突然の遠征合宿
息子が遠征試合に旅立ちました。 1週間の合宿をしながらの遠征試合。
いままでは遠征試合と言っても日帰りで帰って来られるところばかり。 個人戦なので親が連れて行きます。
それが、いきなり1週間の遠征試合。
スポーツは子供達を早く成長させます。
姉が12歳の時に行った小学校の修学旅行は3泊4日でした。
それも数名の先生方が付き添って毎日の予定表ももらえました。
12歳の息子を含め1週間の遠征合宿に10数名のジュニアプレイヤーを引率するのはテニスクラブのコーチ1人。
トーナメント(勝ち抜き戦)なので試合第1回戦のドローリストは知っていても残りの日程はわかりません。
もちろん、クラブのコーチから持ち物リストなどは配られません。全て自己責任。自分で決めて自分で荷物を用意します。
テニス大会グレードと選手ランキング
イギリスのジュニアテニス大会はほとんど英国テニス協会(LTA)の公認大会です。
LTAテニス大会は大会の級(グレード)があり、グレードは1から7までに分かれます。
ランキングに必要なポイントはグレード5以上の大会にでないと加算されません。
英国ローンテニス大会の大会グレード表(グレード2以上は全国大会) |
LTAは2014年4月からジュニア大会のグレード1・グレード2の大会への参加条件を変更しました。
従来の選手のレーティング(Rating)による出場申込みから、もっとシビアに選手の力がわかるランキングによる出場許可が行われることになりました。
大会のグレードが高くなればなるほど、大会数も少なくなってジュニア選手は遠くまで遠征することになります。
夏休みはグレードの高い大会がいっぱい開催されます。
こっちの大会に1週間、あっちの大会に1週間。選抜ジュニア選手はコーチと遠征試合をまわります。
ジュニアテニスは14歳くらいになると各地域のランキング上位選手は、県代表というべきカウンティーチーム(County Team)として北のスコットランドから南はドーバー海峡まで、ウェールズ、アイルランドと全国遠征に回ります。
もうこうなると親の出番はありません。
トーベイ・オープンテニス選手権(Torbay Open)
8歳以下からのベテランまでの試合が行われるTorbay Openリジョナル(Regional )大会と言われるグレード3の大会です。
今年は第116回目。1887年から行われている大会です。
ウインブルドンテニス選手権が始まったのがこの10年前の1878年。
アンディー・マレーを含め歴代テニスプロのジュニア時代を知るトーベイ・オープン 「トーベイ・オープンを見に行こう」(LTA ホームページより) |
アンディー・マレーも9歳の時にU12の試合にお兄さんと出場。お母さんのジュディーさんはこの年にベテラン女子シングル戦で優勝という歴史を持つ大会。
息子の参戦するU14男子シングルだけでも100名近くが参加する大きな大会。
同じクラブのお友達も一緒ですが、ジュニアの試合の始まるのは同じ時間。コーチが息子の試合の観戦をしてくれるなど期待しない方がいいでしょう。
ダブルス戦では、パートナーが決まっていない場合「Partner required(パートナーを求める)」と書いて出場登録します。
息子のクラブでは、ダブルス戦のパートナーはコーチの鶴の一言で決まります。
息子のテニスクラブからU14のダブルス戦に参戦するのは5名。
息子は同じクラブのテニス仲間とはダブルスを組めず、今回のグレード3の大会に「Partner required」として出場することになりました。
「それはちょっと息子にはきついのでは。」
1年前まで友達に混じってテニスもできずにいた息子を思い出す母。いきなり大きな大会で初めて会う子とダブルスのパートナーを組むのは難しいのではと悩む両親。
両親が悩んだところでコーチの鶴の一言はかわりません。「パートナーを替えてください」とも頼めません。
ジュニア選手のテニストーナメントは父親のチーム戦のダブルス試合よりシビアです。
コーチによりダブルスのパートナーは各選手のレーティング(Rating)とランキングで決められていきます。
「ちょっと厳しいかも。」と不安を隠せずにいながら「それでも試合には参戦するよ。」と決心の固い息子
「不登校生だったから精神的にやわじゃないか。」と思いこんでいたのは親だけでした。
負け続けても僕はやめないよ。
息子が試合に負け続けて心がなえていたのは両親の方でした。
イギリスに引っ越してきた時からずーっと息子を見ていたコーチ
『自分のこどもの力を信じなさい。』
不登校からテニストーナメントデビューまで
日本で不登校だった息子が小学校5年生の時転校したイギリスの小学校に突然できたなんちゃって「テニス部」
それまではどんなに誘われてもなかなか同年代の子たちと一緒にテニスの練習もできずにいた息子が、突然多くのお友達と一緒にテニスを楽しめるようになりました。
学校だけでなくテニスクラブでもジュニアチームに誘われて、1年前に突然ジュニアテニストーナメントの世界に踏み込んだ息子。
不登校生になった息子のいつも隣を歩いてきた私
「私達両親は息子の後をついて行くだけですから。」とおもわず答えた私でした。
「今日はがんばって学校に行ってみる。」といって張り切って家を出発した息子。
学校までの道のりを息子について普段通りのペースで歩いていたら、気がつくと隣に息子の姿はありませんでした。いつの間にか息子をおいてどんどん私だけ先を歩いてしまっていました。
家からまだ数メートルのところを歩いているのかないのかわからないくらいの速さで歩いていた息子。
2歩あるいたら3歩さがって。
普段は数分で歩く道のりもこれじゃ時間がかかるよね。
それからは気をつけて息子の背中の見える位置にいて一緒に歩くようにしました。
息子の背中と大きな成長
シングルス・ダブルスと毎日試合が続く大会前半の3日間。
「3日間は絶対電話してこないように。」と両親に釘をさして遠征に出発した息子。
親は息子の試合の結果も分からず、しかたなくインターネットで試合結果が公表されるのを待ちます。
息子の背中を見ながら少し後ろを歩いてきた母でしたが、そんな母を残して背中も見えないくらい遠くへかけ去っていく息子でした。
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参照:英国ローンテニス協会 (Lawn Tennis Association) http://www.lta.org.uk/Resources/Competition/Ratings%20and%20Rankings/Rankings%20for%20Acceptance%20Web%20Information.pdf
http://www.lta.org.uk/News/2012/July/2012-07-30/114th-Torbay-Open-to-begin-Sunday/
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