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日本と英国を行き来する2人のバイリンガルキッズの母。ロンドンで生まれた子供たちを連れて日本へ。横浜で英語で創作絵本を作るキッズ・クリエイティブ・ライティングの教室を開き、英語の絵本の出版。小学校で不登校になった息子を連れて、またまた英国へ。イギリスの自然と息子のテニス・トーナメントの応援と野菜作りを楽しむ日々を過ごしていましたが、社会人学生として大学に入学。

2013年9月3日火曜日

イギリスの試験 日本語のGCSE

イギリスの義務教育修了試験


11歳の息子が6月に日本語のGCSEを受けました。

 GCSEとは、The General Certificate of Secondary Educationという英国の中学卒業時の全国統一テストです。 

イギリスでは、中・高等学校では、入学試験でなく、修了試験が行われて、その試験の結果をもって、就職したり、大学への進学が決まります。

中学卒業時の16歳の時に受けるのが、このGCSE義務教育修了試験)。

イギリスでは、10年生と11年生(14歳から16歳)の間が準備期間で、11年生の学年末6月に試験を行います。

そして、同じような準備期間を得て、18歳の高校卒業時に受けるのが、A レベルと呼ばれているGCE Advanced Levelという試験になります。


科目は、英語、算数、理科、社会、歴史等が、必須や一般的な選択教科で、音楽、美術、体育、外国語などの教科も選択することができます。

日本語もModern Languageの外国語として、GCSEとAレベルの選択教科になっています。

ところが、この修了試験は、必ずこの歳で受けないといけないというものでなくて、何歳でも受けれるんですね。

実際、学校で勉強してなくても受けれます。 

ということで、息子は英国に引っ越してから1年目に、GCSEの日本語の試験を受けました。

通っている中学や高校で受けれる一般の受験者(中学生・高校生)とちがって、外部受験者(Private Candidate)は、受験できる試験場を探さないといけません。

これが結構やっかい。

 フランス語とかヨーロッパ語だと、外部受験もできる所が多いのですが、 幸い、14歳の姉の通っている私立校では、「学校で教えていない日本語の科目のGCSE試験を、学校内で受験できます。」という許可が出ました。

この学校で、この年、日本語のGCSEを受けるのは娘一人。
別の時期に、息子だけが受験するとなると、外部受験をさせてもらえないかも。
ということで、思い切って、姉弟の二人の受験申込をしました。

 義務教育修了試験と言っても、英国でまったく日本語を話したこともないイギリスの中学生が2年間かけて勉強した成果を試験するものなので、生まれた時から日本語を話して、日本に6年間住んでいた当家の子供たちにとっては、難しいものではないかもしれません。

それでも義務教育修了試験の資格の意味は大きいので真剣です。 

日本で小学校1年の3学期からまったくクラスで普通の授業を受けていない息子にとっては、どんな試験になるのか。

とても不安でした。 

字を書くのが苦手だった息子。

自分の名前も漢字で書けないのに、大丈夫だろうか。 
(娘いわく、「過去の試験用紙をみたら、名前は英語で書くみたい。」ということで、この問題はクリアしたのですが。) 

「本人が受けたくないといったら、すぐにやめよう。」という主人の提案で、受験の申し込みをしました。

 ドキドキだった試験日。平日の9時から姉の学校へ一緒に通学。

GCSEは、リーディング(Reading)、ライティング(Writing)、スピーキング(Speaking)、 リスニング(Listening)と4つの試験があります。

 試験日1日目は、スピーキングテストで、日本語の先生とのインタビューでした。

 インタビューした先生からも「大丈夫でしょう。」と言われて、悠々自適で試験会場から出てきた息子。
 読み書きとヒアリング試験は、別の日と言うことで、とりあえず、1日目終了。

 問題は、読み書きのテスト。
各試験とも1時間から2時間という長丁場。

 「息子は2時間も座って試験ができるのだろうか。」と不安は募るばかり。 

日本で不登校だった時、家で勉強させようと思っても、鉛筆を持ったままフリーズしてしまう息子。
自分の名前を漢字で書くこともできません。
日本語での筆記テストなんて、今までやったことあったかしら。。。 

娘から「文章読解のリーディングのテストは、答えは選択式だから、字を書かなくても大丈夫よ。」と言われてちょっと自信が出てきた息子。

 試験2日目は、残りの3つのテストを続けて行われます。
「時間も長いし、問題ができなかったらどうしよう。」とさすがに心配顔の息子。

『さすがに、筆記の試験の今日は、行けないかな。』と思う母の予想を裏切り、
「なんとかなるよ。」と言いながら、元気に家を飛び出して行きました。
何ともない言葉に聞こえますが、不登校の時には、息子の口から聞いたこともない力強い言葉でした。

 高いハードル 低いハードル 

帰って来た息子は、「ヒアリングの試験は、とっても簡単だったよ。試験のテープの声が、すごくゆっくりしゃべるから、笑っちゃったら、『笑わないように。』と、試験官の先生に怒られちゃった。」

「でも、エッセイを書くのは無理だね。あれ。だって、商品の広告を書けなんていう問題で、11歳の子供にはできないでしょう。」と涼しい顔で話してくれました。 

「おいおい。」と心で思った母ですが、でも、何よりも試験にチャレンジできただけでもよかろう。

 「また、来年も受けるんだ。それまでに、漢字をもう少し書けないといけないなぁ。」と来年の試験を楽しみにしている息子。

 『人生には、何度でもチャンスはあるんだ。』と、ようやく思えるようになれたのかな。 

自分の名前を書こうとして鉛筆を持ったまま、一文字も書けずにフリーズしていた息子。

不登校の時、担任の先生から「ハードルを自分で高くしないでごらん。」と言われた息子。
 どうやってハードルを低くしたらいいかわからなかくて、ずいぶん悩んでいたよね。

 イギリスに来てから低いハードルをいっぱい飛んで、知らない間に高いハードルも平気で飛べるようになったね。


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2 件のコメント:

  1. 学校やテニスを通して、だんだんと自信がついてきたのかな?
    日本語のテストを女子校で受けるなんて、うちの息子達なら逃げ出してたかも。
    3月に帰国された時、いきなり変身した彼に会って、少しビックリでしたが、こうやって少しづつハードルを越していったのね。
    次に会うのが今から楽しみです。

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    1. ありがとうございます。GCSEの結果もでました。また、ブログでお伝えしますね。

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