自己紹介

自分の写真
Wales, United Kingdom
日本と英国を行き来する2人のバイリンガルキッズの母。ロンドンで生まれた子供たちを連れて日本へ。横浜で英語で創作絵本を作るキッズ・クリエイティブ・ライティングの教室を開き、英語の絵本の出版。小学校で不登校になった息子を連れて、またまた英国へ。イギリスの自然と息子のテニス・トーナメントの応援と野菜作りを楽しむ日々を過ごしていましたが、社会人学生として大学に入学。

2013年9月15日日曜日

正式な不登校生 校長先生の家庭訪問

校長先生お勧めの絵本

校長先生が、息子に会う為にわが家を訪問された時に、一緒に絵本を持ってきてくれました。

ドロシー・マリノの『くんちゃんのだいりょこう』
こぐまのくんちゃんが、秋に南の国へ飛ぶ立つ渡り鳥の後を追いかけて、冒険に出ようとする話です。
心配するお母さんぐまを家において、一人で出かけてしまう息子の話。

 学校に行けずに、家にこもっている息子をもつ母としては、
 『独り立ちできる息子をもったくんちゃんのお母さんがうらやましい。』
 『校長先生は、この本を、不登校の息子でなく、親の為に選んだのかしら?』とまで思ったりして。

校長先生お勧めの絵本 ドロシー・マリノ作 くんちゃんのだいりょこう
絵本ドロシー・マリノ作 くんちゃんのだいりょこう

校長先生の初めての訪問

30日以上の不登校により、息子が正式な不登校生になった時、初めて校長先生の家庭訪問がありました。
この校長先生の家庭訪問があった後は、それまで、小学校に戻れない息子と模索していた毎日が、大きく変わったような気がしました。

だからといって、不登校の息子が、毎日学校に通うようになったわけではありません。
息子は、それから3年後にイギリスへ転校するまで、自分のクラスルームで同級生と一緒に授業を受けることはありませんでした。

それでも、不登校生になったことで悩んでいた私達の気持ちに、大きな展開があったと思ったのは。。。

 1年生の1学期に学校を休み出してから、半年後には、1カ月近くの長期の休み続きとなり、正式な不登校生になるまでの間に、学校の担任の先生や副校長先生、スクールカウンセラーを含むいろんな教育関係の方に、息子のことを相談しました。


「今は様子を見ましょう。」とか「次にまたお母さんと相談しましょう。」とか不登校生について相談にのってくれたり、提案などしてくれたけど。。。

何かが違う?

『一つも息子が学校へ戻れるきっかけづくりにならない。』

焦りました。それ以上に、相談する相手に不信感がわいてきたり。

『息子という人間を、個人的に興味をもってくれた先生はいたかしら?』
『息子がどのような人間なのか、よく知っているのかしら?』

 担任の先生が訪問に来ても、トイレに隠れてしまって会わなかった息子。

<自分が何に興味を持って、どんな考えを持っているのか。>
小学校1年生の1学期から学校を休みだし、自分をアピールする間もなく、学校へ行けなくなってしまった息子。

校長先生と息子のおしゃべり

わが家を訪問した校長先生と息子は、自宅の居間に貼ってあるポスターの恐竜の話をしたり、先生が持ってきてくださった絵本の話をしたり、いろいろなことを話していました。

最初は、緊張していたように見えた息子でしたが、彼の興味を引きだすような質問に、安心したのか、しっかりと質問に答えたり、自分の意見を伝えたり、楽しいおしゃべりをしている様に見えました。

「学校にどうしてこないの?」とかいう質問もなく、学校のことに触れる話は出ませんでした。

 息子がどんなことに興味を持っているのか、彼の頭の中はどんなことが詰まっているのか。
彼の思想の引き出しを開けるような楽しい会話でした。

わずかの短い時間の中で、息子のことを「面白い子だ。」と感じてくれた先生。
 『息子の人間性に興味を持って接してくれた先生』と母は感じました。

 息子と話をした後に、母親に語られた校長先生の言葉。

「息子さんは、いろんなことに自然に探究心を持って、一人で勉強して吸収できるお子さんです。家で本を読んだりテレビをみたり、外を歩いていろんなところから自然に学んでいくでしょう。学校に来れなくても、彼は一人でも勉強して、社会に出る為に必要な知識はつけていくでしょう。心配しなくても大丈夫です。」

「私も、そうだと思っています。そういう意味では息子のことは心配はしてません。」 と答えた私でしたが、

 『いえいえ、先生。それでも、他の子と同じように学校に通ってほしいのですが。』
 心の中では、おもわずそうつぶやいた私でした。

不思議なことに、この時の校長先生の言葉は、この後もずーっとクラスで授業を受けることがなかった子供を持つ母親の大きな励みになりました。

 『息子のことを理解してくれた先生が小学校にいる。』

共感できる先生が一人でも学校にいるという思いは、
「この先生のいる学校なら、息子は学校へ戻れる。」という思いにつながりました。
頼みの綱がようやく見つかったような気がしました。

校長先生の面白いもの

息子も校長先生に対して共感を感じたみたいでした。

帰り際に校長先生から「校長室には、今話したような面白いものが、いっぱいあるから見においで。」と誘われて、 「『校長室にあるおもしろいもの』を見に行くだけなら学校へ行けるかも。」と息子は思うようになったのでした。

「学校に来るのが無理だったら、また、校長先生が遊びに来てもいいけど。」と提案もしてくれましたが、校長先生の家庭訪問は、この日1日で終わりました。

 この初めての校長先生の家庭訪問の後、息子は週に1回校長室に訪問するようになったのでした。



ランキングに参加しています。良かったら下のボタンを押してください。

にほんブログ村 子育てブログ 不登校・ひきこもり育児へ 
にほんブログ村 海外生活ブログ イギリス情報へ にほんブログ村 テニスブログ ジュニアテニスへ


0 件のコメント:

コメントを投稿