自己紹介

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Wales, United Kingdom
日本と英国を行き来する2人のバイリンガルキッズの母。ロンドンで生まれた子供たちを連れて日本へ。横浜で英語で創作絵本を作るキッズ・クリエイティブ・ライティングの教室を開き、英語の絵本の出版。小学校で不登校になった息子を連れて、またまた英国へ。イギリスの自然と息子のテニス・トーナメントの応援と野菜作りを楽しむ日々を過ごしていましたが、社会人学生として大学に入学。

2014年9月23日火曜日

ジュニアテニスとハングリー精神

 錦織選手とグランドスラム大会決勝戦

すごい。日本のテニス。

錦織選手が、今年2014年9月、全米オープンテニス大会決勝戦進出を達成しました。

日本で多くの方がテレビ中継を見ていたと思いますが、これはアジア人初の快挙とか。日本だけでなくアジアのテニスの歴史を塗り替えました。

そして、この9月に錦織選手の男子世界テニスランキング(ATPランキング)は第6位になりました。

世界テニスランキング 錦織選手 2014年9月 ATPランキング
錦織圭選手 世界テニス ランキング (ATP) 2014年9月


テニス選手世界ランキング

テニス部がある中学や高校も多くテニスが盛んな日本ですが、なかなか世界のトップ選手を作りだせなかった日本のテニス界。

でも、2014年9月にATPランキング200位に入る日本人選手は錦織選手を含めて7名。ようやく努力が実ってきました。

同じように2013年にイギリスのテニスの歴史を更新したアンディ・マレー。
イギリス人として77年振りのウィンブルドン選手権優勝を果たしました。

日本と同じように長い間トップ選手を出せなかったイギリスも、これからはテニス・ルネッサンス期が来るかとおもいきや。

ATPランキング200位に入るイギリス選手は12位のアンディ・マレーと117位のジェームス・ワード(James Ward)選手の2名のみ。(2014年9月現在)

イギリスのテニスクラブのコーチ曰く「アンディ・マレーの後を引き継ぐ世代がいない。」

その理由は「イギリスのジュニアプレイヤーはハングリー精神がない。」

スポーツを語る時必ず語られるハングリー精神

テニスとハングリー精神


イギリスのテニス界は何年もジュニア選手のハングリー精神のなさを伝えてきました。

アンディ・マレーが出てくるまで英国テニス界のトッププレイヤーだったティム・ヘンマン(Tim Henman)氏、そして全米オープンで準決勝し、現在、英国のトップジュニアプレイヤーのコーチをしているグレッグ・ルゼツキー(Greg Rodeski)氏も同じようにイギリスの子供達のハングリー精神の足りなさを嘆いていました。

テニスが好きで上手い子はいるんだけど。。。
息子がイギリスに引っ越してから入ったテニスクラブでも国内ジュニアランキング上位に入る子がいたり、アメリカの大学や国内の有名校へテニス奨学で入学したりする先輩もいたり、クラブハウスに住んでいるのかと思うくらい四六時中テニスクラブで練習を頑張っている子もいるのですが。。。

日本のジュニアテニスはどうなのかな?
ハングリー精神というと日本で出会った息子と同年代のテニス少年を思い出します。

日本で出会ったジュニア選手

小学校1年生から息子が不登校になり、父親は毎朝のように近くの公園へテニスの練習に連れて行ってました。

ある日、そんな親子に声をかけてくれた方がいました。 「同じ年でテニスの上手い子がいるから一緒に練習したら?」

その方は、僕も公園にテニスの練習に来ていたら毎日壁打ちの練習している小さい子がいたから、思わず声をかけるようになりましたと話してくれました。

息子のように親に連れられて公園でテニスをしている子は見かけますが、小学生でテニスの練習に1人で来ているの?と思った私達。

いたんですね。毎日のように1人で壁打ちに来ている8歳の男の子。

最初は練習相手として息子もラリーをしたりと役立てたわけですが、ゲームになるとこのテニス少年のテニスへの熱い思いにあっという間にポイントが引き離されてしまいます。

 ある日、息子と二人でゲームをしていた時、サーブが上手く入らなかったのでしょう。泣きそうな顔で打ち込む彼。

彼は息子から圧倒的にポイントを取って勝っているのに、涙目でサーブを打ち込んできます。

サーブが決まっても、次もファーストサーブが入らないと悔し涙が出てくるみたい。涙を吹きながらプレイをします。

コートの反対側に立っている息子は関係ないのだなと思いました。

 「君は自分自身と戦っているのね。」

息子が球を拾って返したり、ラリーが続くと彼のボルテージは更に上がります。

彼が打った最後の1球は『テニスの王子様』ごとく。

息子の後ろで見ていた私には、彼の小さな身体から発される思いがボールに乗り移ったように見えました。

「最後の1球すごかったね。本当に飛んできたボールが燃えてるように見えたよ。」

 終わった後に、コートから出てくる息子に声をかけると、 「それをネットの反対側で受ける身にもなってみてよ。」という情けない返事。

 知り合ってからしばらくしたら、いつも練習をしていた公園のテニスコートが閉鎖されてしまいました。

テニスの練習どうしているのかな?と思ったら、別の公園で壁打ちを続けていました。

 でも、その公園にはテニスの壁打ちができるような場所はないはず?

なんと、公園の階段の手すりがついている2メートルにも満たない高さのコンクリートを利用していました。 当てる場所が少しでも外れたらボールは返ってきません。

 壁なき壁での壁打ちの練習。

ラケットを見せてもらったら白いグリップには、幾つものしみがついていました。手が切れて血がグリップに。毎日練習しているから手の傷が治る間もないのね。
『巨人の星』の星飛雄馬を彷彿させる。。。

日本のテニス界にはハングリー精神のある世代が続きます。

ジュニア選手世界ランキングと英国テニス界の模索

 ジュニアテニスの国際ランキングである国際テニス連盟ITF(International Tennis Federation)によるとトップ100位に入る日本のジュニア選手は現在10位の中川直樹君を含めて6名。

それに比べて、トップ100位に入るイギリスのジュニア選手は2名だけ。(2014年9月22日現在)

 英国テニス協会(LTA)はこの夏2014年8月に選抜ジュニア選手を一か所に集めて特訓していたナショナルテニスセンター(NTC) のプログラムの変更を公表しました。

このNTCテニスセンターは英国テニス協会が2007年に4000万ポンドを投入して築いたエリートジュニア選手の全国一の特訓拠点でした。多種のサーフェイスを持つ22面のコートに選手の宿舎からジムやプール、スポーツ医療やセラピー施設を備えています。LTAの本境地でもあるこのセンターも利用方法の変更を余儀なくされました。

NTCでトレーニングしていたジュニア達は、これからは自宅から近い全国22ヶ所にあるハイパフォーマンスセンターで練習する事になります。来年2015年からこれらのローカルトレーニングセンターへの支援が強化されるようになるかも。でも、まだまだ新しいプログラムの内容はわかりません。

イギリスのテニス界はアンディ・マレーに続くテニス選手の育成を模索しています。

 国内ジュニアランキング上位に入る息子の先輩は高校生。

「国内でトップになったところで、同じレベル、同じ年齢の子はみんな海外遠征をしていて、イギリス国内で試合してない。」

「海外遠征に行く費用は全部ジュニア選手持ち。国内でトップになってから国際舞台へ移るのが大変。」と悩むこのジュニア選手のお母様。

世界を目指して


世界4大テニス大会のグランドスラム大会での決勝戦で活躍するアンディ・マレーや錦織選手の姿をライプで見れらる今のイギリスや日本の子供達は本当にラッキー。世界のテニス大会への夢が近く感じられます。

 ATPホームページにはランキング1・2位のジェコビッチやフェデラーでなく錦織圭選手とマレー選手の写真が使用されている
男子テニスプロ協会のホームページ
ランキング1・2位のジェコビッチやフェデラーの写真でなく錦織選手とマレー選手の写真が。。。

 「いつか錦織選手のようになりたい。」と言っていた息子のテニス友達。

それを聞いて「錦織選手を負かす。」と言った我が息子。

「その意気だぞ。」と友達のお父さんに褒められた息子ですが、「たぶん。無理だけど。」と慌てて訂正した我が息子。

 ああ。。君は本当にハングリー精神がない。。。

息子がイギリスに引越す時に彼と交わしたプレゼントはテニスボールでした。

いつかウィンブルドンでプレイしたい。

世界のテニス大会で活躍する日を夢見て。 がんばれジュニア選手達。




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 参照:
国際テニス連盟 ITF ジュニアランキングhttp://www.itftennis.com/juniors/rankings/player-rankings.aspx
ATPランキング (Association of Tennis Professionals)
http://www.atpworldtour.com/Rankings/Rankings-Home.aspx
BBC 2014年8月23日 "Great Britain elite to be relocated from National Tennis Centre"
 The Telegraph 2014年8月23日 “LTA scraps £40m National Tennis Centre at Roehampton seven years after it opened”
The Telegraph 2013年4月3日"Greg Rusedski blames juniors' lack of hunger, not Roger Draper, for GB failings” 


関連した記事:


2014年8月24日日曜日

GCSE結果発表と結果のでないテニストーナメント

2014年GCSE発表

8月21日に2014年のGCSEの結果発表がありました。

GCSEは「中等教育一般資格(General Certificate of Secondary Education)」という全国統一試験。
この試験の結果で将来の大学進学や就職が左右される重要な試験です。

結果発表のこの日は試験を受けたイギリスの16/17歳には重大な日。夏休み中といえどもGCSE試験場である全国の学校ではこの日は開校となり、生徒は朝から結果を取りに行きます。

 海外へホリデーに行く家族が多いイギリスの夏休み。でも、この日だけは逃せません。
 友人の娘さんもこの日の為に1日だけ帰ってきて、結果を受け取ったら、また飛行機に乗って海外へ。

 さて、今年の6月に2度目のGCSE の日本語の試験を受けた我が息子。
 結果はA*(Aスター)でした。

去年初めて受けたGCSE Japaneseの試験結果はCでした。
 GCSEの試験結果はグレードで出されます。不合格というのはないけど、グレードC以上が合格であると多くの大学・学校で認められています。

 ぎりぎり合格点のCだったので、今年、再チャレンジした息子。
「そんなに何回も受けても意味があるの?」と思っていた母。息子の再チャレンジにまったく自信なし。「去年より低いグレードでなければいいけど。。。」と願っていました。

 2度目の挑戦で少し緊張度が和らいだ息子はひらがなやカタカナを書く練習も出来ました。作文を書く練習も出来ました。
 『今年はBに上がれるかな?』位の期待度の両親

結果はまさかのA*

A*(Aスター)はAより上でGCSEやAレベルで取れる最高グレード
息子の試験結果は去年から4グレード上がったわけです。 

最高点を取ったのならもう再チャレンジする必要もないわけです。
 さすがに喜びを隠し切れない息子。

2014年 GCSE 結果 グレード別 The Guardian 2014年8月21日 
グレード別 GCSE結果発表(2014年)
ガーディアン紙より


不登校と試験の結果

不登校生だった時、同じ年齢のお友達と比べられることに極度に嫌がっていた息子。
 誰も比較なんかしていませんが、「僕はだめなんだ。みんなと同じようにできない。」と言い続けた息子。人生を悲観する息子。
 「でも、君まだ8歳なんだけど。。。」とつぶやく母の声は息子に届きません。

 2年前まで不登校生だった息子が全国試験を受ける事ができるようになるとは、ましてや、結果を出すことができるとは思ってもいませんでした。
日本の小学校でもらった通信簿の白紙の欄が目に浮かびます。
学校にも行けず何もおきらない不安な長い真っ白な道がこの先の人生も続くのだろうと思っていたあの頃の母と息子。

 GCSEの結果を手にふとこの1年間を振り返ってみる母。

 初めて受けるGCSEの試験時期が始まる去年の5月にテニスの公式試合に参加し始めた息子。
今年の夏は親の手元を離れて合宿しながらの遠征試合と1年間でこんなに子どもは成長するものかと思うほど。長い間土の中にいたのが、芽が出た途端にいきなり大きくなったみたい。

それでも負け続けるテニストーナメント

 1年間負け続けたテニスの公式試合。成長しても結果が出るとは限りません。

 1週間の合宿で遠征試合中の息子の試合ぶりを見たクラブのコーチが、 息子の試合を分析してくれました。

「ポイントを取った次のポイントは必ず落とす。」
「どんなにいいウィニングショット(決め球)でポイントをとっても、必ず次のポイントは負ける。」
「彼のテニスの技術とか体力とかそんなものでない。」
「相手のプレイヤーが上手とか下手とかも関係ない。」
「相手がテニスラケットを初めて握った初心者でも彼からポイントを取れるだろう。」

つまり精神的なものだということです。
こう言われると親はすぐ「精神を鍛えるにはどうしたら?寒風摩擦?持久走?瞑想?滝にうたれる。」等と考えてしまいますが。

コーチのアドバイスは一言
 「待つしかない。」

 「彼のテニスの場合、技術もあるし、周りが焦らず待つしかない。」
子どもの成長はいろいろです。順調に成長していく子もいれば、とってもゆっくりと成長する子もいる。

『 そうかぁ。待つのなら結構得意かも。』と母は心の中で微笑みます。

小学校までの道のりを3歩歩いて2歩下がる息子の隣を歩いていた私。
もう少しで学校が見えるよというところまで来て、今日はあきらめましょうと数時間かけて来た道を引き返した母と息子。

 テニスの奨学金を得て有名私立校に入学する息子のテニスクラブの先輩。
有名な寄宿学校に入学前のこの夏のテニスシーズンも勝ち続けていくつかの優勝トロフィーが渡されました。

歴史のあるトーナメントで数個の優勝トロフィーを取った上に「最も成長した選手(Best Developed Player)」賞のトロフィーも手にしました。

 「優勝カップを受け取るのはもちろんすごいけど、それ以上に『成長した選手』のカップを手に入れた事のほうが大きな意味がある。」と数十年前同じ優勝トロフィーを手にしたコーチの言葉。

 早ければ5歳から公式トーナメントに出場し始めるイギリスのジュニア選手達。
身体の成長と共に順調に結果を出してきたジュニア選手も10代に入ると息詰まることもあります。
 結果が出ないでテニスをあきらめたジュニア選手を何人も見てきたコーチ。

大切なのは成長を見守ること。結果だけに左右されないで。
でも、結果は出さないといけないのがスポーツの厳しさ。

 「大人になればどんなに下手なプレイヤーでも気軽にテニスを楽しめるのに、ジュニア選手はレートやランキング制度があるから一番テニスを楽しめない時期。」とぼやくのは自らも県選抜ジュニア選手として活躍したお母さん。

負け続けても、試合に参加し続ける我が息子。

「こんなに負け続けて楽しいの?」と両親は思いますが、たぶん待つことが一番得意なのは学校に行けずにつらい思いを経験した息子だろうと母は思うのでした。



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参照 The Guardian 2014年8月21日 "GCSE results 2014: the full breakdown"



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2014年8月5日火曜日

イギリスのジュニアテニス 遠征試合と合宿

突然の遠征合宿


息子が遠征試合に旅立ちました。 1週間の合宿をしながらの遠征試合。

いままでは遠征試合と言っても日帰りで帰って来られるところばかり。 個人戦なので親が連れて行きます。

それが、いきなり1週間の遠征試合。

 スポーツは子供達を早く成長させます。

 姉が12歳の時に行った小学校の修学旅行は3泊4日でした。
それも数名の先生方が付き添って毎日の予定表ももらえました。

12歳の息子を含め1週間の遠征合宿に10数名のジュニアプレイヤーを引率するのはテニスクラブのコーチ1人。

トーナメント(勝ち抜き戦)なので試合第1回戦のドローリストは知っていても残りの日程はわかりません。

 もちろん、クラブのコーチから持ち物リストなどは配られません。全て自己責任。自分で決めて自分で荷物を用意します。

テニス大会グレードと選手ランキング


イギリスのジュニアテニス大会はほとんど英国テニス協会(LTA)の公認大会です。
LTAテニス大会は大会の級(グレード)があり、グレードは1から7までに分かれます。
ランキングに必要なポイントはグレード5以上の大会にでないと加算されません。

イギリスのジュニアテニス 英国テニス協会(LTA)の大会グレード表 
英国ローンテニス大会の大会グレード表(グレード2以上は全国大会)


LTAは2014年4月からジュニア大会のグレード1・グレード2の大会への参加条件を変更しました。

従来の選手のレーティング(Rating)による出場申込みから、もっとシビアに選手の力がわかるランキングによる出場許可が行われることになりました。

 大会のグレードが高くなればなるほど、大会数も少なくなってジュニア選手は遠くまで遠征することになります。

夏休みはグレードの高い大会がいっぱい開催されます。
こっちの大会に1週間、あっちの大会に1週間。選抜ジュニア選手はコーチと遠征試合をまわります。

ジュニアテニスは14歳くらいになると各地域のランキング上位選手は、県代表というべきカウンティーチーム(County Team)として北のスコットランドから南はドーバー海峡まで、ウェールズ、アイルランドと全国遠征に回ります。

もうこうなると親の出番はありません。

トーベイ・オープンテニス選手権(Torbay Open)

 8歳以下からのベテランまでの試合が行われるTorbay Open

リジョナル(Regional )大会と言われるグレード3の大会です。
今年は第116回目。1887年から行われている大会です。
ウインブルドンテニス選手権が始まったのがこの10年前の1878年。

イギリスのジュニアテニス大会 トーベイ・オーブンテニス選手権 アンディー・マレーもジュニア選手として参戦
アンディー・マレーを含め歴代テニスプロのジュニア時代を知るトーベイ・オープン
「トーベイ・オープンを見に行こう」(LTA ホームページより)


アンディー・マレーも9歳の時にU12の試合にお兄さんと出場。お母さんのジュディーさんはこの年にベテラン女子シングル戦で優勝という歴史を持つ大会。

息子の参戦するU14男子シングルだけでも100名近くが参加する大きな大会。

 同じクラブのお友達も一緒ですが、ジュニアの試合の始まるのは同じ時間。コーチが息子の試合の観戦をしてくれるなど期待しない方がいいでしょう。

ダブルス戦では、パートナーが決まっていない場合「Partner requiredパートナーを求める)」と書いて出場登録します。

息子のクラブでは、ダブルス戦のパートナーはコーチの鶴の一言で決まります。

息子のテニスクラブからU14のダブルス戦に参戦するのは5名。
息子は同じクラブのテニス仲間とはダブルスを組めず、今回のグレード3の大会に「Partner required」として出場することになりました。

「それはちょっと息子にはきついのでは。」

1年前まで友達に混じってテニスもできずにいた息子を思い出す母。いきなり大きな大会で初めて会う子とダブルスのパートナーを組むのは難しいのではと悩む両親。

 両親が悩んだところでコーチの鶴の一言はかわりません。「パートナーを替えてください」とも頼めません。

ジュニア選手のテニストーナメントは父親のチーム戦のダブルス試合よりシビアです。

コーチによりダブルスのパートナーは各選手のレーティング(Rating)とランキングで決められていきます。

 「ちょっと厳しいかも。」と不安を隠せずにいながら「それでも試合には参戦するよ。」と決心の固い息子

 「不登校生だったから精神的にやわじゃないか。」と思いこんでいたのは親だけでした。

 負け続けても僕はやめないよ。

 1年間トーナメントに参戦しても負け続けてきた息子。
息子が試合に負け続けて心がなえていたのは両親の方でした。

イギリスに引っ越してきた時からずーっと息子を見ていたコーチ

 『自分のこどもの力を信じなさい。』 

息子が不登校生になってから、私達はいろんな人達に出会いました。言葉にはださなくても息子の力を信じてくれた人たち。 親はもっと子どもの力を信じていいんだと気づかせてくれました。

不登校からテニストーナメントデビューまで


日本で不登校だった息子が小学校5年生の時転校したイギリスの小学校に突然できたなんちゃって「テニス部」

それまではどんなに誘われてもなかなか同年代の子たちと一緒にテニスの練習もできずにいた息子が、突然多くのお友達と一緒にテニスを楽しめるようになりました。

学校だけでなくテニスクラブでもジュニアチームに誘われて、1年前に突然ジュニアテニストーナメントの世界に踏み込んだ息子。

不登校生になった息子のいつも隣を歩いてきた私


「登校生の息子を持っているとは思えない。よくそんなにのんびりしていられるね。」とよく言われてた私に「無理にお子さんを変えようとしないで、信じているという感じがしていいですね。」と声をかけてくれた校長先生。

 「私達両親は息子の後をついて行くだけですから。」とおもわず答えた私でした。

「今日はがんばって学校に行ってみる。」といって張り切って家を出発した息子。
学校までの道のりを息子について普段通りのペースで歩いていたら、気がつくと隣に息子の姿はありませんでした。いつの間にか息子をおいてどんどん私だけ先を歩いてしまっていました。

家からまだ数メートルのところを歩いているのかないのかわからないくらいの速さで歩いていた息子。
2歩あるいたら3歩さがって。

普段は数分で歩く道のりもこれじゃ時間がかかるよね。

それからは気をつけて息子の背中の見える位置にいて一緒に歩くようにしました。

息子の背中と大きな成長


 シングルス・ダブルスと毎日試合が続く大会前半の3日間。

「3日間は絶対電話してこないように。」と両親に釘をさして遠征に出発した息子。

 親は息子の試合の結果も分からず、しかたなくインターネットで試合結果が公表されるのを待ちます。

息子の背中を見ながら少し後ろを歩いてきた母でしたが、そんな母を残して背中も見えないくらい遠くへかけ去っていく息子でした。


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参照:英国ローンテニス協会 (Lawn Tennis Association) http://www.lta.org.uk/Resources/Competition/Ratings%20and%20Rankings/Rankings%20for%20Acceptance%20Web%20Information.pdf
http://www.lta.org.uk/News/2012/July/2012-07-30/114th-Torbay-Open-to-begin-Sunday/

2014年7月25日金曜日

不登校生の漢字の勉強法

GCSE 日本語試験

日本から英国に引っ越した1年目にGCSEのJapaneseの試験を受けた息子。全く試験準備も行わず望んだ試験。それでもグレードCを取れました。

日本の小学校で不登校生だった息子が初めて受けた公式な全国学力試験。 英国に来て義務教育修了学力試験と言われるGCSEを一つ取った息子。

 いくら日本に住んでいたと言っても、そんなに簡単にGCSEの日本語の試験を受けて合格できるの?
不登校生で小学校での勉強をしないでも、GCSEの日本語試験は合格できるの?
漢字の勉強をしなくても大丈夫なの?
そんなにうまい話があるの?

多分、このブログを読んでいて、こう思われた方もいるでしょうが。

 「そんなうまい話はありません。」 

日本での不登校時代には鉛筆を持たせても何も書けずに真っ白な紙とにらめっこしていた息子が、イギリスへ転校して小学校に通えるようになったからといって、いきなり漢字やひらがなの勉強をできたわけではありません。

 不登校生の漢字の勉強法


日本で小学校1年生から学校へ行き渋りが始まり、4年生まで不登校生だった息子。

もちろん勉強は同級生に比べて大幅に遅れていました。 字を書くのが苦手でひらがなも書けたり書けなかったりした息子。

それでも、息子には一つだけ「僕、この勉強はできるんだ。」というものがありました。

それは字を書くのは苦手でも、字を読むのは得意だったのです。漢字を読むのも大好きでした。

 30日の欠席により正式な不登校生になった息子を訪ねて校長先生の家庭訪問がありました。
「学校で勉強しなくても、勉強はできます。息子さんは向学心があるので大丈夫です。」と心強い言葉をかけてくれた先生。

「その代わり本などをたくさん与えてください。」という校長先生のアドバイスもあり、息子が興味をもった図鑑や本はなるたけ手に入れていました。できるだけ多くの資料に触れてもらいたいと朝から自転車で図書館まで通ったり。

その内、姉が学校に行き、朝ごはんの片付けをしていた後、気が付くと息子は自分の部屋で図鑑や本を読んでいました。

 日本語の素晴らしいところは、ひらがなが読めればルビの付いている漢字は全て読めることです。

カタカナも素晴らしい。どんなに難しい恐竜や星の名前も世界の国々の名前もカタカナが読めれば発音できるわけです。

50のひらがな(カタカナ)の音と字を覚えれば、どんな名前も読める。26文字で40以上の音を作る英語とここが違います。 

英語は単語のつづりと発音の関係が複雑で、7歳の息子が一人で本を読んで独学できるのは難しかったかも。一人で百科事典を読み進めている息子を見ると、日本語だからできるのかなと思ったりしました。

ひらがなやカタカナを書くのもままならない息子でも、読むのはすごい速さ。字を書かせようとしてもできない時は何時間もかかるのに、同じ字を読むのは瞬時にできる。

 ゲームをしている子供達を見ているとわかると思うのですが、息子もすごい勢いでゲーム機に現れるコメントを読んでいきます。

 「本当に読んでいるの?」と聞くと、「もちろん。読まないとストーリーがわからなくなるから。」

足りないものをあるもので補うと言うのはこういうことか。これを自然の法則というのかな。
妙に納得する母でした。

「無いならいい。あるものだけを見ていこう。」


不登校生になっても自分なりに自然に成長していく息子を見て『足りない力を嘆かずに、息子の持つ力を信じていこう』と、自然に思うようになった母でした。

 子供の為の本や図鑑以外にも、ひらがな・カタカナだけでできている文章や、ルビの付いている読み物は身の回りにたくさんありました。

机に向かって勉強しなくてもどんどん漢字の読みの力をつけていく息子。学習とは色んな所からできるものだなぁと実感する母でした。

 不登校生といっても家にずーっといることはありません。 学校に来ないで家でボーっとしているのだろうと思われているかもしれませんがとんでもない。

不登校生は学校に行けない分、それはそれで、病院だの、カウンセリングだの、不登校生専門の施設だの不本意ながらいろんな場所に連れて行かれるのです。 

外出すると「これなんて読むの?」と広告や標識の漢字を指さして聞いてきたり、スーパーで食材の名前を読むのは大好きな息子。調味料も読んで細かく説明してくれます。

電車の吊し広告は嫌が上でも子供の興味をそそります。最近は電車の中でビデオが流れたりして、漢字クイズのビデオを楽しめたりします。

学校のカリキュラムにそって習わない彼の漢字の勉強はいろんな分野に広がりました。

そのうちに、高学年の姉に小学校で習わない漢字の読み方を教えるようになった息子。

そんな息子の姿を見て、校長先生の「学校のカリキュラム通りに勉強ができなくても、最終的に社会に出る時どんな力を持っているかです。」と言う言葉を思い出しました。

学習指導要領に沿って漢字を覚えられなくてもいいじゃないか。」と不登校生を持つ母の焦りは少しづつ和らぐのでした。

不登校生の漢字の勉強法 学年別漢字配当表 全数1006字 資料:文部科学省
学年別漢字配当表 小学校で習う漢字全数は1006字 

小学校で習う漢字表ポスター 学年別漢字配当表 


不登校になってから学年がかわり、だんだんクラスで勉強していた頃が遠く離れた過去のことみたいに感じる様になっていきました。

学校に関する事に不安を感じている息子は、学校から届く宿題の紙や時間割の紙を見ることもありません。

同級生が学校で今どんな漢字を勉強しているか息子はよもや知ることもないだろうと思っていました。

ある日、「この漢字はまだ2年生では習わないんだよ。これは5年生で習うの。」と言う息子。

「どうして知っているの?」
「いつも漢字表を見ているから。」

姉の勉強にと居間の壁に貼ってあった学年別に分けられた小学校で習う漢字表のポスター

毎日学校で勉強できない分、自分で勉強しないといけないと潜在意識がさせたのか。

ふと気が付くと息子はこの漢字表の前に座っていました。最近、見かけた漢字を探して「この漢字は3年で習うんだよ。」「この漢字は小学校では習わないんだね。じゃあ、まだ習わなくても大丈夫だね。」 

学校で毎日クラスメイトと一緒に授業を受けることがなくても、クラスメイトがどんな勉強をしているのか、どんな漢字を習っているのか。不登校生になっても、学校での勉強がいつも息子の心の中にありました。



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2014年7月3日木曜日

イギリスのテニス 気楽に行こう ウィンブルドン選手権

ウィンブルドンテニス大会と抽選チケット

 4月に入り夏のトーナメントシーズンが始まるとイギリスのテニスクラブではウィンブルドン選手権のチケット抽選会が行われます。

私達のテニスクラブでは、ウィンブルドンチケット抽選会の日がクラブのメンバーシップ更新の締切日。

そう、「ウィンブルドンのチケットが欲しかったらクラブの年会費を払ってね。」というわけです。

イギリスのテニスクラブの総本山と言える英国テニス協会The Lawn Tennis Association(LTA)を通して、毎年、英国全土のテニスクラブにウィンブルドン選手権のチケットが多く配布されます。

2月から抽選で決まるウィンブルドン選手権のメインコート(センターコート・No.1コート・No.2コート)のチケット。その上、テニスクラブのある学校では学校を通してチケットが配られます。
これ以外にも、LTAのメンバーとしても個別に抽選も行われます。

別にテニスクラブ所属してなくても抽選にはだれでも応募できるのですが。基本的に抽選には誰もが応募できるウィンブルドン選手権。海外からでも応募できるのです。

更に、英国のテニスクラブに所属してなくてもメンバーシップ料(18歳以上25ポンド・9歳から17歳まで5ポンド)を払ってLTAのメンバーになれば自動的に抽選に参加することになります。

家族4人でLTAのメンバーである我が家は何度もウィンブルドンのチケットの抽選の機会があるわけです。
息子は学校を通してもチケットが手に入るので、これは手に入らない方がおかしいくらい。
でも、学校をお休みしないと見に行けないのよね。

6月の終わりに2週間続くウインブルドン。
1週間目の日曜日は芝生のコートの休日の日。選手もお休み。試合はありません。
2週間目の土日は決勝戦。

もうすぐ夏休みなのに。この間までハーフタームで学校お休みだったのに。。。なぜこの時期に開催されるのかな。

息子の小学校のウインブルドン観戦は金曜日。抽選にあたった児童は先生に引率されてして大手を振るってウインブルドン観戦に。いいなぁ。

 子連れのウインブルドン観戦 

「せっかく抽選で手に入ったチケットを無駄にしてはもったいない」と子供が赤ちゃんの時からベービーカーを押して見に行ったウインブルドン。

でも、5歳以下の子供は入れないので子連れの夫婦は入れ替わり立ち代わりにNo.1コートを出たり入ったり。抽選のチケットは必ず2枚組のペアで販売されています。二席分のチケットを持っていても、結局座っているのは一人だけ。

 同じようにベービーカーを押している夫婦の方に「私達のチケットで観戦しますか。」と声をかけると「私達もセンターコートのチケットを持っているの。でも、子供がいるから一人づつ見に行っているの。どうせ雨でまだ始まらないから。」という答え。

子供の数が増えてくると抽選に当たっても辞退してグランドチケットだけで楽しむウインブルドン。

子連れなので「どうせ午前中から行っても試合は始まってないから待っている時間が長くなる。」とウィンブルドン観戦は決まって午後から。わざと第1試合が始まった後を狙って会場となるAll England Tennis Club(AELTC)に到着する私達。

「ウィンブルドンの醍醐味はセンターコートやNo.1コートの試合だけじゃない。」と言い切ったイギリス人の主人。

AELTCにある19コートを使って行われるウィンブルドン選手権。

オールドイングランドテニスクラブ 外コート (イメージ:Wimbledon.com Queque Guide 2014)
オールイングランドテニスクラブの外コート
センターコート、No.1コートなどチケットの必要なショーコートを除いても15以上のテニスコートで世界のトッププレイヤーの試合が見れるウインブルドン。

 メインとなる男女シングルゲームだけでなく、ダブルス、ミックスダブルス。そして、ジュニアの試合・シニアの試合から車いすテニスまで多くの試合が行われるグランドスラム。

それでなくても試合数が多いのに、雨が降る度にすぐ試合中断となるウィンブルドンでは、19のコートをフル回転して試合をこなしていかないといけないわけです。

メインコートの建物の横に延々とつづく緑の外コート。
全身白のウェアをまとった世界のトッププレイヤーたちがこのコートにもあのコートでもプレイを披露してくれるわけです。

これが20ポンド以下のグランドチケットで存分楽しめるのですから、確かにウィンブルドンの醍醐味はこの外コートでの試合観戦かもしれません。 

放課後のウインブルドン 


子供達が小学校に入学したら、ウィンブルドンを見に行けるのは週末だけと思っていた私。

ウインブルドン大会開始の第1週目のある日。

 突然「今日、子供達が学校から帰ってきたらウインブルドンを見に行こう。」と言った主人。

でも、学校は終わるのは午後3時。いくらロンドンに住んでいるからといってもウインブルドンまでにたどり着くには1時間は掛かりそう。

「午後5時位に着いたら遅すぎない?」

 「何を言っているんだ。ウィンブルドンの試合は夜の9時ぐらいまで続くことがあるから、5時についても4時間も世界のテニスが見られるんだ。」

確かにイギリスの夏はなかなか暮れません。天気の良い日は、夜の10時を過ぎてのライトを使わずテニスが楽しめます。

さすがに午後5時に会場に到着する人は少ないと見えて駐車場も車がまばらになっています。
いつもは道が混むからと会場から離れた駐車場を選んでいたのですが、この時間になるとそんな気を使う必要もありません。

 「もう人も少ないし、好きなところに停めてね。」と駐車場の係員。 子供達は車を降りて広大な緑の駐車場ではしゃいだり嬉しそう。 これだけでも来たかいあったかな。

 午後5時からはグランドチケットは更に安くなります。

入場する私達と入れ替わりに帰り支度の人達がぞろぞろ。 センターコートやNo.1コートなどのショーコートのチケットを赤い箱に入れて帰る人もいます。

集められたチケットは、リセール(resale)チケットとして、当日格安な値段で再度販売されます。

リセールチケットを手に入れも、子供達は長い時間じっとすわっていられるかしら。せっかく席についても試合が中断されて待つ時間が長くなります。子供を連れてメインコートを出たり入ったりは大変かも。

子供達を連れて選手を間近で見られる外コートを歩いて回ります。
幼い子供達でも伝統的なウィンブルドンでのテニス試合は何か違うと感じるのか。多くのギャラリーに混じって静かに真剣に観戦する子供達。やっぱり来てよかったウィンブルドン。

センターコートの近くをふと通りかかると「もう帰るから、このチケットあげるよ。子供達にNo.1シードのプレイを見せてあげて。」と言ってチケットを渡してくれたおじいさん。

子供連れでも気楽に楽しめるウィンブルドン。伝統のある英国テニスの祭典はとてもフレンドリーです。

2週目に入ったウィンブルドン選手権。ジュニアトーナメントが始まります。



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(参考:The All England Lawn Tennis Club http://www.wimbledon.com)




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