自己紹介

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Wales, United Kingdom
日本と英国を行き来する2人のバイリンガルキッズの母。ロンドンで生まれた子供たちを連れて日本へ。横浜で英語で創作絵本を作るキッズ・クリエイティブ・ライティングの教室を開き、英語の絵本の出版。小学校で不登校になった息子を連れて、またまた英国へ。イギリスの自然と息子のテニス・トーナメントの応援と野菜作りを楽しむ日々を過ごしていましたが、社会人学生として大学に入学。

2016年6月29日水曜日

ウインブルドンへの道 英国のジュニアプレイヤー

 The Road to Wimbledon

今年もウインブルドンテニス大会が始まりました。
6月に入り英国のサマーを感じさせる気候になるといよいよウインブルドンの季節が来たなと思います。

毎年行われるウインブルドンのセンターコート、No.1コートへのチケットの抽選に間に合わず今年はウインブルドンには行くことないかなと思っていた6月の中旬に英国テニス協会(LTA)から手紙が送られてきました。

ウインブルドンへの道 英国のテニス大会 英国のジュニア選手なら手に入れられるウインブルドンへの道
LTAからの招待状


英国テニス協会からのジュニア選手への手紙

 Dear Playerと始まる手紙はタイトルは『ウインブルドンへの道(The Road to Wimbledon)』というテニストーナネメントの地域ファイナル戦への招待状でした。

このトーナメントはその名のごとく、英国のより多くのジュニアプレイヤーにウインブルドンを目指してもらいという英国テニス協会の計らいで行われています。

全国の学校、テニスクラブ内で選抜トーナメントが行われ準決勝、決勝戦はロンドンにあるあのウインブルドンテニスクラブでおこなれます。今、錦織、ジェイコビッチ、マレーがプレーしているあの芝生のコートでプレイできる機会が与えられるのです。

去年は同じテニスクラブの友達がこの大会でウインブルドンへ行き5日間にわたってあの芝生のコートでプレイしてきました。

このトーナメントの出場資格は個人レートが7.1以下の14歳以下のジュニアプレイヤーのみ。学校およびLTAのテニスクラブでこのトーナメントに参加している場合のみ。地区ファイナル戦への参加は学校かクラブの代表プレイヤーということになります。

(14歳以下で個人ポイントが7.1より高い場合はRoad to Wimbledon国際大会参加可能。この場合は個人で直接英国テニス協会のウェッブサイトから直接申し込み。)

LTAからの手紙の宛先は息子。
個人戦にあまり参加していない息子。もちろんこの大会への出場権もこの手紙を持って初めて知りました。なぜ?と不思議がる私たち。

根気よく育てるジュニアテニス

英国へ渡ってから本格的にテニスのレッスンを始めた息子を見続けてきたクラブのテニスコーチ。

多くのジュニアプレイヤーを国際大会に送り込んだベテランコーチは、息子の成長を根気強く見守ってくれます。

グループレッスンに入らない彼を待ち続けてくれた彼。
個人戦で上手くいかない息子をしばらく休ませたらと声をかけてくれたのも彼。
ダブルスなら活躍する場が広がるとジュニア選手とベテラン選手をつなぐクラブチームを作ったらと提案してくれたのも彼。

このウンブルドンへの道も彼の推薦でした。


長い目でみて、根気よく選手の力を作っていく。早ければ5歳から始まるジュニアテニス選手のトレーニング。

他のクラブではプロを目指し世界大会を目指すも10代半ばで諦めるジュニア選手も多くいるというコーチ。

アンディー・マレーがジュニア時代。地元で活躍していた彼の周りには同じように力のあるジュニア選手が多くいました。その中から出てきたスパースター。

力のあるジュニア選手がいっぱい居る環境があれば世界に活躍する選手が出てくる。

長年地元のクラブで育ったジュニア選手たちが毎年世界を目指して各地へ散らばっていきます。
花形ジュニア達がいなくなり、一瞬ぽっかり穴が開いたように寂しくなる地元クラブ。
「次に地元クラブで活躍してくれるジュニア選手たちはいるのかしら。」
と心配するのもつかの間。

この間まで小さくってサーブも上手く打てなかったジュニアたちが、いつの間にか周りの大人のクラブプレイヤーよりも背も高くなりサーブも強くなっていました。
世代交代とばかりすばらしいテニスを見せてくれるようになってクラブを盛り上げてくれるティーンエージ選手達。

一人二人のトッププレイヤーを作るだけではクラブの繁栄やテニスの世界は広がっていかないと根気に見守るベテランコーチの元でジュニア選手の厚い層ができるのでした。

世界ランキング772位で、いまだにクラブプレイヤーとしても活躍しているマーカス・ウィルス(Marcus Willis)が今年のウインブルドン第1日目にランキング54位の相手を負かした。

ウインブルドンは子供の頃から夢だったというマーカス。

結果が出ないからと諦めないでチャンスはいつ来るかわからない。
 英国のテニスシーンはこれからかも。



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参照
関連した記事:

2016年2月29日月曜日

不登校生と引きこもり フリースクールへの助成金

不登校生と引きこもり

小学校1年の息子が不登校生になり始めた頃は 学校以外でも勉強できる方法はあるのではと両親で息子を連れて博物館などに連れて行っていました。

毎日のように電車に乗ってこんな博物館があるのかと思うような場所へ行ったり。

小さいながらにも親の頑張りがわかるのか興味深かそうに見学する息子。
時には目をキラキラさせて自分の考えを語る息子を見ると胸の痛みが少しは和らぐのですが、その反面こんなにいろんなことに興味を持って向学心があるだから学校に通っているお友達のように勉強できればさぞ学力がつくだろうと思う両親でした。

そんな思いもあり両親との課外授業の際の息子の様子を学校の先生に話したら、
「学校の授業時間はできるだけ家で勉強させてください。」
「基本的に学校にいるべき時間なのであまり外に連れて出ないよう。」と言われてしまいました。

「そうかぁ。」と反省しながら、「先生に学校の授業中はお家で勉強してと言われたからこれからはあんまりママたちと課外授業できないね。お家で本とか読んでようね。」

気軽な気持ちで先生のアドバイスを伝えた母でしたが、息子はその言葉を何倍も強く受け取ったのでした。

その日から息子は外に出なくなりました。

庭に出るのも嫌がるようになり。どうしても連れて出かけないといけない時も車で外出しても車の窓より自分の頭が出ないように顔を隠すように座るようになった息子。

これじゃいけないと慌てた母親。

どうしてもと嫌がる息子を連れて散歩に出かけました。
 のんびりとした昼下がり家からわずか数メートルのところで慌てて着ているパーカーのフーディで頭を隠し下を向いて歩く息子。
『小学生なのに学校に行ってない僕は外も歩いちゃいけないんだ。』
『誰にも僕が不登校生だとわからないように隠さないと…』
その姿は息子の気持ち語っているようでした。

 まだ8才なのになぜ。悲しみよりも怒りが。
 反射的にフーディーを彼の頭から引き降ろし怒鳴った母親でした。

「学校に行かないからといって犯罪者のように顔を隠して下を向いて歩くことはない。」 「自分に自信を持って上を向いて歩きなさい。」
 理性を失って息子を叱ったのはこの時だけだったかも。。。

 学校に行けるかどうかどころじゃない。
その日から息子が引きこもりにならないように今日もこれからも社会の人と触れ合うことができるようになるにはどうしたらいいかが両親の問題点となりました。

 相変わらず外出を嫌がる息子をいろんな口実をつけては外に連れ出す母。
お昼ご飯を食べに初めて立ち寄ったラーメン屋さん
「あれ、学校は?」と聞かれてびくっとする息子。
 どう答えたらいいかわからず下を向く息子に、
「今日はお休みしたのね。昨日もお休みしたのね。明日は学校行けるかなぁ。行けたらいいね。」と答える母。
『あぁ、そうか。』と納得顔のラーメン屋のおじさん。
「俺だって学校いけない時があったけど、今はこうやって立派に商売しているんだから。」 と励まされた息子。

 外出先で小学生の息子が
「学校はお休み?」「学校はどうしたの?」と聞かれる度に
「不登校ですから。」とあっけらかんと答える母。

不登校生とわかったら叱られるおもっている息子に、
「早く学校に行けるようになるといいね。」
「いつか学校に戻れるからね。心配しないで。」
「大変ね。頑張ってね。」
社会で触れ合う人たちからは励ましの温かい言葉ばかり返ってきました。

まもなくして息子が顔を隠して歩くことはなくなりました。

出会った見知らぬ人たちからは温かい言葉ばかりをいっぱい受け取った 私たち親子はもしかしたらラッキーだったのかもしれません。

不登校から引きこもりよく聞く言葉ですが、不登校になったからって自分を責めて社会をさらに小さくしないで欲しい。君が安心していられる場所、君を受け止めてくれる場所はこの社会の中に必ずあるはずだから。
このメッセージをいま自分を責めて辛い思いをしている不登校生に送りたいです。


フリースクールへの助成金 

不登校生を持つ家庭への経済的な支援が政府によって行われるようになりました。
2015年12月からフリースクールへ通う不登校生の家庭で生活の苦しい家庭には助成金による支援がされます。

フリースクールへの助成金 東京シューレ シューレ大学 (photo文部科学省HP)
シューレ大学 自分研究 (写真:文部科学省)
全国に少なくとも474あると言われるフリースクール。

 30年以上不登校生を支援しているフリースクールの東京シューレによると
『1980年代から考えると現在、フリースクールの数は増えているが、社会全体の不登校や引きこもりの子どもに対する視線は変わらない。』
『不登校の子どもがフリースクールに通うことに対し、在籍する学校の先生方や近隣の理解が得られず、心理的に追い詰められる家庭もある。』


 国からのフリースクールへの助成金などの支援策により不登校生を持つ家庭への経済的な支援の意味だけでなく、この動きから不登校生に対するまわりの考え方や認知の仕方が変わっていけばいいな。

そして、「不登校生だから。。。」と顔を隠して歩いたり、自分を追い詰める子供たちの数が少なっていけばと願っています。


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関連する記事:

参照:
朝日新聞 「フリースクール費補助6億円補正案 政府が不登校生支援」2015年12月17日
文部科学省 特定非営利活動法人 東京シューレ 「学校だけが育つ場所でない。」

2016年1月6日水曜日

イギリスの不登校生

不登校生とフッディー 

フード付きのパーカーはHoodie(フッディー、フーディー)と言ってイギリスでは一時フットボールフーリガンや不良のシンボルとして良いイメージが無かったのですが、今ではそんなイメージも薄れてきて相変わらずファッションとして人気のアイテムです。 

息子も幼稚園の頃からフーディーが大好きでした。
でも不登校生になってからのある日、外出時にこのフーディーで頭をすっぽりと隠すようになりました。

まるで何か悪いことをしているかのように自分の顔を隠すように下を向き歩く小学生の息子。
その息子の姿は不良としてメディアで取り上げられていたイギリスの青年たちを思い出させました。

その後、同じように自分の顔を隠すようにフーディーや帽子をかぶっている不登校生の子供達を見ることがありました。

まるで悪いことをしているようになぜ顔を隠さないといけないの。
不登校生の親の心が一番痛む時でした。 

イギリスの不登校生 

「ディスレクシアって知っていますか?」と聞かれたのは日本語レッスンのボランティアに行った時。 

学校が怖くて行けないスクールフォビア(School Forbia)になったことがある子供達は5人に一人いると言われているイギリス。

「英語だとコミュニケーションがうまく取れないので学校に行っていないの。」と紹介されてたイギリス人の女の子は私が初めて会ったイギリスの不登校生でした。

いつも着てるというウォンジー(Onesie)のフードを深くかぶって現れた彼女は私に日本での不登校時代を思い出させました。

 週に1回の日本語のレッスンにお母さんと特別支援の日本人学生のサポーターに付き添われて参加している彼女。

学校に行かず人に会うことが苦手で外に出ることもままならない彼女。 
日本の漫画やアニメが大好きで日本語の勉強の為なら家から出かけることができることがわかり、 車で往復2時間かけて日本語のレッスンに連れてきていると話してくれたお母さん。

 日本語以外だとコミュニケーションができないからイギリス人のクラスメートとも会話ができません。 

ボランティアとしてクラスのサポートに入った日本人の私には「勉強が大好きです。」と日本語で答えてくれます。 

学校には行けないけど、家でお母さんが勉強を教えてくれると話してくれました。
「お母さんは頭がいいです。」と教えてくれました。 

彼女のノートに書かれた日本語はまるで印刷された字のように綺麗でした。 

2時間の日本語のレッスン中、娘さんに付き添ってずーっと隣に座っているお母さん。 時々、娘に日本語で質問されては「私にはわからないから振らないで。」と少し笑いながら英語で答えるお母さん。 

不登校時代にどこに行くにも一緒に息子に付き添っていた自分を見ているようでした。 

学校にこのまま行かれず将来どうなるのだろう。
先の見えないトンネルの中でなんとか少しでの将来に希望を持てることができたらと祈っていた毎日でした。

 会話のレッスンの為に机を挟んで向かい合って座っていた私でしたが、私の心はずーっとこの母娘の側にありました。

 日本の漫画の「One Piece (ワンピース)」が大好きという彼女。
息子の好きなHunterxHunter(ハンターハンター)の漫画の話をすると自分も好きだと嬉しそうに大好きなキャラクターの話をしてくれました。 

楽しい会話に夢中になっていてもふとフードの端に手をおいては深くかぶり直す彼女。
その度に私の心の隅が痛くなりました。 

イギリスで日本語を勉強するきっかけになるマンガ 大人気なのはOne Piece
 英国の日本語教室の生徒に人気のワンピースのマンガ

ディスレクシアや不登校を助ける日本文化

「彼女は英語でのコミュニケーションがダメだから英語だとメールもできないの。メールもコミュニケーションの一種だから。」と教えてくれた日本語教室の先生。

 「でも、日本語でなら会話ができることが分かったのよ。」
この間ロンドンのコミコンに行ってきた時に日本語なら他人と会話できることが分かったとお母さんが教えてくれたそうです。

日本語を通して娘が社会復帰できたらと将来への希望を持ち始めたというお母さん。 

「英語だとディスレクシアでも、日本語だと字を読んだり書いたりできるので日本語のレッスンに来ているイギリス人の人が結構います。」

「日本の漫画やアニメがきっかけで日本語に興味を持ってみたら、実は日本語ならディスレクシアの問題がないことが分かったりするみたい。」という先生の話。

 日本の文化がこんな風にイギリスの不登校生に楽しみを与えて社会へのつながりや将来への希望の手がかりになっていることは大変嬉しいことです。 

日本の文化がこんな風にイギリスの不登校生を楽しませて、社会へのつながりや手がかり、将来への希望を与えていることは日本人の私には大変嬉しいことです。 

これからも日本の文化が海を越えディスレクシアや学習障害で困っているイギリスの子供達をより多く助けることができたら。 

そして、この子たちのためにも日本語のGCSEやAレベルの試験がイギリスで続行されていくことを心の底から祈っています。


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関連する記事:




参照:
Netmums.com 「Is your child worried or anxious about going to school? - School phobia」2003年

テレグラフ紙  [My daughter refused to go to school - for five years」 2014年

2015年10月30日金曜日

イギリスの大学 ディスレクシアの認知度

ディスレクシア課とディスレクシアテスト


イギリスの大学へ社会人学生として入学が認められた私の元へこんなメールが届きました。
「成人学生の中にディスレクシアの生徒の割合が多いことからオンラインテストを受けてください。」 
メールと一緒に送られきたリンクを開いて自宅でオンラインでできるディスレクシアのテストは20分で終わりました。

始業式が終わり大学の学生課に初めていくと階段の踊り場にこんな案内表示がありました。学生課、福祉課、キャリアセンターと並んで「ディスレクシア課」

ディスレクシアの学生がいかに多いかと認識させられます。

大学の案内表示にもディスレクシア課
大学の案内表示にディスレクシア課


 英国ディスレクシア協会によるとイギリスでは人口の10%がディスレクシアでその内4%は深刻なディスレクシアとのこと。約7百万人以上いるディスレクシア人口のうち85%が成人で、その半数は自分がディスレクシアと知らずに生活しているとのこと。

ディスレクシア協会ができてから40年がたち、ディスレクシアの認知度も進み支援があれば多くが高等教育進学および優秀な成績で卒業したり才能を開花する仕事につけることができるのが統計でわかるようになりました。

よい成績を残すディスレクシアの学生たち

 英国の経済成長担当省であるビジネス・イノベーション・職業技能省(BIS)もITの進化によりディスレクシアや学習障害を含む障害者の高等教育への進学者が増え、さらに優秀な成績を残していると支援の必要性を実感し効果的な支援方法を探求しています。

ビジネス・イノベーション・職業技能省の報告書HIGHER EDUCATION Disabled Students’ Allowances: Equality Analysis DECEMBER 2014
BIS報告書 高等教育レベルでの障害支援を成績結果

2014年のBIS報告書 によると高等教育レベルで認知および補助を受けている障害者は障害でない学生と比べてもよい成績を収める割合が多いとして、このデータを今後の支援方法などに生かす方針であるとまとめています。

ディスレクシア支援団体や協会もディスレクシアの認知がされ対応策が取られることによりディスレクシアの人たちが大学進学中やその後のキャリアで活躍が見られるとコメント。

オンラインでできるディスレクシアテストのお値段

学校レベルでのディスレクシアを含む学習障害の認知度が進む中、今までディスレクシアと知らなかったり今でも認知されずに生活を行っている社会人をどのように助けることができるかが課題になっているのですが。

ディスレクシアのテストはインターネット上で簡単にできて、値段も30-50ポンド(約6000円-1万円)程度。


イギリスの大学から送られてきたディスレクシアのオンラインテスト
私が受けたディスレクシアのオンラインテスト
大学からのパスワードを入れると無料で受けられる。


簡単にオンラインでできるテストで少しでも自覚することも次のステップへの手がかりになるのでは。。。

学習生活の中で苦労工夫をする分ディスレクシアの人が仕事場で高度な管理スキルなどを発揮することがわかってきました。

ディスレクシアなどの障害をテストするのだけでなく、これらのディスレクシアの人たちが持つ個々の持つ隠された才能を見つけるソフトも開発されています。

スポットタレントテスト ディスレクシアの人たちの才能を見つけるオンラインテスト
ディスレクシアの才能発見テストのソフト

ディスレクシアの気持ちになって本を読もう。

認知度の進む英国でもディスレクシアの人たちの間では認知されるまで時間がかかったり、周り人から理解を得ることができずつらい思いをしてすごす場合も多い。

大学へ行くまでディスレクシアとして認知されなかったデザイナーのダニエルさんはディスレクシアが本を読む時にどんな苦労や思いをしているかとディスレクシアの人の気持ちをフォントを使って表現しました。

 通常のアルファベットの文字の40%を削ったフォントで書かれた手紙。
「あなたは何分かけて読めますか?」

普通の人が読むとディスレクシアの人が通常の文章を読むのと同じスピードになる。
ディスレクシアのデザイナーの作ったフォント
このフォントで書かれた文章を読むとディスレクシアの人が通常の本を読む時の気持ちがわかる。

このフォントを発明したことで英国政府から注目されたダニエルさんは政府のディスレクシアの普及キャンペーン団体に就職しました。彼のフォントで書かれた本が出版されました。

この本を読むと時間がかかりディスクレシアの人が読書の際にどれだけ苦労をするのか実感できます。

 学習障害と呼ばれているディスレクシアですがコンピューターなどのサポートを受けることによって優秀な成績を残したりすばらしいキャリアを持てる可能性が多くなるんですね。

英国だけでなく日本も含めてディスレクシアに対する認知度が増えればと期待するばかりです。


ディスレクシアのデザイナーの作った本
普通の人がこの本を読むとディスレクシアが普通の本を読むのと同じくらいのスピードがかかる。
ディスクレシアのデザイナー ダニエルさんの本


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関連する記事:


参照:
Department for Business, Innovation and Skills,2014年12月報告書
「Higher Education; disabled Students’ Allowances:Equality Analysis」 

ADSHE:Association of Dyslexia Specialists in Higher Education 

British Dyslexia Association 「成人とディスレクシア40年が過ぎ 2012年報告書

デイリーメール紙 「ディスレクシアの気持ちになる読みのテスト」2015年 Zofagharifard. Ellie,
「Take the reading test that shows you what it’s like to be dyslexic: Font recreates the frustration felt by those with the condition」
ダニエル・ブリトン氏のサイト http://danielbritton.info/195836/2165784/design/dyslexia

2015年10月19日月曜日

イギリスの学校見学 まだ存在しない職業


スクールオープンデー 


 学校見学の出来る日のことを英語で「スクールオープンデー」と言います。

11月の入学申し込みにかけて9月10月と頻繁に行われるこのオープンデーですが、
木曜日や金曜日など平日に行われることが多いので学校を休まないと親子でいけないのが玉の傷。

娘の高校では大学の見学日のために学校のお休みが許されるのは3日だけ。
イギリスの大学受験生はのんびりしているのか高校最終学年の13年生になる直前まで大学見学をしない親子も多かったり。

さすがにオックスブリッジ(オックスフォード大学とケンブリッジ大学をあわせた名称)の見学日は1年前からチェックして6月から行われるオープンデーに予約を入れる必要があったりもしますが。

 学校見学といえばいままでに一番心に残る言葉を受け取ったのが、ユナイテッド・ワールド・カレッジ(United World College) 略してUWCという世界に13校あるインターナショナル・スクールのグループ校であるアトランティック・カレッジのオープンデーでした。

ハリーポッターの学校を思わせる海辺の13世紀の古城が校舎のアトランティック・カレッジ。 

映画やドラマのロケーションによく使われると聞いて納得。

ホグワーツスクールを思わせるアトランティック・カレッジの大食堂


 広大な敷地やバラ園、海を見ながら泳げる野外プールや厳かな雰囲気のダイニングルームとどこを見ても素敵。

ただ、一番ロケが多いというのが女子トイレというのは以外でしたが。

アトランティックカレッジの女子トイレ ロケによく使われる
トイレの個室とは思えないつくりの女子トイレ


 今はまだ存在しない職業達 


このアトランティック・カレッジでの懇談会でキャリアオフィサーと呼ばれる進路指導の先生の話。
「現在はITも含めてテクノロジーの進化が進んでいます。5年、10年前には想像もしなかった仕事の分野ができています。」

「今ある職業や仕事をみて、自分の将来や今後のキャリアを決めつけないこと。あなた達が大学を出るころには今はまだ名前も存在しない仕事や職種がいっぱいあるでしょう。」

「今の自分の能力だけで自分を判断しないこと。この学校では英語ができない生徒でも私たちが才能の可能性を感じたら入学を許します。英語ができなければ私たちが教えます。生徒の将来の可能性を判断して入学をしてもらうか決めます。」

今の自分を見るだけで今後の人生を決めつけないで。

自分の進路を狭くしないで。

未来には今まだその存在も知らない職業がいっぱいできるかもしれないのだから。

 不登校生だった息子を連れてイギリスへ引っ越したばかりの私の心に深く染み込んだ言葉でした。

60%以上の生徒が奨学金制度を利用しているというアトランティック・カレッジ
アメリカのリーグ大学も含め世界中のトップ大学へ卒業生を進学させています。

「世界にはいろんな学校があるんだな。」

今はまだ知らないテクノロジーで自分が苦手だと思っていたことも簡単にできるようになる可能性はあるんだ。 

そんなメッセージを受け取れたスクールオープンデー。



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関連する記事:キッズクリエイティブ イギリスの学校 アトランティック・カレッジhttp://kcwjp.blogspot.co.uk/2013/09/blog-post.html


参照: www.uwcgbapply.org
 UWC(日本語)http://uwc-japan.org/news/20150913-1138

Photos: courtesy of UWC Atlantic College (http://www.atlanticcollege.org/), Atlantic College Alumni Association in Japan (http://uwc-japan.org/uwc/colleges/ac), pigtowndesign.com (http://www.pigtowndesign.com/)
Jamal Malik (http://flightoffancy.jamalmalik.net/from-khewra-to-bath/

2015年9月5日土曜日

不登校生の将来 

見えない将来 

小学校1年生から不登校生になった息子。 将来の話をする時が一番辛そうでした。

3歳上の姉の進学の話などをしている時「(高校生の)その頃には僕はもういないから。」 と言っていた息子。

それを聞いて「えぇー。どういう意味?」 と心の中で慌てる母。

自殺という言葉が頭をかすみます。

まだまだ何年も先の将来をそんなに悲観しなくても。。。
君はまだ8歳なんだよ。 

息子の何倍も多く年をとってきた母は「学校に行けなくても勉強ができなくても君は社会に出たら必ずちゃんと生きていけるよ」と思うのですがそんな慰めの言葉は息子の心には届きません。 

小学生の息子が言う
「僕には将来はない。」
「将来には僕はいないから。」

学校へ行けないことで一番辛い思いをしているのは当人の息子なのだと気がつかせてくれる言葉でした。

 消えない不安


イギリスへ引っ越してから毎日学校へいけるようになって3年が経ちます。

不登校時代が遠くなってきたと感じ始めた母と違い息子は未だに同級生と一緒に勉強できなかった時代を思い学力が低い自分の将来を悲観していました。

 姉の高校進学が近づき進路の話が出た時に「僕は学校へ行ってなかったら勉強できないから大学にはいけない。」「将来僕のできる仕事なんてないよ。」と悲観的な息子。 

毎日登校できるようになったのに学力も少しづつだけどついてきているのに、なぜ未でも将来にこんなに悲観的なのだろう。 

母は思います。
「親が何か悪いかしら?」
「私が何か悲観的なものをもっているのかしら?」
「母親の私が変わることで何か変わるのかしら?」 

不登校時に繰り返し自問していた言葉が今また心に浮かんできます。

 人生100年 


私たちがイギリスに引っ越してから3ヶ月後に夫を亡くした義母。
片割れを亡くし嘆き悲しむ義母。亡くなった義父より一つ歳上の89歳。

このまま彼女も後を追っていつ亡くなっておかしくないと家族が思っていた3年前。
「元気を出して。元気を出して。」と孫達に励まされていたら、本当にだんだん元気になって90歳になってから何年ぶりかの旅行に行くようになったりしました。

90過ぎてから年々元気になっていく義母をみていると人生100歳の時代がもうすぐ来るような気がする私。

高齢化の進む世界 世界の高齢化率の推移 内閣府調査
世界の高齢化率の推移 (内閣府調査)
 孫息子に「あなたの結婚式まで生きて、結婚式で必ず一緒にダンスを踊るからね。」と約束する91歳の母。 

「僕まだ13歳なんだけど。後10年以上は待ってもらわないと。」と困った顔で私に相談する息子。 

「あの調子ならおばあちゃんは後15年くらい大丈夫そうよね。」と答える私。 

「ママも見習って130歳まで生きるつもりでいるからよろしくね。」と 思いついた言葉を口にした母。
「それじゃ、僕はいくつまで生きればいいの?」
「ママは130歳まで生きるから、老後の面倒を見てもらわないといけないからあなたには103歳くらいまで生きてもらわないと。」
「そうかぁ。じゃあ、僕も長生きするように頑張るよ。」

 90過ぎても元気に過ごす義母に感化された私が思った言葉を口にしただけでしたがこんなに前向きな返事をもらえるとは思っていませんでした。

「元気を出して。元気を出して。」とおばあちゃんを励ましているうちにだんだん自分も元気をもらうようになった家族達。 


50歳からの大学生


90を過ぎて年々元気になっていく義理母をみて100歳になった自分の姿を思い浮かべる嫁は思います。

そうだ。人生100年とすると私はまだ半分しか生きていない。
今までの自分は80歳くらいまでなんとなく生きていくだろうとぼーっと思っていた。
もっと前向きに貪欲に生きていいこうと思ったらどうなるのだろう。
おぎゃーと生まれてから今年までと同じ年月をこの先も生きていかないといけないとなれば人生の設計も変わります。色んなことができるかも。

 息子に人生は楽しいと思ってもらうには私が変わらないと。

不登校の時には変わりたくても息子のそばについていることに必死でポジティブに大きく自分を変えようと思うこともできませんでした。
自分たちの中の悪いところはないかと悪いところ探しばかりでした。

 学校に息子が元気に通うようになって3年目。親子共に人生を前向きに生きていこう。 

この秋、母は大学生になります。
イギリスの大学 25歳以上の社会人からの大学進学が増加している
社会人の大学入学率が増えているイギリス
25歳以上の大学入学者の増加がめざましい。
2014年前年度比8.6%

不思議なことにちょっと長生きしようと思っただけで自分も周りの人たちも視点が変わった気がします。
息子も最近は「僕は将来ものを作ったりデザインする仕事がしたいな。」と言うようになりました。

不登校脱出から3年。ようやく将来を夢みて人生の設計をできるようになってきました。



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参照:内閣府 平成27年版高齢社会白書
UCAS  End of Cycle Report 2014 Applicants and acceptances by domicile and age group 2010-2014 

2015年8月1日土曜日

不登校生の親友

二人の親友

不登校生になってから道で同じ学校の同級生に会うと固まってしまう息子。同級生だけでなく同じ年頃の小学校生と思うと避けるようになった息子。

学校に行ける日でも通用口から目的の部屋に行くまで同級生や他の生徒達から身を隠すように歩く息子。

そんな息子にも親友とも呼べる二人の友人がいました。
近所の友人。二人共息子とは違う学年でした。

学校に行き渋りし始めた頃には何度も訪ねてくれた同級生達。息子が会うのを嫌がっているのを察してか段々と足が遠のいて行きました。

不登校生になってからいつも遊ぶのはこの近所のお友達二人でした。
一人は息子より一つ年下。息子が小学1年で正式な不登校生になった時、彼は幼稚園生。その為か息子にとって学校を思い出すこともなく気兼ねに遊べる友人でした。

もう一人は息子より2歳年上。同じ小学校の上級生でした。
不登校生になった息子をよく自宅に招いてくれた彼。
とても社交的な彼の自宅にはいつもクラスメイトや近所のお友達がいっぱい遊びに来ていました。

『学校では他の生徒を見かけただけで避けたり固まってしまう息子なのに大丈夫かな?』と心配していた母でした。

でも、誘いの電話があると飛び出していく息子は一日中家の中で小さくなっていた息子とは別人のようでした。

こうやって毎日のように息子は放課後、家の外に遊びに行くのを楽しみにしていました。

「まだ2時だから、あと1時間20分だね。」時計を見ながらつぶやく息子。お昼ご飯を食べた頃から時計を気にし始めます。

今日も放課後になるのを朝からずーっと待っています。

『放課後になったらひとりぼっちじゃなくなる。』そんな思いだったのでしょうか。

家の外で子供の声が聞こえるだけで窓から遠い部屋の反対側へ走って行く息子。
このまま引きこもりになってしまうのでは。。。母の心は学校に行けないことより外に出れない子になったらどうしようと痛みました。

上級生の親友を通して上級生の知り合いも増えました。年が上のせいかみんな息子の気持ちを読めるのか優しく暖かく接してくれました。

「放課後みんなで学校で遊ぶからおいでよ。」と上級生に誘われて放課後学校に遊びに行くこともありました。

翌日、母一人学校に行くと「昨日、放課後に校庭に遊びに来ていましたよ。」と先生に声をかけられて恐縮するのでした。

『なぜ昼間は学校に来ないのに放課後になると学校に来れるのか。』と先生方は不思議に思っているのでは。。。

恐縮すると同時になぜ誰も居ない放課後には学校に来れるのに授業がある時間に登校することができないのか学校の先生方が少しでも不思議に思ってくれたら不登校の謎が少しでも解明できるのではと思ったりもしていました。

充実した放課後


毎日のように遊びに来てくれたり誘いに来てくれる二人。不登校生の息子の放課後はこの二人の親友によりとても充実したものでした。

「石1つ 80円」という木札とともに庭に石を並べて将来二人で石を売る石屋になるんだと話してくれた一つ年下の親友。

学校に行かない息子の友達の輪を広げてくれた上級生の親友。

息子が引きこもりにならず家の外へ目を向けることができたのはこの二人のお陰でした。

学校へ行けなかったつらい時期でも友達と一緒に公園に行ったり虫や魚をとったりゲームをしたりスポーツをした楽しい思い出が息子の心に残りました。

夏休みに里帰りをした渡英後3年目の夏。
小学生だった息子も二人の親友も中学生と高校生になっていました。

いまだに公園にエビを取りに行こうと話す中学生と高校生。

生まれてきてくれてありがとう

不登校生の親友。この二人がいなかったら息子はどうなっていたのだろう。

母は必死に息子の不登校を解決しようと努力してきたように思っていましたが、振り返ると母親ができたことは息子の送り迎えとか付き添いと寄り添いだけ。。。

息子の不登校は息子の辛い思いと深い悩みの時間をへて彼に携わってきた多くの人たちの思いによって少しづつ少しづつ何かが変わってきたのでしょうか。。。

そして、その息子の心の変化の一番下にいつもいてくれた二人の親友。

不登校時代どんなに辛くても「生まれてきてくれてありがとう。」と母はいつも思っていると伝えたかった。

そして息子を支えてくれた親友達にも同じように偶然かもしれないけど出会えてよかった。

生まれてきてくれてありがとう。


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2015年6月19日金曜日

GCSE 試験日程と延長時間

長い試験日程

5月から始まったGCSEの試験も6月の2週目に入りようやく終わりに近づきました。
長かった試験期間。日本の高校入試と違いイギリスの義務教育修了試験であるGCSEは各科目ごとに何日も行います。
GCSEの数学は試験が2回に分かれ2日間。英語は一般英語、文学と二つに分かれて、さらに文学の試験は2回に分けて試験が行われてと試験日数が増えていきます。

1教科の試験時間が長いので試験を小分けにします。数学は1部と2部で各2時間半となんと「のべ5時間」。

今年、我が家の長女も延17日間の試験日程をこなしました。

2年間の受験準備が終わる最後のラストスパートと親子共も力が入りますが、そのラストスパートの試験は1ヶ月以上にまたがり、さらに途中で学校の中休みも入りとだらだらと続くイギリスの全国統一試験。

「いよいよ試験が始まったぁ。最後の一息。」と思ってから試験最終日まで緊張感を保つのが大変。
 終わっても「はぁ」とため息つく受験生の母でした。
イギリスの全国統一試験 GCSEの長い試験日程表
GCSE の試験日程表
6教科試験でも17日間と長い試験日程

ディスレクシアと延長試験時間

「私の英語のクラスではディスレクシアの子も多いからって、今日筆記速度のテストがあったわ。」と教えてくれた我が家の受験生。

GCSEの試験にさきがけ長女の中学校では 受験の際に特別な考慮が必要かを査定するテストが行われました。

 受験特別措置とは延長時間、別室受験、付き添いによる代読みや「Scribe」と呼ばれる代筆です。イギリスではディスレクシアやAD等の学習障害を持つ生徒や怪我をしていて受験に差し障りのある生徒もこの対象になります。

 GCSEおよびAレベル では試験時間の25%が延長追加されます。

2時間半のGCSE英語の試験だと追加される時間は約37分となり1回の試験時間は3時間強

この延長時間の利用の仕方をうまく管理しないと 試験時間が長い為、同じ日に試験が2つあった場合Aレベルでは1日で7時間半の試験時間という長丁場になる場合があると特別支援教育教師連盟であるPATOSS*は延長時間による受験生の負担を指摘しています。

学校での学習障害のプログラムや受験特別措置の恩恵は大きい。

GCSEの最高グレードのA*(Aスター)とったディスレクシアを持つHollyは10歳まで読み書きができませんでした。それが、英語でA*を取ったばかりでなく、A*2教科とA3教科とトップグレードを合わせて5教科で取りました。

増加する延長時間受験生

GCSEで受験時間延長を受けた生徒は、2010年で109,773 人、2011年117,169人そして2012年では 123,248人 とその数が年々増加しているとメディアなどから指摘されています。

試験共通委員会であるJCQ(The Joint Council for Qualifications)により2014年から新しいガイドラインが設定されました。

これにより英語がネイティブでないバイリンガルの生徒への特別措置もなくなりました。ディスレクシアなどの学習障害の審査も試験毎に行われるようになりました。

中学生になってディスレクシアと認知された甥っ子は学校のディスレクシアプログラムにより学習力がとても伸びて、5月のGCSEの試験で延長時間は必要なしとなりました。

1月の模擬試験の時も延長時間が認められ5月の試験直前まで延長時間を考慮した受験対策を行ってきた甥っ子。

そんな突然に「君は勉強ができるようになったから」と言われても。。。

ディスレクシアアセスメントやプログラムも普及してきたイギリスでも、まだまだ課題は続きます。

*PATOSS(The Professional Association of teachers of students with special learning difficulties)

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関連する記事



参照 
テレグラフ  GCSEs: 'extra time' rule overhauled to stamp out abuse (2013年8月)
ITV news: Dyslexia GCSE student celebrates A* in English (2014年8月21日)
PATOSS Tips-for-Students-with-Extra-Time-in-Examinations (2012 年2月)

2015年5月15日金曜日

ipadは学校のステイタス  ディスレクシアの子供達

ipadでの学校教育 

「私のクラスの様子を見せてあげる。」と言って小学校の先生をしている姪っ子がipadを持って遊びにきました。 

彼女は小学校の最年少の学年(レセブション)で5歳児の担任をしています。 
「教室に常備している」というipadには子供達が撮った写真や作った画像がいっぱい。

 「子供達が勝手に使っているから何を撮っているかわからない。」といいながら見せてくれました。 確かに頭が途切れたり足の先しか撮れていない写真も多いですが、いろいろと面白く加工された写真や画像がいっぱいありました。 

「すごい。これ、本当に5歳の子供達が作ったの?」と私も家族もびっくり。 

「このipadは教室用で、休み時間に子供達が勝手に使うから私もどうやっているのかわからないわ。」と担任教師も感嘆した口調です。 

ipadを利用した授業風景 写真:ガーディアン紙
ipadでの授業カリキュラム Stephen Perce Foundation (写真:ガーディアン紙)
「5歳の子供達が勝手に使うのでは高い機械が壊れたりしないの?」と思わず心配してしまう大人ですが、 「このプラスチックのカバーがついているから投げて落としたって壊れたりしないわよ。」と先生は澄まし顔。 

イギリスの学校では、今ipad が学校に何台あるかがステイタス。 
息子の小学校でも『ipadを何台購入しました。』と学校通信に誇らしげに発表していました。姪っ子の小学校では1クラスにipad1台と教師が授業に利用する為の2台はあると話してくれました。 

10年前に娘が入学したロンドンの小学校も各教室にコンピューターが1台あって、子供達が休み時間に勝手に使っていたのを見て驚いた私。 

今はワイヤレス、タブレット、ipadやスマートフォンの時代。
クラスにipad 1台どころか生徒一人に1台を与える学校も増えています。


イギリスの学校では当たり前のITを利用した授業で、日本の学校で不登校生だった為学習が遅れていた息子もすごく助けられました。 

「日本の学校でもipadを授業中に使えたらいいね。」
息子の友達でディスレクシアのお友達のことを思います。

ipadを利用した授業が増えているイギリスの学校  写真:ipads in primary
写真:ipads in primaryブログサイトから( www.ipadsinprimary.co.uk)


 ディスレクシアとコンピューター 


中学校になってからディスレクシアであるとわかった息子の友達。  漢字の読み書きが苦手、でもがんばって勉強してきました。 

「漢字を勉強させても全然覚えられなくて困っちゃうんだよね。」とお父さん。
「漢字の勉強をするとすごくストレスがたまっちゃうみたい。」とお母さん。

ご両親の表現は控えめですが、鉛筆を持ったまま何時間も机の前でフリーズしていた不登校時代の息子の姿が思わず目に浮かびます。 

何度、同じ漢字を書かせても覚えることができないのはなぜ?

ディスレクシアの難しいところは「ちょっと勉強が苦手な子?」というくらいにしか思わず親も教師もはじめは学習障害と疑わないことです。

本人はすごく努力していても「勉強が足りない。」「努力が足りない。」と誤解されやすいこと。 

アメリカ人の俳優のヘンリー・ウィンクラー(Henry Winkler)は31歳まで自分がディスレクシアと知りませんでした。「自分は馬鹿なだけだと思っていた。学校でも周りからも馬鹿だといわれ続けたから。。。」 

彼はディスレクシアと判明してから初めて読書を楽しめるようになりました。いまではディスレクシアの少年を主人公にしたハンク・ジップザー(Hank Zipzer)の本のシリーズの作家としても活躍し、2011年には女王様から大英帝国勲章(OBE:Order of the British Empire)を受賞しました。ハンク・ジップザーはテレビシリーズにもなりイギリスの国営テレビ局BBCで2014年から放映されています。 

ディスレクシアのハンクジップザーのお話 イギリスの国営放送局 BBCにて放送 
子供番組 CBBC で放映中 ハンク•ジップザー

息子がイギリスの小学校で授業中コンピューターを利用して勉強を許可されていることを伝えたら「コンピューターを使うのは得意だから学校でもコンピューターを使えるといいのに。」とディスレクシアの勉強法を探して東大の科学先端技術センターのディスレクシアプログラムにたどり着いたご両親はつぶやきます。

PCやipad などITを授業や試験で利用できれば、ディスレクシアの子供達も勉強しても努力が実らないというむなしい空回りが減るのに。。。ヘンリー・ウィンクラーのようにできないと思っていた読書も楽しめたり、何よりも自分が馬鹿ではないという自信を持つことができるのに。。。

ちなみにipadを全校生徒に1台づつ配給する『1:1 ipadプログラム』をイギリスでいち早く導入した セダース校によるとipadを与えても生徒がすぐ壊すのではという質問に対して、その割合は年間2%だけだと答えています。

この学校ではipadを利用して生徒達は読書をしたり、文章を書いたり、ゲームをしたり、検索をしたりするだけでなく、マインドマップ、メイル、音楽の作成や演奏、アニメーションやコンピュータープログラムの制作などと多様に利用しています。子供達が勉強する為に、また創造力の表現のツールとしてipadは一番効果的と言うイギリスの学校。

子供達には様々な能力がある。学校で一つのことができないからと言ってすべてが否定されてしまわないように、いかに子供のもつ才能を引き出せるか鍵は今の子供達の生活の一部になってきているITツールを学校でどれだけ利用できるかということかもしれません。


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イギリスの学校教育 苦手なことより得意なこと コンピューターを利用した支援教育 
イギリスの小学校 特別教育支援(SEN)の指導法

記事中で紹介した本

  


参照