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日本と英国を行き来する2人のバイリンガルキッズの母。ロンドンで生まれた子供たちを連れて日本へ。横浜で英語で創作絵本を作るキッズ・クリエイティブ・ライティングの教室を開き、英語の絵本の出版。小学校で不登校になった息子を連れて、またまた英国へ。イギリスの自然と息子のテニス・トーナメントの応援と野菜作りを楽しむ日々を過ごしていましたが、社会人学生として大学に入学。

2014年9月23日火曜日

ジュニアテニスとハングリー精神

 錦織選手とグランドスラム大会決勝戦

すごい。日本のテニス。

錦織選手が、今年2014年9月、全米オープンテニス大会決勝戦進出を達成しました。

日本で多くの方がテレビ中継を見ていたと思いますが、これはアジア人初の快挙とか。日本だけでなくアジアのテニスの歴史を塗り替えました。

そして、この9月に錦織選手の男子世界テニスランキング(ATPランキング)は第6位になりました。

世界テニスランキング 錦織選手 2014年9月 ATPランキング
錦織圭選手 世界テニス ランキング (ATP) 2014年9月


テニス選手世界ランキング

テニス部がある中学や高校も多くテニスが盛んな日本ですが、なかなか世界のトップ選手を作りだせなかった日本のテニス界。

でも、2014年9月にATPランキング200位に入る日本人選手は錦織選手を含めて7名。ようやく努力が実ってきました。

同じように2013年にイギリスのテニスの歴史を更新したアンディ・マレー。
イギリス人として77年振りのウィンブルドン選手権優勝を果たしました。

日本と同じように長い間トップ選手を出せなかったイギリスも、これからはテニス・ルネッサンス期が来るかとおもいきや。

ATPランキング200位に入るイギリス選手は12位のアンディ・マレーと117位のジェームス・ワード(James Ward)選手の2名のみ。(2014年9月現在)

イギリスのテニスクラブのコーチ曰く「アンディ・マレーの後を引き継ぐ世代がいない。」

その理由は「イギリスのジュニアプレイヤーはハングリー精神がない。」

スポーツを語る時必ず語られるハングリー精神

テニスとハングリー精神


イギリスのテニス界は何年もジュニア選手のハングリー精神のなさを伝えてきました。

アンディ・マレーが出てくるまで英国テニス界のトッププレイヤーだったティム・ヘンマン(Tim Henman)氏、そして全米オープンで準決勝し、現在、英国のトップジュニアプレイヤーのコーチをしているグレッグ・ルゼツキー(Greg Rodeski)氏も同じようにイギリスの子供達のハングリー精神の足りなさを嘆いていました。

テニスが好きで上手い子はいるんだけど。。。
息子がイギリスに引っ越してから入ったテニスクラブでも国内ジュニアランキング上位に入る子がいたり、アメリカの大学や国内の有名校へテニス奨学で入学したりする先輩もいたり、クラブハウスに住んでいるのかと思うくらい四六時中テニスクラブで練習を頑張っている子もいるのですが。。。

日本のジュニアテニスはどうなのかな?
ハングリー精神というと日本で出会った息子と同年代のテニス少年を思い出します。

日本で出会ったジュニア選手

小学校1年生から息子が不登校になり、父親は毎朝のように近くの公園へテニスの練習に連れて行ってました。

ある日、そんな親子に声をかけてくれた方がいました。 「同じ年でテニスの上手い子がいるから一緒に練習したら?」

その方は、僕も公園にテニスの練習に来ていたら毎日壁打ちの練習している小さい子がいたから、思わず声をかけるようになりましたと話してくれました。

息子のように親に連れられて公園でテニスをしている子は見かけますが、小学生でテニスの練習に1人で来ているの?と思った私達。

いたんですね。毎日のように1人で壁打ちに来ている8歳の男の子。

最初は練習相手として息子もラリーをしたりと役立てたわけですが、ゲームになるとこのテニス少年のテニスへの熱い思いにあっという間にポイントが引き離されてしまいます。

 ある日、息子と二人でゲームをしていた時、サーブが上手く入らなかったのでしょう。泣きそうな顔で打ち込む彼。

彼は息子から圧倒的にポイントを取って勝っているのに、涙目でサーブを打ち込んできます。

サーブが決まっても、次もファーストサーブが入らないと悔し涙が出てくるみたい。涙を吹きながらプレイをします。

コートの反対側に立っている息子は関係ないのだなと思いました。

 「君は自分自身と戦っているのね。」

息子が球を拾って返したり、ラリーが続くと彼のボルテージは更に上がります。

彼が打った最後の1球は『テニスの王子様』ごとく。

息子の後ろで見ていた私には、彼の小さな身体から発される思いがボールに乗り移ったように見えました。

「最後の1球すごかったね。本当に飛んできたボールが燃えてるように見えたよ。」

 終わった後に、コートから出てくる息子に声をかけると、 「それをネットの反対側で受ける身にもなってみてよ。」という情けない返事。

 知り合ってからしばらくしたら、いつも練習をしていた公園のテニスコートが閉鎖されてしまいました。

テニスの練習どうしているのかな?と思ったら、別の公園で壁打ちを続けていました。

 でも、その公園にはテニスの壁打ちができるような場所はないはず?

なんと、公園の階段の手すりがついている2メートルにも満たない高さのコンクリートを利用していました。 当てる場所が少しでも外れたらボールは返ってきません。

 壁なき壁での壁打ちの練習。

ラケットを見せてもらったら白いグリップには、幾つものしみがついていました。手が切れて血がグリップに。毎日練習しているから手の傷が治る間もないのね。
『巨人の星』の星飛雄馬を彷彿させる。。。

日本のテニス界にはハングリー精神のある世代が続きます。

ジュニア選手世界ランキングと英国テニス界の模索

 ジュニアテニスの国際ランキングである国際テニス連盟ITF(International Tennis Federation)によるとトップ100位に入る日本のジュニア選手は現在10位の中川直樹君を含めて6名。

それに比べて、トップ100位に入るイギリスのジュニア選手は2名だけ。(2014年9月22日現在)

 英国テニス協会(LTA)はこの夏2014年8月に選抜ジュニア選手を一か所に集めて特訓していたナショナルテニスセンター(NTC) のプログラムの変更を公表しました。

このNTCテニスセンターは英国テニス協会が2007年に4000万ポンドを投入して築いたエリートジュニア選手の全国一の特訓拠点でした。多種のサーフェイスを持つ22面のコートに選手の宿舎からジムやプール、スポーツ医療やセラピー施設を備えています。LTAの本境地でもあるこのセンターも利用方法の変更を余儀なくされました。

NTCでトレーニングしていたジュニア達は、これからは自宅から近い全国22ヶ所にあるハイパフォーマンスセンターで練習する事になります。来年2015年からこれらのローカルトレーニングセンターへの支援が強化されるようになるかも。でも、まだまだ新しいプログラムの内容はわかりません。

イギリスのテニス界はアンディ・マレーに続くテニス選手の育成を模索しています。

 国内ジュニアランキング上位に入る息子の先輩は高校生。

「国内でトップになったところで、同じレベル、同じ年齢の子はみんな海外遠征をしていて、イギリス国内で試合してない。」

「海外遠征に行く費用は全部ジュニア選手持ち。国内でトップになってから国際舞台へ移るのが大変。」と悩むこのジュニア選手のお母様。

世界を目指して


世界4大テニス大会のグランドスラム大会での決勝戦で活躍するアンディ・マレーや錦織選手の姿をライプで見れらる今のイギリスや日本の子供達は本当にラッキー。世界のテニス大会への夢が近く感じられます。

 ATPホームページにはランキング1・2位のジェコビッチやフェデラーでなく錦織圭選手とマレー選手の写真が使用されている
男子テニスプロ協会のホームページ
ランキング1・2位のジェコビッチやフェデラーの写真でなく錦織選手とマレー選手の写真が。。。

 「いつか錦織選手のようになりたい。」と言っていた息子のテニス友達。

それを聞いて「錦織選手を負かす。」と言った我が息子。

「その意気だぞ。」と友達のお父さんに褒められた息子ですが、「たぶん。無理だけど。」と慌てて訂正した我が息子。

 ああ。。君は本当にハングリー精神がない。。。

息子がイギリスに引越す時に彼と交わしたプレゼントはテニスボールでした。

いつかウィンブルドンでプレイしたい。

世界のテニス大会で活躍する日を夢見て。 がんばれジュニア選手達。




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 参照:
国際テニス連盟 ITF ジュニアランキングhttp://www.itftennis.com/juniors/rankings/player-rankings.aspx
ATPランキング (Association of Tennis Professionals)
http://www.atpworldtour.com/Rankings/Rankings-Home.aspx
BBC 2014年8月23日 "Great Britain elite to be relocated from National Tennis Centre"
 The Telegraph 2014年8月23日 “LTA scraps £40m National Tennis Centre at Roehampton seven years after it opened”
The Telegraph 2013年4月3日"Greg Rusedski blames juniors' lack of hunger, not Roger Draper, for GB failings” 


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