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日本と英国を行き来する2人のバイリンガルキッズの母。ロンドンで生まれた子供たちを連れて日本へ。横浜で英語で創作絵本を作るキッズ・クリエイティブ・ライティングの教室を開き、英語の絵本の出版。小学校で不登校になった息子を連れて、またまた英国へ。イギリスの自然と息子のテニス・トーナメントの応援と野菜作りを楽しむ日々を過ごしていましたが、社会人学生として大学に入学。

2014年9月30日火曜日

校長室登校 3  校長先生との勉強会

成功した校長室登校

小学校1年の時に、不登校生になった息子のもとを訪ねて「息子さんは向学心があるから、勉強をする為だったら学校に来られるはず。」と力強い言葉をかけてくれた校長先生。

「勉強はどこでもできます。私が時間を作るので、連れて来てください。校長室で一緒に勉強します。」という校長先生の言葉で始まった息子の校長室登校。 

初めての校長室登校が成功して、息子は週に1回ほど校長室を訪れるようになりました。

校長先生との勉強会


校長室での1回目の勉強は砂鉄を集めることでした。

集めた砂鉄を使って磁石の仕組みを考える。宝探しとクイズが交わったみたいな授業に息子に息子は飛びつきました。

家に帰って、校長先生からもらった磁石を使って、紙の上に持って返ってきた砂鉄でいろんな模様を作り見せてくれたりしました。

「これ、3年生の時にやったことある。」という上級生の姉も交えての磁場の勉強は盛り上がりました。

それから、しばらく磁石と砂鉄が彼の注目アイテムでした。

「もっと砂鉄が探せるかな?」
「家の庭で砂鉄が取れるかな?」
「学校の砂場でもっと砂鉄が取りたいな。」

学校へ行く不安はなくならないけど、学校に行ったら面白いことができる。

息子が不安を乗り越えられる唯一の理由でした。 

学校の砂場で蹉跌を集めよう 砂鉄の集め方 NHK
イメージ:NHK 砂鉄の集め方


それからも校長先生との面白い授業は続きました。

「今日はペットボトルを使ってロケットを作ってみました。これはこの間理科クラブでやった実験なのですよ。」
 校長先生との週に1回のこんな会話は、学校で他の児童がどんなことを学習しているのかがわかり、学校というものがだんだん遠く感じ始めた不登校生の母には、学校が少し身近に思える時でした。

そのうちに、校長先生は、理科の実験に興味をもった息子を連れて高学年の理科の授業に参加したり。

 「今日は校長室でこの実験をしようと思っていたら、5年生も同じ実験をやると聞いて、二人で5年生の授業に参加しました。」と聞いてびっくりした母。

校長室に行くまでに他の生徒に会うのでさえ怖がっていた息子が、上級生の授業に参加して大丈夫だったのか。しかし、年上のお兄さんやお姉さんに優しく接してもらえた息子はまんざらでもなさそうでした。

むしろ息子にとって、大人みたいに言葉を選び論理的に説明してくれる5年生はとても接しやすかったのでした。

「彼の興味のある事を勉強して行きましょう。」という校長先生の授業は、学年別の横割りの学習指導要領とは違うものでした。

校長室登校がくれたもの


 「2年生だからこう習わなくちゃいけないということはない。興味があって理解できるのであれば上級生に混じって勉強すればいい。」

漢字を読んだり、5年生の理科の実験を楽しめるのに、ひらがなを書くのもままならない、簡単な足し算も苦手な息子を理解して、彼に合う学習内容と勉強方法を提供してくれた校長先生。

 教科書に沿ったクラスでの勉強とはかけ離れていましたが、週1回の校長室での学習は、義務教育の学習内容をよく理解している先生によりガイダンスされたものでした。

 同級生と同じ様に勉強できなくても、たとえ全部の教科の勉強をできなくとも、義務教育で習うべき知識を息子は毎週習得しているという安心感を少しは感じることができた私。


それでも、息子は相変わらず字を書くのは苦手。家で宿題もできません。

そして、校長室登校は順調に進みましたが、相変わらず学校への不安はなくなりませんでした。

クラスでの授業には全く参加できないまま、こうして校長先生と息子の勉強会は、校長先生が転勤される3年生の終わりまで続くのでした。




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砂鉄の集め方 NHK

科学旅育センター 
磁場の観察
http://cse.osaka-kyoiku.ac.jp/kyozai/elementaly_school/field.html

2 件のコメント:

  1. しっかり子供に寄り添っている大人の姿って素敵ですよね!校長先生との出会いは何物にも代えがたいですよね。。お母さん何にも聞いてないじゃん?!と先日息子に言われて、私は、コンピューターの画面に向かって居る所。子供は学校から帰ってきて何か話しているんだけど、半分しか聞いていない私、、、。ちょっと大きくなっても、話は聞いてあげようと反省です。

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    1. いつもコメントありがとうございます。素敵な方々との出会いがあったことで、不登校時代でも少し幸せが見えました。このブログはそういう出会いへの感謝の気持ちです。寄り添うっていうのは簡単なようで難しいですよね。私もよく反省しています。

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