書かない漢字の勉強法
不登校生になり初めて校長先生の家庭訪問があった時、短い時間で息子のことを理解してくれた校長先生。校長室で校長先生との息子の二人だけの勉強会が行われるようになってすぐに息子が字を書くのが苦手な事に気がついた先生。
「でも、漢字に興味がありますね。」と、またまた息子のできる部分を見つけてくれました。
ひらがなで自分の名前を書くのも苦手な息子。字を書くのにすごく時間がかかります。
鉛筆を握りしめたまま、机の上の白い紙を睨み続ける息子。
不登校性になってから宿題の紙に名前を書くところで断念する親子でした。
でも、字を読むのは苦にならないみたいです。漢字も読むのは大好き。
難しい漢字もシンボルやアイコンみたいに見えるみたいです。
「これなんて読むんだろう?」息子の興味をそそります。
これに目を付けた校長先生は息子にあった面白い漢字の勉強法を考えてくれました。
それは、つくり・へん等の部首を覚えることでした。
『部首の名前を覚えて、組み合わることで漢字を表現できたら』という発想でした。
「いち」から「おおいかんむり」までの100の部首のカードを作る作業を校長先生と何週間もかけて行なった息子。
校長先生が用意しておいてくれた部首の紙をはさみで切って台紙に張って、裏にはその部首で作られている漢字のリストを貼る。お手本のカードができたら、それを見ながら、部首を書いて裏にはその読みを書いたカードを作る。
字を書くのが苦手な息子でしたが、簡単なつくりやへんならなんとか書けそう。
簡単そうな作業ですが、だんだんと部首の形も複雑になっていきます。時間をかけて少しづつ少しづつ作業が続いていきました。
100枚の部首カード |
そのうちに「あの○○っていう漢字は、『○へん』と『あくび』を合わせるんだよ。」とか漢字を口頭で説明してくれるようになった息子。
「あくび?」
「さんずい」や「うかんむり」や「にんべん」とかはさすがに覚えていますが、「ひらび」とか「ひき」とかいわれても全く形が頭に浮かんでこない母でした。
家でも辞書や本で習ってきた部首を探したり、「この漢字は『いちじゅう』を組み合わせるんだね。」と息子の漢字や語彙力は増えていくのでした。
同じ漢字を何度も何度も書いて身体で覚えていくという勉強を小学生の時にした私には、この全く字を書かずにどんどん漢字を覚えていく息子に不思議さを感じました。
こうやって息子は、パズルのパーツを組み立てるように頭の中で漢字を覚えていったのでした。
そして、この漢字や語彙力があったことで、息子はイギリスに引っ越してから受けたGCSEの日本語の試験に合格できたのでした。
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