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Wales, United Kingdom
日本と英国を行き来する2人のバイリンガルキッズの母。ロンドンで生まれた子供たちを連れて日本へ。横浜で英語で創作絵本を作るキッズ・クリエイティブ・ライティングの教室を開き、英語の絵本の出版。小学校で不登校になった息子を連れて、またまた英国へ。イギリスの自然と息子のテニス・トーナメントの応援と野菜作りを楽しむ日々を過ごしていましたが、社会人学生として大学に入学。
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2015年3月1日日曜日

不登校生と友達


奮闘する小さい友人達


息子の登校しぶりが始まって最初に一番頑張ってくれたのが、息子のクラスメイトや近所の友達でした。

息子の欠席が増えていることに毎日いっしょにいたクラスメイト達は敏感に何かを感じてくれたのでしょうか?
「お休みしているみたいね。何かあったの?」とクラスメイトのお母様たちから声がかかりました。

欠席が続くようになると、帰りに宿題やお知らせの紙を持ってきてくました。

そのうちに 毎朝、登校する時に我が家まで息子を誘いに来てくれたりしました。

息子のクラスメイトの1人は学校の反対側に住んでいるのに、毎朝お母さんが彼を車で我が家まで送ってきて、「一緒に学校まで歩いて行こう?」と誘いに来てくれました。

それでも、どうしても学校へ足が向かない息子。 全く玄関から出れません。
お友達は 辛抱強く待っていてくれますが遅刻しそうな時間です。

 「もう、いいから。遅刻しちゃうから先にいってね。」

 「今日もありがとう。一緒に行けなくてごめんね。」

 謝りの言葉で始まる毎朝でした。


 そのうちに
「迎えに行きたいけど、子どもがだんだん疲れてきちゃって。」

 「迎えに行って一緒に行けるのなら張り合いも出るのだけど。」

 と申し訳無さそうな声のお友達のお母様。

 小学1年生。自分たちも新しい学校生活に合わせていくのに一生懸命な子供達。
自分のことだけでも大変です。

それでも友達の為ならと奮起してくれました。

そんな思いで頑張って遠回りして迎えに来ても断られるのでは、気持ちも沈みます。


登校しぶりが始まり、毎朝どうしたものかおろおろしいた母でした。
学校からも何の解決案もでてきません。

そんな時、誰よりも早く立ち上がって頑張ってくれた小さいお友達。

 本当に息子の為に頑張ってくれてありがとう。

なぜ学校に来れないの?


 「誘いに来てくれてありがとう。今日も行けないから。」の言葉を繰り返していた息子。
 しばらくするとクラスメイトの声が聞こえるとトイレに隠れてしまうようになった息子。

いつか皆の気持ちが息子に届くといいね。と思いながらの毎日でした。

 自分のことのように心配してくれたクラスメイトやお友達。

 まもなく30日の連続欠席で正式な不登校生になった息子をその後も何年も心配してくれたみんな。

時々見かける息子の姿を見つけては、

 「どうして学校に来れないの?」
「辛いことがあるの?」
「早く来れるといいね。」と声をかけてくれるクラスメイト達

みんなの問いかけに答えることができないと涙していた息子。

直接言うことはできなかったけど、

『ありがとう。皆の気持ちは届いているんだよ。』と心の中でずーっと答えていた母でした。



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2014年11月5日水曜日

不登校生と犯人探し 不登校生になった原因

不登校生の担任の先生


11月になるといつも思い出すのが、息子が1年生の時の担任の先生の言葉です。

小学校1年の7月から学校を休みだし、2学期になっても学校に行ったり行けなかったり。学校の近くまで来ているのにどうしても門をくぐれない息子。
その息子を道端において、母一人で学校まで行くこともありました。

「母親が学校にいたら、寂しくなってついてくるかな?」 息子が正式な不登校生になってわずか1ヶ月。まだ、不登校生がどういうものかよく分からず、そんな甘い考えをしていました。

不登校の息子をおいて母一人が学校に行っても、何もできることはありません。
保健室の先生に「今日も近くまで来たのですが。」とお休みすることを報告するだけ。電話でもすむことだけど、親だけでも学校を近く感じたいという思いもあったのかも。

保健室に挨拶に行くと、校庭にいっぱいの子供達。もう、2時間目の中休みになっていたのね。
息子のお友達もいっぱい楽しそうに遊んでいます。なぜ我が子はこの楽しそうに遊んでいる同級生の中にいないのかしら。

そんな子供達の輪の中に、息子の担任の先生の姿を校庭に見つけました。
「担任の先生にも挨拶しておこう。」

校庭にいる先生の側に行って、「今日もお休みします。学校の近くまで来たのですが、どうしても来られなくて。」と挨拶だけして帰ろうとすると、 担任の先生に「私のせいですか?」と突然聞かれて「はっ?」とその言葉の意味の分からず首を傾げる母親でした。

すると「私のせいですか?担任は生徒が不登校になると自分のせいじゃないかと思うのです。」と続けた先生。

あまりに突然な問いかけに『そんなこと聞かれてもなんて答えていいか分からないじゃない。』と心の中で思った母でした。 

新1年生の7月に学校を2週間お休みしてから、夏休みが終わって新学期の9月になって1週間学校に行けたと思ったら、その後は行けたり行けなかったり。登校渋りが始まって2ヶ月。

「学校に来れるようになるといいですね。」と電話で話したりしたことはありますが、学校に行っても新一年生の担任の先生は忙しそう。
学校に行かない息子が悪いのだから、あまり迷惑をかけてはいけないと思っていた親。
担任の先生と息子の不登校について特に語り合ったことはありませんでした。

この時、校庭での先生の問いかけが、担任の先生と不登校のコアな部分について話した唯一の時でした。


 不登校になったきっかけ・原因は何?


息子が学校に登校できなくなって困惑する両親。

 なぜ?なぜ?なぜ?なぜ?

毎日、息子の不登校の原因を追求していた両親でした。

息子の不登校の理由がわかることが一番の解決策のような気がしていました。

いじめ?何か嫌な経験をした?
でも、息子の口から学校や友達や先生を避難する言葉は出てきませんでした。

なぜ?なぜ?なぜ?なぜ?

毎日混沌とする母にとっては、「そうです。担任の先生のせいです。」とか「いいえ。息子の不登校の原因はこれです。」とはっきり言えたらどんなに楽だったでしょう。

 学校に行けなくて家にいる日でも「先生はこうしたんだよ。」「友達はこういったんだよ。」と登校してた時の学校での体験を楽しそうに話す息子。

こんなに学校のことを楽しそうに話すのに「なぜ学校に行けないんだろう?」

不登校生をめぐるはてなは増えていきます。 

「私のせいですか?」と不登校の理由を聞く担任の先生のいきなりの質問に返事に困った母。

聞かれて親の心のほうが痛みます。

「先生、実は私も同じように自問しています。息子が学校に登校できないのは、親の私が悪いのでないかと思っています。」と心の中でつぶやいた母でした。

 楽しそうに学校で起きたことを話す息子の顔が目に浮かびます。

「いままで先生のことを一度も悪く言ったことはありませんよ。息子は先生のことを好きだと思います。」とだけ答えた母でした。 

小学生が学校に行けないとその子とかかわる全ての人が問います。

「なぜ?学校に行けないの?」

家族や先生、クラスのお友達までみんなが同じ質問をします。

不登校生の周りは犯人探しでやっきです。 

「どうしたら学校に来れるようになるの?学校に来れない原因は何?」

 「何が悪いのかしら?」「誰が悪いのかしら?」「自分が悪いのかしら?」

小学生の不登校になったきっかけ(原因)の状況 文部科学省調査(H25年度)
表:不登校になったきっかけ(原因)の状況(小学校)
学校教職員への聞き取り調査結果(H25)


 遠く海を超えた異国の地で、孫息子の不登校のニュースを聞いた義祖母も「彼が学校に行けないのは私のせいじゃないか?」と電話先で泣きます。

 いやぁ。おばあちゃん、それはないと思うよ。



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(表)参照:文部科学省 
 平成 25 年度「児童生徒の問題行動等生徒指導上の諸問題に関する調査」


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2014年10月16日木曜日

校長室登校 4 校長先生の漢字カード

書かない漢字の勉強法

不登校生になり初めて校長先生の家庭訪問があった時、短い時間で息子のことを理解してくれた校長先生。

校長室で校長先生との息子の二人だけの勉強会が行われるようになってすぐに息子が字を書くのが苦手な事に気がついた先生。

「でも、漢字に興味がありますね。」と、またまた息子のできる部分を見つけてくれました。

ひらがなで自分の名前を書くのも苦手な息子。字を書くのにすごく時間がかかります。

鉛筆を握りしめたまま、机の上の白い紙を睨み続ける息子。

不登校性になってから宿題の紙に名前を書くところで断念する親子でした。

でも、字を読むのは苦にならないみたいです。漢字も読むのは大好き。

難しい漢字もシンボルやアイコンみたいに見えるみたいです。
「これなんて読むんだろう?」息子の興味をそそります。

これに目を付けた校長先生は息子にあった面白い漢字の勉強法を考えてくれました。

それは、つくり・へん等の部首を覚えることでした。
『部首の名前を覚えて、組み合わることで漢字を表現できたら』という発想でした。

 「いち」から「おおいかんむり」までの100の部首のカードを作る作業を校長先生と何週間もかけて行なった息子。

校長先生が用意しておいてくれた部首の紙をはさみで切って台紙に張って、裏にはその部首で作られている漢字のリストを貼る。お手本のカードができたら、それを見ながら、部首を書いて裏にはその読みを書いたカードを作る。

字を書くのが苦手な息子でしたが、簡単なつくりやへんならなんとか書けそう。
簡単そうな作業ですが、だんだんと部首の形も複雑になっていきます。時間をかけて少しづつ少しづつ作業が続いていきました。

書かかない漢字の勉強法 部首カード
100枚の部首カード


そのうちに「あの○○っていう漢字は、『○へん』と『あくび』を合わせるんだよ。」とか漢字を口頭で説明してくれるようになった息子。

 「あくび?」

「さんずい」や「うかんむり」や「にんべん」とかはさすがに覚えていますが、「ひらび」とか「ひき」とかいわれても全く形が頭に浮かんでこない母でした。

家でも辞書や本で習ってきた部首を探したり、「この漢字は『いちじゅう』を組み合わせるんだね。」と息子の漢字や語彙力は増えていくのでした。

 同じ漢字を何度も何度も書いて身体で覚えていくという勉強を小学生の時にした私には、この全く字を書かずにどんどん漢字を覚えていく息子に不思議さを感じました。

こうやって息子は、パズルのパーツを組み立てるように頭の中で漢字を覚えていったのでした。

そして、この漢字や語彙力があったことで、息子はイギリスに引っ越してから受けたGCSEの日本語の試験に合格できたのでした。



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2014年9月30日火曜日

校長室登校 3  校長先生との勉強会

成功した校長室登校

小学校1年の時に、不登校生になった息子のもとを訪ねて「息子さんは向学心があるから、勉強をする為だったら学校に来られるはず。」と力強い言葉をかけてくれた校長先生。

「勉強はどこでもできます。私が時間を作るので、連れて来てください。校長室で一緒に勉強します。」という校長先生の言葉で始まった息子の校長室登校。 

初めての校長室登校が成功して、息子は週に1回ほど校長室を訪れるようになりました。

校長先生との勉強会


校長室での1回目の勉強は砂鉄を集めることでした。

集めた砂鉄を使って磁石の仕組みを考える。宝探しとクイズが交わったみたいな授業に息子に息子は飛びつきました。

家に帰って、校長先生からもらった磁石を使って、紙の上に持って返ってきた砂鉄でいろんな模様を作り見せてくれたりしました。

「これ、3年生の時にやったことある。」という上級生の姉も交えての磁場の勉強は盛り上がりました。

それから、しばらく磁石と砂鉄が彼の注目アイテムでした。

「もっと砂鉄が探せるかな?」
「家の庭で砂鉄が取れるかな?」
「学校の砂場でもっと砂鉄が取りたいな。」

学校へ行く不安はなくならないけど、学校に行ったら面白いことができる。

息子が不安を乗り越えられる唯一の理由でした。 

学校の砂場で蹉跌を集めよう 砂鉄の集め方 NHK
イメージ:NHK 砂鉄の集め方


それからも校長先生との面白い授業は続きました。

「今日はペットボトルを使ってロケットを作ってみました。これはこの間理科クラブでやった実験なのですよ。」
 校長先生との週に1回のこんな会話は、学校で他の児童がどんなことを学習しているのかがわかり、学校というものがだんだん遠く感じ始めた不登校生の母には、学校が少し身近に思える時でした。

そのうちに、校長先生は、理科の実験に興味をもった息子を連れて高学年の理科の授業に参加したり。

 「今日は校長室でこの実験をしようと思っていたら、5年生も同じ実験をやると聞いて、二人で5年生の授業に参加しました。」と聞いてびっくりした母。

校長室に行くまでに他の生徒に会うのでさえ怖がっていた息子が、上級生の授業に参加して大丈夫だったのか。しかし、年上のお兄さんやお姉さんに優しく接してもらえた息子はまんざらでもなさそうでした。

むしろ息子にとって、大人みたいに言葉を選び論理的に説明してくれる5年生はとても接しやすかったのでした。

「彼の興味のある事を勉強して行きましょう。」という校長先生の授業は、学年別の横割りの学習指導要領とは違うものでした。

校長室登校がくれたもの


 「2年生だからこう習わなくちゃいけないということはない。興味があって理解できるのであれば上級生に混じって勉強すればいい。」

漢字を読んだり、5年生の理科の実験を楽しめるのに、ひらがなを書くのもままならない、簡単な足し算も苦手な息子を理解して、彼に合う学習内容と勉強方法を提供してくれた校長先生。

 教科書に沿ったクラスでの勉強とはかけ離れていましたが、週1回の校長室での学習は、義務教育の学習内容をよく理解している先生によりガイダンスされたものでした。

 同級生と同じ様に勉強できなくても、たとえ全部の教科の勉強をできなくとも、義務教育で習うべき知識を息子は毎週習得しているという安心感を少しは感じることができた私。


それでも、息子は相変わらず字を書くのは苦手。家で宿題もできません。

そして、校長室登校は順調に進みましたが、相変わらず学校への不安はなくなりませんでした。

クラスでの授業には全く参加できないまま、こうして校長先生と息子の勉強会は、校長先生が転勤される3年生の終わりまで続くのでした。




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砂鉄や磁場に関するおすすめリンク
砂鉄の集め方 NHK

科学旅育センター 
磁場の観察
http://cse.osaka-kyoiku.ac.jp/kyozai/elementaly_school/field.html

2014年1月27日月曜日

終わらない宿題

息子は字を書くのが苦手です。
字を書くのに時間がかかります。

漢字を書くのは苦手と言う子は多いと思いますが、息子はひらがなを書くのも苦手でした。

小学校1年生の1学期
新1年生は一斉にひらがなを習い始めます。


ひらがなって難しい

入学して間もなく、学校の宿題で、ひらがなの練習帳を持って帰ってくるようになりました。

かき直しの部分には付箋が張られていました。
直して学校に持っていっても、また同じページの同じ字がやり直しとなって戻ってきました。

書き直しても、またやり直し。

同じ字の書き直しを2度3度するのは当たり前。
 左側のはねを書き直したら、今度はバランスが悪いみたい。
先生が直してくれた赤字を見ながら何度も書き直す息子。

 訂正が何度もつづくと、どう直していいのか。親の私でもよくわかりません。

つくづく、ひらがなって難しい。

『幼稚園のクラスのお友達が塾に行って字を書く練習していたのはこの為か。』
後になって納得するのでした。

 終わらない宿題

宿題の練習帳に張られてくる付箋の数は毎日増えて、金曜日にはその数が20個近くになっていました。 とうぜん宿題にかかる時間も長くなります。

 今日もまた9時になってしまった。
ひらがなの宿題を始めてから、休みもなく2時間も座っている息子。

 一緒に隣に座っている私も疲れてきて「もう寝る時間だし、今日はこのくらいにしたら。 残りは明日にしたら。」と提案しても、「宿題はちゃんと出さないと。それに、明日になったら宿題がもっと増えるから。」と言い張る息子。

そのうちに、書き直しても自分で納得いかないのか消しゴムで消してしまうようになりました。
同じ部分を書いては消し、書いては消し。 紙が薄くなって破れそう。

宿題がはかどらないまま座っている時間が延びていきます。 いよいよ私も我慢できなくなり「今日はおしまい。明日の朝、学校へ行く前にやっていきなさい。」

心身疲れてさすがに文句も言わなくなった息子。
「それじゃ、明日の朝5時に起こしてね。」

それがだんだんと
「明日の朝3時に起こしてね。」
 「明日の朝1時に起こしてね。」 となっていきました。

 さすがに午前1時に小学校1年の子供を起こして宿題をさせる親なんかいません。
そんなの無理と却下しても、気になるのか自然と朝早く目が覚めてしまう息子。

 『この時、気がつけばよかった。』とその後不登校生になった息子を持つ母親は思います。

しかし、まだ入学したばかりの小学1年生と新1年生を初めて持つ母。
先生の指示通りに勉強をさせるのが当然と、毎日の宿題を終わらせようと親子とも必死でした。

 5月の体育大会が終わり、ほっと一息の6月の後半から息子の体調が悪くなり学校を休みがちに。 7月の最後2週間はお休みしたまま小学校最初の夏休みに突中してしまいました。

不登校生と宿題

 その後、長い間、ひらがなをマスターすることのできなかった息子。
不登校生になってから、『このまま字を書くこともできないとまずいぞ』と思い始めて家で勉強させようとしても、机に向かって鉛筆を持つのですが、そのまま固まってしまいます。

なぜ、書かない?字を書けないのは苦手以外の何かあるのでは。。。
学校から出される宿題も同じようにできないまま机の引き出しの中に増えていきました。

「今日はやるぞ。」と自分から宿題の紙を机においても、その紙に自分の名前すら書けない息子。
 鉛筆片手に何十分も同じ姿勢で座っている息子。

最後は「もうあきらめましょう。」と言うしかない母親でした。



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2013年12月16日月曜日

校長室登校の成功の秘訣

校長先生のお誘い

「校長室におもしろいものがあるから、見においで。」と誘われて、数週間以上学校の正門をくぐることができなかった息子が校長室を訪れました。

 なんだかこんな風に書くと簡単なように聞こえますが、校長先生の家庭訪問からわずか1週間で登校できたのは「いろんな思い入れと策略がうまくかみ合った。」からだと思います。 

校長先生の家庭訪問で先生への信頼感を持てた。
校長先生の声かけの仕方も不登校の息子に分かりやすかった
校長先生によって校長室訪問のスケジュールが丹念に考えられた
これらによって息子の登校は成功したと思います。

待っていた学校復帰へのシグナル

 不登校になってから、同級生はもとより小学校の同じくらい年齢の子供たちに会うと固まってしまう息子。家にいても外から小学生の声が聞こえただけで怖くなり隠れる日もあったり。

校長先生は、こんな不登校生の気持ちをわかっていたのか。「生徒のいない時間帯に来てもらったほうがいいかな。他の生徒にも会う可能性が減るし、下駄箱のある入口より校長室に一番近い正面玄関から直接入ってきてもらほうがいいかな。」と訪問日の予定を立ててくれました。

「学校に来れなかったら、校長先生がまた会いに来るからね。」と第2の提案もしてくれました。1番目の案がうまくいかなかったら2番目の案があると知っていたことで、親子ともどもプレッシャーが減りました。

 特に、息子はこの2番目の案があることで、かなり気持ちが楽になっていたみたいでした。 「校長先生にまた家に来てもらってもいいけど、校長室に行くといっぱい見れるんだよね。」

なんだかたわいない言葉に聞こえますが、実は、ここに彼なりの精いっぱいのがんばりがありました。

離れるほど存在が大きくなっていく学校というものに、息子はどうやって戻ったらいいのかその糸口を探していたような気がします。

もちろん、学校へ行けば、先生もお友達もいっぱい暖かく迎えてくれるのですが、彼自身が戻る道を見つけられずにどうしようと思っていた時に、校長先生の声かけがあったのでした。

 「学校の正門までおいでよ。」とか「保健室においでよ。」とか学校へ戻るお誘いは、それまでもいっぱいもらっていた息子でしたが、彼にとって難しい部分は「学校に行ってから何をするの?」という疑問でした。

「学校でどうやって時間を過ごすの?」という疑問は、「不安な気持ちを持ったまま何時間も過ごさないといけない。」という答えに結びつき、彼の勇気の妨げになっていました。

校長先生のお誘いは、息子にとって、待っていたシグナルでした。

分かりやすい戦略

  校長先生の戦略は一言で言うと『簡単なことから始める。明確な計画を教えておいて、納得してもららってから行動する。』

登校の目的と滞在時間、そして場所までのたどり着き方がはっきりとわかって納得しやすいことが息子には大きな励みになりました。

 「校長室で先生が話してくれたおもしろいおもちゃを見る。」
 「学校にいる時間は1時間。」
 「他の生徒に会わない時間帯」
「正面の入口から校長室に直行する。」

この校長先生の明瞭な提案は、不登校生だった息子に登校というハードルを低くしてくれました。 

こうして校長室で楽しい1時間を過ごした息子は、それから毎週校長室へ通うようになりました。 


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校長室登校 校長室の面白いものとイギリスのクリスマス
正式な不登校生 校長先生の家庭訪問

2013年11月20日水曜日

校長室登校 1 校長室の面白いものとイギリスのクリスマス

できたよ。校長室への訪問

 「校長室におもしろいものがあるから、見においで。」と、家庭訪問の時に校長先生に誘われて、数週間以上、学校の校舎に入るができなかった息子が、校長室を訪れました。

 校長室にあった『面白いもの』とは、世界のいろんなおもちゃでした。

昔懐かしいドリンキングバードやロシアの木の人形(マトリョーシカ人形)など良く知っているおもちゃもあれば、「これ、なんだ?」と思う銀色のUFOのような物体まで。いまだに名前もわからない言葉で説明するのも難しい三角錐の駒などなど。

「ただのおもちゃと言っていいのかなぁ?」という位、とにかく頭をひねらせるおもしろい物が校長室にはいっぱいありました。

学校の理科クラブでも作ったというペットボトルのおもちゃも見せてもらいました。あのおもちゃの名称は何かしらと調べたら、浮沈子でした。

不登校生の初めての校長室訪問は、しらない間に校長室での理科の勉強みたいになっていました。帰る時に息子は磁石の石をもらって大喜び。

 「校長先生は、どこで、このおもちゃ達をみつけてくるのだろう。」わが家の子供たちの謎でした。
息子を魅惑した校長室のおもちゃは、不登校だった息子が学校に戻れた校長室登校1日目と共に楽しい思い出として残りました。

イギリスのクリスマスとクリスマス・ストッキング

イギリスに引っ越してから初めてのクリスマス。11月にはいるとイギリスは一気にクリスマスムード。どこのスーパーマーケットもクリスマスのギフト商品で店頭が飾られます。いつもはビスケットやキッチン用品のおいてある棚もクリスマス用のおもちゃでいっぱい。

そんな時に いつも買い物に行くイギリスの大手スーパーのテスコ(TESCO)で見つけました。 「あっ、これは校長室でみた不思議なおもちゃだ。」

校長室にある面白いもの  科学のおもちゃ プラズマボール
英国のスーパーで再会した校長室の面白いもの
プラズマ・ボール(Plasma ball)

校長室にある面白いもの プラズマボール ガラス球に手を当てると光が集まる
ガラス球に手を当てると光がかわる
普段はセール品が摘まれているストアの店頭に置かれたお買い得品のかごの中に
『ストッキング・フィラー(stocking fillers) 一律3ポンド』という札と共に、他のおもちゃと一緒にごちゃっと入っていました。

 英国では、クリスマスの時にサンタからのプレゼント用に用意する靴下をクリスマス・ストッキングと呼びます。ストッキング・フィラ―とは、メインのプレゼントの以外にクリスマス・ストッキングに入っている小さなプレゼント達のことです。だいたいお菓子やフルーツやナッツ、ちいさなゲームなどがストッキング・フィラ―として使われています。

イギリスの子供たちは、サンタがおいて行ったプレゼントを見るために、12月25日のクリスマスの朝には、早起きしてクリスマス・ストッキングの中身をチェックします。クリスマス・ストッキングのそばには、イブの夜にクリスマス・ストッキングと一緒に用意しておいたサンタとトナカイ用のワインと人参。ちゃんとサンタが来た証拠に、ワイングラスは空になっていて、人参もかじられています。

 メインのおもちゃも嬉しいけど、それ以上に息子が喜んだのが、ストッキング・フィラ―のこの不思議な球体。「校長室で見たやつだぁ。手をおくと稲妻が動くんだよ。でも、どうやってサンタはこれを手に入れたのかなぁ。」と不思議がる息子。

今年も11月に入った途端に、街はクリスマス・デコレーションで着飾り始め、スーパーでもクリスマスプレゼント用の商品がひしめいています。

 先日、ふと立ち寄ったスーパーで「また、見つけた。校長先生の不思議なおもちゃ。」
あの「銀色のUFOみたいなやつ」をゲット。
校長室の面白いもの 科学のおもちゃ 3Dミラスコープ
またまたみつけた校長室のおもしろいもの
3Dミラスコープ(table top hologram scope)


 「どこでみつけられるのかなぁ。」と長年謎だった校長室の面白いもの。イギリスで見つけることができました。

あと何個みつけられるかな。

見つける度に、日本の小学校での楽しい経験を思いだせるね。つらくて大変だった不登校時代。でも、いろんな人との触れ合いや楽しい経験もあったことを忘れないで。



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2013年9月15日日曜日

正式な不登校生 校長先生の家庭訪問

校長先生お勧めの絵本

校長先生が、息子に会う為にわが家を訪問された時に、一緒に絵本を持ってきてくれました。

ドロシー・マリノの『くんちゃんのだいりょこう』
こぐまのくんちゃんが、秋に南の国へ飛ぶ立つ渡り鳥の後を追いかけて、冒険に出ようとする話です。
心配するお母さんぐまを家において、一人で出かけてしまう息子の話。

 学校に行けずに、家にこもっている息子をもつ母としては、
 『独り立ちできる息子をもったくんちゃんのお母さんがうらやましい。』
 『校長先生は、この本を、不登校の息子でなく、親の為に選んだのかしら?』とまで思ったりして。

校長先生お勧めの絵本 ドロシー・マリノ作 くんちゃんのだいりょこう
絵本ドロシー・マリノ作 くんちゃんのだいりょこう

校長先生の初めての訪問

30日以上の不登校により、息子が正式な不登校生になった時、初めて校長先生の家庭訪問がありました。
この校長先生の家庭訪問があった後は、それまで、小学校に戻れない息子と模索していた毎日が、大きく変わったような気がしました。

だからといって、不登校の息子が、毎日学校に通うようになったわけではありません。
息子は、それから3年後にイギリスへ転校するまで、自分のクラスルームで同級生と一緒に授業を受けることはありませんでした。

それでも、不登校生になったことで悩んでいた私達の気持ちに、大きな展開があったと思ったのは。。。

 1年生の1学期に学校を休み出してから、半年後には、1カ月近くの長期の休み続きとなり、正式な不登校生になるまでの間に、学校の担任の先生や副校長先生、スクールカウンセラーを含むいろんな教育関係の方に、息子のことを相談しました。


「今は様子を見ましょう。」とか「次にまたお母さんと相談しましょう。」とか不登校生について相談にのってくれたり、提案などしてくれたけど。。。

何かが違う?

『一つも息子が学校へ戻れるきっかけづくりにならない。』

焦りました。それ以上に、相談する相手に不信感がわいてきたり。

『息子という人間を、個人的に興味をもってくれた先生はいたかしら?』
『息子がどのような人間なのか、よく知っているのかしら?』

 担任の先生が訪問に来ても、トイレに隠れてしまって会わなかった息子。

<自分が何に興味を持って、どんな考えを持っているのか。>
小学校1年生の1学期から学校を休みだし、自分をアピールする間もなく、学校へ行けなくなってしまった息子。

校長先生と息子のおしゃべり

わが家を訪問した校長先生と息子は、自宅の居間に貼ってあるポスターの恐竜の話をしたり、先生が持ってきてくださった絵本の話をしたり、いろいろなことを話していました。

最初は、緊張していたように見えた息子でしたが、彼の興味を引きだすような質問に、安心したのか、しっかりと質問に答えたり、自分の意見を伝えたり、楽しいおしゃべりをしている様に見えました。

「学校にどうしてこないの?」とかいう質問もなく、学校のことに触れる話は出ませんでした。

 息子がどんなことに興味を持っているのか、彼の頭の中はどんなことが詰まっているのか。
彼の思想の引き出しを開けるような楽しい会話でした。

わずかの短い時間の中で、息子のことを「面白い子だ。」と感じてくれた先生。
 『息子の人間性に興味を持って接してくれた先生』と母は感じました。

 息子と話をした後に、母親に語られた校長先生の言葉。

「息子さんは、いろんなことに自然に探究心を持って、一人で勉強して吸収できるお子さんです。家で本を読んだりテレビをみたり、外を歩いていろんなところから自然に学んでいくでしょう。学校に来れなくても、彼は一人でも勉強して、社会に出る為に必要な知識はつけていくでしょう。心配しなくても大丈夫です。」

「私も、そうだと思っています。そういう意味では息子のことは心配はしてません。」 と答えた私でしたが、

 『いえいえ、先生。それでも、他の子と同じように学校に通ってほしいのですが。』
 心の中では、おもわずそうつぶやいた私でした。

不思議なことに、この時の校長先生の言葉は、この後もずーっとクラスで授業を受けることがなかった子供を持つ母親の大きな励みになりました。

 『息子のことを理解してくれた先生が小学校にいる。』

共感できる先生が一人でも学校にいるという思いは、
「この先生のいる学校なら、息子は学校へ戻れる。」という思いにつながりました。
頼みの綱がようやく見つかったような気がしました。

校長先生の面白いもの

息子も校長先生に対して共感を感じたみたいでした。

帰り際に校長先生から「校長室には、今話したような面白いものが、いっぱいあるから見においで。」と誘われて、 「『校長室にあるおもしろいもの』を見に行くだけなら学校へ行けるかも。」と息子は思うようになったのでした。

「学校に来るのが無理だったら、また、校長先生が遊びに来てもいいけど。」と提案もしてくれましたが、校長先生の家庭訪問は、この日1日で終わりました。

 この初めての校長先生の家庭訪問の後、息子は週に1回校長室に訪問するようになったのでした。



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2013年8月30日金曜日

英国の特別支援 イギリスの小学校

通知表の不思議

不登校で日本では勉強もなかなかできなかった息子が、
アルファベットも間違えずに書けなかった息子が、

イギリスへ転校して、わずか1年と2カ月で、イギリスの6年生と同じ学習レベルに達成できたと言うのはどうしてなのだろうか。

 小学校6年生学年末の通知表を見て、とても不思議に思いました。 

やはり、これはひとえに、イギリスの特別支援システムのお陰だろうと思います。

息子は、日本の小学校5年生になる春に、イギリスの小学校に転校しました。
 そして、イギリスの小学校で、息子はSENの生徒になりました。

 イギリスでは、特別支援は、Special Education Needs と言います。
これは、特別教育の必要性(特別教育支援)ということで、
特別な教育が必要な子へのサポートという意味です。 

日本で、不登校生の息子は、特別支援学級の生徒でもありませんでした。

 引っ越してから数週間後、ようやく近所の小学校に入学できることが決まり、
「不登校生だったことを言うべきか。」悩みました。 

転校したからといって、息子が登校できるとは限りません。
これが理由で、日本でも、他の学校に転校することをためらっていました。 

「英語での教育を受けてないどころか、日本でも小学4年生修了の学力には程遠いし、通えない可能性が大きい。」
 不登校生だったことを伝える為に、転入前に、親だけで学校に面接に行きました。 

面接した副校長先生は、息子が不登校生だと言う話を聞いた後、一言。

「息子さんは、特別支援の生徒としてのサポートが付きます。」 

そして、こう説明してくれました。

「でも、これは彼が不登校生だったということに関係なく、彼が英語圏以外の国から来た転校生だからということでつくサポートです。」 

「イギリスの特別(教育)支援は、身体的障害から学習障害・発達障害、海外からの転校生まで幅広く含まれます。」 

「だからと言って、サポートの内容に制限が付くわけではありません。サポートの内容は、この学校の特別支援のコーディネータが決めます。」

「この学校には、SENの資格を持つ教師は数名います。私もSENの資格を持つ一人です。つまり息子さんはどのようなサポートが必要かは、この学校の教師が決めて行きます。」

SEN(特別教育支援)のクラスメイト

イギリスの学校は、特別支援の子供は、特別に先生が一人つき、普通学級のクラスで勉強します。

 つまり、クラスに一人でも特別支援の子供がいると、そのクラスには、担任のほかにもう一人の先生が付くわけです。

 この面接の時に、娘が通っていたロンドンの小学校のことを思い出しました。 

娘のクラスには、学習障害(LD)の子がいました。
彼のためにアシスタントの先生がついていました。

学習障害があるからと言って、いつも先生が必要だとは限りません。
その子が、一人でできるアクティビティの時には、その先生は、クラスの他の生徒達のことの面倒をみてくれました。 

クラスに学習障害のある生徒がいても、先生が多くなれば、そのクラスの他の子たちもその恩恵を受けるわけです。 

娘のクラスメイトのイギリス人のお母さんが言った言葉を忘れられません。

 「(学習障害のある)○○君がいるから、うちの子のクラスには、アシスタント・ティーチャー(先生)がつくからラッキーね。」 

こうして、息子は特別支援SEN)の生徒として、

教室で、アシスタントの先生についてもらって、クラスメイト全員と一緒に、

あるいは、別の部屋で、個別に一人の先生と、

時には、少人数グループの取り出し授業など、

いろいろな形のサポートを、イギリスの小学校で受けていったのでした。




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2013年8月12日月曜日

英国の通知表 小学校最後の通知表


卒業する数日前に息子が学校からスクールレポート(通知表)をもらって帰ってきました。
 「うれしい。息子に読んであげられる部分がいっぱいある。」
 日本の小学校では、1年生の時を除いて、通知表の最初のページ(各教科の評価のあるページ)は、真っ白でした。クラスで授業も受けていないので、仕方ないですよね。
それでも、コメントの欄には、担任の先生方が、息子についての暖かな言葉を書いてくださっていたので、なるたけ息子には見せないようにしながら、その部分だけを読んであげていました。
といっても、先生から息子に直接手渡されていることもあって、全く見せないと言うのは、無理なのですが。

英国の通知表:School Report

英国では、通知表は、学校からの報告書ということで、スクールレポートと呼ばれています。
親に渡されるのは、年に1回、 年度末の7月に渡されます。
To the parents/Guardian of 息子の名前”と書かれた封筒に張っていて、親より先に生徒が見れないように、ちゃんと封がしてありました。(これも嬉しかったです。)

英国の通知表は、日本と違って、特別な紙で作ってある冊子ではなく、普通のA4のコピー紙に、ずらっーと教科別にコメントが書いてあるだけ。

 このコメントの欄の枠も決まってなくて、「好きなだけ書きました。」みたいな感じに10行以上びっしり書いてある教科もあれば、数行で終わる教科もあって、とっても自由。
最後のページには、担任の先生のコメントと校長先生のコメントとサインが入っています。

 小学校の通知表で、スコアの評価が付してくるのは、SATsテストと呼ばれる全国統一試験の行われる2年・6年生だけ。
それも、試験科目の英語、算数、理科の評価だけで、その他の学年は、このコメントだけの通知表をもらいます。
(ウェールズは、ちょっと違って6年生だけ試験があり、評価科目にウェールズ語も入ります。)


成績表のコメントの書き方:From tutor comments

 今回息子がもらってきた通知表には、それはすばらしい表現がいっぱい書かれていました。

息子の成績表を、私より先に読んだ義理の母は、
「涙をなくして語れない。」と、ハンカチで目を拭きふき。
 
そのすばらしいコメントの一部をご紹介。
 
「英語での学校教育がたった2年目とは思えない。」(英語)
「今年のプロジェクトの中で、彼は本当に輝いた。」(Art
「デザインのプロジェクトでの彼のアイデアは、オリジナルで、独創的である。」(デザイン)
「とても熱心な地理学者である。」(地理)
「熱心で才能のあるスポーツマンであり、体育の教科において、すべての部分で、すばらしいパフォーマンスを見せ、よいコントロール、スピード、体力、強さ、バランスを見せてきた。」(体育)
「第2次大戦のリサーチにおいて、グループの一員として、また、単独でも効果的な調査を行って、歴史に深い興味と熱意を見せた。」(歴史)
「ウェールズ語に触れたのが初めてにも関わらず、彼の語学の進歩は驚くべきである。
その素晴らしい態度と授業へ意欲的な取り込みは賞賛すべきである。」(ウェールズ語)

最後の担任の先生からのコメントでは、「彼は、家族にとっての誇りで、我が校の財産であることを証明しました。」とまで書いてありました。

ここまで言われたら、おばあちゃん泣くよね。

日本人の私は、最初にコメントを読んだ時、感激するというより、
英語で言うと a little overkill”っていう感じで、ちょっと引いてしまいました。

コメントの通知表と一緒に入っていたAssessment Results(学習達成結果)のスコアの紙。

これをみてびっくり。

彼の6年生の英語、数学、理科の3教科の成績は、英語のスピーチを除いて、すべてレベル4と記されていて、6年生修了時の学習達成レベルをクリアしていました。


学習達成スコア表:Assessment results



学習達成レベルと言うのは、ナショナルカリキュラム(National Curriculum)と呼ばれている日本で言う学習指導要領をもとに作られている学習の達成目標なのです。
各学年ごとでなく、2年生(7歳児)、6年生(11歳児)、9年生(14歳児)の修了時に求められている達成目標です。
6年生だとレベル4をクリアしていたら、OKという具合です。

 学習達成目標が、毎年でなく、とびとびの所がいいですね。

1年でできなくても、数年かけてのんびりと達成できればいいよ。」と言うことでしょうか。

小学校最後の通知表は大きな成功の物語 


 日本では、小学校2年生から、クラスで授業を受けることができず、家でも勉強をするわけでなく、これからもずーっと、学力はおぼつかないと思ってました。

英国に来て、教室でクラスメイトと一緒に楽しく勉強できるようになっただけでなく、1年と数カ月で、勉強もなんとかなると分かったわけです。

親としては、喜びよりも驚き。驚きよりも不思議。

不登校だったというだけでなく、日本から転校してきて、アルファベットもまともに書けない生徒が、わずか12カ月で、小学校修了時の学力に達っするという成果をあげた。
これは、英国の小学校の先生方にとっても、成功例だったのでしょう。

通知表の最後に書いてあった副校長先生からのコメントは、

「転校してきた日のはずかしがり屋な彼を知っている私たちにとっては、
今の人を引き付ける笑顔と自信を持った明瞭な態度の彼は、大きなサクセス・ストーリーです。」

とありました。




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学習達成スコア表 (Assessment results)
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