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日本と英国を行き来する2人のバイリンガルキッズの母。ロンドンで生まれた子供たちを連れて日本へ。横浜で英語で創作絵本を作るキッズ・クリエイティブ・ライティングの教室を開き、英語の絵本の出版。小学校で不登校になった息子を連れて、またまた英国へ。イギリスの自然と息子のテニス・トーナメントの応援と野菜作りを楽しむ日々を過ごしていましたが、社会人学生として大学に入学。

2014年3月20日木曜日

イギリスの小学校 特別教育支援(SEN)の指導法

先生へのクリスマスカードとプレゼント 

イギリスの幼稚園や小学校ではクリスマス休暇の前にお世話になった先生方にクリスマスカードを渡します。そのとき、チョコレートなど小さいプレゼントを渡すこともあります。

 日本から転校して初めてのイギリスのクリスマス。
 『お世話になった先生にカードとプレゼントでも渡さなくちゃ。』と母はそわそわします。

 担任の先生と副担任の先生と。。。副校長先生にも渡した方がいいかなぁ?

 3つのチョコレートの箱をきれいにラッピングしていると、息子がいいました。
「先生にあげるプレゼント3個じゃ足りないよ。僕が教えてもらっている先生は6人くらいいるよ。」

えっ、6人も?なんで?

「えーっと、担任の先生でしょ。教室での授業の時、僕をアシスタントしてくれる副担任の先生でしょう。それから英語の個別授業の先生でしょう。この先生には週2回授業を受けている。それから、算数の取り出し授業をしてくる先生でしょ。それから理科とかの取り出し授業の先生でしょう。他にも音楽の先生とかいるけど、まぁこれはいいや。」

毎週そんなに多くの先生にお世話になっていたのね。 

そういえば、『私もSENの資格を持っている教師です。』と言った副校長先生の説明を思い出しました。
転校前に初めての学校訪問でイギリスの学校の特別支援(SEN)の話を聞いたときでした。 


特別教育支援の方法

日本で不登校生だった息子は、イギリスの小学校に転校し、SENと呼ばれる特別教育支援(Special Education Need)の生徒として受け入れられました。
英語圏以外の国から来た生徒は英語教育の支援が必要と言う理由でした。 

転校した1週間目はSENの資格を持っている副校長先生ともう一人SENコーディネーターをしている先生が息子の様子をチェックします。これは、息子にどんな支援が必要か調べるアセスメントになります。

息子には審査されていると教えず、先生方がそっと授業に入ったり、休み時間には校庭で息子の様子を見るそうです。そして、担任の先生と話し合って息子に合う支援の計画を立てるそうです。

 そして、息子は英語の個別授業を週2回受けることになりました。この学習指導は朝礼の時間に行われました。他の生徒が朝礼に出ている間、息子は個別授業を受けていたわけです。
英語のアルファベットを書いたり、単語を覚えたりするこの英語の授業は彼のために作られた支援計画に従い、外部の先生が教えに来てくれます。

 英語の授業をクラスでみんなと一緒に受けるときは副担任(アシスタント・ティーチャー)の先生が息子の隣について、英語の書けない息子はコンピューターを使って授業を受けていました。

 不登校生だった息子は算数も同学年の生徒に比べて遅れていました。
算数も問題には英語を使うので、英語の授業だけでなく算数の授業も支援対象になります。
算数は取り出し授業で、クラスから3人のお友達と一緒に別室で少人数の取り出し授業を受けていました。 

体育や音楽以外はすべて英語の支援が必要と言うことで特別支援の対象になりました。
 歴史や地理の授業も取り出し授業として、2-3人の生徒が別室で担任以外の先生から授業を受けます。

「イギリスに住んでいなかったのですから、いきなりイギリスやヨーロッパの歴史や地理について学べと言われても無理でしょ。ロンドンってどこにあるか知ってる?イギリスの王様の名前知っている?」という話らしいです。

イギリスの学校 特別教育支援 英語の作文でもらった優秀賞
 英語の作文 賞状(Merit)


特別支援生として英語の個別サポートを受けているのは知っていましたが、他の教科の取り出し授業などへの支援は、転校していたばかりの5年生の時だけ受けられる話だと思っていました。
学年があがり6年生になってもこれらのサポートは同じようにずうっと続いていたのでした。

そして、6年生の2学期には、とうとう英語の作文でイギリスではMeritと呼ばれる優秀賞を息子はもらったのでした。



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2014年3月9日日曜日

イギリスの小学校 答えのない宿題

 答えのない宿題  

日本から転校した英国の小学校で、転校生ということで宿題が免除になった息子にもいよいよ宿題が出されました。
息子にはいきなりハードルの高い作文 
作文のように正解がはっきりわからない宿題は息子には難しい課題なのです。

「どんな答えを求められているのか」と悩む息子に 「好きなことを書けばいいのよ。」とリラックスさせようとするのですが、 宿題の紙を目の前に固まってしまう息子

毎朝晩その宿題の紙を前に時間が止まってしまったかのような息子
 父親も「6年生になって何がしたいか一つずつ表にしていこう。」と提案したり、息子と議論をしたり、家族全員で取り組む宿題。

先生から手書きが難しかったらコンピューターを使っても良しという許可が出ていましたが、自分で手書きにすると受けつけない息子。

『コンピューターだったら、親が書いてもわからないし、宿題も終わって楽なのに。。。』

白紙の宿題の紙を目の前に頭をたれてうずくまっている息子の背中を見ながら母はずるい気持ちになるのですが、絶対納得しない息子。

宿題が気になって、夜も何度も目が覚めてしまいます。
朝もいつもより目が覚めるのが早くなります。
母より早く目が覚めて、ダイニングテーブルで真っ白な作文用紙を目の前に座っている息子。

「だったら宿題しなくてもいいじゃない。先生に宿題が難しいといった方がいいんじゃない。」
宿題ができないことでまた不登校になったらどうしようと心配になってきた母に「絶対に先生に宿題のことを相談しないでね。」と釘を刺す息子。

 宿題提出の日が近づくに真っ暗な息子の寝室からすすり泣きが聞こえてきます。

提出期限の当日の朝、「学校に行けない。」という息子の言葉を半分予期しながら母は朝ごはんの支度をしていると、ダイニングルームに駆け込んできた息子。

「宿題はできなかったと先生に説明する。」といいながら、まっしろな作文用紙をカバンにしまいます。

 「あっ、そう。」元気に学校に出かけた息子の後ろ姿を見ながら、思わず気が抜けた母でした。

答えを出さなくていい宿題 

放課後、『白紙の宿題はどうなったのかなぁ。』一日中気になっていた母のもとに 元気に帰ってきた息子。

 「先生から、あの宿題は『君のための宿題』だから、提出しなくていいって言われた。」
「他の子は提出したけど、僕は宿題について考えたり取り組んだりしようとしたから、それだけで十分だって。」
 「お父さんと宿題についてどんなことを話したか聞かれて、こんなことを話したと説明したら、それで十分だと言われた。」

母にとってはよくわからない説明ですが、息子は十分納得したみたいです。

 君のための宿題 
子供たち一人一人勉強への取り組み方は違います。

 答えを書こうが書かないでいようかは問題じゃない。 
宿題の問題について考えただけでも十分な答えになる。 

答えを求められない宿題はそれからも息子にとって大きな励みになりました。
 なによりも宿題ができなくても先生に説明して納得してもらえたということが息子の一番の自信になったのでした。



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