるかな?」
「学校の砂場でもっと砂鉄が取りたいな。」

学校へ行く不安はなくならないけど、学校に行ったら面白いことができる。

息子が不安を乗り越えられる唯一の理由でした。 

学校の砂場で蹉跌を集めよう 砂鉄の集め方 NHK
イメージ:NHK 砂鉄の集め方


それからも校長先生との面白い授業は続きました。

「今日はペットボトルを使ってロケットを作ってみました。これはこの間理科クラブでやった実験なのですよ。」
 校長先生との週に1回のこんな会話は、学校で他の児童がどんなことを学習しているのかがわかり、学校というものがだんだん遠く感じ始めた不登校生の母には、学校が少し身近に思える時でした。

そのうちに、校長先生は、理科の実験に興味をもった息子を連れて高学年の理科の授業に参加したり。

 「今日は校長室でこの実験をしようと思っていたら、5年生も同じ実験をやると聞いて、二人で5年生の授業に参加しました。」と聞いてびっくりした母。

校長室に行くまでに他の生徒に会うのでさえ怖がっていた息子が、上級生の授業に参加して大丈夫だったのか。しかし、年上のお兄さんやお姉さんに優しく接してもらえた息子はまんざらでもなさそうでした。

むしろ息子にとって、大人みたいに言葉を選び論理的に説明してくれる5年生はとても接しやすかったのでした。

「彼の興味のある事を勉強して行きましょう。」という校長先生の授業は、学年別の横割りの学習指導要領とは違うものでした。

校長室登校がくれたもの


 「2年生だからこう習わなくちゃいけないということはない。興味があって理解できるのであれば上級生に混じって勉強すればいい。」

漢字を読んだり、5年生の理科の実験を楽しめるのに、ひらがなを書くのもままならない、簡単な足し算も苦手な息子を理解して、彼に合う学習内容と勉強方法を提供してくれた校長先生。

 教科書に沿ったクラスでの勉強とはかけ離れていましたが、週1回の校長室での学習は、義務教育の学習内容をよく理解している先生によりガイダンスされたものでした。

 同級生と同じ様に勉強できなくても、たとえ全部の教科の勉強をできなくとも、義務教育で習うべき知識を息子は毎週習得しているという安心感を少しは感じることができた私。


それでも、息子は相変わらず字を書くのは苦手。家で宿題もできません。

そして、校長室登校は順調に進みましたが、相変わらず学校への不安はなくなりませんでした。

クラスでの授業には全く参加できないまま、こうして校長先生と息子の勉強会は、校長先生が転勤される3年生の終わりまで続くのでした。




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砂鉄や磁場に関するおすすめリンク
砂鉄の集め方 NHK

科学旅育センター 
磁場の観察
http://cse.osaka-kyoiku.ac.jp/kyozai/elementaly_school/field.html

2014年8月24日日曜日

GCSE結果発表と結果のでないテニストーナメント

2014年GCSE発表

8月21日に2014年のGCSEの結果発表がありました。

GCSEは「中等教育一般資格(General Certificate of Secondary Education)」という全国統一試験。
この試験の結果で将来の大学進学や就職が左右される重要な試験です。

結果発表のこの日は試験を受けたイギリスの16/17歳には重大な日。夏休み中といえどもGCSE試験場である全国の学校ではこの日は開校となり、生徒は朝から結果を取りに行きます。

 海外へホリデーに行く家族が多いイギリスの夏休み。でも、この日だけは逃せません。
 友人の娘さんもこの日の為に1日だけ帰ってきて、結果を受け取ったら、また飛行機に乗って海外へ。

 さて、今年の6月に2度目のGCSE の日本語の試験を受けた我が息子。
 結果はA*(Aスター)でした。

去年初めて受けたGCSE Japaneseの試験結果はCでした。
 GCSEの試験結果はグレードで出されます。不合格というのはないけど、グレードC以上が合格であると多くの大学・学校で認められています。

 ぎりぎり合格点のCだったので、今年、再チャレンジした息子。
「そんなに何回も受けても意味があるの?」と思っていた母。息子の再チャレンジにまったく自信なし。「去年より低いグレードでなければいいけど。。。」と願っていました。

 2度目の挑戦で少し緊張度が和らいだ息子はひらがなやカタカナを書く練習も出来ました。作文を書く練習も出来ました。
 『今年はBに上がれるかな?』位の期待度の両親

結果はまさかのA*

A*(Aスター)はAより上でGCSEやAレベルで取れる最高グレード
息子の試験結果は去年から4グレード上がったわけです。 

最高点を取ったのならもう再チャレンジする必要もないわけです。
 さすがに喜びを隠し切れない息子。

2014年 GCSE 結果 グレード別 The Guardian 2014年8月21日 
グレード別 GCSE結果発表(2014年)
ガーディアン紙より


不登校と試験の結果

不登校生だった時、同じ年齢のお友達と比べられることに極度に嫌がっていた息子。
 誰も比較なんかしていませんが、「僕はだめなんだ。みんなと同じようにできない。」と言い続けた息子。人生を悲観する息子。
 「でも、君まだ8歳なんだけど。。。」とつぶやく母の声は息子に届きません。

 2年前まで不登校生だった息子が全国試験を受ける事ができるようになるとは、ましてや、結果を出すことができるとは思ってもいませんでした。
日本の小学校でもらった通信簿の白紙の欄が目に浮かびます。
学校にも行けず何もおきらない不安な長い真っ白な道がこの先の人生も続くのだろうと思っていたあの頃の母と息子。

 GCSEの結果を手にふとこの1年間を振り返ってみる母。

 初めて受けるGCSEの試験時期が始まる去年の5月にテニスの公式試合に参加し始めた息子。
今年の夏は親の手元を離れて合宿しながらの遠征試合と1年間でこんなに子どもは成長するものかと思うほど。長い間土の中にいたのが、芽が出た途端にいきなり大きくなったみたい。

それでも負け続けるテニストーナメント

 1年間負け続けたテニスの公式試合。成長しても結果が出るとは限りません。

 1週間の合宿で遠征試合中の息子の試合ぶりを見たクラブのコーチが、 息子の試合を分析してくれました。

「ポイントを取った次のポイントは必ず落とす。」
「どんなにいいウィニングショット(決め球)でポイントをとっても、必ず次のポイントは負ける。」
「彼のテニスの技術とか体力とかそんなものでない。」
「相手のプレイヤーが上手とか下手とかも関係ない。」
「相手がテニスラケットを初めて握った初心者でも彼からポイントを取れるだろう。」

つまり精神的なものだということです。
こう言われると親はすぐ「精神を鍛えるにはどうしたら?寒風摩擦?持久走?瞑想?滝にうたれる。」等と考えてしまいますが。

コーチのアドバイスは一言
 「待つしかない。」

 「彼のテニスの場合、技術もあるし、周りが焦らず待つしかない。」
子どもの成長はいろいろです。順調に成長していく子もいれば、とってもゆっくりと成長する子もいる。

『 そうかぁ。待つのなら結構得意かも。』と母は心の中で微笑みます。

小学校までの道のりを3歩歩いて2歩下がる息子の隣を歩いていた私。
もう少しで学校が見えるよというところまで来て、今日はあきらめましょうと数時間かけて来た道を引き返した母と息子。

 テニスの奨学金を得て有名私立校に入学する息子のテニスクラブの先輩。
有名な寄宿学校に入学前のこの夏のテニスシーズンも勝ち続けていくつかの優勝トロフィーが渡されました。

歴史のあるトーナメントで数個の優勝トロフィーを取った上に「最も成長した選手(Best Developed Player)」賞のトロフィーも手にしました。

 「優勝カップを受け取るのはもちろんすごいけど、それ以上に『成長した選手』のカップを手に入れた事のほうが大きな意味がある。」と数十年前同じ優勝トロフィーを手にしたコーチの言葉。

 早ければ5歳から公式トーナメントに出場し始めるイギリスのジュニア選手達。
身体の成長と共に順調に結果を出してきたジュニア選手も10代に入ると息詰まることもあります。
 結果が出ないでテニスをあきらめたジュニア選手を何人も見てきたコーチ。

大切なのは成長を見守ること。結果だけに左右されないで。
でも、結果は出さないといけないのがスポーツの厳しさ。

 「大人になればどんなに下手なプレイヤーでも気軽にテニスを楽しめるのに、ジュニア選手はレートやランキング制度があるから一番テニスを楽しめない時期。」とぼやくのは自らも県選抜ジュニア選手として活躍したお母さん。

負け続けても、試合に参加し続ける我が息子。

「こんなに負け続けて楽しいの?」と両親は思いますが、たぶん待つことが一番得意なのは学校に行けずにつらい思いを経験した息子だろうと母は思うのでした。



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参照 The Guardian 2014年8月21日 "GCSE results 2014: the full breakdown"



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2014年7月25日金曜日

不登校生の漢字の勉強法

GCSE 日本語試験

日本から英国に引っ越した1年目にGCSEのJapaneseの試験を受けた息子。全く試験準備も行わず望んだ試験。それでもグレードCを取れました。

日本の小学校で不登校生だった息子が初めて受けた公式な全国学力試験。 英国に来て義務教育修了学力試験と言われるGCSEを一つ取った息子。

 いくら日本に住んでいたと言っても、そんなに簡単にGCSEの日本語の試験を受けて合格できるの?
不登校生で小学校での勉強をしないでも、GCSEの日本語試験は合格できるの?
漢字の勉強をしなくても大丈夫なの?
そんなにうまい話があるの?

多分、このブログを読んでいて、こう思われた方もいるでしょうが。

 「そんなうまい話はありません。」 

日本での不登校時代には鉛筆を持たせても何も書けずに真っ白な紙とにらめっこしていた息子が、イギリスへ転校して小学校に通えるようになったからといって、いきなり漢字やひらがなの勉強をできたわけではありません。

 不登校生の漢字の勉強法


日本で小学校1年生から学校へ行き渋りが始まり、4年生まで不登校生だった息子。

もちろん勉強は同級生に比べて大幅に遅れていました。 字を書くのが苦手でひらがなも書けたり書けなかったりした息子。

それでも、息子には一つだけ「僕、この勉強はできるんだ。」というものがありました。

それは字を書くのは苦手でも、字を読むのは得意だったのです。漢字を読むのも大好きでした。

 30日の欠席により正式な不登校生になった息子を訪ねて校長先生の家庭訪問がありました。
「学校で勉強しなくても、勉強はできます。息子さんは向学心があるので大丈夫です。」と心強い言葉をかけてくれた先生。

「その代わり本などをたくさん与えてください。」という校長先生のアドバイスもあり、息子が興味をもった図鑑や本はなるたけ手に入れていました。できるだけ多くの資料に触れてもらいたいと朝から自転車で図書館まで通ったり。

その内、姉が学校に行き、朝ごはんの片付けをしていた後、気が付くと息子は自分の部屋で図鑑や本を読んでいました。

 日本語の素晴らしいところは、ひらがなが読めればルビの付いている漢字は全て読めることです。

カタカナも素晴らしい。どんなに難しい恐竜や星の名前も世界の国々の名前もカタカナが読めれば発音できるわけです。

50のひらがな(カタカナ)の音と字を覚えれば、どんな名前も読める。26文字で40以上の音を作る英語とここが違います。 

英語は単語のつづりと発音の関係が複雑で、7歳の息子が一人で本を読んで独学できるのは難しかったかも。一人で百科事典を読み進めている息子を見ると、日本語だからできるのかなと思ったりしました。

ひらがなやカタカナを書くのもままならない息子でも、読むのはすごい速さ。字を書かせようとしてもできない時は何時間もかかるのに、同じ字を読むのは瞬時にできる。

 ゲームをしている子供達を見ているとわかると思うのですが、息子もすごい勢いでゲーム機に現れるコメントを読んでいきます。

 「本当に読んでいるの?」と聞くと、「もちろん。読まないとストーリーがわからなくなるから。」

足りないものをあるもので補うと言うのはこういうことか。これを自然の法則というのかな。
妙に納得する母でした。

「無いならいい。あるものだけを見ていこう。」


不登校生になっても自分なりに自然に成長していく息子を見て『足りない力を嘆かずに、息子の持つ力を信じていこう』と、自然に思うようになった母でした。

 子供の為の本や図鑑以外にも、ひらがな・カタカナだけでできている文章や、ルビの付いている読み物は身の回りにたくさんありました。

机に向かって勉強しなくてもどんどん漢字の読みの力をつけていく息子。学習とは色んな所からできるものだなぁと実感する母でした。

 不登校生といっても家にずーっといることはありません。 学校に来ないで家でボーっとしているのだろうと思われているかもしれませんがとんでもない。

不登校生は学校に行けない分、それはそれで、病院だの、カウンセリングだの、不登校生専門の施設だの不本意ながらいろんな場所に連れて行かれるのです。 

外出すると「これなんて読むの?」と広告や標識の漢字を指さして聞いてきたり、スーパーで食材の名前を読むのは大好きな息子。調味料も読んで細かく説明してくれます。

電車の吊し広告は嫌が上でも子供の興味をそそります。最近は電車の中でビデオが流れたりして、漢字クイズのビデオを楽しめたりします。

学校のカリキュラムにそって習わない彼の漢字の勉強はいろんな分野に広がりました。

そのうちに、高学年の姉に小学校で習わない漢字の読み方を教えるようになった息子。

そんな息子の姿を見て、校長先生の「学校のカリキュラム通りに勉強ができなくても、最終的に社会に出る時どんな力を持っているかです。」と言う言葉を思い出しました。

学習指導要領に沿って漢字を覚えられなくてもいいじゃないか。」と不登校生を持つ母の焦りは少しづつ和らぐのでした。

不登校生の漢字の勉強法 学年別漢字配当表 全数1006字 資料:文部科学省
学年別漢字配当表 小学校で習う漢字全数は1006字 

小学校で習う漢字表ポスター 学年別漢字配当表 


不登校になってから学年がかわり、だんだんクラスで勉強していた頃が遠く離れた過去のことみたいに感じる様になっていきました。

学校に関する事に不安を感じている息子は、学校から届く宿題の紙や時間割の紙を見ることもありません。

同級生が学校で今どんな漢字を勉強しているか息子はよもや知ることもないだろうと思っていました。

ある日、「この漢字はまだ2年生では習わないんだよ。これは5年生で習うの。」と言う息子。

「どうして知っているの?」
「いつも漢字表を見ているから。」

姉の勉強にと居間の壁に貼ってあった学年別に分けられた小学校で習う漢字表のポスター

毎日学校で勉強できない分、自分で勉強しないといけないと潜在意識がさせたのか。

ふと気が付くと息子はこの漢字表の前に座っていました。最近、見かけた漢字を探して「この漢字は3年で習うんだよ。」「この漢字は小学校では習わないんだね。じゃあ、まだ習わなくても大丈夫だね。」 

学校で毎日クラスメイトと一緒に授業を受けることがなくても、クラスメイトがどんな勉強をしているのか、どんな漢字を習っているのか。不登校生になっても、学校での勉強がいつも息子の心の中にありました。



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2014年6月12日木曜日

イギリスの試験 全国統一試験 GCSE 2度目のチャレンジ


 受験シーズン到来


イギリスでは最終学年末になる5月と6月が中高生にとっての受験シーズン。

この6月に息子は2度目のGCSEを受けます。
GCSE(The General Certificate of Secondary Education)は英国の中学修了時に行う全国統一学力試験。イギリスの生徒は通常15/16歳となる11年生(Year 11)に受けます。

日本に6年間住んでいた息子は英国に引っ越して1年になる去年の6月に日本語のGCSEを受けました。
結果はギリギリ合格点のC。 (D以下でも不合格ではないのですが、大学受験や就職にはGCSEのC以上のグレード求められることがほとんどです。グレードCを取ったらGCSEの試験をパスしたと一般的に考えられています。) 

まぁ、しかたがないかぁ。
母は息子が大きな試験に挑戦できただけでも満足でしたが、イギリス人の父親はGCSEの重要性をよく知っているのかいないのかこの結果に納得せずに「来年もう一回トライしてみよう。」 

日本で不登校生だった息子。イギリスに来てからは毎日現地小学校へ通学し、みんなと勉強できたり、6年生には全国学力試験を受けたりもできるようになりましたが。。。

『GCSEの試験場に足を運ぶことができるか?』
 去年の受験時はそれすらも大きな疑問でした。
本当にGCSEというイギリスの中学生でさえも大変な試験に挑戦できるのだろうか。
もちろん過去問などを解く余裕もなく何の準備もしないで迎えた試験日でした。 

イギリスの全国統一試験 GCSE 日本語 リーディング問題用紙  2013年度
GCSE Japanese 2013年度
リーディング問題用紙

GCSE Japanese

日本語のGCSEはリスニング、リーディング、ライティング(作文)、スピーキング(面接による会話)の4試験で3日間の日程で行われます。

GCSE日本語の試験項目と試験時間

ユニット1 リスニング 50分 
ユニット2 スピーキング 8-10分 受験者がスピーチに合う写真やイメージを持参。自分の決めたトピックを話すプレゼン式を選ぶこともできる。
ユニット3 リーディング 55分 9問 解答選択式と英語での記述式
ユニット4 ライティング 1時間  セクションA:小作文(75~180字)セクションB:作文(300字以上)

大きな不安を抱えた去年のGCSE。
試験日程で試験官と面接するスピーキングテストが一番初めに終わりました。

日本語のように英国ではマイナーな言語の科目だと日本語の話せる面接官を探すのも大変です。ロンドンだと日本語のGCSEやAレベルの試験を毎年行う試験会場がありますが、地方だとそうも簡単に話が運ばなかったり。

通常は学校側が探してくれますが、受験者に試験官にふさわしい人を探してきてと頼む時もあるみたいです。

試験日が決められて全国一斉に行われる筆記試験と違いスピーキングの試験日は「何月何日までに終了していること」と決められているだけで、特定の試験日は指定されません。

 我が家の子供達のGCSE受験にあたり試験会場になる娘の中学校から「日本語を話せてGCSEの試験官にふさわしい人を紹介してください。」と依頼がありました。

地元の大学で日本語講師をされている方をお頼みして、試験日程はこの先生と都合の良い日を決めることが出来ました。

「楽しくおしゃべりできました。」と試験官から太鼓判をもらったお陰で筆記試験への不安が大幅に減少した息子。 

筆記試験での作文は一文字も書かなかったと淡々と両親に報告した息子ですが「この次に受ける時には、もう少し日本語を書く練習しないとね。」と明るく試験会場を出たのでした。 


CGSE 再受験(Resit)と早期受験(Early Entry)

GCSEは再受験ができます。

もちろん1回の試験で最高グレードのAが取れればそれに越したことはないのですが、GCSEの平均スコアの低い学校では、再受験を見越して、本来は11年生で受けるGCSE試験を前倒しで生徒が9年生や10年生の時に行わせることもあります。

その場合は本来最低2年間かけて勉強するところを1年だけで勉強したりと準備期間が短くなるので『本当に成果が良いのかな?』と思っていたら、やはり英国政府も同じように考えていたみたいで教育改革の一部とし早期受験の規定が変わるそうです。

2013年9月以降から英語などコアの教科は最初のGCSE試験の結果のみが学校のパフォーマンスとして反映されるということになりました。 

受験者にとって再受験はどうなるの?

GCSEの再試験を受けた場合、前回のスコアより低い点数になっても高い方を使うことができます。英語や数学は翌年の6月を待たずに再受験ができますが、日本語は毎年6月の試験のみです。教育改革の進む昨今のイギリスではその変化についていくのに教師も親も大変です。

我が息子、大丈夫かしら。
また同じグレードを取るならまだしもそれ以下になる可能性もあるし。。。
何度、再受験してもいいGCSE。でも何度もやることに意味があるのかな?近い将来廃止になるかもしれないと言われている日本語のGCSE。受けれる内に受けておいたほうがいいのかなぁ。

 去年、父親が「チャレンジしてみることに意義がある。」と言って申し込んだGCSE。合格はもとより白紙解答になるだろうとあきらめていた母でしたが、結果が出た試験の再チャレンジとなると違います。
今回は過去の問題用紙や解答を熟読してやけに熱心な母。

 それにしても筆記試験の作文で一文字も書かずによくグレードCが取れたものだ。

この謎を解くべく去年の試験の結果を改めて見てみました。

GCSE日本語の受験対策

息子の去年のGCSE Japaneseの点数は。。。(カッコ内の点数は満点の場合 )
  1. リスニング   59点 (70点) 
  2. スピーキング 80点 (80点) 
  3. リーディング  60点 (70点) 
  4. ライティング  0点 (80点) 
去年の受験直後は無事にGCSEの試験を受けることができただけで興奮し、後日送られてきた結果を見ても数字がろくに頭に入ってこない母。ひたすら作文の試験の0点の部分だけを見つめていました。

不思議なことに1年経って冷静に眺めると数字からいろんなものが見えてきます。

去年の受験前は過去問を見せただけで粉砕されて下を向いて固まっていた息子も難関を乗り越えてしまえば余裕をもって振り返れます。

 「あれ?この問題のページあったかな?試験の時見なかったけど。」首をかしげる息子。

イギリスの全国統一試験であるGCSE 日本語 リーディング試験問題 2013年度
2013年度GCSE日本語の問題

解答は英語力が必要

ライティングの問題用紙には(たぶん受験者がメモできるようにと)白紙のページがところどころに挿入されています。最後の問題の前のページも白紙のページが入っていて、息子はそのページで試験問題が終わったと思い込んだみたいです。

ライティングの最後の問題は日本語の長文を読んで答えを英語で書く問題。漢字や日本語ボキャブラリーを問われるだけでなく、ある程度英語も書けないと答えられません。

この最後の問題の点数配点は10点。 

母と同じく、2度目は前向きに試験準備に取り組む息子。過去問題にチャレンジ。
「自転車のスペルってBycicleでいいのかな?」

英語で文章が書けるようになってもスペルの間違いの多い息子。
「惜しい。。。Bicycleなんだけどなぁ。」

『英語で答えを書くのはやっぱり無理か』 と心の中でつぶやく母。

幸いに日本語のGCSEはあくまでも日本語能力を試すものということなのか。英語の単語のスペルが間違っていても大目に見てもらえそう。

リスニング問題ではBrown Blounと書いてもComputerComputarと書いても発音が似ているからOK。「Various spelling of ~」 とか「Accept any incorrect spelling」と解答欄に注釈が入っています。
 さらに作文の試験では日英/英日の辞書あるいは電子辞書も持ち込みOK

ほっと胸をなでおろす母でした。

 リーディングの10点と共にリスニングはあと11点足りなかった去年の試験。
「リスニングの試験は音声が始まってからいつ答えを書くのか分からなくて、話す声が終わるのを待っていたら次の問題に進んで1問目は全く答えを書けなかった。」という息子。

去年できなかった問題の解決策が見えてきました。
もしかしたら2度目のチャレンジは無駄ではないかもしれない。。。


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GCSE日本語の過去の試験問題・回答は試験機関であるEDEXCELからダウンロードできます。→リンク
また、『右往左往のイギリス大学受験記』のブログを執筆している鉄火のマキさんがEdexcelへのリンクを年度ごとにまとめたリストを作ってくれています。→リンク

参照:
Edexcel
http://www.edexcel.com/quals/gcse/gcse09/mfl/japanese/Pages/default.aspx
英国政府 GCSE 早期受験について 
https://www.gov.uk/government/news/changes-to-early-entry-at-gcse

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