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Wales, United Kingdom
日本と英国を行き来する2人のバイリンガルキッズの母。ロンドンで生まれた子供たちを連れて日本へ。横浜で英語で創作絵本を作るキッズ・クリエイティブ・ライティングの教室を開き、英語の絵本の出版。小学校で不登校になった息子を連れて、またまた英国へ。イギリスの自然と息子のテニス・トーナメントの応援と野菜作りを楽しむ日々を過ごしていましたが、社会人学生として大学に入学。
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2016年6月29日水曜日

ウインブルドンへの道 英国のジュニアプレイヤー

 The Road to Wimbledon

今年もウインブルドンテニス大会が始まりました。
6月に入り英国のサマーを感じさせる気候になるといよいよウインブルドンの季節が来たなと思います。

毎年行われるウインブルドンのセンターコート、No.1コートへのチケットの抽選に間に合わず今年はウインブルドンには行くことないかなと思っていた6月の中旬に英国テニス協会(LTA)から手紙が送られてきました。

ウインブルドンへの道 英国のテニス大会 英国のジュニア選手なら手に入れられるウインブルドンへの道
LTAからの招待状


英国テニス協会からのジュニア選手への手紙

 Dear Playerと始まる手紙はタイトルは『ウインブルドンへの道(The Road to Wimbledon)』というテニストーナネメントの地域ファイナル戦への招待状でした。

このトーナメントはその名のごとく、英国のより多くのジュニアプレイヤーにウインブルドンを目指してもらいという英国テニス協会の計らいで行われています。

全国の学校、テニスクラブ内で選抜トーナメントが行われ準決勝、決勝戦はロンドンにあるあのウインブルドンテニスクラブでおこなれます。今、錦織、ジェイコビッチ、マレーがプレーしているあの芝生のコートでプレイできる機会が与えられるのです。

去年は同じテニスクラブの友達がこの大会でウインブルドンへ行き5日間にわたってあの芝生のコートでプレイしてきました。

このトーナメントの出場資格は個人レートが7.1以下の14歳以下のジュニアプレイヤーのみ。学校およびLTAのテニスクラブでこのトーナメントに参加している場合のみ。地区ファイナル戦への参加は学校かクラブの代表プレイヤーということになります。

(14歳以下で個人ポイントが7.1より高い場合はRoad to Wimbledon国際大会参加可能。この場合は個人で直接英国テニス協会のウェッブサイトから直接申し込み。)

LTAからの手紙の宛先は息子。
個人戦にあまり参加していない息子。もちろんこの大会への出場権もこの手紙を持って初めて知りました。なぜ?と不思議がる私たち。

根気よく育てるジュニアテニス

英国へ渡ってから本格的にテニスのレッスンを始めた息子を見続けてきたクラブのテニスコーチ。

多くのジュニアプレイヤーを国際大会に送り込んだベテランコーチは、息子の成長を根気強く見守ってくれます。

グループレッスンに入らない彼を待ち続けてくれた彼。
個人戦で上手くいかない息子をしばらく休ませたらと声をかけてくれたのも彼。
ダブルスなら活躍する場が広がるとジュニア選手とベテラン選手をつなぐクラブチームを作ったらと提案してくれたのも彼。

このウンブルドンへの道も彼の推薦でした。


長い目でみて、根気よく選手の力を作っていく。早ければ5歳から始まるジュニアテニス選手のトレーニング。

他のクラブではプロを目指し世界大会を目指すも10代半ばで諦めるジュニア選手も多くいるというコーチ。

アンディー・マレーがジュニア時代。地元で活躍していた彼の周りには同じように力のあるジュニア選手が多くいました。その中から出てきたスパースター。

力のあるジュニア選手がいっぱい居る環境があれば世界に活躍する選手が出てくる。

長年地元のクラブで育ったジュニア選手たちが毎年世界を目指して各地へ散らばっていきます。
花形ジュニア達がいなくなり、一瞬ぽっかり穴が開いたように寂しくなる地元クラブ。
「次に地元クラブで活躍してくれるジュニア選手たちはいるのかしら。」
と心配するのもつかの間。

この間まで小さくってサーブも上手く打てなかったジュニアたちが、いつの間にか周りの大人のクラブプレイヤーよりも背も高くなりサーブも強くなっていました。
世代交代とばかりすばらしいテニスを見せてくれるようになってクラブを盛り上げてくれるティーンエージ選手達。

一人二人のトッププレイヤーを作るだけではクラブの繁栄やテニスの世界は広がっていかないと根気に見守るベテランコーチの元でジュニア選手の厚い層ができるのでした。

世界ランキング772位で、いまだにクラブプレイヤーとしても活躍しているマーカス・ウィルス(Marcus Willis)が今年のウインブルドン第1日目にランキング54位の相手を負かした。

ウインブルドンは子供の頃から夢だったというマーカス。

結果が出ないからと諦めないでチャンスはいつ来るかわからない。
 英国のテニスシーンはこれからかも。



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参照
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2014年8月24日日曜日

GCSE結果発表と結果のでないテニストーナメント

2014年GCSE発表

8月21日に2014年のGCSEの結果発表がありました。

GCSEは「中等教育一般資格(General Certificate of Secondary Education)」という全国統一試験。
この試験の結果で将来の大学進学や就職が左右される重要な試験です。

結果発表のこの日は試験を受けたイギリスの16/17歳には重大な日。夏休み中といえどもGCSE試験場である全国の学校ではこの日は開校となり、生徒は朝から結果を取りに行きます。

 海外へホリデーに行く家族が多いイギリスの夏休み。でも、この日だけは逃せません。
 友人の娘さんもこの日の為に1日だけ帰ってきて、結果を受け取ったら、また飛行機に乗って海外へ。

 さて、今年の6月に2度目のGCSE の日本語の試験を受けた我が息子。
 結果はA*(Aスター)でした。

去年初めて受けたGCSE Japaneseの試験結果はCでした。
 GCSEの試験結果はグレードで出されます。不合格というのはないけど、グレードC以上が合格であると多くの大学・学校で認められています。

 ぎりぎり合格点のCだったので、今年、再チャレンジした息子。
「そんなに何回も受けても意味があるの?」と思っていた母。息子の再チャレンジにまったく自信なし。「去年より低いグレードでなければいいけど。。。」と願っていました。

 2度目の挑戦で少し緊張度が和らいだ息子はひらがなやカタカナを書く練習も出来ました。作文を書く練習も出来ました。
 『今年はBに上がれるかな?』位の期待度の両親

結果はまさかのA*

A*(Aスター)はAより上でGCSEやAレベルで取れる最高グレード
息子の試験結果は去年から4グレード上がったわけです。 

最高点を取ったのならもう再チャレンジする必要もないわけです。
 さすがに喜びを隠し切れない息子。

2014年 GCSE 結果 グレード別 The Guardian 2014年8月21日 
グレード別 GCSE結果発表(2014年)
ガーディアン紙より


不登校と試験の結果

不登校生だった時、同じ年齢のお友達と比べられることに極度に嫌がっていた息子。
 誰も比較なんかしていませんが、「僕はだめなんだ。みんなと同じようにできない。」と言い続けた息子。人生を悲観する息子。
 「でも、君まだ8歳なんだけど。。。」とつぶやく母の声は息子に届きません。

 2年前まで不登校生だった息子が全国試験を受ける事ができるようになるとは、ましてや、結果を出すことができるとは思ってもいませんでした。
日本の小学校でもらった通信簿の白紙の欄が目に浮かびます。
学校にも行けず何もおきらない不安な長い真っ白な道がこの先の人生も続くのだろうと思っていたあの頃の母と息子。

 GCSEの結果を手にふとこの1年間を振り返ってみる母。

 初めて受けるGCSEの試験時期が始まる去年の5月にテニスの公式試合に参加し始めた息子。
今年の夏は親の手元を離れて合宿しながらの遠征試合と1年間でこんなに子どもは成長するものかと思うほど。長い間土の中にいたのが、芽が出た途端にいきなり大きくなったみたい。

それでも負け続けるテニストーナメント

 1年間負け続けたテニスの公式試合。成長しても結果が出るとは限りません。

 1週間の合宿で遠征試合中の息子の試合ぶりを見たクラブのコーチが、 息子の試合を分析してくれました。

「ポイントを取った次のポイントは必ず落とす。」
「どんなにいいウィニングショット(決め球)でポイントをとっても、必ず次のポイントは負ける。」
「彼のテニスの技術とか体力とかそんなものでない。」
「相手のプレイヤーが上手とか下手とかも関係ない。」
「相手がテニスラケットを初めて握った初心者でも彼からポイントを取れるだろう。」

つまり精神的なものだということです。
こう言われると親はすぐ「精神を鍛えるにはどうしたら?寒風摩擦?持久走?瞑想?滝にうたれる。」等と考えてしまいますが。

コーチのアドバイスは一言
 「待つしかない。」

 「彼のテニスの場合、技術もあるし、周りが焦らず待つしかない。」
子どもの成長はいろいろです。順調に成長していく子もいれば、とってもゆっくりと成長する子もいる。

『 そうかぁ。待つのなら結構得意かも。』と母は心の中で微笑みます。

小学校までの道のりを3歩歩いて2歩下がる息子の隣を歩いていた私。
もう少しで学校が見えるよというところまで来て、今日はあきらめましょうと数時間かけて来た道を引き返した母と息子。

 テニスの奨学金を得て有名私立校に入学する息子のテニスクラブの先輩。
有名な寄宿学校に入学前のこの夏のテニスシーズンも勝ち続けていくつかの優勝トロフィーが渡されました。

歴史のあるトーナメントで数個の優勝トロフィーを取った上に「最も成長した選手(Best Developed Player)」賞のトロフィーも手にしました。

 「優勝カップを受け取るのはもちろんすごいけど、それ以上に『成長した選手』のカップを手に入れた事のほうが大きな意味がある。」と数十年前同じ優勝トロフィーを手にしたコーチの言葉。

 早ければ5歳から公式トーナメントに出場し始めるイギリスのジュニア選手達。
身体の成長と共に順調に結果を出してきたジュニア選手も10代に入ると息詰まることもあります。
 結果が出ないでテニスをあきらめたジュニア選手を何人も見てきたコーチ。

大切なのは成長を見守ること。結果だけに左右されないで。
でも、結果は出さないといけないのがスポーツの厳しさ。

 「大人になればどんなに下手なプレイヤーでも気軽にテニスを楽しめるのに、ジュニア選手はレートやランキング制度があるから一番テニスを楽しめない時期。」とぼやくのは自らも県選抜ジュニア選手として活躍したお母さん。

負け続けても、試合に参加し続ける我が息子。

「こんなに負け続けて楽しいの?」と両親は思いますが、たぶん待つことが一番得意なのは学校に行けずにつらい思いを経験した息子だろうと母は思うのでした。



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参照 The Guardian 2014年8月21日 "GCSE results 2014: the full breakdown"



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2014年8月5日火曜日

イギリスのジュニアテニス 遠征試合と合宿

突然の遠征合宿


息子が遠征試合に旅立ちました。 1週間の合宿をしながらの遠征試合。

いままでは遠征試合と言っても日帰りで帰って来られるところばかり。 個人戦なので親が連れて行きます。

それが、いきなり1週間の遠征試合。

 スポーツは子供達を早く成長させます。

 姉が12歳の時に行った小学校の修学旅行は3泊4日でした。
それも数名の先生方が付き添って毎日の予定表ももらえました。

12歳の息子を含め1週間の遠征合宿に10数名のジュニアプレイヤーを引率するのはテニスクラブのコーチ1人。

トーナメント(勝ち抜き戦)なので試合第1回戦のドローリストは知っていても残りの日程はわかりません。

 もちろん、クラブのコーチから持ち物リストなどは配られません。全て自己責任。自分で決めて自分で荷物を用意します。

テニス大会グレードと選手ランキング


イギリスのジュニアテニス大会はほとんど英国テニス協会(LTA)の公認大会です。
LTAテニス大会は大会の級(グレード)があり、グレードは1から7までに分かれます。
ランキングに必要なポイントはグレード5以上の大会にでないと加算されません。

イギリスのジュニアテニス 英国テニス協会(LTA)の大会グレード表 
英国ローンテニス大会の大会グレード表(グレード2以上は全国大会)


LTAは2014年4月からジュニア大会のグレード1・グレード2の大会への参加条件を変更しました。

従来の選手のレーティング(Rating)による出場申込みから、もっとシビアに選手の力がわかるランキングによる出場許可が行われることになりました。

 大会のグレードが高くなればなるほど、大会数も少なくなってジュニア選手は遠くまで遠征することになります。

夏休みはグレードの高い大会がいっぱい開催されます。
こっちの大会に1週間、あっちの大会に1週間。選抜ジュニア選手はコーチと遠征試合をまわります。

ジュニアテニスは14歳くらいになると各地域のランキング上位選手は、県代表というべきカウンティーチーム(County Team)として北のスコットランドから南はドーバー海峡まで、ウェールズ、アイルランドと全国遠征に回ります。

もうこうなると親の出番はありません。

トーベイ・オープンテニス選手権(Torbay Open)

 8歳以下からのベテランまでの試合が行われるTorbay Open

リジョナル(Regional )大会と言われるグレード3の大会です。
今年は第116回目。1887年から行われている大会です。
ウインブルドンテニス選手権が始まったのがこの10年前の1878年。

イギリスのジュニアテニス大会 トーベイ・オーブンテニス選手権 アンディー・マレーもジュニア選手として参戦
アンディー・マレーを含め歴代テニスプロのジュニア時代を知るトーベイ・オープン
「トーベイ・オープンを見に行こう」(LTA ホームページより)


アンディー・マレーも9歳の時にU12の試合にお兄さんと出場。お母さんのジュディーさんはこの年にベテラン女子シングル戦で優勝という歴史を持つ大会。

息子の参戦するU14男子シングルだけでも100名近くが参加する大きな大会。

 同じクラブのお友達も一緒ですが、ジュニアの試合の始まるのは同じ時間。コーチが息子の試合の観戦をしてくれるなど期待しない方がいいでしょう。

ダブルス戦では、パートナーが決まっていない場合「Partner requiredパートナーを求める)」と書いて出場登録します。

息子のクラブでは、ダブルス戦のパートナーはコーチの鶴の一言で決まります。

息子のテニスクラブからU14のダブルス戦に参戦するのは5名。
息子は同じクラブのテニス仲間とはダブルスを組めず、今回のグレード3の大会に「Partner required」として出場することになりました。

「それはちょっと息子にはきついのでは。」

1年前まで友達に混じってテニスもできずにいた息子を思い出す母。いきなり大きな大会で初めて会う子とダブルスのパートナーを組むのは難しいのではと悩む両親。

 両親が悩んだところでコーチの鶴の一言はかわりません。「パートナーを替えてください」とも頼めません。

ジュニア選手のテニストーナメントは父親のチーム戦のダブルス試合よりシビアです。

コーチによりダブルスのパートナーは各選手のレーティング(Rating)とランキングで決められていきます。

 「ちょっと厳しいかも。」と不安を隠せずにいながら「それでも試合には参戦するよ。」と決心の固い息子

 「不登校生だったから精神的にやわじゃないか。」と思いこんでいたのは親だけでした。

 負け続けても僕はやめないよ。

 1年間トーナメントに参戦しても負け続けてきた息子。
息子が試合に負け続けて心がなえていたのは両親の方でした。

イギリスに引っ越してきた時からずーっと息子を見ていたコーチ

 『自分のこどもの力を信じなさい。』 

息子が不登校生になってから、私達はいろんな人達に出会いました。言葉にはださなくても息子の力を信じてくれた人たち。 親はもっと子どもの力を信じていいんだと気づかせてくれました。

不登校からテニストーナメントデビューまで


日本で不登校だった息子が小学校5年生の時転校したイギリスの小学校に突然できたなんちゃって「テニス部」

それまではどんなに誘われてもなかなか同年代の子たちと一緒にテニスの練習もできずにいた息子が、突然多くのお友達と一緒にテニスを楽しめるようになりました。

学校だけでなくテニスクラブでもジュニアチームに誘われて、1年前に突然ジュニアテニストーナメントの世界に踏み込んだ息子。

不登校生になった息子のいつも隣を歩いてきた私


「登校生の息子を持っているとは思えない。よくそんなにのんびりしていられるね。」とよく言われてた私に「無理にお子さんを変えようとしないで、信じているという感じがしていいですね。」と声をかけてくれた校長先生。

 「私達両親は息子の後をついて行くだけですから。」とおもわず答えた私でした。

「今日はがんばって学校に行ってみる。」といって張り切って家を出発した息子。
学校までの道のりを息子について普段通りのペースで歩いていたら、気がつくと隣に息子の姿はありませんでした。いつの間にか息子をおいてどんどん私だけ先を歩いてしまっていました。

家からまだ数メートルのところを歩いているのかないのかわからないくらいの速さで歩いていた息子。
2歩あるいたら3歩さがって。

普段は数分で歩く道のりもこれじゃ時間がかかるよね。

それからは気をつけて息子の背中の見える位置にいて一緒に歩くようにしました。

息子の背中と大きな成長


 シングルス・ダブルスと毎日試合が続く大会前半の3日間。

「3日間は絶対電話してこないように。」と両親に釘をさして遠征に出発した息子。

 親は息子の試合の結果も分からず、しかたなくインターネットで試合結果が公表されるのを待ちます。

息子の背中を見ながら少し後ろを歩いてきた母でしたが、そんな母を残して背中も見えないくらい遠くへかけ去っていく息子でした。


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関連した記事



参照:英国ローンテニス協会 (Lawn Tennis Association) http://www.lta.org.uk/Resources/Competition/Ratings%20and%20Rankings/Rankings%20for%20Acceptance%20Web%20Information.pdf
http://www.lta.org.uk/News/2012/July/2012-07-30/114th-Torbay-Open-to-begin-Sunday/

2014年7月3日木曜日

イギリスのテニス 気楽に行こう ウィンブルドン選手権

ウィンブルドンテニス大会と抽選チケット

 4月に入り夏のトーナメントシーズンが始まるとイギリスのテニスクラブではウィンブルドン選手権のチケット抽選会が行われます。

私達のテニスクラブでは、ウィンブルドンチケット抽選会の日がクラブのメンバーシップ更新の締切日。

そう、「ウィンブルドンのチケットが欲しかったらクラブの年会費を払ってね。」というわけです。

イギリスのテニスクラブの総本山と言える英国テニス協会The Lawn Tennis Association(LTA)を通して、毎年、英国全土のテニスクラブにウィンブルドン選手権のチケットが多く配布されます。

2月から抽選で決まるウィンブルドン選手権のメインコート(センターコート・No.1コート・No.2コート)のチケット。その上、テニスクラブのある学校では学校を通してチケットが配られます。
これ以外にも、LTAのメンバーとしても個別に抽選も行われます。

別にテニスクラブ所属してなくても抽選にはだれでも応募できるのですが。基本的に抽選には誰もが応募できるウィンブルドン選手権。海外からでも応募できるのです。

更に、英国のテニスクラブに所属してなくてもメンバーシップ料(18歳以上25ポンド・9歳から17歳まで5ポンド)を払ってLTAのメンバーになれば自動的に抽選に参加することになります。

家族4人でLTAのメンバーである我が家は何度もウィンブルドンのチケットの抽選の機会があるわけです。
息子は学校を通してもチケットが手に入るので、これは手に入らない方がおかしいくらい。
でも、学校をお休みしないと見に行けないのよね。

6月の終わりに2週間続くウインブルドン。
1週間目の日曜日は芝生のコートの休日の日。選手もお休み。試合はありません。
2週間目の土日は決勝戦。

もうすぐ夏休みなのに。この間までハーフタームで学校お休みだったのに。。。なぜこの時期に開催されるのかな。

息子の小学校のウインブルドン観戦は金曜日。抽選にあたった児童は先生に引率されてして大手を振るってウインブルドン観戦に。いいなぁ。

 子連れのウインブルドン観戦 

「せっかく抽選で手に入ったチケットを無駄にしてはもったいない」と子供が赤ちゃんの時からベービーカーを押して見に行ったウインブルドン。

でも、5歳以下の子供は入れないので子連れの夫婦は入れ替わり立ち代わりにNo.1コートを出たり入ったり。抽選のチケットは必ず2枚組のペアで販売されています。二席分のチケットを持っていても、結局座っているのは一人だけ。

 同じようにベービーカーを押している夫婦の方に「私達のチケットで観戦しますか。」と声をかけると「私達もセンターコートのチケットを持っているの。でも、子供がいるから一人づつ見に行っているの。どうせ雨でまだ始まらないから。」という答え。

子供の数が増えてくると抽選に当たっても辞退してグランドチケットだけで楽しむウインブルドン。

子連れなので「どうせ午前中から行っても試合は始まってないから待っている時間が長くなる。」とウィンブルドン観戦は決まって午後から。わざと第1試合が始まった後を狙って会場となるAll England Tennis Club(AELTC)に到着する私達。

「ウィンブルドンの醍醐味はセンターコートやNo.1コートの試合だけじゃない。」と言い切ったイギリス人の主人。

AELTCにある19コートを使って行われるウィンブルドン選手権。

オールドイングランドテニスクラブ 外コート (イメージ:Wimbledon.com Queque Guide 2014)
オールイングランドテニスクラブの外コート
センターコート、No.1コートなどチケットの必要なショーコートを除いても15以上のテニスコートで世界のトッププレイヤーの試合が見れるウインブルドン。

 メインとなる男女シングルゲームだけでなく、ダブルス、ミックスダブルス。そして、ジュニアの試合・シニアの試合から車いすテニスまで多くの試合が行われるグランドスラム。

それでなくても試合数が多いのに、雨が降る度にすぐ試合中断となるウィンブルドンでは、19のコートをフル回転して試合をこなしていかないといけないわけです。

メインコートの建物の横に延々とつづく緑の外コート。
全身白のウェアをまとった世界のトッププレイヤーたちがこのコートにもあのコートでもプレイを披露してくれるわけです。

これが20ポンド以下のグランドチケットで存分楽しめるのですから、確かにウィンブルドンの醍醐味はこの外コートでの試合観戦かもしれません。 

放課後のウインブルドン 


子供達が小学校に入学したら、ウィンブルドンを見に行けるのは週末だけと思っていた私。

ウインブルドン大会開始の第1週目のある日。

 突然「今日、子供達が学校から帰ってきたらウインブルドンを見に行こう。」と言った主人。

でも、学校は終わるのは午後3時。いくらロンドンに住んでいるからといってもウインブルドンまでにたどり着くには1時間は掛かりそう。

「午後5時位に着いたら遅すぎない?」

 「何を言っているんだ。ウィンブルドンの試合は夜の9時ぐらいまで続くことがあるから、5時についても4時間も世界のテニスが見られるんだ。」

確かにイギリスの夏はなかなか暮れません。天気の良い日は、夜の10時を過ぎてのライトを使わずテニスが楽しめます。

さすがに午後5時に会場に到着する人は少ないと見えて駐車場も車がまばらになっています。
いつもは道が混むからと会場から離れた駐車場を選んでいたのですが、この時間になるとそんな気を使う必要もありません。

 「もう人も少ないし、好きなところに停めてね。」と駐車場の係員。 子供達は車を降りて広大な緑の駐車場ではしゃいだり嬉しそう。 これだけでも来たかいあったかな。

 午後5時からはグランドチケットは更に安くなります。

入場する私達と入れ替わりに帰り支度の人達がぞろぞろ。 センターコートやNo.1コートなどのショーコートのチケットを赤い箱に入れて帰る人もいます。

集められたチケットは、リセール(resale)チケットとして、当日格安な値段で再度販売されます。

リセールチケットを手に入れも、子供達は長い時間じっとすわっていられるかしら。せっかく席についても試合が中断されて待つ時間が長くなります。子供を連れてメインコートを出たり入ったりは大変かも。

子供達を連れて選手を間近で見られる外コートを歩いて回ります。
幼い子供達でも伝統的なウィンブルドンでのテニス試合は何か違うと感じるのか。多くのギャラリーに混じって静かに真剣に観戦する子供達。やっぱり来てよかったウィンブルドン。

センターコートの近くをふと通りかかると「もう帰るから、このチケットあげるよ。子供達にNo.1シードのプレイを見せてあげて。」と言ってチケットを渡してくれたおじいさん。

子供連れでも気楽に楽しめるウィンブルドン。伝統のある英国テニスの祭典はとてもフレンドリーです。

2週目に入ったウィンブルドン選手権。ジュニアトーナメントが始まります。



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(参考:The All England Lawn Tennis Club http://www.wimbledon.com)




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2014年5月20日火曜日

イギリスのジュニアテニス 勝利の要因 2

テニスのトーナメントで負け続けていた息子。
自分よりテニスのレート(級)の低い相手プレイヤーにまで負け続けて対戦相手にポイントを上げ続けてきた息子。

その息子が勝利にたどりついた理由はとても単純なことでした。

クラブ対抗のチーム戦が始まった第1戦。ダブルス・シングルスとも勝って帰ってきました。
 あれだけ負け続けていたのに。。。

「勝利の要因は?」と息子に聞くと。

たった一言。「チームだったから。」

 負ける理由はいっぱいあっても、勝つ理由はとてもシンプル。


 チーム戦だから勝てる。 

でも、待てよ。ダブルスの試合ならこの理由もわかるけど、一人で戦う個人戦もどうして勝てたの?

 「チームのみんなと試合の前後に話しあえたり、試合の合間に声をかけてもらえたから。」

 自分の為には勝てないけど、応援してくれる仲間の為には頑張れる。 

そんな単純な理由でした。

これでバドミントン大会のダブルス戦では勝利のメダルを持って帰ってくる理由もわかりました。

イギリスのジュニアテニス 勝利の要因2 バドミントンのシルバーメダル達
なぜダブルス戦では勝てるのか


 不登校生だった時には、なかなか入れなかった友達の輪。 今では、友達の応援が息子の一番の動力になっています。

アンディ・マレーも同じ

 そういえばよくプロアスリート達も「皆の応援があったから。」とか「応援してくれたから自分を信じれた。」というコメントをよくしますね。

テニスの4大国際大会であるウインブルドントーナメントで2013年に77年ぶりの英国人選手優勝という大きな期待に応えられたアンディー・マレー。

前年の2012年はオリンピックで金メダルを取り、その直後に開催されたウィンブルドン選手権でも優勝ができるかと大きな期待を寄せられましたが、残念ながら準優勝となって「(勝とうとして)頑張っているけど簡単にはできない。」と涙を流して選手スピーチを行いました。

そして「プレッシャーを感じるだろうとよく言われるけど応援してくれる人がいるからプレッシャーも少なくなる。」と言っていましたね。

そして、見事に翌年にはウィンブルドン優勝。みんなの応援に応えたいという強い思いが彼を優勝に導いたのですね。

イギリスと日本のテニス仲間

 不登校の時、学校で同級生が楽しく過ごしている時間に誰もいない公園のテニスコートで父親と二人だけでテニスをしていた息子。テニスクラブでの練習やトーナメントに誘われても参加できませんでした。

イギリスに来て入ったテニスクラブ。みんなで楽しそうにテニスをしている輪に入れない息子に何度も何度も声をかけ続けてくれたテニスクラブの子供達。

イギリスのジュニアテニス仲間はみんなほめ上手。練習の時もなかなかゲームに勝てない息子に対しても 「今のサーブすごいなぁ。ネットに入ってなかったら打ち返せなかったよ。」 「この前打ったBeast ball(野獣のような打ち方)見せてよ。」と声をかけてくれます。

グループレッスンに定期的に参加したり試合に出場したりと息子が頑張れるようになったのは英国に来てからでした。でも、息子は声をかけてくれた日本のテニス仲間のことを忘れていませんでした。

初めての大会出場の後に「日本でもあれだけ誘われていたんだからいつかトーナメントに出て試合をしないとね。」とつぶやいた息子でした。

最後の力が発揮できるのは自分の為でなく応援してくれる人達の為。

 以前はテニスのトーナメントに誘われても「勝つ意味がわからない。」と言っていた息子。
ようやく勝つ理由が見つかったね。

応援してくれる人たちへの思いが少しづつ息子を勇気づけてくれます。

ロンドンオリンピック VS ウインブルドン選手権

さて、2012年のロンドンオリンピックでゴールドメダル、2013年のウインブルドン大会優勝に輝いたアンディ・マレーですが、最近のテレビのインタビューでこの様なコメントを言っていました。

イギリスのテニス アンディ・マレー BBC Get Inspired インタビュー
アンディ・マレー BBC 『Get Inspired』 2014年4月 動画はこちら

「オリンピックで優勝した時とウインブルドン大会で優勝した時とどちらのほうがあなたにとっては感動的だった?」と言う質問に答えたマレー。

「オリンピックで優勝した時。あれだけの(みんなに応援される)雰囲気の中でプレーしたことはないし、(ロンドンで行われた)ホームオリンピックで優勝できることはもう無いだろうから。」

イギリス全国民が応援したロンドンオリンピックでのテニストーナメント。応援者の人数が大きければ大きいほど頑張れる力も大きいという感じですね。

息子の応援者

自分の力を信じることができなくても少しづつ自分を信じて応援してくれる人のために頑張ってみようと思い始めた息子。

アンディ・マレーほど応援者はいませんが、すごいサーブやショットを決めても何故か結果につながらない息子にテニストーナメントで知り合ったジュニア選手たちは息子の試合を見ながらそっと応援の声をギャラリーからつぶやいてくれているのです。

テニスを通して何かをつかもうとする子供達。ライバルだけど一番の理解者でもあるのです。



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2014年5月5日月曜日

イギリスのジュニアテニス 勝利の要因

 サマートーナメントシーズン始まる

 4月に入りイギリスの夏のトーナメントシーズンになりました。
イギリスでの息子のテニストーナメントシーズンは3シーズン目に入ります。 新シーズンに入りクラブチーム対抗トーナメントも始まりました。

前シーズンは試合に参戦しても負け続けていた息子が、チーム戦の試合で勝って帰ってきました。

 試合に勝ったと言っても、大会に優勝したのではありません。大会で行われる第1戦、2戦という試合(マッチ)に勝っただけですが。。。

イギリスの12歳以下のジュニアトーナメントはだいたい4ゲームか6ゲームを勝ったほうが1セット勝ち。2セット先に取ったほうがマッチを勝つことになります。

負け続けたテニストーナメント よくぞここまでという程、負け続ける息子。出る試合、出る試合ほとんど負け。

最後に勝ったのはいつのことだったかなぁ?

 息子よりランキングが下だった子達はどんどん上に上がっていくのに、英国ローンテニス協会(LTA)の選手ランキングの息子のプロファイル欄はポイントはそのまま試合の回数だけ増えていきます。

 チーム戦の二日前に出場した試合も全敗。なのに、チーム戦ではシングル戦・ダブル戦とも勝ちました。

なぜ勝てたのか?不思議に思う母でした。

バトミントンのメダル

テニスのトーナメントに参加し始めた後、学校の友だちに誘われてバドミントンのグループレッスンにも通い始めた息子。

親子ともどもテニスほど力が入れることもないバドミントンの練習ですが、なぜかトーナメントに出場すると息子はメダルを持って帰ってくるのでした。

2013年のシーズンはU13のグループのダブルスで県大会で銀メダルを持って帰ってきました。
 時間もお金もかけているテニスとは比較にならない息子のバドミントン。

テニスの試合はこんなに苦戦しているのに、どうしてバドミントンでは勝てるの???
母は不思議に思います。 謎は更に深まるのでした。。。 

それでも負ける気はないんだよ

 日本で不登校だった息子。争い事が大嫌い。。。競争が苦手。。。

日本でも「テニス上手だからトーナメントに出たら?」と誘われても「勝負はやだ。勝ったり負けたりするのは嫌だ。引き分けが好き。」と答えていた息子。うーん、テニスで引き分けだと競技にならないのだけど。。。

 イギリスでトーナメントに参戦するようになれど負け続ける息子。
息子の敗戦の度に心の折れる両親は無理にしなくてもと思っているのですが。

「僕、次の試合にも出るよ。」と負けても涼しい顔の息子。
「ここまで負け続けても出たいんだ。」と思わず聞いてしまう母に  「負けるつもりはないんだよ。」という息子の返事。
 「そうだったんだ~。」 つい1年前までは「勝つのは嫌。引き分けが好き。」と言っていたのに。。。

イギリスの学校に転校してから毎日通学できるようになった息子。怖いという口にすることが少なくなって、自信に満ちる言葉が増えてきました。

イギリスのジュニアトーナメント3シーズン目のこの4月。 いつも付き添う父親に代わり、初めて母ひとりで息子を試合に連れて行きました。

「ママにテクニカル的なことを話してもわからないからね。」と釘をさして、「勝ち負けでなくてテニスを楽しむことを考えましょう。」という励まししかできない母。

1試合目は当然の全ゲーム全敗。やはり、心の準備はしていたが。。。『笑顔が引きつらないようにしていこう』と密かに誓う母でした。

「すごい技を見せたね。」と励ますと「全部のゲームで2回だけだけどね。」と自分の試合を冷ややかに分析する息子。

 しかし、第2戦を前に突然「次の試合は勝つよ。」と言い切った息子。

『いまのは空耳???』と疑う母でした。
初めて見せた息子の意気込みにもかかわらず第2試合も4-0・4-0の全敗。

ジュニアテニスと対戦相手 

この日最後の試合は「今、試合中の負けた方の子に当たるから。」といわれて、対戦相手の試合を見ていると。。。
両選手ともポイントを逃すと悔しそうな顔をして、涙顔。しまいにはラケットを投げたり蹴ったり。

「どちらの子ともやりたくないなぁ。ポイント逃して泣いたりする選手に対してどうプレイしていいかわからなくなるんだよね。」という息子のコメント。

わかるわぁ。

 ジュニアテニスの難しいところは、相手プレイヤーも所詮は子供。感情を抑えることができない子もいっぱい。大人でもボールを打ち返せないと悔しさを隠し切れないものです。プロだってキレる時があるのだから当然かも。


ジュニアテニスのシングルスの試合は孤独なものです。

試合が始まったら、保護者はアドバイスをしたり声をかけたりできません。
「がんばれよ。」と言う声掛けすら周りから白い目で見られることも。

試合途中でスコアがわからなくなって、首をかしげている姿を見るとじれったくなります。相手選手もスコアを忘れて、子供二人がコートでぼーっと立っていると親は思わず声を掛けたくなりますが、我慢我慢。

ここで声をかけるとまわりに白い目で見られるだけでなく、大会のオーガナイザーに注意されてしまいます。

相手プレイヤーが決めるラインコールとスコア

よほど大きな大会にならない限り、テニスの公式試合にレフェリーはつきません。スコアの決め方は自己申請制(セルフジャッジ式)。ジュニアテニスも同じです。

 自分の打ったボールがコートに入ったかどうか。ポイントが自分につくか、相手プレイヤーにつくかはプレイヤー同士で同意していかないといけません。

息子が打ったボールがコートに入って「イン」になるか。コートからはずれて「アウト」になるかは相手プレイヤーの子が「アウト」とコールして決めることになります。

ジュニアテニス選手へのイギリス式アドバイス

 イギリスのジュニアプレイヤーの親は「相手プレイヤーがアウトとコールしても、疑わしい時は『Are you sure ?(本当?)』と相手プレイヤーに聞きなさい。」と子供に教えます。

 英国ローンテニス協会(Lawn Tennis Association:LTA)は協会のホームページでご丁寧にもこのスコア(点数)のコールの同意の仕方をジュニアプレイヤーと保護者に説明しています。

 LTA Homepage 『My Child's Opponents Cheat』 
「相手のジュニアプレイヤーがずるをする。」という大変ダイレクトなページタイトル。
http://www.lta.org.uk/players-parents/Supporting-your-child/My-Childs-Opponents-Cheat/

英国テニス協会ジュニア選手と保護者へのアドバイス ラインコール
英国テニス協会のホームページ

英国テニス協会は、ラインコールが疑わしい時に 「Are you sure?」と聞いて、相手が「Yes」といった場合はそのコールに同意しないといけないとしています。

ジュニア選手の親の中には「Are you sure?」と聞かず、「Was it in?(ボールはインだった?)」と聞きなさいと教えている人もいます。

 うそをつく場合「Yes」というより「No」という方が心理的に難しいという理由だそうです。
ジュニアスポーツでもこういう心理的策略が必要なんですね。

日本語だと「ボール入った?」と聞かれたら「うん。(Yes)」と同意するところですが、英語では「No」と否定しないといけないのですね。ということは、どちらの聞き方をしても返事は同じ。この問いかけは日本では心理作戦として通じないということでしょうか。

 英国テニス協会 ホームページ『My Child's Opponents Cheat(相手のジュニアプレイヤーがずるをする。)』内容に興味のある方はこちらのページを読んでみてください。(日本語訳をつけました。)


さて、謎に思っていた息子の勝利。勝利にたどりついた要因はとてもシンプルことでした。(つづく)



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(参考:British Lawn Tennis Association http://www.lta.org.uk/


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イギリスのジュニアテニス 英国テニス協会 選手へのアドバイス ラインコールの仕方

英国テニス協会からジュニアプレイヤーと保護者へのアドバイス

『My Child's Opponents Cheat』
英国ローンテニス協会(British Lawn Tennis Association:LTA)は、ジュニアテニス大会でのラインコール(ポイントの決め方)についての注意事項をホームページで紹介しています。 

日本でのジュニアテニス大会でも大会オーガナイザーが出している同じような注意事項がありますが、英国テニス協会のアドバイスは『My Child's Opponents Cheat(相手のジュニアプレイヤーがずるをする)』というのタイトルが物語るように、最初に保護者に向けての注意が記してあります。

 イギリスのテニス界では、ジュニア選手より保護者の対処が重要になることが多いということでしょうか。

ジュニアトーナメントを主催している知り合いのコーチは、試合中に保護者とスコアやルールの議論にならないようLTAのホームページの規則記載の部分を開いて待機しているそうです。

このコーチいわく「LTAがルールをインターネットで簡単に観覧できるようにしてくれているから、レフェリーのジャッジにうるさく文句つける保護者に説明するのに助かるよ。」

さて、ラインコールのアドバイスのページを読んでみるとテニスの競技規則というよりジュニアプレイヤーの為の心得という感じです。

 英国テニス協会 Lawn Tennis Association  ジュニア選手と保護者へのアドバイス ラインコール
英国テニス協会のホームページ

以下 British Lawn Tennis Associationのホームページを引用 [英語/日本語]

My Child's Opponents Cheat 相手のジュニアプレイヤーがずるをする
Advice to Parents 保護者へのアドバイス

During a match 試合中

Remember, one bad call, in your eyes, does not constitute cheating - anyone can make a mistake, especially in the heat of a match. However, if you see a pattern appearing you should contact the referee immediately and express your concern. Unfortunately, there’s not an awful lot else you can do. It is something that all players have to learn how to deal with and the best way to learn is probably to fight it for themselves.

熱戦した試合中での間違いは誰にでもあることです。1回のコールの間違いで対戦相手がごまかしていると決めつけないこと。もし、疑わしいコールのパターンが見えた時はすぐにレフェリーに相談してください。 残念ながら、間違ったコールついて保護者はできることは、これ以上はあまりありません。ジュニアプレイヤーが自分たちでどのように対処するかを学んでいくしかありません。プレイヤーが自分の為に戦っていくことが最良な学び方でしょう。

 After a match 試合後

Immediately after the match is not the time to discuss what your child could or should have done. Support, understanding and a shoulder to cry on are the main things your child needs right then. Leave the discussion and the advice until later when things have settled down. The thing that will amaze you is how quickly they get over it.

試合直後はラインコールについてどう対処すべきだったかをお子さんと話す時ではなく、保護者はお子さんに理解を示し、慰めたりサポートすることがこの時に行うべきことです。落ち着いてからラインコールについての話し合いやアドバイスを与えましょう。ジュニアプレイヤーは保護者が思うより驚くほど早く立ち直ります。

Advice to Players 選手へのアドバイス

Calling your lines 自分側のラインコールの際

 • Be firm but fair: If you are sure that the ball was out then call it out – immediately and firmly.
しっかりとフェアに行うこと。ボールがアウトだったと確信を持つ時は、すぐにはっきりと「アウト」とコールすること。

 • If you are unsure about whether the ball was in or out then play on or if the rally has stopped play a let.

ボールがアウトかインか疑わしい時は、ラリーをやめてポイントを再開する。(レットとしてプレイする。)

 • Your opponent is allowed to challenge your calls. If they do and you are sure that your call was correct then stick to your call. You are under no obligation to play a let.

 相手プレイヤーは君のコールを取り消すことができます。その時に自分のコールが正しいと思う時ははっきりと自分の意見をいうこと。相手が疑ったからといってレットをプレイすることはないです。

 • Your opponent is allowed to call the referee if they are unhappy about your calls. The referee will come onto the court and ask you where the ball landed and if you are sure about your call. Assuming you are, then stick to your call and the referee should rule in your favour.

 相手プレイヤーはコールに不服があれば、レフェリーを呼ぶことができます。レフェリーはコートに来てから、ボールの落ちた部分がどこか聞くと共にコールが確かが聞くでしょう。もし、自分のコールが確かだと思ったら自分の意見を通すこと。レフェリーは君に有利な判定をするでしょう。

Calling the score スコアのコール

• After each point make sure you call the score out clearly.

 ポイントごとにスコアをはっきりと大きな声で呼びましょう。

 • If your opponent calls the score and you do not agree – do not play on. Discuss the score with them and if you can not agree by counting back then call the referee.

 相手が呼んだスコアに不服がある場合はプレイを止めましょう。スコアについて話し合いをして、それでも同意できない時はレフェリーを呼びましょう。

Your opponent’s line calls 相手側のラインコール

 • Your opponent is usually in the best position to call their lines. In most situations you should trust their call even if you are not sure yourself.

相手プレイヤーの方が、通常、相手側コートのラインのコールに最適なポジションにいます。疑わしい時も、よほどのことがない限り相手プレイヤーのコールを信用すべきです。

 • You do have the right to challenge their call by asking, ‘Are you sure?' If they reply ‘yes' then you have to accept the call.

 相手プレイヤーのコールに異議を言ってチャレンジできます。「本当に?」と問いかけて、相手プレイヤーが「はい。」と答えたら、そのコールを認めないといけません。

 • If you are continually unhappy about your opponent’s line calling you have the right to call the referee. The referee will not change calls that have already been made, but they will usually stay and watch to make sure that the lines are being called fairly.

相手プレイヤーのコールに何度も不服を感じる場合は、レフェリーを呼ぶことができます。レフェリーは、すでに行われた相手コールを取り消すことはしませんが、通常、その後のラインコールが公正に行われるように試合を観戦します。

 • Remember bad line calls very rarely decide matches. But how a player reacts to a bad line call can often decide a match. If you feel that you have been the victim of a bad line call then make sure that it only costs you one point by re-focusing immediately and getting on with the next point.

間違ったラインコール(バッドラインコール)がマッチの結果を決めることになることは稀ですが、バッドラインコールに対してプレイヤーがどのような態度に出るかでマッチの結果が決まることはよくあります。もしも、バッドラインコールの被害者になったと思った場合はすぐに集中しなおして次のポイントへ移ることで、1ポイントの損失だけになるようにしましょう。

 Calling lines on clay クレイコートでラインコール

• On clay, the marks left by the ball can be used to judge line calls.

クレイコートではコートに残ったボールのマークをみてラインコールの判定を行えます。

 • If a line call is in question then the player should draw a semi-circle around the mark that the ball left so that it can be examined.

ラインコールに疑問がある場合、そのプレイヤーは判定できるようにボールが残したマークの周りに半円を描くべきです。

 • If a player removes a mark then it is assumed that the ball was in.

プレイヤーがマークを消した場合はボールは「イン」と判定されます。




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参照:英国ローンテニス協会 British Lawn Tennis Association


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2013年12月3日火曜日

イギリスのジュニアテニス 英国テニス協会とトーナメント・システム

待っていた初優勝

息子がようやくジュニアテニストーナメントで優勝しました。

今回のトーナメントは地元のテニスクラブで行われたグレード5の大会。優勝ポイントは75ポイント。
やったー!早速、家に帰って英国テニス協会(LTA)のホームページで、息子の大会記録をチェック。
ランキングが上がっていたぁ。

さらに嬉しいのが、次の朝。
早速、英国テニス協会からEメイルが届いていました。

『おめでとう!君のレートは9.2から9.1に上がりました。。。。今大会シーズンの健闘を祈ります。LTA・コンペティション・チームより』 

イギリスジュニアテニス大会 英国テニス協会(LTA)からのお知らせメール
英国テニス協会(LTA)からのメール

イギリスのテニス大会と英国テニス協会のコンピューター管理

イギリスのテニストーナメントは、ジュニア戦含めて、すべてLTAと呼ばれる英国テニス協会(The Lawn Tennis Association)の規定に従って行われます。英国テニス協会はテニストーナメントのルールだけでなく、イギリス全土のテニス大会の全てを管理しています。本当にすべてを。

イギリスの公式戦に出るには、英国テニス協会(LTA)に選手登録をしなくてはなりません。LTAに入会している人は大会にでなくても『ブリティッシュ・テニス・メンバーシップ(BTM)』というLTAのメンバー番号をもらえるのですが、これが選手登録番号になります。

メンバー入会すると、入会通知と共にこのBTMメンバーカードが送られてきます。

クラブ対抗戦以外は、各自が英国テニス協会のホームページからトーナメントの参加申し込みを行います。LTAのホームページからBTM番号を使ってログインすればいいだけなのですが。コンピューターがなければ、大会主催者にBTM番号を教えると参加登録をしてくれます。

小学校のテニス部でのトーナメントの時も先生から「息子さんのBTM番号を教えてください。」と聞かれました。

このBTM番号を知らなくても、ランキング登録を一緒に申し込んでいれば、LTAの選手プロファイルで調べることができます。大会にでなくても、あなたを選手として英国テニス協会は登録してしまうわけです。そして、BTM番号を持って選手登録したら、LTAのホームページであなたの試合記録は全て公開されます。

イギリスのテニス公式戦はどんなに小さいローカル大会でも、すべてLTAによってコンピューター管理されていています。大会主催者は英国テニス協会の送ってくるソフトウェアを使い、選手の参加受付からマッチの組み合わせ(ドロー)、結果の入力までLTAのサーバーに連結して行います。

英国テニス協会によるコンピューターでの中央管理。ローカル大会から国際大会まで、毎日すごい量の大会結果やテニス選手のプロファイルがサーバーに入ってきて、大会の結果のアップデートはオンタイムで行われているわけですね。やるなぁ、LTA。


イギリスのテニストーナメントと選手レート

今回の大会で3勝し、ようやく息子のレートも上がりました。
英国テニス協会のメイルに書いてあった「レート」って何?「9.2から9.1」って何?と思われるでしょうが、これは公式戦に出る際に必要な選手のレベルの評価です。

ブリティッシュ・テニス・メンバーシップ(BTM)を取得している人であれば、大会に出なくてもLTAにランキング登録を申し込んでおけば「10.2」というレートを与えられます。

大人のプレイヤーで「いやぁ、自分はもっとテニスが上手いよ。」と思えば、7.2までは自己申請ができます。

選手レートは、10歳以降のジュニアと大人のプレイヤーの場合は1から10レベルまで。(10歳以下はミニテニスプレイヤーとして違うレートが適応されます。)

1から10までの各レベルがまた1と2の上下に分かれます。最低レベルの10.2から10.1そして9.2と上がっていき、やがて最高レベルの1.1となります。


英国テニス協会 選手レート(選手レベル)

最高レベル  1.1
最低レベル 10.2

「ジュニア選手だとどのくらいのレートなのかなぁ。」
息子と同じ12歳グループの選手をみると、2013年の夏シーズン 全英(グレード1)大会U12優勝選手は、全国ランキング2位で、レートは5.2でした。

イギリスのテニス選手のランキング表に載るには、このレートを持っていることが条件で、トーナメントによっては「レート9.1以上の選手」「レート10.1までの選手」等と選手レートによって制限されることがあります。

レートは大会出場年数に制限がなく、年齢枠で区切られることもありません。
イギリスの公式戦で1マッチにごとにカウントされて、自分以上のレートの選手に4回勝てば、次のレベルに上がります。

ジュニア選手には適応されないけど、大人の場合は、自分のレート未満の選手に負けるとレートが下がります。シビアですね。

決勝戦優勝で対戦相手も安堵の顔

優勝した今回のトーナメントは、今年の夏からジュニアトーナメントを主宰しだした地元のテニスクラブで行われました。決選相手はよく知ってる地元の友人や学校のテニスクラブの子達。

夏のトーナメントシーズンが始まった時は、地元クラブでのグレード5の大会では、対戦相手よりレートも上で、シード1だった息子。なのに、観戦しているだれもが『なぜ?』という程負け続けて、とうとう今回はシードなし。

この夏のトーナメントシーズン、レートが自分より下の子達にいっぱい負け続けて、対戦プレイヤーにレート加算ポイントをいっぱいあげてきた息子。

それだけに息子が優勝した時は、負けた相手プレイヤ―も含めてみんなが「ようやく優勝できたね。」という安堵した顔になっていました。




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参照:英国テニス協会(The Lawn Tennis Association)http://www.lta.org.uk/


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2013年9月25日水曜日

イギリスのテニス  トーナメント・シーズン

ジュニア・テニス 夏のトーナメントシーズンが終わって。

怒涛のような夏のテニストーナメントの時期が終わりました。
学校が始まるのが、嬉しい。

7月の卒業式が終わった2日後から始まった夏休みのトーナメント。5週間の夏休みの間に、7つのトーナメントに参戦。これが多いのか少ないのか。ジュニア・トーナメント参戦初めての夏休みなので、なんともいえません。

とりあえず、テニスの試合から一息。
と思ったら、今度は、秋のクラブ内トーナメントが始まり、そして、冬のトーナメントの時期へとむかうそうです。
「ジュニア・プレイヤーの親に休みはあるのか。」

英国テニス協会 ホームページ

グランドスラムのウィンブルドン大会も含むイギリスの公式テニストーナメントを管理する英国ローンテニス協会(The Lawn Tennis Association;略してLTA)。
 イギリスのほとんどのテニス・クラブが、この英国テニス協会(LTA)に属していて、英国テニス協会(LTA)の会員数=イギリスのテニス人口と言っても過言でもない。

そのイギリスのテニス界をまとめるLTAのホーム―ページは、とても丁寧に作られています。テニスを全く知らなくても大丈夫。

テニスの始め方やルール、地域のテニスクラブの検索や公式試合への参加の仕方、児童のミニ・テニスからプロの国際試合まで、さらに、プレイヤーのプロファイルと、いろんな情報を手に入れることができます。
イギリスのテニス情報は、LTAのホームページさえ見れば網羅できるわけです。


ジュニアテニスのトーナメント・シーズン

さて、LTAのホームページを見ると、ジュニア・トーナメントのシーズンについて、明解に説明されていました。
 夏のシーズンは、4月1日から8月31日まで。 
冬のシーズンは、9月1日から3月30日まで。

 結局、休む時はないみたいですね。 

イギリスのテニスシーズンは、夏・冬の2シーズンと別れていますが、ジュニア戦には、この二つのシーズンの日付に注目することが、大切になってきます。その理由は、こどもの年齢により、どのトーナメントに、エントリーできるかが決まるからです。

イギリスでは、11歳から18歳までが、ジュニア・プレイヤーとしてトーナメントに参加できます。 公式戦は、年齢ごとに12歳以下のU12、それにつづいて、U14、U16、U18と4グループに分けられています。年齢の上の試合に出るのは許されるのですが、自分の年齢より下のグループには参戦できません。

ジュニア・テニス 年齢グループ表

LTAでは、この年齢ごとに、どのシーズンのどの年齢の試合に出られるか詳細に教えてくれます。
ホームページを見ると、Q&Aでは、こんな風に分かりやすく説明されています。

What age will you be on the 31st March 2011? Answer: 12
2011年3月31日に、あなたは何歳になりますか? 答え:12歳)
You will play 12 & Under yellow ball competition for the coming winter season – 1st September 2010 to 31st March 2011
(次の冬シーズン(2010年9月1日-2011年3月31日)の12歳以下のイエローボールの試合に参加できます。) 

今年2013年のトーナメント・シーズン用に、こんな表も作ってくれていました。


その上、子供の生年月日を入力したら、年齢グループを教えてくれるページも用意されていました。



いたせりつくせりですね。
イギリスのテニス協会がんばってくれています。また、ジュニア・トーナメントの参加システムについて、これからもブログでお知らせします。


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参照:The Lawn Tennis Association http://www.lta.org.uk/players-parents/Competition/Junior-competition1/Competition-Age-Groups-Explained/Age-Group-Examples/#sthash.7thL3zpv.dpuf


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2013年8月28日水曜日

突然のテニス・トーナメント イギリスのジュニア・テニス

パパの思いと息子のテニス

日本で不登校の時に、家でひきこもりになりそうな息子を見て、彼の父親は、こういいました。

「学校に行けないからって、家に閉じこもっていたら身体が悪くなる。」
「学校の友達は、毎日休み時間に元気に校庭を走り回っているんだ。」

息子の状態が許す限り、近くの公園のテニスコートに毎日のように連れて行っていました。

そのお陰で、そこそこテニスの打ち合いができるようになった息子。

公園のテニスコートで知り合った同い年のお友達ができたりして、嬉しいママとパパでした。

「学校の同級生と遊べないなら、スポーツを通して友達を増やせばいい。」
と思う親の気持ちもなんのその。

「同じ年齢の子達と一緒にプレイできるし、テニスクラブに入ったら?」
「お友達もトーナメントに参加しているし、一緒に、トーナメントに参加してみたら?」 と勧めても、

「僕、戦いたくないんだよ。勝つのも、負けるのも嫌なんだ。引き分けがいい。」
 なんという返事。

 『うーん、息子よ。それじゃ、テニスにならないのだよ。』

不登校になってから、学校だけじゃなくて、他でも同じ年代の子供たちと一緒が苦手になった息子。
もちろんテニスのグループレッスンもだめ。

これでは、「トーナメントに参加してみたら?」と誘われても、
「性格的に無理なので。」と断るしかありません。

イギリスのジュニア・テニス

 そして、日本を離れて、英国へ。

小学校の転校手続きと同時に、ジュニアプレイヤーのメンバーが多く、盛んなテニスクラブを見つけて、家族全員でメンバーの申し込みをした父親。

 『パパ、あきらめてなかったのね。』

それでも、息子はグループレッスンにも参加できずに、もっぱらテニスの相手はパパとママ。

 ジュニアメンバーの子供たちに声をかけてもらっても、パパの後ろに隠れるだけ。

それでも、イギリスで毎日登校できるようになり、すこしづつお友達の輪に入れるようになったのかな?

半年くらいして、学校のクラスメイトのお友達とビギナークラスのグループレッスンに参加できるようになりました。

「すごい大きな飛躍。」と、両親は大喜び。

イギリスのジュニアテニス 11歳までは緑色のグリーンボールを使用
11歳までの試合は緑のボールを使用

いきなりのテニストーナメントへのお誘い

そして、英国に引っ越して来てから、ちょうど一年がすぎた春。

 テニスクラブのコーチから、 「明日、ジュニアチームのクラブ対抗トーナメントがあるのだけど、人数が足りないから息子さんは出れないかな?」
という電話が夜の9時にかかってきました。

 「トーナメントは、明日の昼12時から始まるから、よろしく。」

『えっ、24時間もないじゃない。それは無理でしょう。』と思っても、

「明日の朝まで返事を待ってください。知っていると思うけど、彼の場合、性格的にはっきりと参加するとは答えられないから。」
 (こんな返事が通っていいのかしら?)

「チームのダブルスのトーナメントなら、シャイな彼でも参加できるのではないか。」
暖かい言葉が返ってきました。

『あんまり話したことなかったけど、こんなに考えてくれていたんだ。』

 同い年頃のジュニアプレイヤーが、毎日のようにたむろして、みんなで楽しげにテニスの試合をしているのに、テニスコートの隅っこで父親としか打ち合いのできない息子を見てきたクラブのコーチ。

みんなの思いに背中を押された息子。
「今回だけやってみる。」

それでも、試合間際まで、私だけに聞こえるようにブツブツ。

 「僕、出ないといけないのかな?」
「やっぱり無理だと思う。」
「やめるって言ってこようかな。」 

試合の時間になりテニスパートナーになる同い年のお友達が迎えに来ました。
 「今日、一緒に試合にするでしょう?がんばろうね。」

声をかけてもらっても、なんだか煮え切れない態度の息子。

 ところが、他の子が「出ないの?だったら、僕が試合に出たいな。」 と言った途端、
 「いや、僕は出るから。」 とテニスラケットを持ってコートへ走って行ってしまいました。

 結果は、ダブルスは負けたけど、シングルはかろうじて1勝。

 いきなりのジュニア・.テニス・.トーナメントへの参加でした。 

「1回きり」という話が、実は、地区のクラブチーム対抗リーグ戦ということで、
それぞれホーム・アウェーと2回づつ行われる為、結局その後に3試合続いて出場しないといけないことに。

4月から6月は、団体戦のシーズン。
そして、小学校でもテニス部が設立して、毎週のようにトーナメントが続くのでした。

さらに、「うちのクラブは、U12のチームのメンバーが4人しかいないから。一人でもかけるとペナルティー負けしちゃう。」とコーチから言われたら、がんばるしかない。

The Lawn Tennis Association (LTA)とジュニア選手

アンダー12(12歳以下)のジュニアの試合と言っても、英国テニス協会(LTA)の記録に残る公式試合。

1回出ただけでも、選手登録がされてしまいます。

(ちなみに、イギリスのほとんどのテニスクラブが英国テニス協会に属しているので、
クラブ内トーナメント以外の試合は、ほとんど公式戦のように、LTAの記録に残ります。)


 今までは輪の外から見ていたばかりだった私たちが、
こうやって息子と一緒に、ジュニア・テニス・トーナメントの世界に入っていくのでした。


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