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日本と英国を行き来する2人のバイリンガルキッズの母。ロンドンで生まれた子供たちを連れて日本へ。横浜で英語で創作絵本を作るキッズ・クリエイティブ・ライティングの教室を開き、英語の絵本の出版。小学校で不登校になった息子を連れて、またまた英国へ。イギリスの自然と息子のテニス・トーナメントの応援と野菜作りを楽しむ日々を過ごしていましたが、社会人学生として大学に入学。

2016年6月29日水曜日

ウインブルドンへの道 英国のジュニアプレイヤー

 The Road to Wimbledon

今年もウインブルドンテニス大会が始まりました。
6月に入り英国のサマーを感じさせる気候になるといよいよウインブルドンの季節が来たなと思います。

毎年行われるウインブルドンのセンターコート、No.1コートへのチケットの抽選に間に合わず今年はウインブルドンには行くことないかなと思っていた6月の中旬に英国テニス協会(LTA)から手紙が送られてきました。

ウインブルドンへの道 英国のテニス大会 英国のジュニア選手なら手に入れられるウインブルドンへの道
LTAからの招待状


英国テニス協会からのジュニア選手への手紙

 Dear Playerと始まる手紙はタイトルは『ウインブルドンへの道(The Road to Wimbledon)』というテニストーナネメントの地域ファイナル戦への招待状でした。

このトーナメントはその名のごとく、英国のより多くのジュニアプレイヤーにウインブルドンを目指してもらいという英国テニス協会の計らいで行われています。

全国の学校、テニスクラブ内で選抜トーナメントが行われ準決勝、決勝戦はロンドンにあるあのウインブルドンテニスクラブでおこなれます。今、錦織、ジェイコビッチ、マレーがプレーしているあの芝生のコートでプレイできる機会が与えられるのです。

去年は同じテニスクラブの友達がこの大会でウインブルドンへ行き5日間にわたってあの芝生のコートでプレイしてきました。

このトーナメントの出場資格は個人レートが7.1以下の14歳以下のジュニアプレイヤーのみ。学校およびLTAのテニスクラブでこのトーナメントに参加している場合のみ。地区ファイナル戦への参加は学校かクラブの代表プレイヤーということになります。

(14歳以下で個人ポイントが7.1より高い場合はRoad to Wimbledon国際大会参加可能。この場合は個人で直接英国テニス協会のウェッブサイトから直接申し込み。)

LTAからの手紙の宛先は息子。
個人戦にあまり参加していない息子。もちろんこの大会への出場権もこの手紙を持って初めて知りました。なぜ?と不思議がる私たち。

根気よく育てるジュニアテニス

英国へ渡ってから本格的にテニスのレッスンを始めた息子を見続けてきたクラブのテニスコーチ。

多くのジュニアプレイヤーを国際大会に送り込んだベテランコーチは、息子の成長を根気強く見守ってくれます。

グループレッスンに入らない彼を待ち続けてくれた彼。
個人戦で上手くいかない息子をしばらく休ませたらと声をかけてくれたのも彼。
ダブルスなら活躍する場が広がるとジュニア選手とベテラン選手をつなぐクラブチームを作ったらと提案してくれたのも彼。

このウンブルドンへの道も彼の推薦でした。


長い目でみて、根気よく選手の力を作っていく。早ければ5歳から始まるジュニアテニス選手のトレーニング。

他のクラブではプロを目指し世界大会を目指すも10代半ばで諦めるジュニア選手も多くいるというコーチ。

アンディー・マレーがジュニア時代。地元で活躍していた彼の周りには同じように力のあるジュニア選手が多くいました。その中から出てきたスパースター。

力のあるジュニア選手がいっぱい居る環境があれば世界に活躍する選手が出てくる。

長年地元のクラブで育ったジュニア選手たちが毎年世界を目指して各地へ散らばっていきます。
花形ジュニア達がいなくなり、一瞬ぽっかり穴が開いたように寂しくなる地元クラブ。
「次に地元クラブで活躍してくれるジュニア選手たちはいるのかしら。」
と心配するのもつかの間。

この間まで小さくってサーブも上手く打てなかったジュニアたちが、いつの間にか周りの大人のクラブプレイヤーよりも背も高くなりサーブも強くなっていました。
世代交代とばかりすばらしいテニスを見せてくれるようになってクラブを盛り上げてくれるティーンエージ選手達。

一人二人のトッププレイヤーを作るだけではクラブの繁栄やテニスの世界は広がっていかないと根気に見守るベテランコーチの元でジュニア選手の厚い層ができるのでした。

世界ランキング772位で、いまだにクラブプレイヤーとしても活躍しているマーカス・ウィルス(Marcus Willis)が今年のウインブルドン第1日目にランキング54位の相手を負かした。

ウインブルドンは子供の頃から夢だったというマーカス。

結果が出ないからと諦めないでチャンスはいつ来るかわからない。
 英国のテニスシーンはこれからかも。



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参照
関連した記事:

2016年2月29日月曜日

不登校生と引きこもり フリースクールへの助成金

不登校生と引きこもり

小学校1年の息子が不登校生になり始めた頃は 学校以外でも勉強できる方法はあるのではと両親で息子を連れて博物館などに連れて行っていました。

毎日のように電車に乗ってこんな博物館があるのかと思うような場所へ行ったり。

小さいながらにも親の頑張りがわかるのか興味深かそうに見学する息子。
時には目をキラキラさせて自分の考えを語る息子を見ると胸の痛みが少しは和らぐのですが、その反面こんなにいろんなことに興味を持って向学心があるだから学校に通っているお友達のように勉強できればさぞ学力がつくだろうと思う両親でした。

そんな思いもあり両親との課外授業の際の息子の様子を学校の先生に話したら、
「学校の授業時間はできるだけ家で勉強させてください。」
「基本的に学校にいるべき時間なのであまり外に連れて出ないよう。」と言われてしまいました。

「そうかぁ。」と反省しながら、「先生に学校の授業中はお家で勉強してと言われたからこれからはあんまりママたちと課外授業できないね。お家で本とか読んでようね。」

気軽な気持ちで先生のアドバイスを伝えた母でしたが、息子はその言葉を何倍も強く受け取ったのでした。

その日から息子は外に出なくなりました。

庭に出るのも嫌がるようになり。どうしても連れて出かけないといけない時も車で外出しても車の窓より自分の頭が出ないように顔を隠すように座るようになった息子。

これじゃいけないと慌てた母親。

どうしてもと嫌がる息子を連れて散歩に出かけました。
 のんびりとした昼下がり家からわずか数メートルのところで慌てて着ているパーカーのフーディで頭を隠し下を向いて歩く息子。
『小学生なのに学校に行ってない僕は外も歩いちゃいけないんだ。』
『誰にも僕が不登校生だとわからないように隠さないと…』
その姿は息子の気持ち語っているようでした。

 まだ8才なのになぜ。悲しみよりも怒りが。
 反射的にフーディーを彼の頭から引き降ろし怒鳴った母親でした。

「学校に行かないからといって犯罪者のように顔を隠して下を向いて歩くことはない。」 「自分に自信を持って上を向いて歩きなさい。」
 理性を失って息子を叱ったのはこの時だけだったかも。。。

 学校に行けるかどうかどころじゃない。
その日から息子が引きこもりにならないように今日もこれからも社会の人と触れ合うことができるようになるにはどうしたらいいかが両親の問題点となりました。

 相変わらず外出を嫌がる息子をいろんな口実をつけては外に連れ出す母。
お昼ご飯を食べに初めて立ち寄ったラーメン屋さん
「あれ、学校は?」と聞かれてびくっとする息子。
 どう答えたらいいかわからず下を向く息子に、
「今日はお休みしたのね。昨日もお休みしたのね。明日は学校行けるかなぁ。行けたらいいね。」と答える母。
『あぁ、そうか。』と納得顔のラーメン屋のおじさん。
「俺だって学校いけない時があったけど、今はこうやって立派に商売しているんだから。」 と励まされた息子。

 外出先で小学生の息子が
「学校はお休み?」「学校はどうしたの?」と聞かれる度に
「不登校ですから。」とあっけらかんと答える母。

不登校生とわかったら叱られるおもっている息子に、
「早く学校に行けるようになるといいね。」
「いつか学校に戻れるからね。心配しないで。」
「大変ね。頑張ってね。」
社会で触れ合う人たちからは励ましの温かい言葉ばかり返ってきました。

まもなくして息子が顔を隠して歩くことはなくなりました。

出会った見知らぬ人たちからは温かい言葉ばかりをいっぱい受け取った 私たち親子はもしかしたらラッキーだったのかもしれません。

不登校から引きこもりよく聞く言葉ですが、不登校になったからって自分を責めて社会をさらに小さくしないで欲しい。君が安心していられる場所、君を受け止めてくれる場所はこの社会の中に必ずあるはずだから。
このメッセージをいま自分を責めて辛い思いをしている不登校生に送りたいです。


フリースクールへの助成金 

不登校生を持つ家庭への経済的な支援が政府によって行われるようになりました。
2015年12月からフリースクールへ通う不登校生の家庭で生活の苦しい家庭には助成金による支援がされます。

フリースクールへの助成金 東京シューレ シューレ大学 (photo文部科学省HP)
シューレ大学 自分研究 (写真:文部科学省)
全国に少なくとも474あると言われるフリースクール。

 30年以上不登校生を支援しているフリースクールの東京シューレによると
『1980年代から考えると現在、フリースクールの数は増えているが、社会全体の不登校や引きこもりの子どもに対する視線は変わらない。』
『不登校の子どもがフリースクールに通うことに対し、在籍する学校の先生方や近隣の理解が得られず、心理的に追い詰められる家庭もある。』


 国からのフリースクールへの助成金などの支援策により不登校生を持つ家庭への経済的な支援の意味だけでなく、この動きから不登校生に対するまわりの考え方や認知の仕方が変わっていけばいいな。

そして、「不登校生だから。。。」と顔を隠して歩いたり、自分を追い詰める子供たちの数が少なっていけばと願っています。


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関連する記事:

参照:
朝日新聞 「フリースクール費補助6億円補正案 政府が不登校生支援」2015年12月17日
文部科学省 特定非営利活動法人 東京シューレ 「学校だけが育つ場所でない。」

2016年1月6日水曜日

イギリスの不登校生

不登校生とフッディー 

フード付きのパーカーはHoodie(フッディー、フーディー)と言ってイギリスでは一時フットボールフーリガンや不良のシンボルとして良いイメージが無かったのですが、今ではそんなイメージも薄れてきて相変わらずファッションとして人気のアイテムです。 

息子も幼稚園の頃からフーディーが大好きでした。
でも不登校生になってからのある日、外出時にこのフーディーで頭をすっぽりと隠すようになりました。

まるで何か悪いことをしているかのように自分の顔を隠すように下を向き歩く小学生の息子。
その息子の姿は不良としてメディアで取り上げられていたイギリスの青年たちを思い出させました。

その後、同じように自分の顔を隠すようにフーディーや帽子をかぶっている不登校生の子供達を見ることがありました。

まるで悪いことをしているようになぜ顔を隠さないといけないの。
不登校生の親の心が一番痛む時でした。 

イギリスの不登校生 

「ディスレクシアって知っていますか?」と聞かれたのは日本語レッスンのボランティアに行った時。 

学校が怖くて行けないスクールフォビア(School Forbia)になったことがある子供達は5人に一人いると言われているイギリス。

「英語だとコミュニケーションがうまく取れないので学校に行っていないの。」と紹介されてたイギリス人の女の子は私が初めて会ったイギリスの不登校生でした。

いつも着てるというウォンジー(Onesie)のフードを深くかぶって現れた彼女は私に日本での不登校時代を思い出させました。

 週に1回の日本語のレッスンにお母さんと特別支援の日本人学生のサポーターに付き添われて参加している彼女。

学校に行かず人に会うことが苦手で外に出ることもままならない彼女。 
日本の漫画やアニメが大好きで日本語の勉強の為なら家から出かけることができることがわかり、 車で往復2時間かけて日本語のレッスンに連れてきていると話してくれたお母さん。

 日本語以外だとコミュニケーションができないからイギリス人のクラスメートとも会話ができません。 

ボランティアとしてクラスのサポートに入った日本人の私には「勉強が大好きです。」と日本語で答えてくれます。 

学校には行けないけど、家でお母さんが勉強を教えてくれると話してくれました。
「お母さんは頭がいいです。」と教えてくれました。 

彼女のノートに書かれた日本語はまるで印刷された字のように綺麗でした。 

2時間の日本語のレッスン中、娘さんに付き添ってずーっと隣に座っているお母さん。 時々、娘に日本語で質問されては「私にはわからないから振らないで。」と少し笑いながら英語で答えるお母さん。 

不登校時代にどこに行くにも一緒に息子に付き添っていた自分を見ているようでした。 

学校にこのまま行かれず将来どうなるのだろう。
先の見えないトンネルの中でなんとか少しでの将来に希望を持てることができたらと祈っていた毎日でした。

 会話のレッスンの為に机を挟んで向かい合って座っていた私でしたが、私の心はずーっとこの母娘の側にありました。

 日本の漫画の「One Piece (ワンピース)」が大好きという彼女。
息子の好きなHunterxHunter(ハンターハンター)の漫画の話をすると自分も好きだと嬉しそうに大好きなキャラクターの話をしてくれました。 

楽しい会話に夢中になっていてもふとフードの端に手をおいては深くかぶり直す彼女。
その度に私の心の隅が痛くなりました。 

イギリスで日本語を勉強するきっかけになるマンガ 大人気なのはOne Piece
 英国の日本語教室の生徒に人気のワンピースのマンガ

ディスレクシアや不登校を助ける日本文化

「彼女は英語でのコミュニケーションがダメだから英語だとメールもできないの。メールもコミュニケーションの一種だから。」と教えてくれた日本語教室の先生。

 「でも、日本語でなら会話ができることが分かったのよ。」
この間ロンドンのコミコンに行ってきた時に日本語なら他人と会話できることが分かったとお母さんが教えてくれたそうです。

日本語を通して娘が社会復帰できたらと将来への希望を持ち始めたというお母さん。 

「英語だとディスレクシアでも、日本語だと字を読んだり書いたりできるので日本語のレッスンに来ているイギリス人の人が結構います。」

「日本の漫画やアニメがきっかけで日本語に興味を持ってみたら、実は日本語ならディスレクシアの問題がないことが分かったりするみたい。」という先生の話。

 日本の文化がこんな風にイギリスの不登校生に楽しみを与えて社会へのつながりや将来への希望の手がかりになっていることは大変嬉しいことです。 

日本の文化がこんな風にイギリスの不登校生を楽しませて、社会へのつながりや手がかり、将来への希望を与えていることは日本人の私には大変嬉しいことです。 

これからも日本の文化が海を越えディスレクシアや学習障害で困っているイギリスの子供達をより多く助けることができたら。 

そして、この子たちのためにも日本語のGCSEやAレベルの試験がイギリスで続行されていくことを心の底から祈っています。


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関連する記事:




参照:
Netmums.com 「Is your child worried or anxious about going to school? - School phobia」2003年

テレグラフ紙  [My daughter refused to go to school - for five years」 2014年