答えのない宿題
日本から転校した英国の小学校で、転校生ということで宿題が免除になった息子にもいよいよ宿題が出されました。息子にはいきなりハードルの高い作文
作文のように正解がはっきりわからない宿題は息子には難しい課題なのです。
「どんな答えを求められているのか」と悩む息子に 「好きなことを書けばいいのよ。」とリラックスさせようとするのですが、 宿題の紙を目の前に固まってしまう息子
毎朝晩その宿題の紙を前に時間が止まってしまったかのような息子
父親も「6年生になって何がしたいか一つずつ表にしていこう。」と提案したり、息子と議論をしたり、家族全員で取り組む宿題。
先生から手書きが難しかったらコンピューターを使っても良しという許可が出ていましたが、自分で手書きにすると受けつけない息子。
『コンピューターだったら、親が書いてもわからないし、宿題も終わって楽なのに。。。』
白紙の宿題の紙を目の前に頭をたれてうずくまっている息子の背中を見ながら母はずるい気持ちになるのですが、絶対納得しない息子。
宿題が気になって、夜も何度も目が覚めてしまいます。
朝もいつもより目が覚めるのが早くなります。
母より早く目が覚めて、ダイニングテーブルで真っ白な作文用紙を目の前に座っている息子。
「だったら宿題しなくてもいいじゃない。先生に宿題が難しいといった方がいいんじゃない。」
宿題ができないことでまた不登校になったらどうしようと心配になってきた母に「絶対に先生に宿題のことを相談しないでね。」と釘を刺す息子。
宿題提出の日が近づくに真っ暗な息子の寝室からすすり泣きが聞こえてきます。
提出期限の当日の朝、「学校に行けない。」という息子の言葉を半分予期しながら母は朝ごはんの支度をしていると、ダイニングルームに駆け込んできた息子。
「宿題はできなかったと先生に説明する。」といいながら、まっしろな作文用紙をカバンにしまいます。
「あっ、そう。」元気に学校に出かけた息子の後ろ姿を見ながら、思わず気が抜けた母でした。
答えを出さなくていい宿題
放課後、『白紙の宿題はどうなったのかなぁ。』一日中気になっていた母のもとに 元気に帰ってきた息子。「先生から、あの宿題は『君のための宿題』だから、提出しなくていいって言われた。」
「他の子は提出したけど、僕は宿題について考えたり取り組んだりしようとしたから、それだけで十分だって。」
「お父さんと宿題についてどんなことを話したか聞かれて、こんなことを話したと説明したら、それで十分だと言われた。」
母にとってはよくわからない説明ですが、息子は十分納得したみたいです。
君のための宿題
子供たち一人一人勉強への取り組み方は違います。
答えを書こうが書かないでいようかは問題じゃない。
宿題の問題について考えただけでも十分な答えになる。
答えを求められない宿題はそれからも息子にとって大きな励みになりました。
なによりも宿題ができなくても先生に説明して納得してもらえたということが息子の一番の自信になったのでした。
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