正解のない宿題
海外からの転校生ということでイギリスの小学校で宿題が免除になった息子。転校してから何週間が過ぎ、5年生もあとわずかで終わりです。
学年末を目の前に、いよいよ息子にも宿題がでるようになりました。
息子に出された最初の宿題は作文。
「小学校6年生になるにあたり自分の抱負を書きなさい。」
いきなりのハードルが高くなりました。
英語のタイトルの直訳は 「9月から最終学年になるにあたり、どんな6年生になりたいか。」
題名が難しいが優しいかは関係ありません。
正解のない質問
英語で言うとオープン・クエスチョン(Open Question)というのでしょうか。
作文みたいに自分の気持ちや考えを書きなさいという問題は、息子には目茶苦茶ハードルが高いのです。
無制限に答えがある分、何を求められているのか考えすぎて固まってしまう息子。
「自分が思ったように好きなこと書けばいいのよ。」と大人はアドバイスしますが、
「僕はどう答えたらいいの。どんな答えを求められているの。正解は何?」と悩む息子。
宿題の紙を前にもんもんとして座っている息子
今回は鉛筆も手にできず、何も起こらない時間がまた長く続いていきます。
先生、なんで足し算とか引き算とか正解がはっきりしている算数の計算とかを宿題にしてくれなかったのかしら。。。 ため息のでる母でした。
いちたすいちの答えは |
答えのだせない宿題
正式な不登校生になってから数ヶ月、2年生も半分を過ぎた頃「僕、宿題してみようかな。算数の足し算だったらできそう。」と突然言い出した息子。
家の机の引き出しにたんまりたまっていた学校からの宿題。
その中から簡単そうな問題を選びます。
二けたの足し算は難しすぎてだめ。
一けたの足し算なら。。。
「1+1= 」という問題がありました。
足し算の基礎。
この問題ならいくら小学校1年生から不登校になった息子でも絶対とけると母は確信します。
他の問題をじーっと見ている息子に「この問題なら簡単じゃない。」と提案してみます。
じーっと問題を見ながら考えている息子。
止まってしまった時間に待ちきれず母は思わず教えようとします。
1年の時、習ったように数字の上に丸を書いて、ほら丸が一個と一個でいくつ?
「わかんないなぁ。」という息子の返答に、
「答えは2でしょ。」待ちきれなくて思わず答えをいってしまう母でした。
「答えは2かなぁ?3の可能性はないのかなぁ?答えは絶対3じゃないって言えるのかなぁ?」
『えっ?』そう聞かれると、どう答えたらいいか急に困る母。
「まぁ、小学校の算数では1たす1は2でいいんじゃない。」と宿題を早く進めたい母は答えを書くことを促すのですが。
「うーん、僕にはわからないということで答えはゼロと書いておこう。」 と答えの欄に数字の0を書いた息子。
1+ 1=0
『ひぇ~。どうしてそうなっちゃうの。』
久しぶりに書いた数字。0がきれいに丸く書けません。片側がへこんでえくぼのような丸。
「うーん、なんだかうまく書けなかったなぁ。消しちゃおう。」と消しゴムに手をやる息子。
息子が鉛筆を持って数字を書く姿を見たのは何ヶ月ぶり。
『せっかく書いたのにもったいない。』
答えが間違っていることは関係ありません。
宿題をやったことが大きな進歩。
消されないように慌てて宿題の紙をかばいますが、時すでに遅し。うすくなった少しゆがんだゼロの数字を恨めしそうにみつめる母でした。
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